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歌舞伎『軽音』 【学問・古典・文学・哲学】


http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1284902772/

謡曲『軽音』
狂言『軽音』
好色草子『軽音』
歌舞伎『軽音』




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:26:12.14 ID:UWB3gZ+C0

拙き文章とても あやしき翻案とても 届けたし 精一杯の擬古文愛


みんなの大好きな名場面を、歌舞伎っぽくしてみる。
あくまで「ぽく」の似非歌舞伎、しょせんは素人の暇つぶしなれど、しばしお付き合いを。



乙女歌舞伎『軽音五人雷舞』(けいおんごにんらいぶ)より

大詰・桜高祭の場





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:27:09.01 ID:UWB3gZ+C0

本舞台の真ン中寄りに軽音部4名とさわ子、各々に得物かまへ居る。
下手端には憂立つ。

憂「年に一度の大神楽、桜高が祭舞台もいよいよたけなわ。
  今こちらに揃ひしは、待ちに待ツたる軽音神楽衆。
  されど、いかに上手の画龍とて、点睛欠かば子供の塀落書(らくしょ)に同じ」

ト 憂、なにやら落ち着かぬ様子。

憂「然様、偉い方々うち並ぶ中に、ただひとり我が姉上様のみが居らぬ。
  アア生涯の遺恨なり。気を利かせたつもりが、かへつて仇よ。
  姉上様御好みの名物義亥太を、家屋敷に持ち去つた我が手が憎い」

ト 憂、本舞台を仰ぎ見る。

憂「などとツラツラ臍を噛む間に、調(しらべ)の用意は整ひたる様子」




12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:32:37.29 ID:o1shoJOC0

トって誰だ



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:34:55.18 ID:EHSjiy9E0

>>12
ト書き。この場合はナレーション



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:36:53.54 ID:EHSjiy9E0

自分で言っといてアレだけど、
ト書きはナレーションとはちょっと違うかな。
状況説明とかのこと。





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:28:38.60 ID:UWB3gZ+C0

ト 梓、あたり見渡し。

梓「情けのうござる。唯殿の立たぬ舞台など、本意にはあらず」
律「されど、御桟敷を待たせおくのみでは」
紬「我ら一座の名折れにて、外聞も悪かろう」
澪「なれば今は、さわ子殿の加勢を頼みに」
さわ子「彼奴めの着到を待ちつつ、まずは一番」
皆「場を盛り立てるべし」

ト 律、太鼓撥(どらむすてつく)すり合わせ。

律「ひいふうみい、イザ」
さわ子「イザ」
皆「イザイザイザ」

ト 軽音部、各々に得物鳴らす。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:29:27.71 ID:UWB3gZ+C0

澪「木の筆殿がヤアヤアヤア」
律「わななき走りてソレソレソレ」
紬「アイ鉄筆殿よ御休みなされ」
梓「愛しのあなたの幸(さち)願ひ」
さわ子「墨も黒々、恋文三昧」
皆「ハアー忠実立の一本気、ヨイキタヨイキタ」

ト 奏で手、止む

律「ムム。只今の一番を終へて、神楽舞台つひに末つ方。
  仕舞の時節まで、もはや余算なし。
  アアうらめしいぞ唯、この期に及んで由良助を極めこむとは。
  花の面目、喝采栄華なるこの場も、汝あらねば値打ち半分」
皆「まこと無念なり」
律「されど是非なし。我らが持ち唄も残すはひとつ、サア次が最後ぞ」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:30:20.52 ID:UWB3gZ+C0

ト 律、再び太鼓撥すり合わせ、最後の用意。
  この時、揚幕の内よりするどく一声。

唯「暫(しばら)く」

ト 軽音部、憂、一斉に花道向こうを見やる。

唯「暫く暫く、ア暫く」
憂「これはこれは。産湯つかひし日より、常に聞きいたる御声。
  世にふたつとなき、最愛(いとほし)の御姿。
  エエイ見間違えるはずがない、あれぞまさしく」

ト 揚幕、開く。
  義亥太を背負ひし唯、花道に出る。

唯「いかにも平沢唯、参上にて候」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:30:58.89 ID:UWB3gZ+C0

ト 唯、花道の上を通りつつ。

唯「思ひ起こせば春卯月、女子の一生何をか為さんと、、
  先の見通し、志(こころざし)、おぼつかなきまま浮雲の、
  朧にただよひ過ぎしこの道。
  もしあの頃に立ち戻り、昔の手前と顔合わさば、
  教えおきたし先に待つ、心の躍る宿運を」

ト 唯、神楽衆一座を見やりつつ、花道の末へ。

憂「姉上様、よう御戻りなされました」

ト 唯、下手端の憂を振りかへり。

唯「ア、ぴいす」

ト 指二本立て、キツと見得。
  後、一座のもとへ駆け寄る。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:32:07.45 ID:UWB3gZ+C0

