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憂「かまいたちの夜」#後編 【ホラー】


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憂「かまいたちの夜」#前編
憂「かまいたちの夜」#中編
憂「かまいたちの夜」#後編




276 名前:>>1より分岐:2012/02/04(土) 18:51:59.63 ID:+BVtJ5c7O

唯「はぁ~るばる~きたぜはあっこだてー♪」

私は今、お姉ちゃんと一緒にスキー場へきている。
目の前は一面にそびえ立つ白銀世界。その根本に、私達がお世話になるペンションが見えていた。

ここで、一つ訂正。

憂「お姉ちゃん、ここは函館じゃなければ北海道ですらない、長野県だよ」

唯「いやー雪景色を前にしたらつい言いたくなっちゃって」

はっとした。私は、なんてダメな妹なんだろう。
お姉ちゃんがせっかくいい気分で歌っているところに水を差すような発言。
死んで償えるのなら死んでしまいたいが、余計にお姉ちゃんが悲しむだろうから、他の償い方を探さなければ。



278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:52:20.45 ID:+BVtJ5c7O

唯「ふいーやっとペンションについたね」

憂「荷物置いたら早速スキーに繰り出しちゃおっか」

言いながらがちゃり、と戸を開けると、からんからん、と鈴が鳴る。その音をきっかけに、

「やあ、いらっしゃい。ご予約のお名前は?」

とオーナーらしき人が奥から姿を見せた。

憂「平沢です。平沢……唯で予約したんだっけお姉ちゃん?」

いきなり自分に話を振られたせいか、少し驚きを見せるお姉ちゃん。

唯「えっそうなの?商店街の福引きで当たったんだから商店街の名前で予約入ってるのかと思ってた」



279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:52:53.42 ID:+BVtJ5c7O

「あっはっは、平沢憂さんのお名前で予約をいただいてるみたいだよ」

予約の名前まで商店街は面倒見てないよ、と言おうとするのを遮るように笑い声が響く。
なんだ、自分の名前で予約してたのか。
それより、このオーナーらしき男の、お姉ちゃんを馬鹿にしたような笑い方に、思わず舌打ちをしたくなる。

「そっちのヘアピンを付けてるのが姉の唯ちゃん、ポニーテールが妹の憂ちゃんだね、
 ……よし覚えたよ。ようこそ、ペンション『シュプール』へ!」

憂「はい、お世話になります」
唯「よろしくお願いしまーす!」

私達はきれいに揃ってお辞儀をした。
こういう何気ないところでも息が合っちゃうのは、やはり類い稀なる姉妹愛のおかげだろう。お姉ちゃん大好き。



280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:53:27.48 ID:+BVtJ5c7O

「透ったら、かわいい女の子の名前を覚えるのだけは得意なんだから」

お辞儀をしている間に奥から新たに女の人が現れていた。
なかなか美人と言ってよさそうな顔立ちをしている。
透と呼ばれたオーナーらしき人は、女の人の急な登場で……
というよりその言葉を発した顔が不敵に微笑むのを見て、明らかに同様している。

