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澪「大切な誕生日プレゼント」 【非日常系】


http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326718757/l50

紬「素敵な誕生日プレゼント」
澪「大切な誕生日プレゼント」
憂「Happy valentine」
紬「Salty valentine」
憂「あったかな誕生日プレゼント」
梓「Sweet valentine」




1 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 21:59:17.08 ID:Bw4s6UiO0


「はぁ……」

私は、窓外を見つめ、ため息を吐く。
どうしてこうなってしまったんだろう。
傷つけるつもりなんてなかったのに。





5 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:01:07.37 ID:Bw4s6UiO0

―――

私は、お弁当を食べ終えると、みんなに図書室へ行くと言い、教室を後にした。
廊下を歩きながら、携帯を開き、先ほど届いたメールを確認する。
それは梓からのメールで、話があるから、部室へ来て欲しいと言うものだった。

「なにか悩みでもあるのかな?」

そう呟き、足を速めながらふと思う。

(そう言えばこう言うの久しぶりだよな)

梓が軽音部に入ったころは、
だらだらしてる部になかなか馴染めず、結構相談をされたものだったけど、
文化祭が終わるころにはそう言うのは一切なくなっていた。
私は頬が緩んでいることに気付き、あわてて表情を引き締める。

(何考えてるんだ。後輩が悩んでるのに喜んでどうすんだよ)

私が、軽い自己嫌悪を感じつつ、部室のドアを開けると、梓が緊張した面持ちで待っていた。




6 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:02:24.09 ID:Bw4s6UiO0


「ごめん、待った?」

「いえ、急に呼び出してすみません」

「ううん、大丈夫だよ」

私は、いつものように笑顔を浮かべ、梓が話を切り出すのを待った。

「…………」

「…………」

でも、いつもとは違い、なかなか梓は口を開いてくれない。

梓は、自分をしっかり持っていて、思ったことをはっきり伝えてくれる子なのに。
よっぽど言いにくい事なんだろうか?

(もしかして、いじめとか。
 いや、梓みたいないい子がいじめられるなんて。
 でも、まじめでしっかりした子だからこそ、鬱陶しがられいじめられるのかも?

 いや、憂ちゃんもいるし、鈴木さんもいい子そうだし、
 やっぱり梓がいじめられるなんてことは考えられない)

そんな風に、思考の迷路に嵌っていると、梓が突然口を開いた。



8 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:04:06.80 ID:Bw4s6UiO0


あの!お誕生日おめでとうございます!」

「ふぇ?」

私は、思いもよらなかった言葉に、思わず間抜けな声を挙げてしまう。

「これ、受け取ってください!」

「……あ、ありがとう」

私は、少し落ち着き、言葉の意味を理解すると、
差し出された小さな包みを受け取り、お礼を返す。

(なんだ、誕生日プレゼントくれるためだったんだ)
 さっき、取り越し苦労をしていたせいもあって、すごくうれしかった。



10 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:05:29.23 ID:Bw4s6UiO0


「あの……わ、私、澪先輩が大好きです!」

「うん、私も梓のこと好きだよ」

私は、そう返し、微笑みながら、久しぶりに梓の頭をなでる。

「…………」

でも、梓は、いつものように微笑み返してはくれなかった。

「あの、そういうのじゃないんです」

梓は、私の手をそっとはずし、真剣なまなざしで見つめ返してきた。

「…………」

「あの……私と付き合ってください!」

そう叫ぶようにいうと、梓は深々と頭を下げた。



11 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:06:45.68 ID:Bw4s6UiO0


「最初は、澪先輩みたいなお姉ちゃんが欲しいなとか、その程度だったんです。
 でも、いつも相談に乗ってくれて……いつもやさしくしてくれて……それで私……」

正直、梓の言ってることが分からなかった。
確かに合宿の前までは、頻繁に相談を受けたりしてたけど……。
合宿以降は、すっかり律や唯とも仲良くなって……。
梓が相談してくることも、二人で話すことも徐々になくなって……。
私の役割も終わっちゃったのかなと課思ってたのに。