唯「さわ子殿、名代のお役目いたつかはしうござる」
さわ子「なんの朝飯前。では、以後のことは汝に預ける」
唯「心得ましてござる」

ト さわ子、退場。

澪「ヤヤ、羽織の紐がほどけたるぞ」

ト 澪、唯の胸元に手やり、紐むすび直す。
  唯、涙ながらに。

唯「こたびの遅参、申し開きの由もなし。
  毎度が毎度、皆に難儀わづらひばかりを押し付ける我が身が憎い」
律「エエ何を憎むものか。我らと汝は一蓮托生、三世十方に渡る神楽仲間よ」
唯「オウオウ、ありがたし、ありがたし」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:33:06.46 ID:UWB3gZ+C0

ト 唯、涙ぬぐう仕草。
  後、客席へ向き直り。

唯「改めまして、とざい東西。
  皆々様へ、式礼の口上をば申し上げます。
  我ら桜高が軽音神楽衆、号(ばんどねーむ)は放課後茶事と洒落ましてござる。
  ヤア一座の皆よ、まずは名乗りあれ」

ト 唯、他の一味(ばんどめんばあ)より一歩退く。

律「問われて名乗るもおこがましいが、誉れは高き一座の座長、
  鱚月(きいすむうん)に憧(あくがれ)て、語るより先に打物(うちもの)と、
  振るひて叩く撥(すてつく)が、常勝破竹の勢いを呼ぶ、
  前髪上げた晴れ女、田井中律とは私だよん」

澪「サテその次は縁の下、調べの礎(べえす)を担いつつ、
  花の恥じらい鳥のさへずり、森羅万象の美快事(めるへん)を、
  乙女の筆にとらへては、餡より甘き作文(さくもん)織り成す、
  目立ちたいとは願はねど、照らせば光る秋山澪」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:34:04.05 ID:UWB3gZ+C0

紬「続いて次に控へしは、突き出す紅茶もかぐはしく、
  一服盛りたる菓子の皿、胸裡に咲いた百合の花、
  やんごとなき身をやつしては、七十と六ツの鍵盤に、
  希望(けまう)の音を響かせる、眉も凛々しき琴吹紬」

梓「またその次に列なるは、威勢に跳ねる双尾結(ついんている)、
  馴れにし四緒(よつのを)奏でるは、白几帳面の指づかひ、
  ひねもすのたりの先達どもを、稽古に急かす暴れ馬、
  新参ながらも気丈者、中野梓がやつてやるです」

ト 唯、再び舞台前へ。

唯「サテどんじりに遅れ来しは、しをらし女の園の中、
  ひとり自堕落しどろもどろ、よろづの所作も緩々(ゆるゆる)の、
  さりとて一度(ひとたび)得手物あれば」

ト 唯、背負ひし義亥太を前に抱へ、かき鳴らす。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:35:14.84 ID:UWB3gZ+C0

唯「コレこの通り、疾風(はやて)のごとき爪弾(ぴつきんぐ)にて、
  常盤堅盤(ときわかきわ)の諸恋うたふ、一座の花形、平沢唯」

ト 律、撥を頭上に掲げ。

律「サアサアあるべき雷舞(らいぶ)の場に、あるべき五人がズラズラリ」
唯「なれば今こそ正念場、ここぞ我らが武道館。果ての果てまで、唄ひつくすのみ」
律「団十郎の十八番、不破の鞘当にあやかつて、我らも為さん恋景色、
  名づけてすなはち不破不破が刻、神楽衆自慢のお家芸」
唯「サアテ、イザ」
皆「イザイザイザ」
唯「軽音まことに、アアまことに好いたらしくおぼえ候」

ト 一座、各々得物かまへて見得。
  そこに柝の音入り、幕。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:36:01.44 ID:UWB3gZ+C0

「乙女歌舞伎」なのに全員男言葉で喋っているが、まあ気にするない。


もう少し後に、ふたつめを投下します。




24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:41:45.07 ID:Mz6g9jHy0

いや、これはすごい



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:42:58.28 ID:o7k4Gwz40

なんだコレおもしれえ
韻がすげえ



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:44:12.00 ID:jMjqRvBD0

素晴らしいゾ



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:48:20.94 ID:uOb2mKf10

これは2期の学際ライブ?





29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:55:51.53 ID:UWB3gZ+C0

>28
いや、1期の第12話のつもりで書きました。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:10:04.03 ID:UWB3gZ+C0

次は

説法歌舞伎『或魔術禁書目録』(あるまじゅつのいんでくす)より

猪突余羽根筆(ちよとつよはねのふで)の場



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:11:08.98 ID:UWB3gZ+C0

本舞台一面、畳敷の部屋。
下手に上条、捨射(すている)、神裂の三者立ち並ぶ。
上手に禁書目録(いんでくす)、つべたましき風情にて三者を見下す。


・胸に隠した内証の経は、般若も逃げ出す十万巻。
 ひそか中のひそか事を、守る奥の手、余羽根筆。
 されど上条少しも慌てず、正体なくした巫女(かんなぎ)睨み、男意気地(いきぢ)の仁王立ち。

