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唯「え?りっちゃんが人殺し……?」 【ホラー】


http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1288684476/





1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 16:54:36.21 ID:UB7wIJAH0

律「代理だよん」





7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:02:55.25 ID:xLqvQ5d00

澪「どういうことですか、先生!?」

さわ子「……そのままの意味よ。今朝、警察から電話がかかってきて……。
    りっちゃんが、自分の家族を殺したって電話してきたんだって……」

紬「うそ……」

梓「律先輩がそんなこと……」





9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:06:50.19 ID:xLqvQ5d00

さわ子「えぇ……。私もまだ信じられないわよ。
    それでね、職員会議で今日のところは授業は無しで
    全員帰宅するようにって決まったから……。もちろん部活も……」

唯「りっちゃんは!?」

さわ子「え?」

唯「りっちゃんは今どこに……」

さわ子「家出呆然としてたところを警察に見つけられたらしいんだけど、
    連行しようとしたら逃げたらしいの」

澪「探しに行かなきゃ……。律、きっと動揺してるんだ、
  だから探して何バカなこと言ってるんだって……」

紬「澪ちゃん、落ち着いて!」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:09:56.73 ID:xLqvQ5d00

さわ子「……りっちゃんが殺したことは間違いないって言ってたわ。
    それに、逃げるときに警官の一人から拳銃を奪ったらしいの。
    もしかしたらまた人を殺しちゃうかも知れないからって、
    警察が血眼になって探してるわ」

澪「で、でも律は正気じゃないのかも!」

梓「正気じゃないから危険なんじゃないですか!」

澪「……っ!でも……」

紬「澪ちゃん、今日は一度、家に帰って落ち着こう?」

唯「りっちゃん……」

梓「……唯先輩も」

唯「うん……」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:16:12.36 ID:xLqvQ5d00

――――― ――

いつのまにか、日が高く昇っていた。
遠くの方で、パトカーのサイレンが聞こえる。
律は家族の血で汚れたまま、それから逃れるように走り続けていた。

律「……」ハァハァ

普段は滅多に来ない裏通りをひたすらに走る。
前ばかり向いて走っていたので、何かに足をとられた。
一瞬のことだったので、律は派手に転んだ。

律「……っ」

声に出さず、顔だけ顰めた。
自分を躓かせたものを見て、少しだけ、狂喜じみた笑みを浮かべた。
猫の死骸だった。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:20:05.51 ID:xLqvQ5d00

律「やっちまったよ、私……」フフ

乾いた笑いを漏らし、走りすぎて掠れた声で、言葉を漏らした。
律の手は、震えていた。その手にはしっかりと、拳銃が握られている。

律「人って、案外簡単に死んじまうもんなんだな、ハハッ……!
  私はもう、失うもんなんてねーんだっ、私は自由だっ、ハハハッ!」

何がおかしいのかも解らないまま、律は笑い続けた。

――――― ――



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:29:02.04 ID:xLqvQ5d00

梓「澪先輩、大丈夫ですか?」

澪「……」ボーッ

紬「澪ちゃんっ!」

澪「……え、あ、なに?」ハッ

紬「澪ちゃん家、着いたよ」

澪「あ……うん。皆、わざわざごめんな」

小さく頭を下げて、澪は言った。
帰り際、律の家へ確かめに行ったそのついでに、
皆が澪の家まで送ってきてくれたのだ。

律の家は酷い有様だった。
そこかしこに血がこびり付いていて、家にあちこちが破損していた。
犯行が明け方くらいだったらしく、物音に気付いた人たちもいたらしいが、
いつものことだからと放っておいたそうだ。
律の家族の遺体は、既に別の場所へ移動されていた。

澪「(……う、思い出しただけで吐き気がしてきた……)」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:46:27.86 ID:xLqvQ5d00

