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唯「ほうかご百物語」#後編 【クロス】


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唯「ほうかご百物語」#前編
唯「ほうかご百物語」#後編




69 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/15(木) 20:58:04.21 ID:pL7kuLIj0

ーー校庭

輝「近くで見ると圧巻ね」

御崎「黒雲がこんな低いところまで降りてきてる訳だし、こんなもんでしょ」

梓(澪)「こ、この中に鵺がいるんだよな……」

真一「それよりさっきの悲鳴が気になるんですが」

クズリ「そうだよ、早く探さないと」

唯「んー、と。 あ、あの人かな?」

純「…………う、うぅ」

律(梓)「純!? どうしたの、大丈夫!?」

純「……あず、あれ? 律先輩? ごめんなさい、大丈夫です……」

律(梓)「いや、見るからに大丈夫じゃないんだけど」

純「律先輩、梓いますか?」

律(梓)「わたs、あー。 あそこに梓(澪)がいるよ」

純「あ、ありがとうございます」

澪(梓)「?」

純「//////」

律(梓)(あれ、なんですかこの空気)



70 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/15(木) 20:59:10.44 ID:pL7kuLIj0

純「あ、梓!」

紬(律)「(おい澪、呼ばれてんぞ)」

梓(澪)「(え? ああ、そうか)なに、純」

和(紬)(梓ちゃんのモノマネかしら?)

純「私、さ。 もうどうしようもなくて、気持ち悪いかもしれないけど、言うね?」

梓(澪)「え、う、うん」

純「私、梓のことが好き」

唯律澪紬梓和真ク御輝「」

純「友達じゃなくて、ひとりの人として」
御崎「(……なあなあ律さんや。かの子は普段からこういう感じの子なのかい?)」

紬(律)「(いや、結構ミーハーなところがあったから普通にノーマルだと思うんだが)」

梓(澪)「」

律(梓)「」

澪(和)(澪も中野さんも固まってるわね)



71 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/15(木) 21:00:00.92 ID:pL7kuLIj0

御崎「病気は病気でも恋の病ですってか。 けっ、やってくれるねこんにゃろー」

真一「なんていうか、その、あれですね」

輝「被害がそんなにあるようには見えないけど」

御崎「いやいや、被害は確実に広がるでしょ。 少なくともあの二人は」

純「梓、梓……!」クンズ

梓(澪)「すz、じ、純! ダメ、ちょ、まっ……!」ホグレツ

唯「おお、おおお……///」

真一「眼福ですね」

クズリ「真一……?」

真一「すいませんでした」

御崎「とりあえず、大元を叩かない限りはこの惨状はどうにも出来ないでしょ」

和(紬)「でもどうやって撃退するんですか?」

御崎「それなのよねぇ。
   本当なら伝承に則って矢で射るのがベストなんだけど、矢なんてないっていうし。
   無理矢理屠っちゃうのがベターかも知らんねこれは」

紬(律)「無理矢理って……。 なんか後味悪いなあ」

御崎「理性をちゃんと持ってるような輩だったらこっちだってしっかり話し合うっての。
   妖怪の中には理性を持ってなくてただただ襲ってくるだけの
   凶暴且つ迷惑極まりないようなのだって居るんだから。
   常に最悪を想定して行動しないとだめよ?」

紬(律)「そりゃあそうかもしれないけどさ」



72 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/15(木) 21:03:33.55 ID:pL7kuLIj0

ここで少し閑話休題。
「ほうかご百物語」にはたくさんの女性キャラクターが出てくるのですが、
 その属性がとても多いです。

 主人公がイタチさん一筋なのでアレですが、
 いわゆるハーレムもの学園ラブコメであったなら全員が主役級です。

 で、どんな属性のひとがいるのか少し見て行きましょう。

クズリ:おっとり鼬食いしん坊照れ屋

赫音:フルート奏者犬神使い短髪僕っ子

御崎:見た目小学生大胆不敵メガネ天才

輝:清楚系美人鉄壁副会長新聞部部長

アルマ:金髪ポニーテール無敵レスリング少女

美羽:ほんわか化け猫天然グラマラスお嬢様

前:九尾高飛車ダイナマイトボディ教師

鱗:押しかけ奔放蛇女房スレンダー

八雲:女将ロリババァ雪女不老不死

ニコ:童顔巨乳柔和フランス人画家成人師匠

良子:病弱マッドロケットガール後輩

まどか:妹ストーカー生意気しょうけら

ハルカ:~ッス口調水泳部悪魔ヶ風使い後輩

半端ねえ。
この中からイタチさん一筋で貫く白の字マジ漢。

あとアルマさんは私の嫁。頬の傷をprprして困ったような照れたような顔をさせたい。



81 名前:よかった、できてますね。  ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:41:51.49 ID:gEGH5kHI0

御崎「という訳でイタチちゃん、どかーんとやっちゃいなさいどかーんと!」

クズリ「うーん、いいのかなあ?」

御崎「まあどうせ当たらないでしょっていうのが
   私の正直な見解ね。 実際は矢に撃たれて落ちてる訳だし」

クズリ「でももし当たっちゃったら可哀想だよ」

御崎「うーん、そう言われるとこっちも辛いところがあるんだなーこれが。
   このまま放っておくと被害が拡大するのは必至だろうし」

純「お願い梓、返事だけでも聞かせて。 今だったらまだ、諦めきれるから」

梓(澪)「うぇっ、あ、う……」

和(紬)(マウントポジションで言うセリフじゃないわ鈴木さん!)

