SS保存場所(けいおん!) TOP  >  SFホラー >  律「そういや…もうすぐ唯の命日だったな…」#前編

お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






律「そういや…もうすぐ唯の命日だったな…」#前編 【SFホラー】


http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1282391795/

律「そういや…もうすぐ唯の命日だったな…」#前編
律「そういや…もうすぐ唯の命日だったな…」#後編




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 20:56:35.14 ID:9SYRm8HO0


2015年、10月17日―。


都内のK大学



田井中律は、桜ケ丘高校を卒業し、1年浪人してこのK大学に入学した。

しかし、面倒くさがりな性格からか学校をサボりがちで単位を取り損ねてしまった。

1年浪人、1年留年。という形で律はこのK大学にいまだに在学中である。


いつもの自販機で80円のカップ紅茶を買う。

そしていつものベンチに座り、周りの生徒たちを観察しながら紅茶を口にする。

律「むぎの紅茶、また飲みてぇなぁ…」

5年前、軽音楽部の5人でお茶をしていたあの頃を思い出して、律は苦笑した。

律「もうすぐ…5年か…」

律「そういや…もうすぐ唯の命日だったな…」

2010年、10月19日……

平沢唯は死んだ―。





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 20:58:31.21 ID:9SYRm8HO0

2010年、10月19日

今日は桜ケ丘女子高の文化祭の日。

軽音楽部の出し物はもちろんライブ演奏である。

部長でドラムの田井中律、ベースの秋山澪、
キーボード琴吹紬、リズムギター、1年後輩の中野梓。

そして、リードギター&ボーカル平沢唯。

文化祭の日の朝のことだった。

HRが終わった3-2の教室で3人は話していた。

澪「ったく唯の奴、昨日遅刻するなって言ったのに…。
  今日はみんな空き時間がかぶってるから少し練習したかったけど…」

律「ま、唯の事だ。また寝坊でもしたんだろ」

紬「まぁ、ライブは13時半からだから…。後でメールしてみるわ」

澪「うん…そうだな。」

しかし、唯からのメールの返信はなかった。

時間はもう10時。何かあったのか心配になった3人は
唯の妹の憂に聞いてみようと1学年下の2-1の教室に顔を出した。

律「こんにちわーっと、」

梓「あっ、律先輩」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 20:59:19.22 ID:9SYRm8HO0

律「おっ梓、憂ちゃんは?」

梓「憂、まだ来てないんですよ…めずらしく遅刻かな…」

律「えっ?」

梓「唯先輩からなにか聞いてないですか?」

澪「そっそれが…唯も来てないんだ…」

梓「えっ?唯先輩もっ!?」

紬「それで憂ちゃんが何か知らないかなと思って聞きに来たの」

梓「そ…そうだったんですか…」

律「どういうことだ…」

梓「ちょ、ライブ…どうするんですか?唯先輩とは連絡取れたんですか?」

紬「それが…さっき電話もかけてみたんだけど電源が入ってないみたいで…」

梓「そんな…何かあったんですかね…私も憂に電話してみますっ」

澪「頼む梓。私たちは職員室に行ってさわ子先生に聞いてみよう。
  学校に連絡が行ってるかもしれない」

律「そうだな。」

急いで3人は教室を出た。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:01:09.37 ID:9SYRm8HO0

2010年、10月19日

08:05

いつもの通学路、唯と憂は2人並んで歩いていた。

今日は珍しく唯が早起きをしたため2人で余裕を持って家を出ることができた。


憂「お姉ちゃん、今日ライブ頑張ってね!」

唯「ありがと憂~今日は新曲披露なんだよ~」

憂「お姉ちゃん家でもたくさん練習してたもんね!楽しみだな♪」


いつもしているような雑談を繰り広げながら2人はいつも必ず通る大きな交差点に差し掛かった。

今日は運が良かった。学校までにいくつかある信号機、雨の日は必ずと言っていいほど引っかかる。

別に今日は雨の日ではないが1回も赤信号に引っかかることなく

この大きな交差点の横断歩道に差し掛かった。

勿論、運は良く青信号。歩くスピードを落とすことなく横断歩道を横断した。

ちょうど横断歩道の真ん中に差し掛かった時。それは起きた。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:02:18.37 ID:9SYRm8HO0

グオ――――――ッッ!!
ぼんっ!!


物凄い音とともに、憂の左隣にいた唯が消えた。



キキイイイイィィィッッ!!!ガシャ――――ン!!プ―――――――――――――――――



憂「えっ?」



割り込むように1台の乗用車が唯と入れ替わりで憂の左隣に入ってきた。

そして憂は左腕の感覚がないことに気付く。

憂はようやく状況を把握した。



憂「お姉ちゃんッッ!!お姉ちゃんッッ!!!」




ピーポーピーポーピーポー



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:03:39.35 ID:9SYRm8HO0

憂「お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!!大丈夫!?しっかりしてお姉ちゃん!!」

医師「ほら、君も大人しくしていなさい!左手が折れているんだよ」

憂「そんな…っ!私の怪我よりお姉ちゃんがっ!!」

医師「最善の努力はします。後の事は私たちに任せて、君は早く自分の治療を―」

憂「ううっ…お姉ちゃん…っ」


―手術中―


刑事「時速50kmですか…?」

警部「ああ。登校中の女子高生の真後ろから直撃だったそうだ…」

刑事「そんな…その女子高生は…?」

警部「後ろからまともに跳ねられたらしいからな…助かるかどうか…今、治療中だそうだ…」

刑事「そうですか…。運転手のほうは…?」

警部「運転手も重症だそうだ」

刑事「そうですか…無事だと…いいですね」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:04:24.19 ID:9SYRm8HO0

同日
10:40

律、澪、紬の3人は小走りで1階の職員室に向かった。

この時、この3人は唯と憂がこんな状況になっているなど思ってもいなかった。

コンコン

律「失礼しまーす。さーわこ先生っ…え…」

職員室、入ってすぐ左手のさわ子のデスク。

さわ子はなにやら電話で誰かと話しているようだった。

澪「電話中だ…ちょっと待ってよう」

律「うん…」

1分くらい待つとさわ子は受話器を置いた。

律「さわちゃん!」

さわ子「りっちゃん…あなたたち…」

律「どしたの?なんか急用?」

さわ子「あっいや…」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:05:34.19 ID:9SYRm8HO0


律「そんなことよりさわちゃん、
  唯と憂ちゃんがまだ登校してきてないんだ。学校に連絡来てる?」

さわ子「……」

澪「さわ子先生…?」

さわ子の表情に、3人は戸惑いを見せる。
何かあったのか

律「えっ?……どうしたんだよ…さわちゃん」

さわ子「ちょっと、来て―」

そう言うとさわ子は3人を職員室の外に連れ出した。

今日は文化祭で各階にはいろいろな飾りやポスターが飾ってあったが、

この1階だけはいつもと変わらない。

各クラスの出し物の宣伝ポスターがちらほら貼ってあるくらいだろうか。

さわ子「あなたたちにだけ…特別に言うけど…」

律「何?」

さわ子「唯ちゃんと憂ちゃん…今朝、交通事故にあったの。いま病院よ」

一同「…えっ?」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:06:48.02 ID:9SYRm8HO0

3人は耳を疑った。

交通事故だって…?

唯と憂が?


律「えっ?ちょっ…それ本当なのか!?」

さわ子「ええ、今治療中だそうよ」

澪「そっそんな…」

紬「そっそれでっ!よ…様態の方は…?」

さわ子「そこまではまだ…」

この時、実はさわ子は知らされていた。2人とも「重症」だと。

特に唯の方が大変危険な状態だということが。

あえて言わなかったのだ。この3人の事だから学校などそっちのけで病院に駆けつけかねない。

しかし―。

律「さわちゃん、病院どこ!?」

さわ子「えっ!?駄目よ。教えられないわ。あなたたち一応文化祭とはいえ授業中なのよ?」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:07:56.62 ID:9SYRm8HO0

律「そんな…」

澪「2人は無事なんですか!?」

さわ子「本当にまだ詳しい情報が入ってきてないのよ。」

律「あたしらが病院行って確認してくる!中央総合病院?」

さわ子「駄目よ!!ほら、クラスの出し物の準備始めなさい。」

紬「こんな状況で文化祭の事なんか考えてられませんっ!」

さわ子「・・・」

紬「教えてください…先生…」

さわ子は紬の今にも泣き出しそうな声を聞いて、仕方ないわねという表情で口を開いた。

さわ子「……中央総合病院よ。自分たちのライブの時間までには帰ってきなさいよ。」

律「さわちゃん…」

さわ子「絶対よ。帰ってきなさいよ。約束だからね!」

一同「はい!!」

さわ子「このことは絶対に他言しないこと。あなたたちに特別に言ったんだからね」

律「うん。わかった。ありがとさわちゃん!よし、行くぞっ!」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:08:53.56 ID:9SYRm8HO0

3人は走った。教室を出て病院に向かって全力で走った。

一番足の速い律が2番手に付けている紬を2、30m近く離し、

学校を出てから1番最初の交差点に差し掛かった。

律「はぁ、はぁ…どこだっけ!?中央病院」

澪「まっすぐ!ずっとまっすぐだ!」

遠くから聞こえた澪の声を聞き、律はまた走り出す。

律(唯…憂ちゃん……無事だよな…?頼む無事でいてくれ…っ!)