澪「なあ、皆……。あの、もし良かったら家に来てくれない?」

震え、青ざめながら言う澪を見て、紬たちは顔を見合わせた。

紬「わかった、澪ちゃん」ニコッ

梓「お邪魔じゃないんでしたら、失礼します」

澪「……ありがとう」ホッ





25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:53:43.59 ID:xLqvQ5d00

澪の部屋。

澪「(ママもパパもいない……。皆が家に来てくれて良かった……。
   一人で家にいたらどうにかなっちゃいそうだった……)」

唯「……」

梓「……」

紬「……このお茶、美味しいね」ズズッ

澪「律、一体どうしちゃったのかな……」ボソッ



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 17:58:27.70 ID:xLqvQ5d00

虚しい澪の問い掛けは、静かで冷たい部屋に溶けて消えて行った。
その代わりに、突然それまで黙ったままだった唯が音を立てて立ち上がった。

唯「やっぱり私、このままここでじっとしてるなんて出来ないよ!」

紬「でも、どうするつもりなの?」

唯「りっちゃんを探す!探して、本当かどうかを聞いて、それで……!」

ピリリリリ♪

一同「!?」ビクッ

澪「電話か……」ホッ

『着信:さわ子先生』



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:02:37.75 ID:xLqvQ5d00

澪「はい、もしもし?」

さわ子『澪ちゃん!皆もいる!?』

澪「あ、はい。何か……」

さわ子『テレビ点けて!早く!』

澪「え?わかりました」

唯「さわちゃん?何て?」

澪「テレビ今直ぐつけろって……。とりあえず下に行って見てみよう」



『現在生中継でお送りしております。
 つい先ほど、ピストルの音がしたと警察に通報があり、
 警察が駆けつけたところ、小学校高学年と思われる少女の遺体が発見され……』

テレビ画面いっぱいに、血溜まりが映し出される。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:08:37.46 ID:xLqvQ5d00

『尚、少女は出血多量のため、死亡が確認されました。
 犯人はいまだ逃走中とのことで、
 今朝起きたばかりの一家殺人の容疑で逃亡中の田井中容疑者の犯行だと思われます。
 外出の際はお気をつけて……』

紬「澪ちゃん、もうテレビ消して!」

澪「う、うん……」

ピッ

唯「うそ、だよね……そんなわけ……」ガクガク

紬「そうよ、きっと……そんなこと……」

ピリリリリ♪

澪「電話!またさわ子先生かな……」ゴソゴソ

澪「はい、もしもし」

「澪?」

澪「……り、つ……?」




30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:09:51.74 ID:PtPzN0s40

未成年は名前出さんだろう





31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:11:14.69 ID:xLqvQ5d00

>>30
あ、そっか。
すまん、そこはスルーで。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:20:57.08 ID:xLqvQ5d00

律『よかった、まだ学校かなーとか思ってたんだよね』ケラケラ

澪「そんなわけっ……!」

唯「澪ちゃん、りっちゃんなの!?貸して!」グイッ

澪「あ、ちょ、唯……!」

唯「りっちゃん!?」

律『おう、唯か?』

唯「りっちゃん何してるの!皆心配して……!人なんて殺してないよねりっちゃん!?」

律『殺したよ』サラリ

唯「……え」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:35:19.11 ID:xLqvQ5d00

律『なんかさー、今さっき、一発パーンとね、撃ってみたらバタって倒れちゃってさ、
  そんで死んじゃったみたいだから顔とかわからないように踏んでやったりしてたら
  警察来る音がして逃げてきたんだよね』

唯「……り、りっちゃん……やだ、聞きたくない!」

律『何で?すごかったぞ、血がドバーって溢れ出てさー。ほんっともう興奮しまくり』

唯「や、やだ、やめて、もう何も言わないでっ!」ガクガク

紬「唯ちゃん、大丈夫!?」

震えて叫ぶように言った唯の身体が傾いた。
紬が慌てて支える。

律『なに?聞きたくないんならいいけどさ。じゃ、澪に代わってよ』



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 18:42:27.32 ID:xLqvQ5d00

震えたまま、唯は声に出さずに頷くと、携帯を澪の手に戻した。

律『あ、澪代わった?』

澪「……うん」

律『澪も聞くか?私の話』

澪「いいっ!」

律『ちぇっ、つまんねーの。
  あ、そろそろ警察近付いてきたし逃げなきゃなー♪
  その前に、澪に伝えておかなきゃいけないことあるから
  早口で言うし聞き逃すなよ』

澪「え、律……」

律『私ね、やっと自由を手に入れたんだぜ!なあ澪、凄いだろ!?
  私は何をしたって許される存在なの!