輝「悪化の一途を辿ってるわね」

御崎「先に話し合いにいくってのも手かもしんないわねこれは。
   話を聞かない奴だって言う保証も無いからあんまりオススメはできないけど。
   おら、白の字、行ってこい」

真一「なんで僕なんですか。 僕より詳しいんだったら先輩が行って下さいよ」

御崎「こんな黒雲の中、まさしく闇雲に探すのは流石に非効率的でしょうが。
   何故か妖怪に好かれやすい体質の白の字が突撃していった方が
   遭遇率は暖地なわけ。 あーんだーすたーん?」



82 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:42:31.16 ID:gEGH5kHI0

真一「分かりました。 でも先輩にはついて来てもらいますからね」

御崎「あん? なんでよ」

真一「妖怪の知識がある経島先輩がいなかったら話しようがないですよ。
   向こうの生態を把握してる訳でもないんですし」

御崎「嫌だ! 私はまだ死にたく無い!」

真一「死ぬってなんですか死ぬって!?」

クズリ「私もついて行く! 真一も御崎も放っておけないよ!」

御崎「うん、ありがとねイタチちゃん。
   でもさらっと私もついて行くことになってるね、まあいいけど。
   そんじゃあ突入しますか。 新井、こっちに誰も入らないように見張っといて。見える範囲でいいや。
   それと20分経っても出てこなかったら、私のことは死んだことにしてくれていい……」

輝「縁起の悪いこと言うんじゃないわよ!」

御崎「悪い悪い。 大丈夫だって、今日星座占い一位だったし、血液型占いも一位でめっちゃツイてるから」

輝「え、ああ、そうなの?」

御崎「いや、ツッコミ待ちなんだけど」



83 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:43:01.28 ID:gEGH5kHI0

クズリ「御崎、早くいくよ」

御崎「あーうんうんごめんごめん。 じゃああっちの仲良しさんに宜しく」

輝「仲良しさんって、」

純「梓、私のこと、嫌い、なの?」

梓(澪)「えー……、あー……。 うううぅぅぅ……」

澪和(和紬)(ドキドキドキドキ……)

輝「皮肉に聞こえかねないわよ……。 さすがに」

ーー雲の中

真一「中はあんまり暗くないんですね」

御崎「外からはなんにも見えないけど、中はそうでもないのか。
   これはまた新たな研究材料になりそうだけど、今はただありがたいわね」

クズリ「問題は、鵺がどこにいるかだよね」

御崎「こっちには白の字がいるんだし、向こうから出て来てくれるのが一番楽なんだけどにゃー」

真一「話が分かる妖怪ならそれでもいいですけど
   ほとんど理性のない妖怪だったら僕が真っ先に狙われるんですから、
   そういう事は言わないで下さいよ」



84 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:43:37.43 ID:gEGH5kHI0

御崎「別に私に被害は無いしぃ?
   真面目な話出て来てくれなかったら話すことも退治することも出来ないし、
   出て来てくれないと困るのよ。
   そんで願わくば私じゃなく白の字に襲いかかってくれればなって思ってるだけよ」

真一「最後が余計ですよ」

クズリ「出来ればしっかり話しをして、
    退治しなきゃいけないっていうのは嫌なんだけどなあ。 やっぱり可哀想だもん」

御崎「イタチちゃんは優しいねェ」

真一「イタチさんは優しいなあ……、ああもう大好きだよイタチさん!」

クズリ「ひゃあ! 真一、だめだよこんなところで!」

真一(この黒い雲の中イタチさんの可愛さといったら雲の黒さでさえイタチさんの可愛さを演出するためにあるように思える程で、丸く小さい肩とか少し伸びてきた髪の毛とか制服越しに伝わる体温とか鼓動とかが制服を隔てて伝わってくるああもう制服が邪魔でいやむしろ制服になりたい!」

クズリ「真一、声に出てる! 声に出てるから!」

御崎「こんなところでまでお熱いこと。 白の字のこれはもう鵺に頼らずとも既に病気だわな。
   おーいイタチちゃん、なんなら私はあっちに行ってようか?」

クズリ「変な気を使わないでよ御崎!」



85 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:44:07.21 ID:gEGH5kHI0

真一「経島先輩にしては気が効くじゃないですか。 2、いや、30分くらいどっかいってて下さい」

クズリ「こら真一! いつまで抱きついてるの!
    そういうのは、その、誰もいない時しかやっちゃダメだよ!」

真一「え、あ、ごめんイタチさん」

??「あのー……」

御崎「こんな時でもホント暢気ねえお二人とも。 まあ私が言うのもおかしいか」

真一「デート中にも妖怪のこと考えてる人が何を言ってるんですか」

御「失敬な、ちゃんと四割くらいはデートのこと考えてるって」

クズリ「照平も報われないね……」

??「あの」

真一「江戸橋さん、結構ナイーブな人なんですから、ぞんざいにし過ぎると拗ねちゃいますよ」

御崎「世の中に考えるべきものが多すぎるのがいけないのよ、寒戸の存在とか西の悪魔とか」

クズリ「確かに不思議な存在だけど、なにもデート中に考えなくてもいいんじゃないかな?」



86 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:44:52.23 ID:gEGH5kHI0

??「あの!」

真一「はい?」

??「なんで話しかけてるのに気がついてくれないんですか!?」

真一「え?」

??「三回も呼びかけたのに! 別にオイラ声小さくないよ!」

クズリ「ええっと、ごめんね?」

??「もう……」

御崎「まあ話しを聞かなかったのはこっちの損害として。
   貴方は一体どこのどなたのなに子ちゃんなの? 桜高の生徒さんだったらお帰りはあちらよ」

??「違うよ、鵺だよ鵺! さっきから探してたんじゃないの?」

真一「え、鵺?」

鵺「そうだよ。 オイラを探してたんだろ? だから出てきたほうがいいかなって思って」

御崎「それはまあありがたいですこと。 こっちが探してたことは確かだけど、要件はご存知?
   あんまり穏やかじゃない話題よこれ。 返答次第ではアンタの首が飛ぶことも覚悟なさい」



87 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:46:06.50 ID:gEGH5kHI0

鵺「え……」

御崎「アンタのせいで街は崩壊海は大荒れ、果ては世界の終焉へ、ってね。
   私たちは地球最後の希望でその元凶たるアンタを叩こうって魂胆な訳。
   大人しく降伏してくれるって言うなら悪いようにはしないわ」

鵺「嘘……。 そんな、オイラのせいで……」

御崎「ホントもホントよ。 国連なんて比じゃないくらい大きな組織が動いてんだから。
   で、大人しく着いてくんの? それとも抵抗する?
   どっちにしても結末は変わらないし、私としては素直に着いてくること推奨よ」

