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唯「じーくじおん!」 【ガンダム】


http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1283521263/




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:41:03.93 ID:gxQzLdqe0

私、平沢唯。
サイド3にある桜高の3年生でした。
戦争が激化した今、もう年齢も性別も技術も関係ないと言われ、学徒兵としてMSに乗っています。
数ヶ月前、地球の友軍に物資を送り届けたんだけど、
マ・クベ大佐率いる地上侵略軍は、私達とすれ違うように宇宙に脱出してしまい、
今さわちゃんを中心とした我がHTT部隊は他の友軍を宇宙に脱出させるための殿を務めています。

今私達の後ろに見えるのはこのあたりで最後のHLV(大重量貨物ロケット)発射台。
3つ見えるHLVのひとつひとつに、何百人もの人間やMSが積まれているため、
あれを落とそうと連邦が集まってきているのです。
それを陽動し、無事にHLVを宇宙に脱出させるのが私達の仕事なのです……。





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:43:27.77 ID:gxQzLdqe0

「以上が、通達された命令です。」

ちょっとした平地に作られた簡素なテント。
積まれた土嚢に座るのはラフに軍服を着流す女性達。
その前に立って、指令を伝えるメガネの少女。

「つまり……私達が囮になって、HLVを逃がすと。」

埃っぽい風を黒い長髪に絡ませ、澪が言う。

「要約すると、そうなります。」

「和ちゃん、そんな他人行儀にしないでよ。」

唯が立ち上がり、腰に手を当てる。

「いえ、今は貴女達が上官ですので。」

「んなこと言ったって、今はそんなこと気にする奴いないぜ?
 ほら、見覚えある顔ばっかりだろ。上官様なんてのは、みんなあの中さ。」

律は親指を自らの後ろに突き立てる。その先にあるのは、もちろんHLVだ。

「そのお偉い方のために、私達はここにいるのよ。
 実際、あの人達にとっては他の人も物資もどうでもいいの。」

珍しく、紬が愚痴をこぼす。

「……そうね、じゃあ普通に話させてもらうわ。と言ってももう時間はあまりないけど。」

和が振り返った先には、レーダーとにらめっこしたままの梓がいる。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:45:22.96 ID:gxQzLdqe0

「敵MS部隊、センサーに引っかかりました。まだソナーには反応ありません。」

「そんな……まだお姉ちゃんやみなさんといっしょにいたいのに。」

憂がうつむき、つぶやく。

「おいおい、縁起の悪いこと言うなよ憂ちゃん。」

「そうそう、私達はぜっったい宇宙に帰るからね!」

律は頭を押さえ、紬は鼻息荒くそう言う。

「……みんな、そろそろ時間よ。パイロットはすぐに搭乗して。」

「了解。」

立ち上がる5人。言うまでもなく、HTTのバンドメンバーだ。

「みんなごめんね……。隊長なのに指揮ができなくて。」

「ううん。さわちゃんは和ちゃんと憂をHLVに送り届けるのが任務なんだから。」

「そーだよさわちゃん。あたしのかわいい和と憂ちゃんをよろしくな。」

「こんな時に何言ってんだ!」

「あいたー☆」

全員、笑った。涙が出そうだったけど、無理矢理笑った。そうしなきゃいけない気がした。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:48:10.76 ID:gxQzLdqe0

爆発音が聞こえる。

「哨戒のマゼラ・アタック(ジオン軍の主力戦車)隊が敵戦車部隊と戦闘を開始したと……。
 まだHLVの物資収容も、ザクの補給も終わっていないのに……。」

梓がつぶやく。

「よーしみんな行くぞー!」

「「おー!」」

各々がザクに向かい歩く中、梓が憂を呼び寄せる。

「何?梓ちゃん。」

「これ、持ってて。もしかしたら、役に立つかも。
 見つかったら没収されちゃうかもしれないからさ……。」

憂は梓に手渡されたそれを、しっかりと握りしめた。

「では先生。先に行っててください。」

『りょーかい。』

一機のザクが立ち上がる。その足下でエンジン音を鳴らすジープ。
運転席に座る和が、憂を呼ぶ。

『ジオンの栄光を君に。』

「ジーク・ジオン。」

梓の後ろに4体のザクが立ち上がる。

『あーずにゃん!早くしないと置いてくよ!』

「はい、今行きます。」

梓もまた、自らのザクに向かい走り出した。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:52:35.54 ID:gxQzLdqe0