  だからさ、今までむかついた奴とか全部殺す!
  で、昔澪をからかった奴とかも全員消してやるから!
  じゃーな!また会おうぜ、親友♪』

澪「なっ……!りつ、りつ!」

『……』

ツー、ツー、ツー



55 名前: ◆8S0pRhHoCE :2010/11/02(火) 21:09:28.14 ID:dqqeZ6pD0

電話の向こうはもう、虚しい音しか聞こえてこなかった。
強引に切られた携帯を、澪はぐっと握り締めた。

梓「先輩……、何て?」

澪「殺すって……」ブルブル

梓「」

澪「私をからかった奴とか、律がむかついた奴とか、全員殺すって……!」

紬「……、そんなの、正気じゃない……!」

澪「嫌に落ち着き払ってたんだよ、あいつっ」



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 21:17:55.13 ID:dqqeZ6pD0

澪「ほんとに……また殺しちゃうかも知れない……!」

唯「行こ」スッ

梓「……唯先輩?」

唯「やっぱりりっちゃんを探しに行こう!まだ間に合うよ!
  りっちゃんがまた誰かを殺しちゃう前に、りっちゃんを止めようよ!」

紬「でも、そんな……」

唯「ムギちゃん、りっちゃんが怖い?」

紬「……っ」

唯「私、怖いよ。だけどりっちゃんだってきっと怖いはずだもん、
  だから私たちがりっちゃんを止めてあげないとだめなんだよ!」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 21:24:04.60 ID:dqqeZ6pD0

――――― ――

電話を切ると、血だらけの手で律は携帯をポケットに仕舞った。
それと入れ替わりに、家から持ってきた果物ナイフを手に持った。
拳銃も、少しの間だけ携帯と一緒にポケットに突っ込んでおくことにした。

律「さーてと」ククッ

まるで、餌を求める獰猛な動物のようにその瞳を鋭く光らせ、“獲物”を探す。
裏通りで、人なんて殆どは言ってこない場所。光でさえあまり当たらないその場所で、
ただ律は誰かが来るのを待った。

近くで物音がした。

律「(きた!)」

飛び出した律は、その小柄な身体を突進させ、その胸に果物ナイフを一気に突き刺した。
血が溢れ出る。顔に、身体に、返り血を沢山浴びる。
咽返る様な血の匂いに、律はさらに興奮を覚えた。

何度も、何度も、もう止まっているはずの心臓に、それを突き刺した。
やがて、血が出なくなったとき、律は動きを止めた。



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 21:29:10.11 ID:dqqeZ6pD0

死体から、着ていたパーカーを剥ぐようにして取ると、
その中に入っていたライターや財布、必要そうなものを全て盗る。

律「……携帯とかはいらねーや」

いらないものは周りに投げ捨てる。
そして、血で真っ赤に染まった果物ナイフを
その剥ぎ取ったパーカーで拭き取ると、
律は鼻歌交じりに歩き出した。

――――― ――



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 21:52:44.58 ID:dqqeZ6pD0

唯「それじゃあ私とあずにゃん、
  澪ちゃんとムギちゃんで別れてりっちゃんを探そう!」

梓「澪先輩、ムギ先輩、何かあったら携帯に電話してください」

澪「うん、わかった」

紬「気をつけてね」

唯「ムギちゃんたちも!」





65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 21:58:30.08 ID:dqqeZ6pD0

<唯・梓side>

唯「この辺り、パトカーがうろうろしてるね……っ!」

梓「はい、さすがに律先輩もこっちのほうには出て来ないですよね、違うとこを……」

唯「……あ、あずにゃん……」

梓「は?なんですか、唯先輩?」

突然立ち止まった唯の後ろから、梓は前を覗き込んだ。
思わず息を呑む。

血の足跡が、ずっと向こうから続いていた。

唯「これ、りっちゃんの……?」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:09:07.24 ID:dqqeZ6pD0

梓「だいぶ向こうから続いてますね……。
  この足跡追っていったら律先輩に追いつけるかも……」

唯「待って、あずにゃん。まず先に、この足跡の方向と反対のほうを辿ってみよ」

梓「どうしてです?律先輩に会えるチャンスじゃ……」

唯「この血、まだ乾いて無いでしょ?乾いてたらこんなにつくはずないし……。
  要するに、ついさっき流れた血ってことだから、
  もしかしたらもう、りっちゃん、誰かを殺した後かも知れない」

梓「……、見に行く、んですか?」

唯「大丈夫だよあずにゃん、とりあえず行くだけ行ってみよう?」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:16:40.77 ID:dqqeZ6pD0