11:10

―桜が丘中央総合病院―


1度も止まることなく律は病院にたどり着いた。

体育の授業でたまにある地獄の持久走の時はいつもサボりがちで

何周走ったか誤魔化すくらいだったが、今日は走った。

律「はぁっはぁ…着いた…どこだ…どこに行けばいいんだ…?」

紬「りっちゃんっ!…はぁはぁ…」

2、30秒遅れで紬が病院に到着した。澪はまだのようだ。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:10:09.02 ID:9SYRm8HO0

律「これ、どこに行きゃいいんだ?」

紬「受付の人に聞いてみましょう…」

病院はさほど混んではいなかった。受付のカウンターの前は誰もいなかった。

律「あのっ!」

受付「はい?」

律「今朝、交通事故でっ…女子高生2人が運ばれたと思うんですけど…っ!」

受付「少々お待ち下さい」

ここでようやく澪が到着した。

澪「はあ……はぁ…律…どうだった!?」

律「まだわかんない…」

受付「えーとですね…そちら左手の通路をまっすぐ進んで頂いて、
   階段を1つ降りて、右に進んで頂いて、
   突き当たりの手術室の方でただいま治療中ですね」

律「ありがとうございます!!行くぞっ!!」

病院なのでさすがに走ってはまずいと思ったのか、律は早歩きで階段に向かう。

律「階段降りてどっちだっけ?」

紬「右の突き当たりよ」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:11:44.53 ID:9SYRm8HO0

3人は階段を下りて右に曲がった。

律「あれ…?誰かいるぞ…」

そこには1人の女性が座っていた。年齢は40歳くらいだろうか。

女「あっ…」

律「ど…どうも」

3人は軽く会釈をした。

女「あの…桜高の…?あの…唯の」

律「あっ!ハイ。あのっ唯ちゃんのお母さん…ですか…?」

ほんわかとした、どこからか唯を想像させるような顔立ちに、律は唯の母親だと気付いた。

3人は、唯の家には何度も行ったことはあるが、

唯の母親に会ったことはなかったため、すぐには気付かなかった。

唯母「はい。いつも唯がお世話になっております。あの…軽音楽部の…」

律「はい、学校で聞いて…それで…」

唯母「ありがとうございます…っ」

紬「あ、あの、唯ちゃんは…?」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:12:51.68 ID:9SYRm8HO0

唯母「今、治療中なんです…それが、すごく重症だそうで…うっ…」

律「重症!?そ…そんな…」

澪「あの…憂ちゃんの方は…?」

唯母「憂は大丈夫です。腕を骨折しただけで済みました…でもっ…唯がっ…ううっ…」

一同「・・・」

一呼吸置いて唯の母は重い口を開いた。

唯母「もう…助からないかも…って…」

「えっ?」

そんな…嘘だ。

昨日までいつも通り放課後部室でお茶してお菓子食べて練習して

いつもの交差点でバイバイって別れて…また明日ねって…

それで…

唯母「ううううっうっ…うっ…」

唯の母親が、もう叫びたいほどに涙を流しているのを見て、3人は固まってしまった。

これは夢じゃない。これは現実なんだ。夢であって欲しかった…。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:14:40.46 ID:9SYRm8HO0

11:45

カッ!!

手術室の上にある手術中のランプが消えた。

こんなシーン、ドラマでしか見ることがないものだと思っていた。

一同「!!」

手術室のドアが開く。

唯母「先生っ!!」

医師「申し訳ありません…最善の努力はしました。」

血の気が引いた。心臓が大きく動いた。


医師「11時20分…ご臨終です…。」


唯の母親はその場に膝から崩れ落ちた。

律「そんな…嘘だろ…?」

澪「嘘だ……」

紬「唯ちゃん…嘘…」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:15:21.29 ID:9SYRm8HO0

律「おいっ!!嘘だろ!!嘘って言ってくれ!!唯は!!唯が死んだなんて嘘だ!!」

律は医師の服を掴みながら叫んだ。

律「何でですか!!なんで助からなかったんですか!!!
  ちゃんと…っ!!ちゃんと手術したのかよおぉッ!!!」

澪「やめろ律っ!!」

制止に入った澪の目からは涙がこぼれていた。

紬は唯の母親を体で支えて起こしてあげた。

律「そんなっ…唯っ!!うわああああああああああん」

律は声に出して泣き崩れた。

医師「申し訳ありません…」


・・・・・・・・・・・・・・



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:17:42.06 ID:9SYRm8HO0

4時限目の授業を終えた律は、教室を出て帰るところだった。

律「………雨かよ」

外は結構な雨だった。

律「くっそ、傘持ってきてないぞ…。仕方ない、やみそうにないし売店で買うか…」

仕方なく売店で傘を買ったが、500円の出費。

アルバイトの給料日前の律には無駄な痛い出費だった。

そして、値段の割に大きいビニール傘を広げ駅に向かった。

電車に20分ほど揺られ、地元の桜が丘駅に到着。
改札を出て外に出ると、もう雨など降っていなかった。

律「……」

空には大きな虹がかかっていた。

律「ちっ今日はついてないな……にしてもでっけぇ虹だ。綺麗だなぁ。
  この大きな虹を500円払って見たと考えれば………安くねぇ」

はぁとため息をこぼし、家に向かって歩き出した。
途中でコンビニに寄って、いつも買っているお気に入りのスナック菓子を買って帰った。

律「ただいまー…って誰もいないか」

両親は共働きで、母親はホームヘルパーの仕事をしている。
そのためいつも夕方の5時ごろ帰宅する。
父親はごく普通のサラリーマンで、いつも夕飯時の7時過ぎに帰ってくる。
弟の聡は桜が丘から少し離れた私立の男子高に入学。今年は大学受験で勉強に励んでいるが、
この時期はまだ部活があるので、帰りはいつも6時過ぎだった。
そのためこの時間、家には律1人しかいない。



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:19:24.26 ID:9SYRm8HO0

律「あーあ、疲れた。」

今日は週3日のアルバイトも休みで、この後は何も予定がない。
だいたいこういう時は家に帰ってゲームをしていることが多いのだ。
今日もその予定でお菓子を買って帰った。

律は高校を卒業してからアルバイトを始めた。
大学受験で志望校のK大学にできず、大学進学の道を諦めた。
しかし、このままフリーターをだらだら続けるのはまずいと思い、改めて大学進学を目指した。
なぜ、こんな風に思ったのか律自身もわからない。とにかく、まずいと思ったのだ。

軽音部で一緒だった澪はJ大学に進学。紬は第一志望だったT女子大に入学。
生徒会長だった和は高校を卒業して、名門のS大学に進学したが、
途中で進路変更し、イギリスのG大学に留学した。

唯がいたら、唯の進路はどうなっていただろうと律は何度も考えたことがあった。
集中してやればなんでもできる天才肌の唯のことだ。
きっと志望校に進学していただろうなと、考えては毎回苦笑していた。

そして1年間アルバイトをしながら大学進学に向けて勉強した。
1年浪人したので、結果的に同じ軽音部だった1年後輩の梓と同じ時期に大学に入学という形になった。

この1年間は梓も受験生ということもあり、2人で図書館等で勉強会をすることも多々あった。
このとき後輩ながら梓に勉強を教えてもらったり、
既に進学した澪や紬に勉強を見てもらったりと色々世話になっていた。

1年間の勉強の甲斐あってか、無事に律と梓は志望校に入学することができた。

そして、1年は留年したものの、無事今年は卒業できそうだった。



今日も1日のノルマを終えた律は、ベッドに横になりあの日の事を思い出していた。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:20:47.62 ID:9SYRm8HO0

―桜が丘中央総合病院―

霊安室―。

唯の母親が、唯の顔にかかった布をそっと取ると、見慣れない唯の顔がそこにはあった。
肌は、健康的な肌色ではなく、もう真っ白になってなっていた。

こうして死んだ人間をまともに見るのは始めてだったが、
生きている人間の肌の色ではないとすぐにわかった。

そんな真っ白になった唯の顔を見た瞬間、
律、澪、紬の3人はまた堪え切れない涙がこみ上げてきた。
もう立っていられなくなって、3人はその場に崩れ落ちた。

律「ううううっあっ……ゆい…うっ…」

澪「唯…ふぇっ…ゆいいいいい」

紬「唯ちゃん…ゆいちゃん…」

律「なんでだよっ…なんで唯がこんな目に合わなくちゃいけないんだよおおおおおおおっ!!!」



3人は線香をあげた後、あまりのショックからかしばらく立てずに霊安室の中にいた。
部屋の中は、泣き声と鼻をすする音だけ。誰も何も言えずに、ただ泣くことしかできなかった。
しかし、ここで律が口を開いた。