鵺「ぅぅ……」

真一「ちょっと先輩! いくらなんでも泣かすことはないじゃないですか!
   ていうかなんですかその無駄に壮大で無駄な話は!」

御崎「テキトーに思いついたから流れで喋ってたんだけど、
   まさか泣いちゃうなんてにゃー。 これは反省」

クズリ「えっと、ゴメンね? 今のは御崎の、その、悪い冗談だから。
    気にしないで? 泣き止んでくれると嬉しいな」

鵺「ぅぅ……、うん」

クズリ「名前はなんていうのかな?」

鵺「名前は無いよ。 オイラは鵺」

御崎「んみゅー、そうすっと外のぬえちゃんと被っちゃうのよねー。
   便宜上だけでもいいから名前に差分が欲しいところ」

真一「一言掛けたら二人とも振り返ったりして気まずいですもんね」

御崎「……じゃあ>>91で」



88 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/22(木) 20:50:36.78 ID:gEGH5kHI0

今回初めて安価というものに頼ってみようと思います。
ここの鵺ちゃんは女の子ですので、あんまり変な名前は可哀想だと思います。

あと経島先輩は本当に動かしやすくて、どんな台詞にも食いつけるため、
気づけば経島先輩しか喋ってないような事態に陥ってるので、結構気を使いますね。

なんであんなにキャラが崩れないのでしょうか?
「キャラが崩れてる」キャラなんでしょうかね?


次回も来週の木曜日が目標ですが、それより早く溜まったら、ゲリラ的に投下するかもしれません。

ありがとうございました、よろしくお願いします




89 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 21:31:34.51 ID:47JgSP0S0

乙です。
やーそれは仕方ないでしょ経島先輩だし。動かしやすいってか動き過ぎるきらいがあるからあの妖怪馬鹿は。

そして白の字は相変わらずだな流石白の字。
軽音部+αさん、(聞こえちゃいないだろーが)判ったかい?これが白の字の本気(イタチさん的な意味で)だぜ。

安価は取れてないだろーが「ふーちゃん」ってのはどうかね。
東方の封獣(ほうじゅう)ぬえ→ふうじゅう→ふう→ふー→ふーちゃん(この世界に東方があるかは知らん)
それから正体不明ってことからのWHOも含む。



90 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 22:08:14.32 ID:4sFsmmMvo


名前は普通にぬえ子でいいんじゃね



91 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 20:40:37.44 ID:LI3YKfbG0

お疲れ様です。
ツグミちゃんとか?





92 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:09:04.57 ID:k7RgN5Wh0

こんばんは、今年も残すところあとわずかとなりましたが、悔いないように過ごしていきたいものです。

襖の、唐紙の張替えをやってみたのですが、思った以上にしんどい作業でした。
まだ半分しか済んでいないので明日もその作業です。うわー。



>>91

ありがとうございます。『ツグミ』という名前、使わせていただきます。
日曜まで書き込みが90で止まっていたので、
最悪自分で安価をとるという事態になるかと思っていましたが、
どうにか回避することが出来ました。


それでは投下していきます。



93 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:09:43.68 ID:k7RgN5Wh0

御崎「……じゃあ鳳ツグミで」

ツグミ「オオトリツグミ?」

御崎「まあ名は体を表すとも申しますし?
   実際便宜的に呼ぶだけだからそんなに凝った名前じゃなくてもいいと思ったんだけどにゃー、
   オオ『トリツグミ』って、まあ分かり易くね」

クズリ「えっと、じゃあ改めて宜しくね、ツグミ」

ツグミ「うん、宜しく!」

真一「微笑ましいですねー」

御崎「あんたはイタチちゃんさえいれば大体そう思ってるんでしょうが。 全くこれだから白の字は白の字なのよ」

真一「意味が分かりませんよ」

御崎「それでツグミとやら。
   あんたがこの雲を発生させてんのは一応こっちも分かってる事なんだけどさ、
   好い加減この雲晴らしてはくれませんかえ?
   ちょぉぉぉっと怪しくて騒ぎになっちゃってるし、何より視界も悪いし?」

ツグミ「あ、うん……」



94 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:10:19.76 ID:k7RgN5Wh0

クズリ「どうしたのツグミ?」

ツグミ「オイラ、今は人の姿だけど、本当はもっと動物っぽい姿なんだ。
    それも、蛇とか狸とかいろんな動物が混ざっちゃってるし。
    だから、人前に出るのはあんまり好きじゃないかな」

真一「だから雲で姿を隠してるってこと?」

ツグミ「うん」

クズリ「じゃあみんなを病気にするのは辞めてもらえないかな? みんな困っちゃってるし」

ツグミ「それなんだけど、今は出来ないんだ……」

御崎「んあ、そりゃまたどうしてよ?」

ツグミ「オイラは元々人を病気にしたり魂を吸ったりする妖怪なんだけど、
    どこかで半身を落としちゃったみたいなんだ。
    それで、病気にするのも制御が効かなくなっちゃって。
    一応一番無害そうな病気にはしてるんだけど、その、ごめんなさい……」

クズリ「そうなんだ……」

ツグミ「うん、おこがましいことは分ってるけど、オイラの半身を探してきてくれないかな?
    これくらいの、子犬くらいの妖怪で、オイラと同じ鵺なんだけど」



95 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:10:58.64 ID:k7RgN5Wh0

真一「それって、」

クズリ「唯が抱いてたぬえちゃんだよね」

ツグミ「知ってるの!?」

御崎「知ってるも何も、すぐ外で平沢伍長が抱えてるわよ。 元々今日はその子をメインに来た訳だし」

ツグミ「そうなんだ」

クズリ「連れて来て貰おっか。 そうすれば病気になる事は無くなるんだよね」

ツグミ「うん。 オイラが罹らせた病気は全部治るし、これからも自制できると思う」

クズリ「じゃあ呼んでくるから、真一はツグミをお願い」

真一「イタチさんのお願いだったらこの命に替えてでも……!」

クズリ「そんなに大げさじゃないから大丈夫だよ?」

御崎「一応私もいるから安心して行ってくれたまえイタチちゃん。
   白の字が暴走しても止められる自身は無いけどね」

真一「なんですか暴走って。 しませんよそんなの」



96 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:11:27.94 ID:k7RgN5Wh0

クズリ「うん、御崎もお願い。 じゃあ行ってくる」

御崎「はいはい、いってらっしゃいな」

真一「イタチさん、大丈夫ですかね……」

御崎「イタチちゃんが去った途端になに言ってんのよアンタは。
   たかだか十数mなんだから、それは杞憂ってもんよ」

真一「でも……」

御崎「だあもう! 二人同棲し始めてから白の字のイタチちゃんへの心配はちょっと過剰よ。
   大祓とかその後の消滅騒動とか過敏になるのは分かるけど。
   アンタもう完全にイタチちゃん大好き病じゃない」