「くぅー!さすがに敵さんもがんばってんな!」

律の声が、各々のコクピットに響く。

「軽口叩いてる余裕があるおまえがすごいよ!唯!2時の方向から敵機!」

「りょーかい!」

唯機がマシンガンを構え、引き金を引く。
澪機に気を取られていたジムは、あえなくスクラップになった。

「さすが澪ちゃん!」

「澪は昔からザクの操縦うまかったもんな。」

「昔っていつだよ。」

束の間の休息。息が詰まりそうなこの空間が、一瞬あの音楽室に戻る時間。

「私……怖いんだ。」

「?」

澪の震えた声。

「こうして、ザクのパイロットとしてここにいること……
 いつみんなが死んじゃうかもしれないこと……。それももちろん怖いけど……。」

すすり泣くような声。

「人を……人を殺すのが普通になってしまったこの私が……一番怖い。」

「……。」

全員黙り込む。その沈黙を破ったのは梓だった。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:56:07.19 ID:gxQzLdqe0

「気持ちは分かります……。でもやらなきゃ……やらなきゃ行けないんです。
 祖国のため、仲間のため……そしてなにより、自分の為に。」

うつむき、モニターを見つめる澪。
そのとき、モニターに表示されたレーダーに、高速で移動する点が現れた。

「なに?この機体……。」

同じく、それを見つけた唯が言う。

「……これってまさか。」

「……!澪ちゃん!!よけて!!」

「え」

紬の声が響いた。が、もう遅かった。
朱色の閃光がザク達の隙間を縫い、後方で立ち尽くしていた澪機の右腕に直撃する。

「ビーム兵器!?」

「散開しろ!!狙い撃ちにされるぞ!!」

そう命令を下し、岩陰に隠れる律機。
最大望遠で確認されるその機影。白い体。そして、特徴的なアンテナ。

「なんで……なんで白い奴がここに?」

「澪!落ち着け!早く脱出しろ!!」

「いやだ!!いやだ!!死にたくない!!」

無理矢理立ち上がり、走り出す澪機。

「澪!まだ動くな!」

「イヤアアアアアアア!!」

もう一筋の朱い閃光が、澪機のランドセルに突き刺さる。
轟音とともに、澪機は光になった。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:00:16.22 ID:gxQzLdqe0

「澪!澪!!」

「律先輩!!だめです!!もう……だめです。」

岩陰から飛び出そうとする律機の肩を押さえつける梓。

「そんな……澪ちゃん……それに、むぎちゃん……あの機体。」

「えぇ。“あの”白い奴じゃないわ。
 でも……ジムタイプとは比べられない性能を持ってることに違いはないわ。」

ゆっくりと歩を進める陸戦型ガンダム。

「梓……もうわかった。離してくれ。」

「……。」

梓機がゆっくりと離れる。

「何にしろ、このままここに隠れているわけには行かないだろう。
 ……梓、お前のシュツルムファウスト(対MS用ロケット弾)くれないか。」

「はい……。」

梓機から渡されたシュツルムファウストを腰に装着する律機。

「あたしが突っ込む。唯、むぎ、梓、後方支援を頼む。」

「!なにする気ですか!?」

「なんだよ、そうでもしなきゃ奴を倒せねぇだろ!!」

律の荒い息づかいだけが、各々のコクピットに響く。

「ごめん……なーに、死にはしないさ。
 あたしを誰だと思ってる?天下無双の田井中律様だぞ☆」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:04:43.62 ID:gxQzLdqe0