律「あれ…唯のお母さんは…?」

紬「さっきここを出て行ったわ。」

澪「憂ちゃんのところに行ったのかもしれない。それか親戚や学校に電話してるか…」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:22:14.52 ID:9SYRm8HO0

律「憂ちゃんのところにも行ってあげようぜ…」

紬「そうね…じゃあ、りっちゃんと澪ちゃん行って来てあげて」

澪「むぎは?」

紬「私はここで待ってるわ。唯ちゃん1人じゃかわいそうだから…」

律「そうだな。ありがとなむぎ。」

紬「ううん。」


律は受付で憂の病室を聞き、3階にある憂の病室へ向かった。

コンコン。

律「失礼します…憂ちゃ…」



憂「やめてえええっ!!離して!!!やめてやめてえっ!!」

律「!?」

澪「憂ちゃん!?」

そこには、暴れてる憂を唯の母親と看護婦2人が必死に押さえてる姿があった。

律「どっどうしたんですか!!」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:23:37.33 ID:9SYRm8HO0

唯母「憂がっ…!自殺するってっ!!」

澪「えっ!!」

律「憂ちゃん!!あたしだ!!律だ!!」

律は憂の肩に手を乗せ必死に呼びかけた。
澪も同様、憂の名前を叫んだ。

憂「律さん…澪さん…」

律「そうだよ。律と澪だ。」

憂「お姉ちゃんがっ…お姉ちゃんがああっっ!!!!
  私のせいなんです私があの時もっと注意してたらっ!!」

律「落ち着いて憂ちゃん…っ!」

憂「私が左側を歩いてればよかったんだっ!!
  私のせいっ!!嫌だ嫌だっ!!!死ぬっ!もう死ぬううううっ!!」

澪「憂ちゃん!憂ちゃんのせいじゃない!!」

律「自分を責めちゃ駄目だっ落ち着いて憂ちゃんっ!」

憂「いやああああああああああああああああ」

いつも礼儀正しくて、落ち着いた憂を見てきた
律と澪にとっては、憂のこんな姿を見るのは衝撃的だった。
無理もない。本当に心から愛していたたった1人の姉が、もうこの世にはいないのだから…
ここで取り乱さない方がどうかしてる。



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:25:17.71 ID:9SYRm8HO0

律「憂ちゃん…っ」

律はそっと憂を抱きしめ、耳元で囁いた。

律「駄目だ。死ぬなんて言ったら…」

憂「でもっ!お姉ちゃんがっ!!私のお姉ちゃんがっ!!私のせいで…っ!」

律「憂ちゃんのせいじゃないっ!」

憂「……」

律「今憂ちゃんが死んだら唯が一番悲しむぞっ!」

律「唯のためを思うなら…ここで死んだりなんかしちゃだめだっ」

憂「………うっ」

澪「憂ちゃん…」

憂「うわあああああああああああああああああああんわあああああああああん」

憂は律にしがみついて思いっきり声を出して泣き叫んだ。
律は、涙を必死に堪えた。



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:26:37.06 ID:9SYRm8HO0

・・・・・・・・・・・

律「月曜、みんなで墓参り行かなきゃ」

唯がこの世を去ってから今年で5年になるが、
この4年間、毎年唯の命日にはみんなでお墓参りに行っていた。
今年もそのつもりだ。

どうせ明後日の日曜辺りに澪か紬から連絡が来るだろうと思い、律はメールをするのをやめた。
そんな事を考えながら、机の上にある携帯電話から目を逸らそうとしたその時だった。




ヴー、ヴー、ヴー





律「噂をすればってか…?」

律はクスッと笑みをこぼし、携帯電話を手に取った。
しかし、携帯の画面を見た瞬間に、その笑みは一瞬にして消えた。

着信画面を見てみると、そこには…

 平沢 唯
 080 XXXX XXXX

律「えっ?」



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:28:55.64 ID:9SYRm8HO0

律は一瞬何が何だかわからなかった。
確かに、唯の電話番号とメールアドレスは消せずにまだ律の携帯に登録されたままだった。
しかし、おかしい。なぜ唯の携帯から着信が…?

恐る恐る、律は携帯電話の通話ボタンを押す。

そして、そっと右耳に携帯を当てる。

律「…もし…もし?」

?「……し…プッ……ぉし…ザザッ」

ノイズのせいで声が聞きとれない。

律「えっ?…もしもし??」

?「………しもし?」

律「もしもし?えっ?」

唯「もしもし?りっちゃん?ごめーん、なんか切れちゃった~」

律「えっ?」

唯「ほえ?どしたの?」

律「えっ……って……唯…?」

唯「ほーだよ?なに?どしたの?りっちゃん?」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:30:35.59 ID:9SYRm8HO0

背筋が凍りついた。それは確かに唯の声だった。
ほんわかとした、ちょっと間の抜けたような、どこか懐かしい、可愛らしい声―。

律「ちょっと待て、本当に唯なのか?」

唯「え~?なにそれ~?今まで電話してたじゃん」ブーブー

律「はっ!?えっ!?なんでだよ……」

唯「何が??りっちゃんおかしいよ?」

律「いや、待て。おかしいのはお前だ。」

唯「ひどい~!」

間違いない。この声は唯だ。律は確信した。
しかし、何故死んだはずの唯から電話が?一気に頭が混乱した。

律「唯、今どこにいるんだ?」

唯「え?今家だよ」

律「家?憂ちゃんは?」

唯「憂いるよー。なんで??」

律「えっ………………えっ!?」

唯「え?」



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:32:20.67 ID:9SYRm8HO0

憂は今、平沢家にはいない。
あの日憂は、一時的に平常心を取り戻したものの、精神的にも深い傷を負ってしまった。
複雑骨折のため入院していた憂はその入院中、
なんども自殺未遂を繰り返していたため、精神科で見てもらうことになった。

自殺に使えそうなものが近くにあると、
それを使ってどうにか死のうと何度も手首を切ったり、首を絞めたりしてしまう。
かなりの重症だった。

5年経って今はだいぶ元気を取り戻してきたが、自殺癖はまだ消えないらしい。
でも、今はリハビリ中で、病院の子たちとも仲良くなったようで憂の両親も安心していた。
律たちも、たまにお見舞いに行っている。
その時は昔のように普通に会話ができる程度にまで回復したが―


今平沢家に居るはずがないのだ。憂は今入院中。

それ以前の問題に、唯が居るのがおかしいわけだが。

心臓の鼓動が聞こえてくるくらい強く鳴っていた。

律「どういうことだ?」

唯「なになに??りっちゃんさっきからおかしいよ。さっきまで普通だったのに」

律「さっき?」

唯「さっきまでしゃべってたじゃん!記憶喪失になっちゃったのー?」

律「えっ?」

わけがわからなかった。
唯の言ってることが…いや、今話してる相手が唯なのかすらもわからない状況だ。
律は自分がおかしいのか?自分が夢を見ているのか?そう思った。



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:34:02.08 ID:9SYRm8HO0

唯「りっちゃん?」

律「さっきまであたしたちは何を話していたんだ?」

唯「えー?ほら、明日むぎちゃんがなんのお菓子持ってくるか当てっこしようって…」

律「むぎのお菓子…?」

唯「そんで、私が勝ったらりっちゃんの分ももらうからねーって」

律「唯…」

唯「ほえ?」

律「お前、今高校生なのか…?」

唯「何言ってんのりっちゃん。私たちはピチピチの女子高生じゃないかっ」

律「私たち…って…」

まさかとは思ったが、律は恐る恐るその唯とやらに訊いた。

律「唯……今、西暦何年…?何月何日だ?」

唯「それぐらいわかるよー!えーと…2010年だったかな…
  今日はーちょっと待って…えー10月17日だ!」

律「えっ?」

何を言ってるんだ?違う…今年は2015年だ。そして今日は10月17日、これは合っている。
明後日は唯の5回忌だから皆でお墓参りに……って、えっ?2010年?10月17日?唯が生きてる…?