ツグミ「え、オイラのせいかな……?」

御崎「いや、ツグミちーが顕現する前からこの調子だから、気にしなくてもいいわよ」

ツグミ「そっか、よかった」

真一「ていうか何ですかツグミちーって」

御崎「んにゃ、アダ名だけど?」



97 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:12:23.39 ID:k7RgN5Wh0

真一「先輩命名なのに先輩がアダ名をつけるんですか。 ……まあいいですけど」

ーー雲の外

クズリ「唯!」

唯「あれ、クズリちゃん? 他のみんなはどうしたの?」

クズリ「真一たちはまだ雲の中だよ。
    危なかったり、話が通じない訳じゃないから、今回は安心していいかも」

輝「それは重畳ね」

クズリ「それで、唯にぬえちゃんを連れて来て欲しいんだけど」

唯「別にいいけど、どうして?」

クズリ「それは、」

澪(和)「出て来たところを急で悪いんだけど伊達さん、ちょっとこっち手伝ってくれない!?」

純「あずさ、あずさ……。 あずさ……!」

梓(澪)「ひっ……」



98 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:13:21.57 ID:k7RgN5Wh0

律(梓)(友達が自分の体にキスを迫ってる。 やだ、なにこれ……)

紬(律)「おい梓こっちこいちょっと鈴木さん止めろ!
    お前の恐らくファーストキスがここでこんな形で潰えるぞ!」

和(紬)「私たちだけじゃ限界かも……!」

澪(和)「リミッターでも外れてるのかしらね……!」

輝「……とりあえず向こうを止めないとね」

クズリ「そ、そうだね……」

梓(澪)「やめ、ホントにやめて!」パシッ

純「っ!」

梓(澪)「あ……」

純「ゴメン、梓。 その、あの……」

梓(澪)「す、鈴木さ……あ、」

紬(律)(バカッ!)



99 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:14:17.65 ID:k7RgN5Wh0

純「ゴメンね梓。 今日、ちょっと早退するから……」タッ

律(梓)「純! 待って!」

梓(澪)「あ……」

唯「澪ちゃん、大丈夫?」

梓(澪)「私は、大丈夫、だけど」

和(紬)「鈴木さん、大丈夫かしらね……?」

澪(和)「どう、かしらね。 どうしましょう、追いかけたほうがいいかしら」

輝「どうするの、秋山さん」

梓(澪)「……」

律(梓)「……やめておきましょう」

梓(澪)「梓?」

律(梓)「純は心配ですけど、この雲の問題のほうが重要ですから」



100 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:15:23.96 ID:k7RgN5Wh0

クズリ「……そっか。 じゃあ、みんな行こうか。 真一たちが待ってるし」

輝「そうね」

紬(律)「いいけど、無理はするなよ、梓」

律(梓)「はい。 ありがとうございます」

紬(律)「梓が従順だとなんか気味が悪いな!」

律(梓)「何ですかそれ! 私が珍しく律先輩に素直なんですから、
    律先輩は大人しく聞き入れておけばいいんです!」

紬(律)「なにおー!」

唯「澪ちゃん、元気出して?」

梓(澪)「唯……」

唯「澪ちゃんは悪くない、っていうのも変だけど、
  なんていうか、タイミングが悪かったっていうか、とにかく澪ちゃんは悪くないと思います!」

梓(澪)「ふふっ……。 なんで唯が誇らしげなんだか」

唯「だって澪ちゃんは悪くないからね!」フンス



101 名前: ◆.6mrbJ9aro:2011/12/29(木) 22:16:41.46 ID:k7RgN5Wh0

梓(澪)「なんだそりゃ?」

澪(和)「……唯も律も、澪や中野さんを慰めようとしてるのかしらね」

和(紬)「ふふ、どっちも唯ちゃんらしいし、
    りっちゃんらしいんじゃないかしら。 すごくいいと思うわ?」

澪(和)「軽音部の絆を見せつけられちゃった形ね」

和(紬)「いいえ、軽音部だけじゃないわ。 鈴木さん、いえ、純ちゃんだって、勿論和ちゃんだってね」

澪(和)「……ありがとうね、ムギ」

和(紬)「友達に区切りなんて要らないもの」

澪(和)「ムギらしいわね」

輝「仲が良いわね」

クズリ「うん。 ちょっと羨ましい、かな?」



106 名前: ◆nbVuHtwLmod8:2012/01/06(金) 07:41:02.11 ID:Yl7GvXeS0

ーー雲の中

真一「あ、来た来た。 おーいイタチさーん」

御崎「ちょっと時間かかったわね、もしかしてなにかあったかね?
   こっちは心配する白の字の相手で大変だったんだけど」

律(梓)「いえ、大丈夫です」

御崎「あらそうかい。 まあ細かい詮索は今日は無しさね。 んで、件のぬえちゃんは?」

唯「私が抱えてるよー。 ぬえちゃんになにか用だったの?」

鵺「?」

クズリ「うん、ここにいるツグミがぬえちゃんを探してて、
    ぬえちゃんがいれば病気も無くなるって言ってたんだけど」

御崎「ぬえちゃんも鵺、ツグミちゃんも鵺な訳。
   本人談だから、まあ嘘の可能性も無くはないだろうけど、ツグミちーの性格からしてそれは無いかな」

ツグミ「オイラ生まれてから嘘言ったことないよ」

紬(律)「へー、凄いな」

真一「まあ顕現したばっかりですからね」



107 名前:>>105 ごめんなさい、>>104ではなく>>103でした  ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:43:00.13 ID:Yl7GvXeS0