「あの……だからですね……あの……」

「ごめん」

言いようのない寂しさや、憤りみたいなもので、
頭の中がぐちゃぐちゃになった私は、一生懸命話し続ける梓の言葉を遮った。

「そ、そうですよね……いくらなんでもおかしいですよね……」

梓の瞳に見る見るうちに涙が溜まっていく。

「あの……冗談なんで忘れちゃってください。
 ……あの、失礼します」

梓はそこまで言うと、
瞳に涙をためたまま、無理やりに笑顔を作り、
部室を飛び出して行ってしまった。



12 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:08:12.29 ID:Bw4s6UiO0

―――

「はぁ……」

再び、窓外に視線を移し、ため息を吐く。
そのときだった。

「澪ちゃん?」

聞き覚えのある柔らかな声に振り返ると、いつの間に入ってきていたのだろう?
ムギが心配そうな表情を浮かべ立っていた。

「あ、ムギか……」

「澪ちゃん、今梓ちゃんが」

「あぁ、分かってる……
 私のせいなんだ……」

「何があったの?」

「…………」

私は、ムギのその問いに答える事が出来なかった。
自分の気持ちに整理もついていなかったし、
何よりも、誰かに話せば梓をさらに傷つけるんじゃないかと思ったから。



13 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:09:10.78 ID:Bw4s6UiO0


「告白された……とか?」

「え?なんで?」

ムギのその言葉に、隠そうとしていたはずなのに、
私は思わず問い返してしまった。

「なんとなくね」

「…………」

ムギは、あきれているのか、落胆しているのか、
どちらともつかない表情で答え、続ける

「で、断っちゃったのね」

「……うん」

私は、隠し通すことができなくなり、うなずいた。

「どうして?」

「……分からない」

「梓ちゃんのこと嫌い?」

ムギは、そんな私に容赦なく、質問を続ける。



15 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:12:05.29 ID:Bw4s6UiO0


「嫌いじゃ!……ない・……けど……」

「ねぇ、澪ちゃん、梓ちゃんのこと、どう思う?」

「どう思うって言われても……」

私は、ムギの質問の意図がつかめず、困惑する。

「じゃぁ、どんな子だと思う?」

「えっと……ギターがうまくて、まじめで、でもちょっと生意気で、
 ちっちゃくって、かわいくって、いつも元気で、いつも、そんな元気をくれて」

「うふふ」

「ムギ」

「ごめんなさい」

真剣に答えているのに、噴出すように微笑まれ、
少し苛立ちを覚えた私が、軽くにらむと、ムギはすっと微笑を消して続けた。

「でも、澪ちゃん、梓ちゃんのことべた褒めだよね」

「それは……」

「素直になった方がいいんじゃないかな?」

「素直になるって言われても……」

「断った理由が分からない。
 でも梓ちゃんのいいところは、とめなければいくらでも出てくる……
 それが答えだと思うんだけど」

はたしてそうなんだろうか?
仮にそうだったとしても、もう遅い。
だって私はもう梓のことを……。



17 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:12:59.44 ID:Bw4s6UiO0


「でも、もう……」

「澪ちゃん、きっとさっきは突然のことで、
 澪ちゃんも動揺しちゃっただけだと思うの。
 もう一度、梓ちゃんと二人で話してみて。
 じゃないときっと後悔するから」

「……分かった。
 もう一度梓と話して、自分の気持ちにも向き合ってみるよ」

いつもと違う、ムギの真剣な様子に気圧された私はそう答えていた。



18 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:14:40.33 ID:Bw4s6UiO0

―――

「梓ちゃんはまだ帰って来てませんよ」

とりあえず梓に会おう。
そう思った私は、1年2組の教室へと向かったが、
憂ちゃんの話によると、私に会うと言って出かけてから、戻ってきていないようだった。

「あの、澪さん、何かあったんですか?

 さっき、梓ちゃんから、
 『応援してくれたのに、ごめん。今までありがとう』
 ってメールがきたんですけど」」

憂ちゃんのその言葉に、不意に胸騒ぎを覚えた私は、
呼び止める憂ちゃんの声を背中に、駆け出していた。

「梓……梓……」

私の足は、自然に校舎の屋上へと向かっていた。
何故だか、そこに梓がいると言う核心みたいなものを感じていた。



19 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:15:58.43 ID:Bw4s6UiO0


「梓!」

私は、叫ぶと同時に、重い鉄のドアを開け放ち、屋上に飛び出した。

だけど、そこには梓の姿はなく、よどんだ空の下、
ただ、頬を指すような冷たい風が吹いているだけだった。
私は、恐る恐るフェンスに近づき、そっと下を覗き込む。

「はぁ……」

そして、平穏な光景に、先ほどとは異なるため息を吐いた。

「澪……先輩?」

力ない声に振り返ると、ドアの影の壁に持たれ膝を抱えている梓の姿があった。

「梓……」

その姿を見て、安心した私は、
情けないことに腰が抜けてしまい、へなへなとその場に座り込んでしまった。



20 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:17:26.35 ID:Bw4s6UiO0


「……澪先輩?」

梓は、不思議そうにゆっくり近づいてくると、そっと手を差し伸べてくれる。

「ありがとう」

そしてその手に触れると、まるで氷のように冷たかった。

「梓、こんなに冷え切ってるじゃないか?」

「大丈夫です」

「大丈夫じゃないだろ!風邪ひいたらどうするんだよ」

私が、その手のあまりの冷たさに大声を挙げると、梓は俯き、肩を振るわせ始めた。



21 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:20:49.08 ID:Bw4s6UiO0


「い、今は……優しくしない……で、く……くだ……さい」

梓の頬を、幾筋もの涙が流れる。
その涙を見て、私の胸も締め付けられる。
いつも元気な梓を、こんな風にしたものへの苛立ちで。
でも、そんな風にしたのは、他の誰でもない、私なんだ。

『素直になった方がいいんじゃないかな?』

ムギの声が脳裏によみがえる。

(素直に……か……)
 でも私の素直な気持ちってなんなんだろう?