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:36:38.07 ID:9SYRm8HO0

律「おいっ!」

唯「あわわ、なになに??」

律「今日は本当に2010年の10月17日なのかっ!?」

唯「えっ?ちょ…な、なんか不安になってきた…ちょっと待って」

唯『うーいー!!』

憂『なーにー?』

唯『今年って西暦何年ー?』

憂『2010年だよー!』

唯「ほれ!」フンス

律「憂ちゃんっ!?」

唯「ね!りっちゃん感覚おかしくなった?まさか本当に記憶喪失に―」

律「唯っ!!本当なんだな!!本当にお前は平沢唯なんだなっ!!」

唯「そうだよ?りっちゃん…?」

律「わかった。あたしはお前を信じるぞ…唯!」

唯「う…うん」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:37:50.23 ID:9SYRm8HO0

律「いいか唯、落ち着いてよーく聞いてくれ。」

唯「わかった!」

律「あたしは田井中律だ。」

唯「うん、知ってる!」

律「あたしは今、23歳だ。」

唯「………」

律「おい、聞いてるか?」

唯「…ぷっはははははははは!!」

律「笑うなっ!本当なんだっ!」

唯「やっぱり今日りっちゃんおかしー」

律「おかしくない!!あたしは今年の8月で23になった。今大学4年生だっ!」

唯「え?ちょっとりっちゃん…」

律「信じてくれ…っ!」

唯「……なんで?なんでりっちゃん、こないだまで18歳の高校生だったじゃん…」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:39:29.74 ID:9SYRm8HO0

律「違うんだ。今の唯は過去の唯…じゃなくて…あたしは今、過去の唯と話してる」

唯「えっ?過去の私?」

律「そうだ。そしてお前は今、未来の田井中律と話している」

唯「え?…意味がわからないよ…?」

律「だから、なんかわからないけど、過去の唯と………プッ……がってる……ザザッ……んだ」

唯「えっ?もしもし?りっちゃん!?」

律「…………過去…の………プッ」

ツーツーツー。

唯「切れちった……。変なのー。過去の私と、未来のりっちゃん…?」

唯も律の話を聞いて混乱していた。律の言っていることは本当だったのか…

考えてみると、不可解な点はいくつかあった。
まず、携帯の電波がないわけでもないのに突然切れた電話。
そして律の真剣な声。律があんな本気で冗談を言う人ではないことは唯も知っていた。
が、しかし未来の人間と会話をする。そんな漫画のような話がこの世にあるだろうか。

考えるのが苦手な唯は、もう深く考えるのはやめた。
きっと、律の冗談だろう。そう思うことにした。明日学校で聞けばいいのだ。

唯「うーいー、ご飯まだー?」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:41:44.13 ID:9SYRm8HO0

2015年 10月17日 16:00

律「もしもし!?もしもし唯っ!?くっそ…切れた…っ!」

軽く舌打ちをすると、もう一度着信履歴から先ほどかかってきた唯の番号の画面を開き、
祈る思いでコールボタンを押した。

プップップッ―。

律「頼む…っ!出てくれ唯っ」

『お客様がおかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになって―』

律「えっ!?」

顔面から冷や汗が吹き出してきた。
何故繋がらない?さっき確かにこの電話番号から…唯の電話番号からかかってきたはずなのに
律は耳を疑い、もう一度かけなおしてみる。

が、結果は同じ。繋がらない。

律「なんでだ!?確かにこの唯の番号からっ!」

携帯の画面を見てみると、

15/10/17  15:46
平沢 唯
080 XXXX XXXX

律「確かにさっきの履歴だ…なんなんだよコレ…どういうことなんだ…っ!?」



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:43:40.72 ID:9SYRm8HO0

2010年 10月18日

朝―

唯「おはおー…はぁはぁ」

律「おはよ。また走ってきたな」

紬「おはよー」

澪「おはよ、遅刻ギリギリだぞ」

和「おはよう。唯、また寝坊?」

唯「違うんだよ。昨日遅くまでTV見てて、
  寝るのが遅くなっちゃったの。それで朝起きれなかったんだよ」

律「それを寝坊と言うのだよ。」

和「まったく、憂も大変ね…」

さわ子「はーい、みんな席ついてー。ホームルーム始めまーす。」

唯「あわわわ」

さわ子「明日は文化祭です。みんな遅くまで残るのは構わないけど、最低下校時間までには―」

唯「(ん…?あれ?そういえば昨日りっちゃんおかしなこと言ってたよね…あれ?後で聞いてみようっと)」

唯「(未来から来たりっちゃん成人だー!星人じゃないぞ成人だ!とかなんとか。ぷぷっ変なのー)」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:45:24.36 ID:9SYRm8HO0

―放課後―

澪「唯ー!部室行くぞー」

唯「あーちょっと待って……ギー太を…よっと…よし!」

澪「もう律とむぎは行ってるみたいだから」

唯「うん!明日のために今日はむぎちゃんのお菓子食べてからたくさん練習しないとね!」

澪「どっちみちお菓子は食べるんだな…」

唯「(あれ?…りっちゃんに昨日のこと聞くの忘れてた…後で聞いてみよう…)」

―部室―

紬「今日のお菓子はシュークリームよー」

唯「おお!でかい!!これはうまい!!」

梓「まだ食べてないのに…」

唯「食べなくてもわかるんだよ!このサクサクしてそうな生地、そしてこのボリューム感!」

律「さー食べようぜー」

梓「明日は文化祭ですからね!食べ終わったらすぐ練習ですよ?」

唯「わーかってるよ~あずにゃ~ん」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:46:53.74 ID:9SYRm8HO0

唯「あー、そういえばさ、りっちゃん」

律「んー?何?」

唯「昨日さ、電話で―」

律「あー、そういえば…ごめんごめん、何回かかけなおしたんだけど繋がらなくてさ」

唯「え?」

律「また明日のお菓子の話だろうと思って、まあいっかって」

律「あ、そういえば2人とも予想外れたな。絶対今日はクッキー系が来ると思ったんだけどな~」

唯「違うよりっちゃん、その後の話だよ」

律「へ?その後って……だから電話が切れちゃって…
  んでかけなおしても繋がらなかったからって今―」

唯「え?私がかけ直したらりっちゃん出たじゃん。」

律「え?いつ」

唯「いや、その後すぐだよ」

律「何を言ってるんだい?君は?」

唯「あー!りっちゃんずるいー!!そうやって私を馬鹿者扱いするんだ!ぶーぶー」

律「いや待て待て、あたしは唯の言ってる事の意味がわからないぞ。
  昨日はあれで電話終わっただろ?」



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:48:47.61 ID:9SYRm8HO0

唯「えっ?」

律「唯、記憶がおかしくなってないか?夢でも見てたのか?」

唯「なっ!記憶喪失だったのはりっちゃんのほうじゃ~ん」

律「はい?」

唯「未来から来たー!とか言って」

律「いや、言ってない。」

澪「なにさっきから訳のわからないこと言ってるんだよ2人とも」

唯「違うんだよ澪ちゃん、りっちゃんが私は大学生で23歳になったんだとか言ってたんだよ」

澪「律、お前寝ぼけて電話取ったんじゃないか?」

律「いや、待てって、あたしはそんなこと……本当に言ったのか?」

唯「そうだよ。なんか昨日りっちゃんおかしかったよ?大丈夫?」

律「あーうん、大丈夫だけど…(あれー?おっかしーな…本当に記憶喪失になっちまったか?)」

梓「さあ、食べ終わったなら練習しますよー」

唯「えー!まだ食後の一服タイムが残ってるよ!」

梓「そんなおじさんみたいなこと言ってないで練習しますよ!」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:49:53.66 ID:9SYRm8HO0

唯「えー!!」

梓「みなさん先輩方にとっては最後の文化祭ですよ?必ず成功させましょう!」

紬「そうね!頑張りましょう!」

澪「そうだな!」

律「よーし、やるか……(なんかおかしいなぁ…)」

唯「むーん」

この時唯は、律がふざけて冗談を言ったものだと完全に思った。

律の記憶がおかしくなっているものだと思った。

しかし、

この時2人とも正常。

2人とも間違ったことは言っていない。

おかしいのは、昨日起きた、怪奇現象だった。


5人はいつも通り、音楽準備室で明日の文化祭に向けての練習を始めた。



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:54:10.61 ID:9SYRm8HO0

2015年 10月18日


律「くっそ…あれから何度も電話してるのに…繋がらない…っ!」

律「昨日のはいったい何だったって言うんだ!?確かに着信履歴も残ってる…っ」

昨日のこの不可解な出来事を1日中考えていた。
しかし、電話が繋がらない以上何をどうすることもできない。
昨日のアレは夢だったのではないか。
と考えるも、着信履歴を見れば夢じゃなかったことがわかる。

律「明日…明日なんだよ…っ!
  もし、本当に過去の…2010年10月17日の唯と電話が繋がっていたんだとすれば…」

律「教えてあげることができた…っ!のにっ!くそっ!!」

律「何故昨日言わなかったんだ…っ!文化祭の日の朝は気をつけろって…くそっ!!!」

激しく後悔した。
しかし、改めて考えてみると…

律「待てよ…。仮に過去の唯に、
  この交通事故の事を教えて、その日は事故に会わずに助かったとする…」

律「するとどうなる…?」

それもそうだが、他にもいくつかの疑問点はあった。
まず、昨日電話が繋がった5年前の2010年10月19日の唯の世界では、
その日の朝に本当に交通事故は発生するのだろうか。

次に、仮に5年前の事故を未来の律が教えてあげたとして、それをはたして回避できるのか。

そして……もし、その事故を回避した場合、唯はどうなる?
唯は2010年10月19日に死んだことにはならない…のか。
死んだことにならなかった場合、今はどうなる?過去が変わった場合…未来はどうなるんだ?