御崎「で、元々ぬえちゃんとツグミちーは同じ妖怪でしょ?
   だから近くにぬえちゃんが居ないと能力の制御が効かないらしいよ?」

澪(和)「能力って……。 この雲ですか?」

御崎「そそ。 あとは鈴木さんの悲しい愛情も病気の一種よん」

律(梓)「……」

梓(澪)「……」

御崎「(ちょっと白の字、なんなのよこの空気。もしかして私が地雷踏み抜いたパターン?)」

真一「(ええきっと多分間違い無いと思いますお願いですから
    こういう空気って分ってるならこっちに耳打ちしないで下さい)」

御崎「えーと……、とりあえずツグミちーにぬえちゃんを渡してみるかい?」

唯「うーん。 お別れなのかなあぬえちゃん?」

鵺「?」

ツグミ「うん、間違いなくその子だよ」

律(梓)「これで純の、……病気が治るんだよね」



108 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:43:39.93 ID:Yl7GvXeS0

ツグミ「オイラが撒いちゃった病気は全部治るよ。 でも、その子は、消えちゃうけど……」

唯「え!?」

ツグミ「今見て思ったんだ。 オイラが病気を撒いてる、
    だからいちはやく止めなきゃいけないけど、止めるにはその子が消えちゃう。
    もともとオイラとこの子は同じだから。
    今君とその子が仲良くしてたから、その子を消しちゃっていいのかなって」

唯「……そんな、」

ツグミ「言い方は悪いけど、オイラがハードでその子が後付けメモリみたいなものかな。
    その子はオイラと同化して消えちゃうけど、その子の記憶はオイラに残る。
    でもその子だって生きているし。 消えるのがオイラだったら良かったのに……」

クズリ「そういう言いかたはダメだよツグミ」

紬(律)「……そんなのって、」

和(紬)「何か、手は無いの?」

ツグミ「優しいね、みんな。 名前も知らないオイラを心配してくれるなんて」

輝「当たり前よ、目の前に困ってる人がいたら放っておけないのが普通じゃない」



109 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:44:12.00 ID:Yl7GvXeS0

ツグミ「ありがとう」

輝「どういたしまして」

ツグミ「一応、病気が無くなってその子も消えない方法が有るよ」

梓(澪)「本当か!?」

ツグミ「うん、本当。 誰かがオイラを矢で刺してくれればそれで。
    こうすれば病気は無くなってその子も消えずに、何の問題m」

唯「唯だよ」

ツグミ「え?」

唯「私は平沢唯」

ツグミ「うん、私は鳳ツグミ。 さっき付けてもらったばっかりだけど」

唯「これで名前も知らない仲じゃないよ!
  ぬえちゃんには消えて欲しくないけど、ツグミちゃんにも消えて欲しくないよ!
  純ちゃんの病気も早く無くなって欲しいけど、でもツグミちゃんには消えて欲しくない!」

ツグミ「……」



110 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:44:45.70 ID:Yl7GvXeS0

澪(和)「ツグミさん、貴女の言いたいことも分かるわ。
    でもね、目の前で消えようとしてる人を見て、放っておけるほど冷酷じゃないつもりよ。
    それも、本当は消えたくないって思ってるなら、尚更ね」

和(紬)「ツグミちゃん、凄く苦しそうな顔してたわよ?」

ツグミ「……そうかな」

澪(和)「ええ、とってもね。
    そんな顔をされると、貴女が消えなくてもいい方法を、どうにか見つけたくなるじゃない」

ツグミ「うん。 ……うん」

御崎「あーあーあーあー、ツグミちーももう泣かないの。 悪いわね、私たちのせいで巻き込んじゃったみたいで」

紬(律)「いいってことよ。 むしろ関わってなかったらって思うとゾッとする」

和(紬)「ぬえちゃんともツグミちゃんとも会えなかったものね」

澪(和)「妖怪なんて眉唾だって思っていたけど、思いやる気持ちや優しさなんかは人間と変わらないし、
    もしかしたらそれ以上かも知れないわね。 だから私は巻き込まれたなんて思っていないし、
    貴女と出会えて良かったと思っているわ、ツグミさん」

ツグミ「……ありがとう。 ……えっと、」



111 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:45:40.95 ID:Yl7GvXeS0

澪(和)「真鍋和よ」

ツグミ「ありがとう和」

御崎「せっかくだし自己紹介といこうか。
   ツグミちーも相手の名前を知らないままってのは気持ち悪いっしょ」

ツグミ「うん、みんなの名前は知りたいな」

御崎「よっしゃじゃあ私から! 全国各地を飛び回り、数多のアヤカシ退ける、その名声は遍く轟く!
   美術部改め妖怪退治屋の頭の切れる参謀長、経島御崎たァ私のことよ!」

真一「ウチはまだ妖怪退治屋に改名してませんし、経島先輩は参謀長でもなんでもないでしょうが」

クズリ「基本的に学校の中だけだけどね。 旅行先とかお願いされて外に出るくらいかな?」

輝「アンタはどんな時でもマイペースよね……」

御崎「ケッ、夫婦で息の合ったツッコミをしてくれやがって。
   もう結婚しろイタチちゃん! あ、それと白の字爆発」

真一「嫌ですよ」



112 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:46:21.09 ID:Yl7GvXeS0

クズリ「夫婦って、そんな……!」

律紬梓(梓律澪)(さっきまでのしんみりムードはどこへ?)

輝「新井輝よ。 この喧しいのと同い年だから、宜しくね」

ツグミ「宜しくね、輝」

御崎「喧しいのってなァどういう意味さ」

輝「ちょっと考えれば分かるでしょう、自分のことなんだし」

御崎「全く解らんな!」

律紬梓(梓律澪)(ええーー……)