透「いやぁっ、そのっ、ほ、ほら、
  お客さんの顔と名前を覚えるのは大事じゃないか、真理もそう思わないかい?」

真理さんはその不敵な笑みを崩さない。

真理「ええそう思うわ。じゃあ昨夜泊まって今朝帰った、眼鏡の女性の名前は何だったかしら?」

透「えぇと、山口じゃなくて山本でもなくて……
  あんまりタイプじゃない人だったからな……あっ、えっ、じゃなくて!その!」



281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:53:50.96 ID:+BVtJ5c7O

目が泳ぎまくりの透さんを尻目に、真理さんはこちらに向き直り、軽く礼をした。

真理「ようこそシュプールへ。私はここのオーナーの琴吹真理よ、よろしくね」

透「あっあぁ僕もオーナーでね、こほん。琴吹透です、よろしく」

そう言って透さんも頭を少し下げた。
なるほどやはり透さんはオーナーで、真理さんと二人合わせてオーナー夫妻ということらしい。
……いや、そんなことより。

憂「あの、琴吹って、あの琴吹グループの方なんですか?」

唯「てことはムギちゃんの親戚?」



282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:54:17.53 ID:+BVtJ5c7O

珍しい苗字だしほぼ間違いないだろう。
質問を投げかけられた透さん……ではなく真理さんがにこやかに回答する。

真理「もしかして、紬ちゃんのお友達かしら。紬ちゃんはね、私の遠い親戚なの。」

透「僕も真理も間柄を覚えてないほど遠ーい親戚だけどね」

まさかこんなところで知り合いの親戚に会うとは、世の中なんて意外と狭いものだ。
意外性という点ではもう一つあるけれど、それを指摘するのは野暮というものだろう。

唯「あれっ?真理さんが琴吹家の人ってことは、透さんは婿養子?」

あぁ、純粋過ぎるよお姉ちゃん。気になったことは聞きたいんだよね。でもそんなお姉ちゃんも好きだよ。



283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:54:52.24 ID:+BVtJ5c7O

透「そ、そういうことになるね。シュプールの所有権がブツブツ……ああそれよりっ!」

話を逸らしたげに、何か思い出した顔をして言う。

透「紬ちゃんも今夜ここに泊まるみたいだよ」

なんだって?そんな偶然がまさか、そう思いお姉ちゃんに目をやると、同じく私に顔を向けていた。

唯「偶然ってあるもんだねぇ~。ムギちゃんは一人で泊まりに来てるんですか?」

この問いに対し、真理さんは宿泊者名簿を見るでもなく、私達の後方を見ながら言い放った。

真理「いいえ、友達を三人連れてるわ」



284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:55:18.00 ID:+BVtJ5c7O

真理さんの視線が気になり振り向くと、そこには見慣れたメンバーが揃っていた。

唯「ムギちゃん!それに、澪ちゃんりっちゃん!そしてあずにゃ~ん!」

梓「ちょっ、いきなり抱きつかないでくださいっ」

猫まっしぐらという勢いで、梓ちゃんの華奢な体はお姉ちゃんの腕に抱えこまれることとなった。
いや梓ちゃんのほうが猫っぽいから猫まっしぐらという表現はややこしいので
何か別の表現を――ま、そんなことはどうでもいいや。
それより、せっかくの姉妹水いらず旅行が成り立たないであろうことを残念に思う。ファック。