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 21:58:27.10 ID:9SYRm8HO0

考えるだけ無駄だった。
こんな前代未聞の現象、いくら考えたって答えが導き出せる筈がなかった。
律は最後にもう一度、唯の番号に電話をかけて繋がらないことを確認して、
携帯電話をそっと机の上に置いた。

律は立ち上がり、部屋を出ようとしたその時、机の上にあった携帯電話が唸りだした。

ヴー、ヴー、ヴー

律「!?」

律は激しく期待、興奮し、携帯電話を開く。
しかし、そこにあったのは律の期待したものではなかった。

秋山 澪
080 XXXX XXXX

律「なんだ、澪か…」

心の興奮がまだ治まっていなかったが、とりあえず電話に出た。

律「もしもし澪?」

澪「おー律久しぶり、明日どうする?」

律「へ?明日?なんもないけど…」

澪「なに言ってるんだよ。明日は唯の命日だろ?お墓参り行くだろ?」

律「ああ、そうか…」



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:02:00.85 ID:9SYRm8HO0

律は完全に唯の墓参りの事など忘れていた。
何せ、その唯から昨日、電話がかかってきたのだから。

澪「ったく、忘れてたのかよ。私今日は仕事まだ残ってるから、後で皆に連絡頼むぞ?」

律「ああ。」

澪「私は仕事休みもらったから、私らは昼頃合流でいいよな。
  その後予定合えばみんなでご飯でも食べよう。詳しい時間とか後でメールしてくれ」

律「わかった…でも、どっちみち車出すから待ち合わせはうちでいいだろ…って、あのさ、澪」

澪「んー?」

律は昨日の事を澪に言うか言わまいか迷った。
はたして言ったところで信じてもらえるだろうか。
しかし、ここで言わないでいつ言うんだ…っ!

律「昨日…さ、唯から電話がかかってきたんだ…」

澪「はっ?」

律「いや、あの、過去の唯から。
  5年前の唯から何かわかんないけど電話がかかってきたんだ…それでっ」

澪「っはははは、なに言ってんだよりつー」

律「いや、本当なんだって!信じてくれ!」

澪「夢だろ?なんだかんだで唯の命日近かったから頭の中で考えちゃってたんだろう」

律「ち…違うんだっ!!」



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:04:07.50 ID:9SYRm8HO0

澪「律、最近疲れてんのか?せっかくだしストレス発散に今度休みの日飲みにでも行こうよ」

律「だーかーらー、そうじゃなくて、本当に夢じゃないんだ」

澪「学校の子たちと飲みに行ったりしないのか?」

律「いや、そりゃたまにはあるけど…いま金欠なんだ。」

澪「そうか…学生だもんな…」

澪「じゃあまた後で時間だけメールくれよ。電話でもいいけど。」

律「ああ、わかった………って、そんな話じゃなくて本当にっ」

ツーツーツー

律「切れてやがる…………まぁ、普通そうなるわなぁ~」

こんな感じで軽くあしらわれることも薄々わかっていたが、
信じてもらえなかったのは少しショックだった。
まあ、こんな漫画のような話、いきなり聞かされて信じろと言うのも無理があるが。

律「しょうがないか…明日みんなに話してみよう。着信履歴を見れば…きっと信じてくれる」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:06:16.06 ID:9SYRm8HO0

2010年 10月18日

律「じゃあ、また明日なー」

澪「唯、明日は遅刻するなよー」

唯「わかった!大丈夫!!じゃあね~ばいばーい」

唯と紬と梓の3人は、いつもの交差点で、2人を見送って別れた。

唯「明日楽しみだねー。むぎちゃん、私たちにとったら最後の文化祭だよ!緊張するね~」

梓「全然緊張してる風に見えないですけど…」

紬「そうね、なんだか寂しい感じもするけど、悔いを残さないように頑張ろう!」

唯「うん!!」

そして3人は駅前の交差点についた。いつも紬と別れる所だ。
紬は軽音部の5人の中で唯一、電車通学なのだ。

唯「じゃあむぎちゃん、また明日ね~」

梓「お疲れ様でしたー」

紬「うん。ばいばーい!また明日ね~」

2人は紬を見送った後ゆっくりと歩き始めた。



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:07:21.42 ID:9SYRm8HO0

梓「なんか天気があやしくなってきましたね…」

唯「ひとっぷり来るかもね!」

梓「なんでちょっと嬉しそうなんですか…」

梓「雨降ってこないうちに早く帰りましょう」

唯「そだね」

2人は自然と早歩きになった。
早歩きと行っても、いつもの歩くスピードの1.5倍くらいだろうか。

唯「トンちゃんにもライブ見せてあげたいね」

梓「さすがに講堂には持って行けないですよ」

唯「だよね~。せっかく最後のライブだからトンちゃんにも演奏見せてあげたいのにな~」

梓「トンちゃんも軽音部の一員ですからね!でも、私たちの演奏なら毎日部室で聞いてますよ」

唯「そっか~ならいっか~」

くだらない雑談をしているうちに、梓と別れるポイントまで着いた。雨は降ってこなかった。

唯「じゃあね、あずにゃん。また明日ね~」

梓「はい!それじゃまた明日です。先輩、遅刻しないでくださいよ!」

唯「わかってるよ~。ばいばーい」



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:08:56.61 ID:9SYRm8HO0

ポッ―ポッ―ポッ―。

唯「げっ!雨降ってきた~?」

唯「走れー!」

ザ――――――――――――――――――

唯「ぎゃあああああああああああ」

唯「ギー太っ!ギー太が濡れるううううっっ!!」

唯「サビるうううううう!!ごめんねギー太!!」


唯はギターケースを両手で抱えながら走った。
まるでバケツに溜まった水をひっくり返したかのような大雨。

いつも朝走り慣れていたせいか、ものの数分で家に着いた。
しかし、走っても走らなくても同じだったかもしれない。
唯の身体はもう既にびしょ濡れだった。

唯「ふええええぇぇ、ただいまぁ…うい~」

憂「お姉ちゃん雨大丈夫だった!?ってびしょびしょだよ!」

唯「ギー太がぁ…」

憂「早く上がって!お風呂沸かしておいたから入っておいで」



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:11:15.14 ID:9SYRm8HO0

唯「ありがと~うい~」

憂「ギー太はちゃんと拭いといてあげるからね」

唯「うん、ありがとう。行ってくるね~」

憂「うん!……ってああ!お姉ちゃんタイツ脱いでーっ!」

憂は、おもむろに脱ぎ捨てられた唯の靴を綺麗に並べた後、洗面所からタオルを持ってきた。
そしてギターケースから唯の愛用のレスポールを取りだした。

憂「あれ?そんなに濡れてないよ?」

唯が体で守って走ってきたおかげか、レスポールはあまり濡れていなかった。
憂は、きっと唯が体を張ってギターを守ったんだなと思い少し苦笑した。

すこし湿っていた部分をタオルで拭き取り、レスポールを唯の部屋に立て掛けてて置いてきた。
ギターケースを乾かそうと、リビングに戻ると

憂「あれ夕陽が………。雨……止んでる……」

雨はもう降っていなかった。ちょうど唯が帰ってくるときに、
たまたま雨雲が桜が丘を通過したただの夕立だった。

憂「あっ……綺麗な虹だぁ…」


ガチャ―。



89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:12:13.16 ID:9SYRm8HO0

唯「ふふふふふふふ、ふふふふーふふふふふ♪」

憂「お姉ちゃん、ギー太拭いて部屋に置いておいたよー」

唯「ありがとうい~」

憂「ご飯7時だから」

唯「うん。わかった~!明日文化祭だから練習してくるね~」

憂「うん、頑張ってね~」

唯は階段を上り3階の自分の部屋に向かった。

唯「ギー太!…濡れてなかった?憂にお礼言わなきゃだね~」

レスポールを抱き上げ、ベッドの上に座ると、
早速明日演奏予定の「ふわふわ時間」を弾き始めた。

このふわふわ時間、唯は1年の頃から弾いている曲、
軽音部に入って初めて作った曲ということもあってか、一番得意な曲だった。
しかし、家にギターアンプがなかったため、さほど綺麗な音は出なかった。