クズリ「伊達クズリだよ。 宜しくねツグミ」

真一「白塚真一です。 最近イタチさんと付き合ってる日々がうまく行きすぎてて
   幻なんじゃないかと疑い始めてます。 こんなに幸せですいいのかと」

ツグミ「うん、うん?」

御崎「サラッと惚気るんじゃねーよ白の字! ここには独り身の人が居るんだぞ!」



113 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:46:57.87 ID:Yl7GvXeS0

クズリ「御崎は独り身じゃないけどね」

唯「さっきも言ったけど、平沢唯だよ。
  ツグミちゃんとはまだまだ一緒に居たいしお別れなんて嫌だ」

ツグミ「うん。 唯、ありがとうね?」

唯「いいって事ですよ!」

紬(律)「ドラム世界一を目指す女、田井中さん家のりっちゃんって言やァ私のことよ!」

梓(澪)「声が大きい!」

紬(律)「いやあ、御崎の真似をしようと思ったんだけど、なかなかに難しい」

御崎「そりゃあそうよ、経島六十七擬態のひとつ、
   『妖怪退治屋の頭の切れる参謀長』は一朝一夕で会得できるようなものじゃあないからね……」

真一「でも先輩、今朝は確か六十六擬態でしたよね。 かなり一朝一夕で会得した感じがするんですけど」

御崎「私もついさっき言ったばっかりだからね」

梓(澪)「秋山澪です。 えっと、人との出会いは一期一会で、それを無碍にするのは頂けないかなー、とか」

紬(律)「なに言ってんだ?」



114 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/06(金) 07:48:04.53 ID:Yl7GvXeS0

梓(澪)「な、何でもない! 忘れて!」

ツグミ「ありがとね、澪」

和(紬)「琴吹紬よ。 ぬえちゃんやツグミちゃんと出会えたことはとっても幸せだわ」

ツグミ「ありがと、宜しく」

律(梓)「中野梓です。 ウチは終始和やかな空気ですから、思い詰めない方がいいですよ」

ツグミ「そうかな?」

澪(和)「また自己紹介になっちゃうけど、真鍋和よ。
    ここでツグミさんに会えて、本当に良かったと思うわ」

ツグミ「うん……、その、よ、呼び捨てでも、いいよ?」

澪(和)「あらそう? じゃあ宜しくね、ツグミ」

ツグミ「っ!」

クズリ「あっ!」

紬(律)「雲が晴れてく……」



117 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:48:41.53 ID:VUmrlxm60

律(梓)「なんで……?」

御崎「鵺は矢で射って撃退ね、なるほど」

和(紬)「どういうことですか?」

御崎「あー、まあああいうこと。 当人には分ってるんじゃない?」

和(紬)「?」

ツグミ「///」

和(紬)「あー……」

輝「取り敢えず雲が晴れてよかったじゃない」

御崎「まだ病気のほうが残ってるんだけどねー」

澪(和)「どうしたのツグミ? 顔赤いわよ?」

ツグミ「あ、うん、大丈夫……だから」

真一「病気のほうはどうなの? まだ問題あるかな」



118 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:49:17.72 ID:VUmrlxm60

ツグミ「そっちも大丈夫、だと思う」

唯「でもぬえちゃんはここにいるよ?」

鵺「ヒョー」

御崎「あー、退治された鵺にもう病気にしたり雲を作ったりする力はないのよ」

紬(律)「つまり?」

律(梓)「退治したって、ツグミさんはそこにいるじゃないですか」

御崎「退治したからって帰らなきゃいけない法なんて無いのよ。 そうする妖怪は多いけどね」

梓(澪)「?」

紬(律)「って、そうだ! いい加減元に戻して貰おう!」

澪(和)「それもそうね、唯、お願い」

唯「私がやるわけじゃないけどねー。 よし、宜しくねぬえちゃん!」

和(紬)「もうちょっと入れ替わっていたかったかしら」



119 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:50:01.76 ID:VUmrlxm60

律(梓)「あー、純になんて説明しよう……」

鵺「ヒョー!」カッ

ーーシュゥゥゥ……

澪「んー、やっぱり自分の体が一番かな」

律「仰る通りです! まあムギの体も悪くなかったけど」

紬「りっちゃん、ちょっと恥ずかしいから……」

律「は? ……いやいや、他意は無いからな!?」

梓「全く、飛んだ災難でしたよ。 律先輩となんか入れ替わるなんて」

律「なーかーのー?」

和「……本当、これでいつもの軽音部ね」

紬「ええ、そうね」

御崎「まあこれで、一件落着って訳よォ!」



120 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:51:35.48 ID:VUmrlxm60

真一「先輩は何にもしてませんけどね」

クズリ「私も何にもしてない、かな」

真一「イタチさん?」

クズリ「うん。 結果的にはみんな良かったけど、もっと私にできることはなかったのかなって」

真一「……イタチさんはさ、」

クズリ「うん」

真一「なんて言うか、そこにいてくれればいいんだよ。
   それにイタチさんは何もしてないなんてことはない」

クズリ「そうかな?」

真一「そうだよ。 一番皆を心配してたのはイタチさんだし」

クズリ「うん。 ありがとう、真一」トサッ

真一(そう言って僕にもたれ掛かってくるイタチさんは柔らかくてでもなんか消えちゃいそうでああもう大丈夫だよイタチさんイタチさんはこんなに暖かくてここにいるから!」ガバッ



121 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:52:49.41 ID:VUmrlxm60

御崎「ホント白の字は一貫して白の字ね。 その情熱を他に向ければもっと上にいけたりするだろうに」

輝「白塚君も絶対あなたにだけは言われたくないと思うわよ」

クズリ「真一、声! また声に出てる!」

澪「これが恋人同士の抱擁、か」

唯「うわー、熱いねークズリちゃん」

紬「ふふふ」

律「うおらー、梓ァ!」ダキッ

梓「うわっ! ちょ、何するんですか律先輩!」

律「いいじゃんいいじゃん、たまにはスキンシップも必要だろ?」ギュー

梓「全く意味が分かりません!」

ーー校門前

御崎「じゃ、私らはこれで帰りますわ。
   よければ覚えていてくれや、与作っちゅう、阿呆が居たってことをよ……」



122 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:53:22.48 ID:VUmrlxm60

律「正直濃すぎて忘れられない気が」

御崎「なんか言ったか田井中ァ!」

律「ナンデモナイッス」

唯「行っちゃうのクズリちゃん……」

鵺「ヒョー……」

クズリ「うん、ごめんね唯。 でも、また会えるよ。 一生のお別れじゃないもん」

和「そうね。 輝さん、またお世話になるかもしれません」

輝「もう妖怪退治の出張なんて嫌だからね?」

御崎「ところがどっこい! そうは行かないかも知れないんだなこれが!」

輝「うわっ、なによ経島、どういう意味?」

御崎「いやー、初めての妖怪にしては中々に大物が出て来たっしょ? それも二人も」

ツグミ「オイラ?」



123 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:54:39.05 ID:VUmrlxm60

鵺「ヒョー?」

御崎「そうそう。 ただださえ出易い学校なんてスポットに
   そんな大物がポッと出てみなさいよ、そりゃ彼岸への道も広がるっしょ」

クズリ「あー……」

澪「……つまり、この学校は」

御崎「妖怪、大戦争だァァ! になるかも知れないってこと。
   実際ウチはすごい数の妖怪が出てるしね。
   まあそんな訳だから、いずれ来ることになろう。 つまりまたすぐ会えるさって話」