上条「サテ日頃に聞くのを忘れていたが、
   ソモうぬア、生まれついての奇業(くしびわざ)師じゃあねえ。
   しかし同じ身ながら、霊験の魔術までトンと使えぬときたもんだ。
   ヘヘエ、こいつぁ割のあわねえ話よ」

ト 禁書目録、なにやら不可思議の威力を発し、三者ひるむ。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:12:44.50 ID:UWB3gZ+C0

捨射「ム、よもや」
神裂「アアかの女児(めのご)が魔術用ゐたるとは、何ゆえか」

ト 上条、右手を前に掲げ、威力打ち消しつつ。

上条「決まつてらア。こやつに魔術の縁無したア、御社の一味の二枚舌」

ト 捨射・神裂思ひ入れ。

上条「年おきに思ひ出なくして云々てエのも、とんだ赤嘘だろうぜ。
   胸ン中しめる呪事(まじなごと)が無けりや、覚えを消すべき由縁もねえ。
   サア御両人、気い落ち着けて、よくよく考えて直してみろ。
   こ奴にむごいお役目を押し付けたる御社が、木っ端下働きのうぬめらに、
   愛嬌売つて真実喋るたア、まこと了見が浅い浅い。
   いかさま、禁書目録本体に聞いてみなんせ」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:14:29.79 ID:UWB3gZ+C0

ト 禁書目録、無情の声で。

禁書目録「譲二上人が結界、遣ふも益なし。
     さればまた別の業もて、不埒者討ち果たさん」

ト 威力強まり、上条苦悶。
  その背中に、捨射が手を置く。

捨射「おぼつかなき絵空事など、聞かぬわい。
   覚えたること消せば、かつがつも命は取留められよう。
   その為とあらば我、何者とても屠る覚悟なり」

上条「イイヤかつがつたア、それこそ鳶凧(とんびだこ)の空頼み。
   四の五の御託は聞き飽きた、サア今はひとつ、本心のみ語れや修験者(すげんざ)殿。
   まさかうぬア、禁書目録の済度を一切無用とならべやがるか」
捨入「ムウ」

ト 捨射、思ひ入れ。



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:16:19.50 ID:UWB3gZ+C0

上条「耐へに耐へての幾星霜、片待ち三昧の年月を、徒(あだ)にするつもりか。
   彼奴めの思い出そのまンま、しかもなお、彼奴めが敵役(かたきやく)にまわることもねえ。
   そんな桟敷も賑わう大団円てエのが、そもそもの大願ぢやアねえのかい。
   他ならぬ己の手で、他ならぬ手児名(てこな)を固く守護、
   これぞまさしく花形働き、どうせ目指すなら二枚目看板、
   脇連れつとめて心行顔(とくいがお)たア、小さい小さい」

ト 捨射、神裂、目を剥いて身じろぐ。

上条「身命惜しまぬ武功談、まだまだ幕は上がつたばかり。
   ちいとばかりの菅の根の、長々続く前書きを、読まず投げ出す須磨源氏、
   いかにも田舎の不調法で、勿体なくて涙が出らア。
   エエ一念必死に伸ばした腕の、届かぬ道理があるものか。
   サアサア、始まりの拍子を鳴らせや修験者殿」

ト 上条、さらに押される。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:17:08.21 ID:UWB3gZ+C0

神裂「エエイ」
捨射「ホウ、ホホウ」

ト 神裂、捨射、魔術用ゐて禁書目録の霊威を押し返す

捨射「イザ行け、奇特の業師よ」
禁書目録「いかな攻め手とて、抗ひ来るなら滅ぼすのみぞ」
上条「オオ」

ト 上条、禁書目録の前に駆け寄る。

・義憤みなぎる猪武者が、畳三畳を鉄砲駆け。
 おらびて広げる掌(たなごころ)、掴みて引きたし果報の幕切れ。

上条「サテ神様に仏様、耳を傾け聞かつしやれ。
   人の天命も暦数も、みな作られたる機関(からくり)と」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:17:45.03 ID:UWB3gZ+C0


kabuki_gensou_aa.png






ト 舞台一杯の立ち回り。



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:19:25.75 ID:UWB3gZ+C0

上条「タア」

ト 禁書目録の額に手を置く。

禁書目録「アレエ、南無三」

ト 禁書目録倒れ、天井より羽根が散り落ちる。

神裂「ヤヤ、これに降りたるは竜息(どらごんぶれす)に他ならず。
   いにしへ伝えの恐ろしさ、譲二上人が竜による一撃も同然なれば、
   決して触れてくださいますな」

・されどその声、上条に届かず。

ト 上条、薄ぼんやりと禁書目録を抱える。
  そこに羽根触れ、上条もまた倒れる。
  重なつて伏す上条と禁書目録、立ち呆ける捨射と神裂を舞台に残したまま、照明消す。  
  柝の音、真ツ暗の舞台に幕。




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歌舞伎『軽音』
[ 2011/12/24 18:24 ] 学問・古典・文学・哲学 | | CM(0)

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