唯「寝ちゃお寝ちゃおー(そー寝ちゃおー)あーあーかーみさーま」

曲がちょうど最後のサビに入ったところで2階から憂の声が聞こえた。

憂「お姉ちゃーん、電話鳴ってるよー!鞄持っていかなかったのー?」

唯「あっ!忘れてた!」

唯はレスポールをベッドの上に置いて部屋を出た―。



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:16:56.31 ID:9SYRm8HO0

2015年 10月18日
18:00

思い立ったように律は言った。

律「駄目なんだよっ!明日じゃっ!!」

律「明日がその日なんだっ!!唯に教えなくちゃっ!!…でも……電話は繋がらない…っ!」

いつでも電話が鳴っていいように、律は昨日から携帯電話を肌身離さず持っていた。
用を足すときも、風呂に入る時も。

律「唯から電話がかかってくるのを待つしかないのか…!?」

律「いや…やれることはやった方がいいな…」

そう言うと律は携帯電話の画面を開き、着信履歴を見る。

律「ちょくちょく電話をかけてみよう…
  この唯の電話番号から電話がかかってきて話したのは事実だっ!」

律「またきっと…繋がるはずっ!」

律は祈る思いで発信ボタンを押した。

プップップ

律「頼む頼む頼むっっ!!」

プルルルルルルルルルル―。



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:22:21.62 ID:9SYRm8HO0

律「!!繋がった…っ!!」

なんと。繋がったのだ。
律は間違えてかけていないか確認するためにもう1度携帯の画面を見た。

   呼び出し中
平沢唯 080 XXXX XXXX

間違っていなかった。心臓の鼓動が高まる。

律「頼む!出てくれ唯…っ!」

プルルルルルルルル―。

プルルルルルルルル―。

プルルルルルルルル―。

律「なんで!!!なんで出ないんだっ!!せっかく繋がったのにっ!よりによって!」

プルルルルルルルル―。

律「駄目か…」

プルルルルッ―。

唯「もしもし、りっちゃん?ごめんごめ~ん携帯2階に置いてきちゃってた~」

律「唯っ!!」



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:25:38.19 ID:9SYRm8HO0

唯「うん、どうしたの~?」

律「唯!唯なのかっ!?」

唯「ほだよ~」

律「あたしだ!律だ!」

唯「うん、わかるよ~」

律「わかってくれたか!唯!」

唯「りっちゃん大丈夫~?昨日の事思い出した?」

律「えっ?なにが?」

唯「ほら、りっちゃんが言ってた冗談だよ~。未来から来たっていう」

律「だから!!冗談じゃないんだってば!!あたしは田井中律23歳だ!」

唯「あ!また言ってる~りっちゃん、昨日の続き~?もうそのネタはいいよ~」

律「違う!!頼む唯…っ!信じてくれ……っ」

律は今までにないほど真剣に言った。

唯「りっちゃん…?」

律「本当なんだ…っ!あたしの話を聞いてくれっ!聞くだけでいいからっ!!」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:32:11.84 ID:9SYRm8HO0

唯「証拠…」

律「えっ?」

唯「証拠見せてよ。りっちゃんが未来から来たっていう証拠」

律「そんな…それは…」

唯「じゃないと私信じないもんぬ~」

まさか唯の口から証拠を見せろなんて言葉が出てくるとは、律も思わなかった。
突然の事で律も黙ってしまった。

唯「ほら~証拠ないんじゃん」

律「ちょ…ちょっと待ってくれっ!」

律は必死に考えた。自分が未来人だという証拠を必死に探した。
しかし、時間がない。
この間みたく数分足らずでまた電話が急に切れてしまうかもしれない。
とにかく明日のアレを伝えなきゃという気持ちが押しあげてきた。

律「唯、とりあえず、落ち着いて話を聞いてくれ」

唯「なあに?」

律「5年前の2010年、10月19日にお前は死んだ。朝、通学途中、交通事故で」

唯「えっ?」



172 名前:補足>>100と>>105の間にこれが入る:2010/08/21(土) 23:40:34.40 ID:9SYRm8HO0

律「こっちの世界ではそうだった。今この世に唯はいない…。」

唯「そんな…そんなの嘘だよ…」

律「本当なんだっ!それで、お前は昨日、今日は17日だと言った。
  つまり今日は10月の18日だな!?2010年の」

唯「うん…今日は18日…明日は文化祭だもん…」

律「間違いないっ!!唯!!明日の朝は時間通りに来るな!遅刻して来い!憂ちゃんもだっ!」

唯「えっ?ちょっと待ってよりっちゃん、そんなこと急に言われても…」

律「頼む唯っ!お前を死なせたくないんだっ!!明日は2人とも遅刻して来てくれ!」

唯「そんな…駄目だよ……。明日は高校生最後の文化祭だもん…失敗できないし…」

律「少しだけ遅刻してくればいいんだ!
  それにっ…じゃないと…高校最後どころか人生最後の演奏もできなくなるっ!」

唯「えー?それは嫌だー」

律「だろ?だから―」

唯「でも、そんないきなり未来から来たって言われても
  りっちゃんの冗談にしか思えないよ…私を遅刻させようとしてる?」

律「違うっ!!だからっ!……そうだっ!」

律は思い立ったように机の上にあったノートパソコンの電源を入れる。
20歳の誕生日に、成人のお祝いにと叔父が買ってくれたものだった。

唯「なあに?」



105 名前:さる回避:2010/08/21(土) 22:49:16.07 ID:9SYRm8HO0

律「今日、夜7時から生放送で野球があるはずだ。クライマックスシリーズの第3戦だ。」

唯「え~?野球わかんないよ~」

律「いいから!これであたしが未来から来たってことが証明できるかもしれないっ!」

唯「え!なになに??」

律「今日やるのは………っと、中日VS阪神だろ。」

唯「え~?だからわかんないよ~」

律「憂ちゃんにでも聞いてくれ!頼むっ!!
  これでこの野球の結果が見事一致すれば未来から来たって証明になるだろ!」

唯「う~、うん…」

律「メモってくれ!!」

唯「え~」

律「早くっ!!一生のお願いだっ!!」

唯「わかったよ~」

律「結果は2-1で中日が勝つ。勝ち投手チェン、負け投手久保田―」

唯「え~なになに?勝ち投手がジャッキーチェン???」

律「ちげえ!チェンだ!んで、負けが久保田」



112 名前:さる回避:2010/08/21(土) 22:53:41.41 ID:9SYRm8HO0

唯「うんうん、くぼっちだね。」

律「そうだ。で、7回に阪神が1点入れて、9回に中日が逆転サヨナラ2ラン!」

唯「ふむふむ、さようならっつー…らん?」

律「で、ホームラン打ったのが………ザザッ…プープッ………新…」

唯「え?なんて??」

律「……から、新井……………っ……田ザッ……」

唯「新井……と、あとなんて?ダ?」

ツーツーツーツー。

唯「ありゃ、切れちった…」

唯「本当かな~?」


ちゅうにち はんしん
2対1
かちとうしゅ、ジャッキーチェン
まけ、くぼっち
7回に1点、9回目でぎゃくてんさようならっつーラン
ホームラン、あらい、ダ


唯「こんなんでいいのかな…?憂に見せてみよっと」



115 名前:>>113オーロラの彼方へ:2010/08/21(土) 22:55:46.77 ID:9SYRm8HO0

2015年 10月18日

律「くそっ!!まただっ!また切れた…」

もう一度、携帯電話の発信履歴から、唯の電話番号にかけてみたが、結果は先日同様、繋がらなかった。

律「一体なんだって言うんだ…繋がったりいきなり切れたり、繋がらなかったり…」

律「でも…肝心なことは伝えた……頼むぞっ…唯っ!」

そして、携帯電話の録音機能の設定画面を開いて、携帯を耳に当てた。
そう、律は途中からではあるが、携帯電話の録音機能で唯との会話を録音していたのだ。
作戦は成功、ちゃんと唯の声は録音されていた。

律「これで…明日信じてもらえるかな…」

律「なんか…落ち着いていられないぞ……肝心なことは伝えたのに…」

明日、唯が交通事故を回避したところでどうなるかはわからない。
しかし、もしかしたら、過去を変えることによって、未来が変わるかもしれない。
期待と緊張でこの日律はろくに寝れなかった。



117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 22:58:26.87 ID:9SYRm8HO0