「……ふふ。」

重い空気を砕いたのは、紬の笑い声だった。

「やっぱり、りっちゃんはりっちゃんなんだね。」

「そうだね、りっちゃんはりっちゃんだよ!!」

「ちょ、唯先輩……むぎ先輩……。」

まだ、梓は納得が行かないようだった。

「さわちゃんがいない以上、あたしの命令に従ってもらう。
 ……それが部長としての、最後の仕事だ。」

律機が飛び出し、ヒートホークを抜く。

「おらおらおらぁー!!」

不意を付かれた先頭のジムが切り裂かれ、爆発する。
そのまま体勢を上げ、その後ろのジムも真っ二つになる。

「唯ちゃん!」

「うん!」

四方から現れたザクに混乱する連邦のMS。

「そこか……白い奴!」

陸戦型ガンダムを見つけ、ヒートホークを振りかぶる律機。
しかし、一瞬で、ガンダムは、その場から、消えた。

「!?」

朱色の刃が、律機の左腕を切り取る。
空中でバランスをとれなくなったそれは、そのまま倒れた。

「りっちゃん!?」

「なに、まだいけるさ。」

律機は立ち上がり、そのまま敵の中に突っ込んでいく。
陸戦型ガンダムのビームライフルが、その背中をねらい撃つ。
直撃はしない。ギリギリでよけながら、律機は、律は走った。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:09:40.51 ID:gxQzLdqe0

「唯ちゃん……りっちゃんとの通信を切りなさい。」

「いやだよ……そんなのいやだよりっちゃん!」

「早く切りなさい!!」

『自爆スイッチオン。30秒後、この機体は消滅します。早く脱出してください。』

「いやだよりっちゃん!!」

『はは……ゴフっ……悪いな、唯。
 こっちから……っ!!回線……切るぜ……。今まで……ありがとな。』

回線が切れる。

「りっちゃん!りっちゃあああああん」


──澪、今行く。


残燃料。バズーカのマガジン。
そして、シュツルムファウスト。全てが粉々に吹き飛んだ。
ガンダムを含む、連邦のMSを巻き込んで。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:13:26.03 ID:gxQzLdqe0