<澪・紬side>

澪「唯たち、大丈夫かな……」

紬「わからないわ。けど、梓ちゃんもいるし唯ちゃんだって無茶なことはしないと思う」

澪「そう、だよな……」

だいぶ寂しい場所まで来てみたものの、
特に何も異常はなく今度は繁華街の方へと向かっていた。

紬「ねえ、澪ちゃん。りっちゃんの携帯、繋がらないの?」

澪「うん、一応繋がるけど電話に出ないし……」

紬「そっか……」

澪「なあムギ。私、律が何も理由がないのに家族を殺したりするなんて思えない。
  私でも知らない何かがあったのかな……?」

紬「わからないわ、それは。りっちゃんに聞いてみなきゃ……」

澪「そう、だよな……、ごめん」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:21:48.96 ID:dqqeZ6pD0

紬「澪ちゃん、さっきから同じような受け応えばっかしてる」

澪「え、ごめん!」

紬「怒ってるわけじゃないけど……、大丈夫?」

立ち止まると、紬は訊ねた。澪は弱弱しく笑うと頷いた。

紬「(無理もないわよね……。私だってすごく動揺してるのに……。
   りっちゃんと幼馴染ですごく仲が良かった澪ちゃんが大丈夫なわけないよ……)」

澪「本当にごめんな?早く行こう」

紬「えぇ」

再び足を動かし始めたとき、澪の携帯が小さく震えた。
さわ子からの着信だった。

澪「はい」

さわ子『澪ちゃん、知ってた!?』



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:26:58.63 ID:dqqeZ6pD0

澪「え?」

さわ子『りっちゃんの家から薬物が発見されて……。
    りっちゃん、何か薬でもしてたの?だとしたら……』

澪「し、してません!律はそんなこと……!」

さわ子『そうよね、ごめんなさい。また何かわかったら連絡するわ。それより澪ちゃん』

澪「は、はい?」

さわ子『今どこにいるの?随分電話の向こうが騒々しいけど……。
    外出はなるべく控えてねって言っておいたでしょ?』

澪「あ……!えっと、テレビの音です!
  怖くて大きな音をたててテレビつけてたんです!それでは失礼します!」

ピッ

澪「(さわ子先生にも律を探してること、伝えたほうが良かったのかも……
   けど、きっと止めときなさいって言われちゃうよね……。
   いいや、私たちだけで何とかしないと!)」

紬「さわ子先生?」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:45:05.09 ID:dqqeZ6pD0