「……すみません……失礼します」

梓が、そう呟くように言い、振り返ろうとした時だった。

「梓……」

私は、思わず梓を抱きしめた。



22 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:22:20.61 ID:Bw4s6UiO0


「は……離して……ください……こんなことされたら、
 あ……あきらめられないじゃないですか……」

私の胸の中で、梓の涙交じりのくぐもった声がする。

「梓、ごめん」

私が、そう言うと、梓はさらに肩を振るわせ始めた。

「あ、謝ら……な……いないで……ください」

「ごめん、ごめん、梓。こんな思いさせて」

私の頬にも涙が伝う。

「もう2度とこんな思いさせないから……だから……許して……」

自然に言葉が紡がれ、梓の背中に回した両手にも力が入る。

(そうか、これが私の気持ちだったんだ)

私はなんて馬鹿なんだろう。
失いそうになるまで、自分の気持ちに気づかないなんて。

梓に許してもらえるか分からないけど……。
こんな情けない先輩、もうあきれられて、嫌いになっちゃったかも知れないけれど……。
私は、梓に本当の気持ちを伝えなければならないと思った。

例え、もう遅かったとしても、
それがこんな私を好きだと言ってくれた、梓への礼儀だと思ったから。



23 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:23:37.53 ID:Bw4s6UiO0


「梓……大好き。
 私と……付き合ってください」

梓は、私の胸の中で首を振る。

「……同情は……嫌です」

「同情じゃない……同情じゃないんだ」

「…………」

「本当に私も梓のこと好き……
 今まで自分の気持ちに気づかなくてごめん……」

「…………」

「だから……だから私と……」

梓は、私の言葉が終わらないうちに、私の胸に顔をうずめ、
こくんとうなずくと、私の背中に両手を回した。



24 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:25:08.64 ID:Bw4s6UiO0

―――

ありがとう梓。
今日くれたプレゼント、ずっとずっと大切にするから。
ポケットに入っている包みだけじゃなく、今日くれた梓の思いを―――
そして、私の中の梓への思いを―――




おわり



26 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:29:37.86 ID:Bw4s6UiO0

昨日、ネットにつなげなかったので一日遅れになってしまいました。
澪ちゃん誕生日おめでとー!

読んでくれた方、ありがとうございました。
別に読まなくても問題ありませんが、去年のムギちゃんの誕生日に上げた、
紬「素敵な誕生日プレゼント」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309614268/l50
で語られてる半年前のエピソードになります。



27 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:34:30.53 ID:Bw4s6UiO0

あ、読まなくて問題ないと言うのは、紬編を読まなくても、ストーリー上問題はないと言う意味です。




25 名前: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/16(月) 22:28:36.30 ID:spHQD3rG0





28 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:44:37.61 ID:7Yj6ueLo0


そう言えば三角関係だったな



29 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:44:41.70 ID:hAaKFprn0

乙です
面白かったよ



30 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:45:07.71 ID:/tgORssN0

おつ!



31 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 22:46:43.67 ID:ZRgHqrY20

乙!やっぱ澪梓は良いな
梓はもっと澪に相談するシーンとか欲しかったよねと本編見てて俺でも思う



34 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/16(月) 23:01:22.39 ID:6GojFx990

乙!そして昨日も言ったが澪誕生日おめでとう






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澪「大切な誕生日プレゼント」
[ 2012/01/17 19:11 ] 非日常系 | 澪梓 | CM(5)

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タイトル:
NO:5306 [ 2012/01/17 19:36 ] [ 編集 ]

おおっ!!澪視点Verか!!
澪梓はほんと良いですなぁ~...!! この二人はほんと絵になる。まさに純愛って感じだわ...

タイトル:
NO:5307 [ 2012/01/17 19:39 ] [ 編集 ]

澪梓はどんなのでも純愛に見えるよな
澪ちゃんお誕生日おめでとぉーっ!

タイトル:
NO:5346 [ 2012/01/19 21:34 ] [ 編集 ]

↑どっちかが鬼畜になって犯しても途中で改心してラブラブエッチに移行するのも多いしなw

タイトル:
NO:5396 [ 2012/01/22 23:20 ] [ 編集 ]

だなw 澪梓はほんとこっちまで幸せになれるw

タイトル:
NO:5412 [ 2012/01/24 18:12 ] [ 編集 ]

打ち消しの文こういうシリアスなのが似合うのは澪梓ならではだな

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