律「お、おう、唯に憂ちゃんじゃないか」
澪「こ、こんなとこで合うなんて、き、奇遇だな」

こうなったものは仕方ない、軽音部のみなさんと旅行に来たと思って楽しむほかないだろう。ただ。

憂「みなさん、こんにちは。今日はどうしてこちらに?」

一応聞いておきたい。なぜ軽音部が揃っているのにお姉ちゃんがその輪に加わっていないのか。



285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:56:05.08 ID:+BVtJ5c7O

梓「それはその、えっと……」

梓ちゃんを初めとする全員が、ちらちらとお互いの顔を確認する。
数秒後、律さんに視線が集中し、煽られるように口を開いた。

律「そ、そう!軽音部のみんなでどっか泊まりがけの旅行でも行こうぜってなったんだけど、
  唯は憂ちゃんと旅行だって言ってたろ?だから声もかけなかったんだ、うん」

唯「そっかー、迷惑かけてごめんね」

憂「でも他の日程にしてくれてもよかったんじゃ……」

私の発言に、律さんは明後日の方向を見ながら答える。

律「そ、それがだな、シュプールの都合上今日じゃなきゃだめでさー、ね、透さん?」

透「別にうちは……」

律「ねっ!透さん!」

透「あっ、ああ」



286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:56:43.24 ID:+BVtJ5c7O

怪しい。律さんの慌てぶりといい透さんとのやりとりといい、
まるでお姉ちゃんを省いて旅行を計画したみたいじゃないか。

紬「唯ちゃん達もシュプールに旅行だったんなら、憂ちゃんも加えて6人招待されてもよかったわね」

唯「ま、私達は福引きで当たった旅行だから結局自腹は切ってないんだけど」

ふんす、と胸を張るお姉ちゃん。別に威張るところじゃないよ。

澪「福引きで旅行が当たるなんて、さすが憂ちゃんは日頃の行いがいいな」

唯「澪ちゃん私はー?」

律「いやあさすが憂ちゃん素晴らしい」
紬「いつも家事も勉強も頑張ってるものね」
梓「マイナス要素を乗り越えるほどの素晴らしさ」

唯「みんなひどいっ」

みんなひどいっ。あまりにもお姉ちゃんを小馬鹿にしすぎじゃあないか。
それでいてへらへらと笑って……何がおかしいのか。



287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:57:24.40 ID:+BVtJ5c7O

「まいどー、邪魔するでー」

突然玄関から聞こえた陽気な関西弁に目をやると、そこには恰幅のいい中年男性が来たところだった。
その頭は禿げ上がり、気休め程度の髪が寂しそうにある程度である。

透「どうも香山さん、お久しぶりです」

香山「あかんな透くん、そこは『邪魔するんやったら帰ってー』て言うてくれんと。
   そしたら『あいよー』言うてからノリツッコミするとこやのに」

香山と呼ばれた中年男性はわははと笑いながら自らの中にあったネタを口にする。それ、面白いですか?



290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:58:13.88 ID:+BVtJ5c7O

律「香山さんっていうと、もしかして……」

律さんはそう口にしてから、はっと気がついたようにお姉ちゃんのほうに目をやる。

香山「もしかしてあんたらが放課後テータイムっちゅうバンドか?
   ひぃふぅみぃ……なんや数が多いみたいやけど」

律「そ、その話はまた後でじっくりと。と、透さん、部屋割りはどうなってます?」

何やら香山さんを知っている風な律さん。
慌てて部屋割りの話に移行したのも、何かを隠しているようにしか見えない。



291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:59:07.36 ID:+BVtJ5c7O

しかし透さんは何も気にしてない様子で、待ってましたとばかりにシュプールの見取り図を取り出す。

透「紬ちゃん達四人はここからここまでの四部屋、唯ちゃんと憂ちゃんはこことここの二部屋だよ。
  まあ自由に入れ替えてくれてかまわないけどね。香山さんは一番奥のここでお願いします」

差し出された見取り図はペンション二階のもので、階段を登った地点から左右に廊下が伸びている。
左手前三部屋のうち手前から二部屋が私達の、その向かい側奥から四部屋が紬さん達の部屋だそうだ。
奥から四部屋目だけは階段より右になる。

階段隣の部屋をお姉ちゃんが引き受け、私がその隣――つまり香山さんの隣――、
向かい側奥から順に紬さん、律さん、澪さん、そして梓ちゃんと決まり、それぞれ自室へ荷物を置きに向かった。



292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 18:59:36.08 ID:+BVtJ5c7O

こんこん。ドアをノックする音が聞こえる。しかしそれは私の部屋ではないようだ。
どこかでがちゃり、とドアの開く音とともに、陽気な関西弁が響く。香山さんの部屋だ。

香山「おー早速来たか。ま、立ち話もなんやし入ったらええわ」

透さんか真理さんが訪ねてきたのだろう。
そう思ったが、聞こえてきたのは意外な――予想していないといえば嘘になるが――声だった。

律「失礼します」

今日会ってから常に挙動不審な律さんが、いったい香山さんと何の話をするというのか。
悪いとは思いながらも、壁に耳を当てて会話を聞くことにした。



293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:00:10.37 ID:+BVtJ5c7O

香山「どや、こないだ言うたデビューの話、考えてくれたか?」

デビュー?そういえば香山さんは放課後ティータイムを知っていたが、
私が無知なだけで音楽業界の有名人だったりするのだろうか。

梓「もう一度だけ、条件を確認させてください」

梓ちゃんの声だ。
もしかすると、お姉ちゃんを除く放課後ティータイムが勢揃いしているのかもしれない。
なら何故お姉ちゃんが除かれているのか。それは、すぐに明らかになった。

梓「澪先輩がボーカルで、唯先輩には辞めてもらうことが条件なんですよね?」

……なんだって?