澪「うん、そう」

紬「何て?」

澪「……律が薬、してたんじゃないのかって……。律はそんな薬とかしないのに」グッ

紬「うん、わかってる」

澪「ごめん……」

紬「……行こう、澪ちゃん。警察が少なそうなところから探してみましょ」



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:49:14.15 ID:dqqeZ6pD0

<唯・梓side>

唯「……結構長いね、この足跡」

梓「はあ……」

梓「(べったり血がついてるし、
   しかもだんだん歩いていくにつれて血の匂いが強くなってきてる気がする……)」

唯「だんだん暗いとこに入ってきちゃったね……」

梓「ここ、廃工場の裏、でしょうか?」

唯「確か立ち入り禁止だったよね……」

トスッ

ほとんど見えなくなってしまった空を見上げながら歩いていると、
ふいに何かに足をとられた。

梓「唯先輩……っ」

唯「へ?」

唯「」



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:54:20.72 ID:dqqeZ6pD0

蹴ってしまったのは、血で真っ赤に染められた男の胸だった。
血が全て溢れ出てしまったのか、辺りは一面赤だった。

唯「い、いやあああああああああああああああああああ!」



律「……可愛い悲鳴」

遠くの方から聞こえた悲鳴に、律は思わず笑った。

律「(何か聞いたことある声だな……唯か?さっき私の殺した奴でも見たのか?
   恐怖に震える声ほどぞくぞくするもんはないってな)」ククッ

律「ちょいっと唯ちゃんで遊びましょーっと」



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 22:59:56.68 ID:dqqeZ6pD0

<澪・紬side>

紬「!?」

澪「今の悲鳴……、唯?」

紬「何かあったのかも……」

澪「行かなきゃ……」

紬「そうね!」

頷くと、紬は走り始めた。
だが、後ろから着いてこない足音に、足を止めると振り向いた。

紬「澪ちゃん?」

澪「(ど、ど、どうしよう……、
   行かなきゃってわかってるのに、足が動かない……っ
   怖くて仕方無い……っ)」ガクガク

紬「澪ちゃん、しっかりして!」ガシッ

澪「ムギ……?」



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 23:05:06.25 ID:dqqeZ6pD0

紬「唯ちゃんや梓ちゃんに何かあったのかも知れないの!
  早く行かなきゃ大変なことになっちゃうかも知れないよ!?
  それに、りっちゃんがいるのかも!」

澪「……う、うん、ごめん……」

紬「大丈夫だから、澪ちゃん」手ギュッ

澪「……うん」

「そーそ、なーんにも怖くねーぜ?澪しゃん♪」

澪・紬「!?」



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 23:11:45.73 ID:dqqeZ6pD0

律「おっかしーなあ、唯の声が聞こえたから唯のとこ行こうと思ってたんだけど……
  まさか澪とムギに会うなんてなあ。ま、いいや、奇遇だなっ」

澪「り、律、その格好……」

律「あー、これ?制服のままなんだけどさ、どう?リボン、梓と同じ赤色だぜ?
  また二年からやり直すってのもアリかもなぁ」

ゆっくりとした動作で、澪たちに近付く律。
その真っ赤な左手には、輝く果物ナイフが握られていた。

律「澪、ムギ、逃げなくてもいいじゃん?だから怖がることないって♪」ナイフブルンブルン



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/02(火) 23:22:56.72 ID:dqqeZ6pD0

ムギ「り、りっちゃん……やめて、お願い、来ないで……」

律「何で?大丈夫だってムギー、そんなに怖いことはしないよ?
  ただ遊びたいなって思ったからさ。一緒に遊ぼうぜムギ?」

紬「一緒に遊ぶって……」

律「んー、そうだなあ、例えば、ほいっ」

ふいに律の身体が動いて紬に突進した。
紬は慌てて飛び退いたが、遅かった。

澪「ムギ!」

紬「……!?」

尻餅をついたまま、紬は律を見上げた。
律の持つナイフから、血が滴り落ちる。

頬が僅かに切れていた。



121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 13:05:22.83 ID:xwjGImRj0

紬「り、っちゃん……」

律「惜しーい。あれ?もしかしたら全然惜しくなかったり?
  せっかくムギの首筋狙ってたのにさー。ムギ反射神経良すぎだろっ」ケラケラ

紬「……!?」

紬「(りっちゃん、壊れてる!このままじゃ、本当に殺されちゃう……!)」

澪「律、やめろ、やめてくれ!」ガクガク

律「澪も遊んで欲しいの?けど後でね。まずはムギと遊んでやらなきゃ♪」

震えながらその場にへたり込んでしまった澪のほうを向いた律の隙を突いて、
紬は立ち上がると一歩後ろに飛び退いた。

紬「(なんとかりっちゃんの動きを止めなきゃ……)」

律「お?ムギもやる気出てきたの?ハハッ、ちゃんと相手しろよなー♪」

ヒュッヒュッ

律は紬に走り寄ると、ナイフを振るった。刃は次々と空を切る。
紬は長い髪を振り乱し、必死にその凶刃から逃れようとした。



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 13:13:04.04 ID:xwjGImRj0

律「そうそうこうでなくっちゃー!ムギ、聞いてくれよ!」

ヒュッ、

紬「何も聞きたくないわ!」

ヒュッ、ヒュッ

律「聞きたくなくっても聞いてくれよー、
  ひどいんだぜ、私の家族。みーんなすぐに死んじゃうんだもん、
  こうやってナイフで、切り刻んだだけ、なのにさ!」

シュッ!

紬「あ……っ」

一瞬の隙を突いて、律の持つナイフは紬の腕を切った。
血が溢れてくる。

澪「ムギっ!」

紬「澪ちゃん、来ないで!大丈夫だから!」

律「へへっ、次はどこ切ってほしい、ムギ?」クク



130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 13:20:13.07 ID:xwjGImRj0

紬「っ……」

紬「(ここはあまり人が通らない場所だけど……、
   さすがに誰かが気付いてくれるはず!
   警察が来てくれるまでなんとか出来れば……!)」

律「なに黙ってんのさ、ムギー?
  どこでもいいんならそうだなあ、足から切っていってやろうか♪」

紬「(……警察?だめ、警察が来ちゃったら
   りっちゃんは戻れなくなっちゃうかも……!そんなの嫌……!)」

澪「ムギっ、危ない!」

シュッ!