澪「」バタッ

紬「ああっ、澪ちゃんが」

輝「それで、ツグミちゃんはどうするの?」

御崎「私としてはこのまま桜校に入っちゃえばと思うけどね」

ツグミ「うーん、でもオイラ妖怪だし」

クズリ「関係ないよ。 私もそうだし」



124 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:55:41.41 ID:VUmrlxm60

御崎「まあ転入に関しては和ちゃんに一任しましょうか。 そんじゃま、宜しく頼むよ和クン!」

和「……ええ、分かりました」

ツグミ「大丈夫かな和、迷惑じゃない?」

和「いいのよ、ツグミに桜校に入って欲しいもの」

ツグミ「う、うん、ありがと……!」

紬(もしかして和ちゃん、気づいてないのかしら?)-

御崎「じゃあそろそろお開きということで、軽音部諸君に生徒会一名、また会おう!」

真一「結局先輩はどういうキャラなんですか。 えっと、お世話になりました」

クズリ「みんな、またね!」

輝「また来ることになると思けど、じゃあ、またね」

和「はい、みなさんありがとうございました」

唯「じゃーねー、バイバーイ」



125 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:56:15.17 ID:VUmrlxm60

律「またなー!」

澪「」

紬「澪ちゃん起きて!」

梓「お世話になりましたー!」

和「……じゃあ、帰りましょうか」

唯「そーだねー。 って、あー、荷物部室だ……」

律「うへぇ、また階段登るのか」

梓「もう、それくらい我慢してください」

唯律「ええー」

澪「っは、ダメだ、また寝てた」

紬「おはよう澪ちゃん」

ツグミ「あ、オイラ家無い」



126 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/12(木) 21:58:17.02 ID:VUmrlxm60

唯「じゃあウチに住むかい?」キリッ

律「なんでそんなに自慢気な表情なんだよ」

ツグミ「いいの?」

唯「いいに決まってるよー。 だって憂の料理は美味しいから!」フンス

梓「だからなんで唯先輩が得意げなんですか」

澪「理由にもなってないしな」

唯「えー、本当の事なのにー」

紬「別に憂ちゃんの料理の腕を疑ってはいないわよ?」

ツグミ「でも悪いんじゃ……」

唯「いいのいいの!」



和「本当に、平和ねー」



131 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:45:34.79 ID:UhTMDQcO0

ーー翌日

梓と純

梓(純にどんな顔をして会えばいいんだろう。 謝る?
  いやいや、いきなり謝られても純も迷惑だろうし
  なにより覚えてなかったら、聞き返されて誤魔化しきれなかったらマズい……。
  頼りになりそうなムギ先輩はバッチ来いって感じがするし、
  和先輩もツグミがいるから一概には言えない。 一体どうs)

純「あ、梓おはよー」

梓「ふぇっ!? あ、あああ純オハヨウ今日もいい天気だねアハハ……」

純「え、うん。 そうだね」

梓「そそそそそそれで何か用があったのかななんて思ったりなんかして!」

純「んー? 見かけたから声掛けただけだけど。 ……なんか今日の梓ちょっと変じゃない?」

梓「そんなことないと思うけど」

純「そう? あ、そういえば梓さ、」

梓「なに?」



132 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:47:00.45 ID:UhTMDQcO0

純「今日は名前で読んでくれたね」ニコ

梓「はッ、……あ」

純「昨日の今日だから無視されると思ったんだけどねー」

梓(わ、忘れてなかった!? ていうかあんな事があったのに何で普通に声掛けてくるの!?)ウガー

純「梓ー、大丈夫? なんかオーバーヒートしてるみたいになってるけど」

梓(純は昨日の事をどうとも思ってないの!?
  こっちは、ファ、ファーストキスだったかも知れないのに!?)