294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:01:29.26 ID:+BVtJ5c7O

香山「名前は覚えとらんけど、平沢っちゅう子や。
   有名な占い師に聞いたら、その子が歌ってると売れないし言いよるからな、占い師だけに」

香山さんの馬鹿げた笑いが聞こえる。

澪「作詞作曲も自分達でできるんですよね。ただ、唯……平沢唯が参加できないだけで」

香山「そうや。君らは君らのやりたいようにやったらえぇ。わしが責任持って売り出したるさかいな」

梓「素晴らしい条件ですね、考えるまでもないです」

え――梓ちゃんは何を言ってるんだろう。

澪「同感です」
紬「わざわざこんなところに来て話すこともありませんでしたね」
律「満場一致、です。香山さん」

みんな、何を言ってるんだろう。
お姉ちゃんがいなくても、デビューできればいい、そんな人達だったんだろうか。



295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:02:03.07 ID:+BVtJ5c7O

こんこん。ノックの音で我に帰る。

唯「うーいー、スキー行こうよー」

お姉ちゃんだ。私は壁から顔を離すと、慌ててスキーの準備をしてドアを開けた。
そしてそのまま、満面の笑みを浮かべるお姉ちゃんと一緒に、雪山へと出発した。



296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:02:44.05 ID:+BVtJ5c7O

唯「あっ、あずにゃーん、他三にーん、やっほー」

何滑りかして再びリフトで山頂に登ると、お姉ちゃんを除く軽音部が揃っていた。

律「他三人ってなんだ、私達は梓のついでかよ」

唯「ごめんごめん。でもみんな私達を置いてスキー行っちゃうんだもん」

頬を膨らませて怒るお姉ちゃん。
まさかみんなが、先にスキーに行ったのではなく香山さんの部屋にいたとは、思いもしないだろう。

澪「ま、まあこうやって合流できたんだし、楽しく滑ろうじゃないか。な?」

その後は澪さんの言葉どおり、みんなでスキーを満喫した。
……ようにお姉ちゃんの目には写っただろう。今日のお姉ちゃんは騙されてばかりだ。



297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:03:14.41 ID:+BVtJ5c7O

憂「律さん、どっちが早く滑れるか勝負しませんか?」

律「へっ、私?」

いざ滑り出さんとしたところに話しかけられ、きょとん、とした様子で聞き返してくる。

憂「はい、一番運動神経がよさそうなので」

この私の一言に、律さんはあっさりと上機嫌になった。

律「ふふふ、さすが憂ちゃんお目が高い。絶対負けないからなー!澪、スタートの合図を頼む」

澪「はいはい、二人とも気をつけてな。……よーい、どん!」

即席スターターの合図とともに、私達は滑り出した。



299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:03:46.34 ID:+BVtJ5c7O

私の視界に律さんの姿はない。
なぜか。答えは簡単で、私が律さんより前を滑っているからだ。
既にここの雪質にも慣れている分、私のほうが有利なのは明らかだ。

憂「悔しかったら追い付いてくださいよー」

律「なにくそ!引き離されてはいないんだ、もうすぐ逆転してやるからな!」

私は律さんと一定の距離を保って滑っている。あまりに離れ過ぎては意味がないのだ。
あらかじめ滑った地点を思い起こしながら、ある地点に辿り着いた瞬間、私は軽いミスを犯し減速した。