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 13:54:26.52 ID:xwjGImRj0

ボト、ボト

紬「……!」

赤い血が、次々と紬の足から溢れ出ては落ちていく。
左足が半分、肉が抉られるようにして切られていた。

紬「……ぇ?」

律「悲鳴を上げることも出来ないわけ?」ククッ

澪「律、やめてくれ、やめて……!ムギが死んじゃう!」

律「どーしよっかなあ♪」

紬「……ぁ、……」ガクッ

澪「ムギっ!」

紬「……痛いっ、澪ちゃん……、誰か……っ、血が、止まらない……」ボタボタ

律「でもまさかこれだけじゃ死なないよねー?ほら、立ってよムギ」スッ

紬「!?」

律「立てよ」

紬「!」ビクッ



142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 15:10:18.99 ID:xwjGImRj0

律「立てないの?」ジッ

ドコッ

紬「……ぅ……っ」

律「早くしなきゃ次はムギの大切な指が逝っちゃうぞ?」

ドコッ

紬「!?」



164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:20:14.33 ID:YGIHMMGQ0

紬「それは……」

律「嫌だろ?無理だろ?だからさっさと立って遊ぼうぜ?」

紬「……くっ……」フラフラ

ナイフについた血を手で拭き取りながら笑う律。
紬は、よろよろと立ち上がろうとした。

澪「ムギ!」

紬「……」ガクンッ

最後まで立ち上がったのはいいが、紬は足に力が入らず膝から崩れ落ちた。
澪が駆け寄ろうとすると、律はその間に入って紬を冷たい視線で見下ろした。

律「なんだ、ほんとに立てないんだ?」

グッ

澪「(ナイフを握り直した……!)」



165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:29:48.60 ID:YGIHMMGQ0

鈍く光るナイフを、律は紬の目の前に翳した。

律「ムギはもうちょっと遊べるかなって思ってたんだけどな。残念。
  けどムギは大切な友達なんだから、最期を選ばしてやるよ。
  どこを切られて死にたい?」

紬「……死に、たくない……っ」ガクガク

律「困っちゃうねえ、死にたくないって選択肢はないの。
  何でもいいなら私、やっぱり足から全部切り落としてみたかったんだよねえ、
  やってみよっか♪」

澪「!?」

紬「……や、やめて、りっちゃん、お願い、お願いだから!」

律「……命乞い?いいよ、ちゃんと命乞い、してみてよ。お嬢様の命乞いって最高じゃん」ククッ



167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:38:09.98 ID:YGIHMMGQ0

紬「お願い、します……っ、助けてください……!」

律「頭が高ーい、ってな♪」

ゴスッ

足で紬の頭を地面に打ち付ける律。
澪がまた小さく悲鳴を上げた。

紬「ぅ……っ」

律「もうお終い?つまんねーの」

ドスッ

今度は腹を蹴り上げる。
紬の身体が頭同様地面に打ち付けられる。

澪「(どうしよう、どうしよう、どうしよう……!
   ムギの足からは血が止まらないし、
   このままじゃどっちにしてもムギが死んじゃう……!)」



168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:46:23.29 ID:YGIHMMGQ0

ピリリリリ♪

澪「(電話!?誰の!?)」

律「……んだようっせーなあ」ゴソゴソ

ドスッ、ドスッ

紬「……ぁ、……ぅ……!」

澪「(律が携帯開いた!今ならムギを……!)」ダッ

律「お、唯からじゃん♪」

澪「唯!?」ピタッ

紬「……」ピクッ



169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:51:23.49 ID:YGIHMMGQ0

携帯の通話ボタンを律が押したとき、
電話で話さなくてもいい距離に、唯と梓がいた。

澪「唯、梓!」

唯「澪ちゃん、ムギちゃん、無事!?」

梓「む、ムギ先輩!」

倒れこむ紬を発見して、梓は小さく声を上げると急いで走り寄る。
律は携帯を仕舞うと狂気じみたようにハハッと笑った。

律「私から行かなくてもみーんな揃っちゃったんだなあー、
  楽っちゃ楽だけどもうちょいスリルがあっても良かったのになあ」スッ

澪「ライター!?」



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:55:24.69 ID:YGIHMMGQ0

律「そ。これでここ一帯全部燃やしちゃおっかなー♪何人死傷者が出ちゃうことか」

唯「待って、りっちゃん!」

律「なに、唯?ムギみたいに遊んで欲しいの?」

唯「そうだよ!」

澪「なっ……」

唯「但し、警察が来る間ね!」

梓「今この場所に来る前に、携帯で警察を呼んだんです。あと数分で着くはずですよ」



171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 20:00:35.67 ID:YGIHMMGQ0