「……。」

「りっちゃんのおかげで……敵に大損害を与えられたわ。
 もう撤退が始まってるみたい。もう一息、がんばろ。」

スピーカーから聞こえる、天使のような優しい声。
その声が、唯の心をギリギリのところで支えていた。

「……唯先輩?」

「ねぇ……私たちなんで戦ってるの?」

「……。」

「……あのままでよかったよ……あのままがよかったよ……。
 みんなでさ……ぐ……好きな音楽(こと)やってさ……
 うぐ……お菓子食べてさ……ひっく……。」

「……唯先輩。」

「……毎日が宝物だったんだよおぉぉお!!うわああああああん!!」

唯の心が、壊れた。

「……唯ちゃん。その幸せを、後世に伝えるために、
 今、私たちは戦ってるの……。だから……ね、泣かないでよ……。」

紬も涙声になる。

「うぅ……わかた……泣き、泣きや……うぅ。」

「……むぎ先輩。私達も撤退しましょう。弾薬も燃料ももうないですし、
 MSの収容は最後ですから、今ならギリギリ間に合います。」

「……そうね……!?危ない!!」

紬機が、唯機の肩を押さえ、覆い被さる。
鋭い音が響き、細いビームが紬機の胴を凪ぐ。



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:19:43.03 ID:gxQzLdqe0

「……むぎ……ちゃん?」

かなり遠くに、動くものがある。

「伏せて!」

梓機が2機を押さえ、その方向にマシンガンを放つ。

「……むぎちゃん?」

「……うん。大丈夫。コクピット直撃は免れたから。」

しかし、荒い息づかいと液体の滴るような音、
そしてザクの挙動から、紬が無事でないことは明らかだった。

「だめです!敵が遠すぎます!」

「きっと……スナイパータイプのジムね……。」

紬機が立ち上がったとき、梓機が飛び出し、マシンガンを構える。

「あれだ!見えました。」

その瞬間、崖の上でなにかが動いた。

「梓ちゃんダメ!!」

紬機のタックルが梓機に入る。紬機を再びビームが貫く。

「っつ……むぎ先輩!?」

「……ふふ、だめじゃない。ダミーなんかに……引っかかっちゃ。」

「ごめんなさい、ごめんなさい……。」

「梓ちゃんは……悪くないよ……。」

紬の喘ぎが激しくなる。痰が絡んだような声。もう喉まで血がたまっているのだ。

「唯ちゃん……最期にひとつだけ、いい?」

「なに?」

「私ね……唯ちゃんが好きだったの。
 お友達としてじゃなくて……もっと……もっと──。」

「むぎちゃん……。」

紬はもう、返事をしなかった。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:25:33.94 ID:gxQzLdqe0

「あずにゃん……。」

「はい……。」

岩陰に隠れながら、唯は言う。

「あずにゃんは先にHLVに向かって。」

「!?なにを言ってるんですか!!燃料もギリギリなんですよ!?」

「スナイパーの狙いは多分HLVなんだよ?
 今あいつを倒さなきゃ、みんなみんな死んじゃうんだよ!?」

「なら私も残ります!!」

発射台からサイレンが聞こえる。もうじき、一機目のHLVが飛び立つのだろう。

「私は……ひとりで大丈夫だよ。」

「でも!」

「先輩の言うことが聞けないの!?」

沈黙が、走った。

「……あずにゃんはね。HTTを、HTTの歌を、ずっと伝えなきゃいけないの。
 大丈夫だよ。あずにゃんならできるよ。」

「……こんなときだけ、先輩だなんてズルいです。今までそんなふうに見たことないくせに……。」

「えへへ、ごめんね~。」

梓機が、体勢低く立ち上がる。

「……憂に小型通信機を持たせてあります。周波数は138.96。
 ではお先に失礼します。ジーク・ジオン。」

「ジーク・ジオン。」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:30:16.81 ID:gxQzLdqe0

梓機がHLVに向かい走り出すのを見ずに、
唯機は崖に向かい走り出す。通信機の周波数を合わせながら。

「……憂?聞こえる?」

「お姉ちゃん!聞こえるよ!!」

HLVの中で声を上げてしまう憂。隣の和がそれに気づく。

「憂、いつの間に……。」

「ご、ごめんなさい……。」

「……もっと小さな声で話しなさい。没収されるわ。」

憂は小さく頷く。

「ははは~憂怒られてる~。」

「お姉ちゃん、こっちに向かってるの?」

「……ううん。一機だけ残しちゃったからさ。でもあずにゃんはそっちに向かってるよ。」

唯のコクピットの警報がなる。残燃料が底をつきかけているのだ。

「……もう燃料ないんでしょ?聞こえるよ。警報。早く……早く帰ってきてよ……。」

「もう間に合わないよ。それにあのジムを倒さないと、HLVが落とされちゃう……あ。」

唯は見つけた。HLVに狙いを定める、ジムスナイパー。

「通信切るね。HLVの中の私の荷物の中にあるギー太、憂にあげるよ。」

「そんな……嫌だよ……。」

「憂、ばいばい。」

「お姉ちゃん、どうしたの?お姉ちゃん!!」

憂はシートベルトを外そうとする。

「憂!やめなさい!!」

「いや!!お姉ちゃんのところ行く!!」

「やめなさい!!」

和の平手が、憂の頬を叩く。

「なんで……なんでお姉ちゃんが戦わなきゃいけないの!?」

「これは……戦争なのよ。」

「戦争だからなに?戦争だからお姉ちゃんが死んでも仕方ないって言うの?ねぇ和ちゃん!!」

「口を慎みなさい!!私は上官です!!」

騒ぎを聞き、ほかの兵士がざわつく。憂はなにも言わずに和から顔を背けた。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:32:03.60 ID:gxQzLdqe0

ジムスナイパーは唯機に気づいていないようだった。

「でも武器はない……ヒートホークに回すエネルギーもないし……よし!」

ジムスナイパーの指が引き金にかかった瞬間、
唯のザクが飛び出し、ジムスナイパーに突っ込み押さえつける。
ロングレンジ・ビームライフルから放たれたビームは地面をえぐり、山を溶かす。