2010年 10月18日

唯「ういー」

憂「なあに?お姉ちゃん?」

唯「今日野球やるの?」

憂「うん、おとといからクライマックスシリーズ始まってるよ?
  お姉ちゃん野球に興味持ち始めたの?」

唯「ううん、りっちゃんがね、今日の野球は憂に聞いてでも見ろって…」

憂「律さんが?どうしたんだろう…」

唯「なんかね、りっちゃん最近おかしいんだよ」

憂「えっ?」

唯「未来から来たって言うんだよ~」

憂「え??」

唯「だから、今日の野球の結果がわかるんだって!」

憂「そうなんだ~なんか律さんらしいね」

唯「これ、りっちゃんが言うには、この通りになるんだって…」

唯はそう言うと、さっきメモした紙を憂に渡して見せた。



121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:02:47.32 ID:9SYRm8HO0

憂「これ…?」

唯「うん…」

憂「中日対阪神…2対1……勝ち投手ジャッキーチェン??律さん本当にこう言ったの?」

唯「うん!」

憂「…」

憂「えーっと、負け投手くぼっち…???」

唯「でへへ~」

憂「7回に1点、9回にさようならっつーらん??……サヨナラ2ランだよ、お姉ちゃん…」

唯「野球わかんないもん…」

憂「ホームランが新井選手か…あと…ダ??すごい詳しく予想したんだね、律さん」

唯「これで当たったら、私が未来から来た証拠になるって…」

憂「……本当に?……でも…なんで?」

唯「さあ?わかんない…」

憂「せっかくだし、野球見てみようか」



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:06:28.78 ID:9SYRm8HO0

20:10

唯「ねえ、憂、全然だめじゃん。こんなんじゃずーっと0対0だって。つまんないよ~」

憂「でもその肝心な7回はまだ始まったばっかりだから…」

『打ったー!これは大きいっ!阪神ファンの待つレフトスタンド一直線っ!ホームラン!!』

『7回まで沈黙だったこのナゴヤドーム、ついに均衡が破られましたっ!』

『新井、クライマックスシリーズ第1号、ソロホームラン!』

憂「えっ?」

唯「え?なになに??すごいの?」

憂「律さんの言った通りだ…」

唯「えっ?嘘?」

そう言うと憂はさっき唯からもらったメモ用紙を見直した。

憂「7回に1点…ホームラン…新井…」

唯「本当に!?りっちゃんすごーい!」

憂「そんな……たまたま…?これでもし…9回に…」

唯「次は!?次はどうなるの??」



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:08:55.50 ID:9SYRm8HO0

憂「次は9回だからまだ先だよ…」

唯「えー」

―20:50

『さあ、タイガース、ピンチです。9回2アウトランナー2塁。
 ホームランが出ればサヨナラの場面でバッターは和田!』

『おーっと?ここでタイガース、ピッチャー交代のようです。』

『ここで久保田がマウンドに上がります。』

憂「えっ?久保田…?くぼっち…?」

憂「お姉ちゃん!くぼっちって久保田選手のこと?」

唯「あーうん、そうだったかも…」

憂「そんな…こんなことって………まさかね…」

『初球低めの変化球を打った―――――――――――!!』

憂「えっ?」

『打球はバックスクリーン一直線っっ!!』

『入ったーーーー!和田!逆転サヨナラ2ランホームラーーン!!』

憂「そっ…そんな…」



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:14:36.56 ID:9SYRm8HO0

唯「え?なになに??どうなったの??」

憂「お姉ちゃん…全部律さんの言った通りだよ…」

唯「え…うそ…」

憂「全部っ…ホームランを打った人も、点が入る場面も…試合結果も…
  全部このメモの通り…ダって和田選手の事だったんだ…」

唯「すごい!りっちゃん凄い!!エスパーだよ!!」

憂「でも…なんでわかったんだろう…こんな正確に…
  律さん、本当に未来から来たって言ってたの?」

唯「うん…23歳の大学生だって…」

憂「…なんで??こんなことって…」

唯「明日りっちゃんに聞いてみるよー」

憂「えっ?でも、その未来から来たって言ってる律さんは、今いる律さんと違うんじゃ…?」

唯「そうなの?」

憂「うん、多分…。でもなんでこんな未来から来たことを証明するために…?」

唯「…さあ?」

憂「その未来の律さんとはどこで話したの?」

唯「えっ?夕方電話で…」



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:17:29.08 ID:9SYRm8HO0

憂「電話…?」

唯「そだよ?」

憂「うーん…」

憂もまた、律が冗談で野球の結果を予想して、たまたま当たったものだと思った。
そもそも、未来からの人間と電話で話して、見事野球の結果を当てた。という方が納得できない

憂「そっか…じゃあ明日律さんに詳しく聞いてみて?」

唯「わかった」

憂「お姉ちゃん…本当にそれだけ?」

唯「え?」

しかし憂は気になっていた。
万が一、いや億が一、本当に未来の律からのメッセージだったとすると
他に何かがあるような気がしてならなかった。
何か、もっと大事なことを唯に伝えたかったのではないか、と。
なぜ唯が興味すらわかないであろう野球の結果で
自分が未来から来たという証明を?それくらい焦っていたのか…?

唯「あっ!!」

憂「なに!?お姉ちゃん!」

唯「りっちゃんね、私が明日死ぬって…」

憂「えっ!?」



141 名前:>>135 いえいえww:2010/08/21(土) 23:19:25.22 ID:9SYRm8HO0

憂「ちょっ、それ本当なの?お姉ちゃん!」

唯「知らないよ~りっちゃんに聞いてよ~」

憂「律さんなんて言ってたの?」

唯「え~?なんか明日は遅刻して来いって…」

憂「え?」

唯「おかしいよね~、私が明日交通事故で死ぬって言うんだよ?」

憂「…」

唯「…本当かな…本当だったらちょっと怖いよね…はは」

憂「そんな…お姉ちゃんが死んじゃうなんて…あり得ないよっ」

唯「だよね~」

憂「ちょっと律さんも冗談が過ぎてるかもね…ははは」

憂「お姉ちゃん、そろそろお風呂入って寝ないと!明日大事な文化祭なんだから」

唯「そだね~、じゃあおやすみ憂~」

憂「うん、おやすみ。お風呂の電気ちゃんと消してね」

唯「ほほ~い」



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:28:15.51 ID:9SYRm8HO0

2015年 10月18日

律「あっ…やっべ…みんなに連絡するの忘れてた…」

唯の事ばかり考えていて、明日のお墓参りの連絡するのを忘れていた律は携帯を開いた。
電話帳のあいうえお順の一番最初にあった紬に電話をかける。

指でちまちまと小さいボタンを押して、長ったらしい文章を作るのは律の性格上苦手だった。
いつも、少しの要件があるときでも、メールではなく電話で済ませてしまう。
そのせいか、そんなちょっとした用で電話した時に、ついつい話が弾んで長電話をしてしまい
携帯電話料金の請求に泣かされることも多々あった。

プルルルルルルルー。

紬「もしもし?りっちゃん?」

律「むぎー、久しぶり!明日どうする?唯の命日だけど、予定どうなってる?」

紬「久しぶりー。もちろん、休み取ってあるわ」

律「おーよかった、あたしと澪は昼前に合流する予定なんだけど、むぎも来るか?」

紬「うん、何時にするの?」

律「ん~11時くらいにあたしんちでいい?」

紬「わかったわ!りっちゃんちね!りっちゃんの家行くの久しぶりだわ~」

律「なーんも変わってないけどな。片付けしとかないと」



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:33:19.53 ID:9SYRm8HO0

紬「じゃあ、11時きっかりに行くわ」

律「おう、待ってるわー……って、あのさ、むぎ…」

紬「なあに?」

律「その…唯なんだけどさ…」

紬「唯ちゃん…?どうしたの?」

律「過去の唯と電話で話したんだ…」

紬「えっ?」

律「信じてもらえないかもしれないけど…ちゃんと声も録音したっ!明日聞いてみてくれ…!」

紬「え…そんな…信じられないことだけど…本当なの?」

律「本当なんだ…明日の事も言った。
  お前は明日事故にあって死ぬって…だから気をつけろって伝えた…」

紬「…信じるわ、りっちゃん」

律「むぎ!」

紬「りっちゃんはこんな冗談言わないっ!そのくらい私にもわかるっ!」

律「むぎ…ありがとう…だから、ひょっとしたら―」

紬「うん、もし明日唯ちゃんが事故にあわなければ…」



161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:34:12.99 ID:9SYRm8HO0

律「そう…」

紬「期待しましょう…っ!どうなるかわからないけど…待ってるわ!
  明日…その唯ちゃんの声、聞かせて?」

律「わかった!!ありがとうむぎっ!!」

紬「それじゃあ、また明日ね?おやすみなさい」

律「おやすみ…」

律はなにより嬉しかった。信じてもらえた。
この流れで、他のみんなにも信じてもらえると信じ、梓に電話をかけた。

プルルルルルルル―。

梓「もしもし、律先輩!」

律「おーう、梓久しぶりー」

梓「連絡待ってましたっ」

律「遅くなってごめんっ」

梓「明日は休みとってありますよ!何時にします?」

律「そのことなんだけどさ…」

梓「はい?」



162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:36:06.99 ID:9SYRm8HO0

律「唯が…あ、いや、過去の唯から電話がかかってきて、話した。」

梓「えっ?」

律「いや、いきなりこんなこと言って信じてもらえないかもだけど―」

梓「ほっ本当なんですか!?それ!?」

律「うん…唯が事故にあった日の事、伝えた」

梓「そ…それって…」

律「もしかしたら唯、事故で死ななくて済むかもしれないんだっ!」

梓「それ…本当の本当なんですか!?」

律「本当だ梓っ!信じてくれっ!」

梓「冗談だったら…私も怒りますよ…?」

律「冗談でこんなこと言うかっ!本当だ…声も録音したっ!」

梓「そんな…まさか…そんなことって…」

律「明日詳しく話す…11時にあたしんちに来てくれ…」

梓「わかりました…信じますよ、律先輩…」

律「ああ、信じてくれっ」



173 名前:再開:2010/08/21(土) 23:43:00.66 ID:9SYRm8HO0

2010年 10月19日―。
7:00

ジリリリリリリリリリリリリ

唯「はっ!」

唯「よし、起きたっ!」

この日唯は珍しく時間通りに起床した。
普段は憂に起こされても起きないくらい目覚めが悪かったが
この日は文化祭という大事なイベント、楽しみと緊張もあってか、すんなり目が覚めた。