律からの暴力は止まったものの、止まらない紬の血を、ハンカチで抑えながら
梓が唯の言葉を引き継ぐようにして言った。
しかし、それでも律の顔色は変わらなかった。逆に、その瞳がさらに輝いた。

律「そっか、そんじゃあ尚更火、つけなきゃなー♪」

カチッ

唯「だ、だめだよりっちゃん!これ以上誰も傷付けちゃだめ!
  りっちゃんの罪が重くなっちゃう、だからだめだよりっちゃん!」

律「だって、唯、私、もう何も失うもんなんてないんだぜ?
  罪が軽くなろうと重くなろうと私は関係ねえよ」クククッ

カチカチッ



174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 20:08:51.55 ID:YGIHMMGQ0

律の持つライターに、火が灯る。
火が点いたままのそれを、空中に放り投げた。

近くに落ちていたドラム缶に当たってライターが跳ね返った。
地面に落ちた時、突然炎が燃え上がった。

律「よーく燃えてんなあ、ガソリンでも落ちてたのかもな♪」

梓「先輩方、早くここから逃げましょう!」

澪「でもムギが!」

律「逃がさねーよ?これでしばらく、警察だって来れないっしょ」

確かに、炎はちょうど、この場所に入って来れる道の全部を塞いでいた。
火は段々と大きくなっていく。

唯「りっちゃん、どうしてこんなことしちゃうの!?
  どうして家族や他人を殺しちゃったりしたの!?」

律「何で?そうだな、なんとなく?」ククッ

唯「……そんな……」



183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 20:51:11.16 ID:YGIHMMGQ0

律「大体さあ、別にいいじゃん、殺しちゃったって。あんな奴等。人間の屑、ゴミ以下。
  そんなの掃除するのと同じようなもんじゃん、なのに何がだめなわけ?」

トン、トンッ

律「唯もそう思わねえ?
  あいつ等、勝手に暴れまくって薬中もアル中もどっちもなっちゃってさー。
  それで挙句の果て借金はしてくるわ、私や弟に暴力振るってくるわで迷惑だっつーの。
  最低だろ?ほんっと最低。あんな奴等は皆死んじゃえばいい」

トン、トン

唯「りっちゃん……」

律「唯たちのことは私、大好きだけど。だからこそ、殺してあげるよ。
  私もここで死ぬからさ、こんな腐った世界から一緒に飛び立とうぜ」

トン、トン、ピタリ

律「な?」スッ

唯「……!?包丁……?それで、どうするの、りっちゃん……?」ヘラ



184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 21:02:19.14 ID:YGIHMMGQ0

律「もちろん、唯の腹の中を空っぽにしてやるんだよ」

澪「待て、律!」

梓「唯先輩!」

グッサ

唯「……っ!!!」

刺された唯の身体が折れ曲がり、前のめりに倒れていく。

梓「唯、先輩……。唯先輩、唯先輩!!!」ダッ

澪「梓!」

唯「……にゃん、りっ……ちゃん……!」ケホケホッ

梓「血が……!唯先輩、待っててください、すぐに……!」

律「……痛いだろ、唯?」ククッ

ズッ

唯「っ……あっ……ぅ……っ!」



187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 21:11:11.48 ID:YGIHMMGQ0

律「これ、家に隠してあった奴なんだよなあ。
  うちの親、この包丁何に使おうとしてたんだろうな?
  きっと私を殺そうとしてたんだよこれで。だから先に殺した、
  それでいいだろ、唯?」

ズグッ

梓「律先輩、もうやめて……!」

律「身体の中をかき回される感覚はどう?気持ち良いか?」

グシャリグシャリ

唯「ぅぁ……あ……っ」ビクッビクッ

グジャッ

律「答えられないほど気持ちいい?あ、今なんか潰れた?
  唯の内臓、案外壊れやすいんだなー♪」



190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 21:26:12.65 ID:YGIHMMGQ0

ビチャッ、

律「お、何か出てきたぞー♪
  これは唯の中の何のカケラだろうな?
  全部出してやるからな、唯!
  空っぽになったら唯は新しい世界にいけるんだぞー♪」

ビチャ、ビチャ、

澪「ひっ……」

梓「ぅ……」ゲホゲホ

紬「……い、ちゃんっ……」

律「ほら、皆も見てみろよ、すげーぞ、ぐしゃぐしゃだ!」クククッ



192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 21:33:36.91 ID:YGIHMMGQ0