ジェネレーター出力をギリギリまであげるために、
ジムスナイパーがビームサーベルを装備していなかったことが唯一の救いだった。
一機のHLVが飛び立つのが見える。

「下肢電源カット……耐えて……ザっ君。」

全てのエネルギーを上半身につぎ込み、ジムスナイパーを押さえつける唯機。
ジムスナイパーは自衛のためにそばに置いてあったマシンガンに手を伸ばす。
2機目のHLVが青空に吸い込まれる。

「うぅ~きつい~。……でもね、ザっ君。
 私達、このジムを絶対絶対止めなきゃいけないんだよ……。
 さわちゃんや、和ちゃんや、あずにゃん、憂のために。
 それに私達を守って死んでくれた、みんなのために……
 絶対、HLVは落とさせない。」

3機目。最後のHLVが飛び上がる。
燃料がほぼ尽きたザクの、テンションが落ちる。

「あと少し……あと少しだけ保って!!」

ジムスナイパーの手が、マシンガンにふれる。

「ふふ……。何だろうね、ザっ君。こんな時なのにさ……。」


──歌いたい。




18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:38:37.89 ID:gxQzLdqe0

「……キミを見てると、いつもハートDOKI☆DOKI……
 揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ……。」

『お姉ちゃん。』

「う、憂!?」

『唯、通信機の電源間違えたんじゃない?』

唯はちらりとモニターを見る。

「あらら~。間違えちゃったよ。全部聴いてた?」

『全部聴いてたわよ。』

ザクの体が、震える。最期の力を振り絞るように。

「……憂、和ちゃん。一緒に歌おっか。」

「……うん。」

「……わかったわ。」

全てを悟ったように、憂と和は頷いた。

「じゃ、行くね。」


──あぁカミサマお願い
──二人だけの
──Dream Timeください☆


ザクの活動が完全に止まる。


──お気に入りのうさちゃん
──抱いて
──今夜もオヤスミ……。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:44:53.65 ID:gxQzLdqe0

ジムスナイパーはマシンガンを掴み、ザクの背に当てて引き金を引いた。
その音が聞こえた直後、和は憂から通信機を取り上げ、電源を切った。
憂はなにも言わずに俯き、泣きじゃくる。

地上ではジムスナイパーが最後尾のHLVに狙いを定めるが、
そこにはロックオン可能距離からギリギリ離れたHLVが、小さく小さく見えるだけだった──。

──唯遅いぞ。

──待ってたぞ~。

──唯ちゃん、早く早く!

──あれ?みんな!

──早く練習始めるぞ!

──まだお茶タイムだぜ、澪。

──このバカ律!

──あいたー☆

──あはははは!!


ユイ・ヒラサワ少尉
改め平沢唯
戦死
享年18


──。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:46:32.63 ID:gxQzLdqe0

平沢憂です。
お姉ちゃんが命を張って私達を守ってくれたあの日から、たった3日後の0080年1月1日。
月面都市グラナダにて、地球連邦政府とジオン公国政府の間に終戦協定が結ばれました。

私と梓ちゃんと和ちゃんは、先生の作った小さな喫茶店で働いています。
そして毎晩、梓ちゃんと一緒にギターを持って駅前に座ります。
ユニット名はもちろん、『放課後ティータイム』。
和ちゃんは怒るけど、使ってあげなきゃギー太もかわいそうだから……。


「じゃ歌おう、梓ちゃん。」
「うん。」


──ふわふわ時間 ふわふわ時間……





─完─




21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:48:34.69 ID:2+fqDUkSO

おつ



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:54:26.54 ID:AQh9CUHa0







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唯「じーくじおん!」
[ 2011/12/17 18:19 ] ガンダム | | CM(1)

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タイトル:
NO:5294 [ 2012/01/17 06:21 ] [ 編集 ]

ガンダムクロスならこういうの書くべき、無駄なディスりやカプはいらない

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