唯「ういーおはよー」

憂「おはよう、お姉ちゃん。あのさ、昨日の律さんの言ってたことなんだけど…」

唯「ほえ?ああ~」

憂「やっぱり、今日は少し遅刻して行こう?」

唯「え~!今日せっかく早起きしたのに~!」

憂「でも…やっぱり昨日の事があったから…万が一に備えて…」

唯「う~ん…」

憂「お願いお姉ちゃんっ!!お姉ちゃんが死ぬなんて…絶対やだっ!」

唯「憂…」



178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:47:11.59 ID:9SYRm8HO0

憂は昨日の夜、ずっと考えていた。
偶然にしては出来過ぎている。律もそこまで野球に興味はないだろうし、
ここまでしてくるってことは、もはや万が一ではなく、
本当に未来からのメッセージかもしれない。

もし、本当だった場合、失うものはもう元には戻らない。
そう考えると、選択肢は1つしかなかった。

憂「お願い…一生のお願いだよう…お姉ちゃん」

唯「わかったよ…憂がそこまで言うなら…」

憂「ありがとうお姉ちゃんっ!!」

多少これで遅刻してしまうものの、憂はこれが正しい選択だと思った。

憂の作った朝ご飯をしっかり食べた2人は、
いつも家を出る8時より少し遅い8時半に家を出ることにした。
これだけ時間をずらせば大丈夫だろうと、憂は思ったのだ。

8時半まで、2人はTVを見ることにした。
いつもは見ないTVのニュースのコーナーを見た2人は少し新鮮な感じがした。

ニュース番組のエンタメのコーナーが始まろうとしたとき、
ふと時計を見るともう8時25分を過ぎていた。

憂「そろそろ、行こっか、お姉ちゃん」

唯「うん」

憂「ごめんね…もう遅刻の時間だよね…」

唯「ううん、気にしないで!憂のお願いだもん」



182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:49:21.27 ID:9SYRm8HO0

2人はいつもの通学路を、普段より歩くスピードを遅くして登校した。
今日は信号によく引っかかる。家を出るタイミングが悪かったか。

今日は雨の日でもないのに…

しかし、憂は目の前の信号が赤になるたびに安堵した。
なるべく普段より時間をずらしたい。その気持ちでいっぱいだった。

こうして2人並んで登校することはしょっちゅうだが、今日は2人の口数も少なかった。
特に憂の方が、黙ってばかりだった。それだけ心配していたのだ。律が言っていたことを―。

家を出てから大体200mくらい歩いたところにある大きな交差点。

その30mくらい前の小さなT字路を左折し、その大きな交差点が目に見えた。


そこには大量の人の群れがあった。
思わず憂は声を漏らした。

憂「えっ?」

唯「なんだろう…?」

憂「お姉ちゃんっ!まさかっ…あれって…」

憂は気付いた。1番気にしていたこ光景がそこにはあった。


―交通事故。



183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:50:17.65 ID:9SYRm8HO0

そこには数台のパトカーと、救急車があった。
ざわざわ、と何を言っているか聞きとれないほどの野次馬のざわめきもあった。

2人は小走りで、交差点に向かった。

憂「嘘…」

その光景を目にした2人は言葉を失った。

交差点を右折したところ、いつも渡る横断歩道を突っ切ったと思われるタイヤの後。
その横断歩道の先のガードレールに衝突している白い乗用車。

フロントバンパーの部分は大破していて、エンジンルームがあらわになっている。
フロントガラスはもうガラスとは言えないほど真っ白になっていた。
ガラスの破片が横断歩道に散らばっている。太陽の光に反射してキラキラと光っている。

憂「お姉ちゃん……っ!」

唯「りっちゃん………?本当に……事故……教えてくれたの……?」

憂「うわあああああああああああんお姉ちゃあああああああああああん」

涙を見にいっぱいためながら憂は唯に抱きついた。

唯「憂…」

憂「よかった…っ!……本当にっ…律さんの言ってたこと本当だったんだっ……!
  本当によかったよおおおっっ!」

唯「ありがとう…憂………………未来のりっちゃん―。」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:53:19.09 ID:9SYRm8HO0

2015年10月19日
9:00

律「今どうなってる……っ!!」

今日もろくに寝れなかった律は、
朝早くに起きてシャワーを浴びて、化粧も終え、もう準備は万端だった。
しかし唯のことが気になって、いつも時間つぶしにやる携帯ゲームすらやる気が起きなかった。

律「どうした?どうなった?5年前は今どうなってるんだっ!?」

もう何時間部屋の中で右往左往していることだろう。

律「そうだっ!パソコン…!」

何かにひらめいた律は机の上のノートパソコンの電源を入れた。

律「調べるのが一番早い!」

いつも利用している検索サイトで5年前の今日について調べた。

律「2010年…10月19日…桜が丘……交通事故…と」

律「!!あった!」

そこにあったのは小さなニュース記事だった。
その記事をクリックして、小さく書かれた文字を最初から読んで行く。

全神経を集中させて…

心臓の鼓動が早くなっていくのが自分でもわかった。



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:54:44.39 ID:9SYRm8HO0

律「なになに…」

律「2010年8月ごろ、桜が丘○丁目交差点で、交通事故が発生した…」

律「乗用車はガードレールに激突。大破した。
  車に乗っていたのは33歳の男性1人、事故直後すぐに病院に搬送されたが…」

律「意識不明の重体…運転していたのは桜が丘に住む会社員○○さん……
  ……って、こんなのはどうでもいいんだよ!」

律「唯の事は…っ!?」

律「えーっと………この事故で、現場に居合わせた通勤途中の20代男性1人が軽傷を負った………」

律「えっ?」

律「唯の事は…っ!?唯!!助かったのかっ!?嘘だろ…っ!?」

そこのニュース記事には唯の事は一切書いてなかった。
事故に巻き込まれたのは20代男性1人だけ。
すると唯は事故に巻き込まれなかったということになる。

律「唯っ!」

律は慌てて携帯電話を手にして、唯の電話番号に電話をかける。

プップップップ―。

『おかけになった電話番号は、現在使われておりません―』

律「…えっ?なんで…」



207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/21(土) 23:56:20.83 ID:9SYRm8HO0

2010年 10月19日
9:00

憂「お姉ちゃん…律さんの事…」

唯「わかった。なにも言わないよ…」

憂は、軽音部の皆には今日あったことを言わないよう唯に言い聞かせた。
律が未来から来たと言うのはおそらく本当だろう。
こんなことは普通じゃありえない。

今、この世界にいる律や、軽音部の皆に言ったところで何も変わらない。
ここ3年2組にいる高校生の律と、電話がかかってきた大学生の律は
同一人物ではあるが、まったくの別人と言っていい。

今日のこの話をしたところでおそらく信じてもらえないだろう。
もう今日あったことは、未来の律に深く感謝をし、もう2人は忘れることにした。

憂「うん…じゃあ、また後でね」

唯「うん…ありがとうね。憂」

ガチャッ―

さわ子「平沢さん、遅刻よ?はやく席につきなさい」

唯「ごめんなさい…でへへへ」

和「唯…また寝坊?」

唯「うん…ちょっと…」




関連記事

ランダム記事(試用版)




律「そういや…もうすぐ唯の命日だったな…」#前編
[ 2011/12/07 20:22 ] SFホラー | | CM(1)

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

タイトル:
NO:4654 [ 2011/12/10 09:58 ] [ 編集 ]

唯ってこんなにバカだったか?
てっとり早く憂に代わってもらえばよかったんじゃないだろうか

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6