唯「……」

律「あれ?唯?もしかしてほんとに死んじゃった?」キョト

ズッ
ベチャ、グショッ

律「あれ、またなんか出てきた。これってなんだろうな、唯の心臓だったりして♪」

澪「……ぁ、ゆ、い……」ガクガクガク

梓「っ……、許さない……!」

律「ん?なに、梓?」

スッ
ポイッ

澪「唯!」

唯の身体から包丁を抜き取ると、
律は躊躇うことも無く唯の身体を投げ捨てた。
それが紬の傍に転がり当たった。

紬「!?」

梓「許さないですっ……!」

律「ふーん。で、どうすんの?梓が私を殺しちゃう?それでもいいよ?」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 21:52:07.18 ID:YGIHMMGQ0

梓「……!」

律「それとも殺られたい?」

カシャッ

梓「ピストル!」

律「これで心臓を撃ち抜かれてから身体中を切断されるか、
  頭に何発も打ち込んで唯みたいにぐしゃぐしゃにされるか。どっちにする?」ケラ

梓「どっちもお断りします!」

澪「梓、律、もういいからっ……!もうやめてくれ!」

律「だって?どうする?」クスッ

澪「律!何でこんなに惨いことするんだよ!
  唯やムギは友達だったんじゃないのか!
  大切な友達だったんだろ!?それなのに何で……!」



200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:00:38.64 ID:YGIHMMGQ0

梓「そ、そうですよ!おかしいです!」

律「だから言っただろ、唯ちゃんもムギちゃんも
  大切なお友達だからこうしてやってるんだよ」

梓「意味わかんないですっ、そんなの変です、狂ってます!」

澪「なあ律、戻ってこいよ、許してやるから!だからこっちに戻って来いよ!」

そう澪が言った途端、突然律の表情が一変した。
悪戯っ子のようだった顔に、ただ憎悪と殺意だけが浮かんだ。

澪「!?」

律「許してやる?戻って来い?何様のつもりだよ、澪」



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:19:07.54 ID:YGIHMMGQ0

律「ふざけんなっ、何が許してやるだよ、もう戻れねえんだよ私は!
  許されたいわけでもねえんだよっ、死んじゃえよ、皆!
  死ねばいいんだよっ、こんな糞みたいな世界なくなっちまえばいいんだよっ!」

パンパンパンッ

立て続けに銃声が響いた。
流れた銃弾は、近くにいた梓の胸を貫いていった。

梓「!」ガク、ン

澪「り、律……」

律「ふざけんなっ、ふざけんなっ、消えろよ全員!死ねよ皆!
  私の前からいなくなれっ、結局誰も信じられないし
  ほんとは澪だって仕方なく私に付き合ってただけなんだろ!?
  ほんとは嫌いなんだろ!?あぁ、私だって嫌いだったよ、大嫌いだ!
  お前も、唯も、ムギも、梓も、皆大嫌いだよっ!」

パンパンパンッ

また燃え盛る炎の中に、銃弾が飛び散っていった。
紬や唯のいる場所に、炎は迫っていた。動けない紬や、唯の死体を飲み込もうとしていた。



213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:38:23.39 ID:YGIHMMGQ0

澪「り、つ……」

律「皆、大嫌いだっ……!」

パンッ

最後の銃弾が、澪の頭を翳めた。
律は拳銃を持ち変えるときに落とした包丁を拾い上げると、
唯の血がついたそれで澪の元に走った。

澪「……ごめん、律」

澪は逃げようとはしなかった。
ただ、律を受け入れた。

ズグッ

澪「っ……く……」

グッ、ズッ、

何度も何度も、律は刺した。もう澪は、何も言わなかった。
澪の身体が崩れ落ちていく。それでも律は、刺し続けた。

炎に全てを焼かれてしまうまで。

――――― ――



217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:46:25.45 ID:YGIHMMGQ0

「……、っ……!?」

酷い夢を見た気がする。
大して暑くも無いのに、背中が汗でびっしょり濡れていた。

下から怒鳴り声や奇声が聞こえてきた。

ベッドから起き上がると、机の引き出しに隠してあった果物ナイフを取り出した。
大きく息を吸い込むと、「皆大嫌いだ」と呟き、それを持ったまま階下に下りていった。

終わり。




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タイトル:
NO:6568 [ 2012/06/04 22:08 ] [ 編集 ]

悪いけどいまいち
何をモチーフにしたのか不明です

でも構成はいいと思います

タイトル:承認待ちコメント
NO:6654 [ 2012/07/10 23:57 ] [ 編集 ]

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