純「梓?」

梓「じ、純!」

純「うわっ、急に顔あげないでよ」

梓「あ、ごめん」

純「いや、べつにいいけど。 で、なに?」

梓「えーっと、そう、純には責任をとってもらいます!」



133 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:47:44.46 ID:UhTMDQcO0

純「責任って、昨日の?」

梓「そうです!」

純「えー。 確かに悪かったかなーって思ってるけどさ、
  私の本意じゃなかったっていうか、冷静になってみると恥ずかしいっていうか」

梓「い、言い訳しないっ!」

純「え、えー……」

梓「じ、じじじ純はこれから毎日私に顔を見せること! ぜ、絶対に」

純「……は?」

梓「純が行っちゃったあと、凄く心配だったんだから」

純「え、うん。 ……ごめん」

梓「……」

純「……」

梓「……私は優しいから、許してあげます」



134 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:49:44.22 ID:UhTMDQcO0

純「……それは、どうも」

梓「……」

純「……」

梓「……」

純「って、なんで私が謝ってるんだぁぁー!?」ダッ

梓「あ、純!? どこ行くの!?」

純「学校ぉぉぉぉぉぉー!」ピュー



135 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:50:45.68 ID:UhTMDQcO0

和とツグミたち

純「うわあああああああ!」-

和「……今のって、鈴木さんよね」

唯「朝早くからランニングかなー? 元気なことだねぇ」

憂「ほらおばあちゃん、出歩いたら危ないですから、お布団に戻りましょう?」

唯「あー、いぃつも済まないねぇ」

憂「それは言わない約束でしょう?」

唯「そうだったっけねぇ」

和「……なにやってるの?」

唯「介護が必要なおばあちゃんとヘルパーさんごっこ」

和「悪いことは言わないから、もうやめておきなさい」

唯「えー」ブー



136 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:52:21.69 ID:UhTMDQcO0

ツグミ「和たちはいつも賑やかだね」フフ

唯「ふふふー、ツグミちゃんも今日からその一員なのだよ。 私たちのノリに、ついて来れるかなー?」

ツグミ「お、おー……?」

和「そんなに真剣にならなくても、軽い気持ちでいればいいのよ」

ツグミ「そう、かな……?」

和「そうよ」

ツグミ「そ、っか……」

憂「和さんとツグミちゃん、仲いいね」

和「そうかしら?」

ツグミ「そ、そうかな?」

憂「そうだよー。 ツグミちゃんは和さんを信頼してるって感じだし、
  和さんもツグミちゃんを大切に思ってるって伝わってくるもん」

ツグミ「お、オイラを、大切……? 和が……? あ、あわわ……」



137 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:53:36.09 ID:UhTMDQcO0

和「……信頼されてるなら悪い気はしないわね」

ツグミ「ホント!?」

和「ええ。 そんな食い気味で来なくても大丈夫よ」

ツグミ「///」

唯「むー、和ちゃんの独り占めは良くないです!」

ツグミ「え、オイラ?」

唯「そうだよ! 和ちゃんはみんなのものなんだから」フンス

和「だからなんで唯が得意気な顔なのよ」

ツグミ「独り占めなんてそんなでももし独り占めできるならそれはそれでいや唯たちにも悪いし第一和の意見も聞いてないのに決めつけちゃうのは良くないよねでももし和がいいって言ったら……///」ブツブツ

和「どうしたのツグミ?」

ツグミ「ひょっ!?」ドキッ



138 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:54:24.52 ID:UhTMDQcO0

ーー数日後

真一「んー」

クズリ「どうしたの真一?」

真一「ああイタチさん今日もすっごく綺麗だね大好きだよ。
   ほら、このまえ桜校に行った時の絵がさ、完成してたんだけど、
   そういえば渡してなかったなーって思って」

クズリ「え、あ、う、そ、そうなんだ……」

真一「あれ、どうしたのイタチさん?」

クズリ「し、真一が変なこと言うからでしょ!」

真一「なんか変なこと言ったっけ?」

クズリ「その、だ、大好き、って……」

真一「うーん、でも本当に思ってることだし」

クズリ「と、とにかく、学校とか人がいっぱいいるところでは、だ、大好き禁止!」

真一「はーい」



139 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:56:06.40 ID:UhTMDQcO0

クズリ「返事はいっつもいいんだから……」

御崎「やあやあやあやあ、ご機嫌麗しゅうお三方」ガラッ

真一クズリ「」ビクッ

御崎「あん? 二人してなにやってんのよ、真昼間から盛っちゃってんの白の字?」

クズリ「ち、ちちち違うからね御崎」ワタワタ

御崎「あらそう? んで、我らが人狼のフィル坊はどこにいんの?」

真一「なんか『ここら周辺でもいい建物があったんですね、俺ちょっと行ってきます!』
   とか言ってさっき飛び出して行っちゃいましたけど」

御崎「ふーん、まあいいや。 さっき新井から伝言が来てね、
   桜校でまた妖怪がでたから助けてくれー、ってさ」

クズリ「それって、」

御崎「明日また桜校へ遠征にいくから準備して置いて、だとさ。
   まったく輝ちゃんも人使いが荒いんだから」ヤレヤレ

クズリ「じゃあさ真一」

真一「絵は明日渡せる、か。 まさかこんなに早く再会するとは思わなかったけど」



140 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:57:02.77 ID:UhTMDQcO0

クズリ「だね」

御崎「ちょろっとー、なに私を差し置いて二人で盛り上がっちゃってんの?
   あれか、独り身の私を嘲笑ってんのかそうなのか」

真一「いや、経島先輩江戸橋さんがいるじゃないですか」

クズリ「照平はいつ報われるのかな……」

御崎「だって、あの人は私とはカラダ目当てのカンケイなんだもの……。
   あの人には私の意思なんて関係ない。
   でも、それで彼を満足させてあげられるなら、それでも良いって、そう思えるの……」

真一「昼間から飛ばしますね先輩、で、今のはなんだったんですか?」

御崎「悲恋女と最低男。 ここで重要なのは女の方も悲劇を気取っちゃってるところだね」

真一「知りませんよそんなの」

御崎「あんたはイタチちゃん一直線だしね。 う、羨ましくなんかないんだからねっ!」

真一「だからそういうことは江戸橋さんに言ってくださいよ」



141 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 20:58:30.76 ID:UhTMDQcO0

クズリ「いつも通りだね、御崎」

御崎「おうよ、私が私たり得るのは私が私という自覚を持っているからでその」

輝「ちょっと美術部? なんか調理室で妖怪が出たみたいだから早く向かってあげて」ガラッ

御崎「ゲェッ、新井!?」

輝「……なによそのリアクション」

御崎「ノックも無しに突然入って来たのは新井のほうでしょうが。
   で、なにさ。 今日は愛しの是外坊クンは居ませんよ?」

輝「奈良山くん、今日は裏山に行くって聞いたわよ。
  そうじゃなくて、妖怪が出たから処理しに行ってください」

御崎「ねえねえ白の字、やっぱりウチは美術部改め妖怪退治屋だと思う」

真一「否定しきれない辺りがちょっと悲しいです」

クズリ「じゃあ真一、行こっか」ニコッ

真一「」

クズリ「……どうしたの真一?」



142 名前: ◆.6mrbJ9aro:2012/01/19(木) 21:01:00.88 ID:UhTMDQcO0

真一「あ、うんごめん、すっごく綺麗だったからさ、見惚れてた」

クズリ「も、もう! 真一! は、恥ずかしいのは禁止だよ!」

真一「え、ごめん」

クズリ「もう……、本当に恥ずかしいんだからね」

御崎「……いやー、実に平和。 終わりよければ全てよし、ってね。 そう思わんかな新井よ」

輝「まだ終わってないわよ御崎」

御崎「されど、終わらなくてもそれはそれでよし! ってね」


終わり



和「で、話ってなにかしらツグミ?」

ツグミ「えっと、その、す、」

和「す?」

ツグミ「す、……好きですー!」



ホントに終わり




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[ 2012/01/26 22:42 ] クロス | ほうかご百物語 | CM(0)

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