律「ひゃっはー隙あり!憂ちゃんさよならー!」

私を追い抜いた律さんは、私のほうへ振り向いて喋りながら少しの間滑り続け、

律「はっはっはっ……う、うああぁぁぁっ!」

崖の向こうへと飛翔していった。



300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:04:47.07 ID:+BVtJ5c7O

憂「み、澪さぁん……うぐっ、ひぐっ」

なだらかなゲレンデに一人戻ってきた私は、
澪さんを探し出し――紬さんでも梓ちゃんでもよかったが――話しかけた。

澪「憂ちゃん、いったいどうした?」

憂「ううっ、律さんが、律さんがぁ……」

澪「律?律がどうしたんだ!」

憂「つ、着いて来てください」

先ほど律さんが飛び立った崖へ、今度は澪さんを連れて行った。
そして

憂「律さん、ここから落ちちゃって……あそこ、覗いて見てください」

澪「なんてことだ。どれ……うわっ、あっ、あーっ!」

澪さんが律さんのところへ行けるようアシストした。



302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:05:30.96 ID:+BVtJ5c7O

あとは簡単だった。紬さんも、梓ちゃんも、
澪さんを突き落としたのと全く同じ手順を踏み、みんな仲良く崖下に並ばせてあげた。
もっとも、落ちたみんなは雪に埋もれたので、本当に並んでいるのかは知らないが。

憂「お姉ちゃん、そろそろ帰ろっか」

唯「あっ憂、もぅーどこにいたの?いつの間にかみんなもいないし、一人で寂しかったんだから」

その点は本当に申し訳なかったと思ってる。

憂「ごめんね。てかみんないないの?」

唯「滑ってるうちに迷子になっちゃったみたい」

憂「律さん私に負けてから
  『みんなと特訓して見返してやるからな!』って言ってたから、こっそり練習中かもね」

言ってない言ってない。

唯「もしかしたらシュプールに帰ってるかもね、私達も帰ろっか」

憂「うん!」

こうして私達は、シュプールへの帰路についた。空は、これから吹雪いてもおかしくない様子だった。



304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:06:13.16 ID:+BVtJ5c7O

からんからん。シュプールの玄関を開くと、透さんが受付から顔を出した。

透「やあおかえり。もうすぐ夕食だから、着替えたら食堂においで」

唯「わーい」

憂「料理は真理さんが作るんですか?」

当たり前だと言われそうな何気ない問いに、意外な答えが返ってきた。

透「と、思うだろ?実は、僕が作るんだ」

どや顔で両手を腰に当てる透さん。

憂「へぇー意外です。見学してもいいですか?お姉ちゃんもどう?」

透「どうぞどうぞ。といっても、下ごしらえは既に終わっちゃってるけどね」

唯「憂が行くなら私も行くー」

こうして、私とお姉ちゃんは、着替えたあと厨房に集合することになった。



305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:06:52.25 ID:+BVtJ5c7O

憂「失礼しまーす」
唯「ん~良い匂いー、つまみ食いしちゃいたくなるね」

キッチンにやってきた私達の鼻に届いたのは、なんとも美味しそうなビーフストロガノフの匂いだった。

真理「たっぷりあるし、少し味見するくらいならいいのよ」

憂「サラダも美味しそう。これ、あとは盛り付けるだけですか?」

透「そうだね、手伝ってくれるのかい?」

憂「そんなつもりじゃなかったですけど……じゃあお手伝いしまーす」

真理さんからお皿を受け取り、サラダを盛り付けていく。お姉ちゃんのは特別たくさん盛っちゃおう。



306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:07:33.86 ID:+BVtJ5c7O

真理「お待たせしましたー」

既に食堂で席についていた香山さんに私達が合流してすぐ、真理さんが前菜のサラダを運んできた。

香山「なんや、その子のだけやけに多ないか?」

お姉ちゃんのお皿を見て言う。

真理「手伝ってくれたサービスです。さ、皆さん召し上がれ」

唯「いただきます。……あずにゃん達まだ帰ってないのかな」

憂「みたいだね。うん、サラダ美味しい!」

真理「すぐにメインも持ってくるわね」

そう言うと、真理さんは厨房へと消えていった。



308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:08:15.41 ID:+BVtJ5c7O

真理「お待たせ、ビーフストロガノフです」

言葉どおり、真理さんはすぐに次の料理を運んできた。

唯「あわわ、まだサラダいっぱい残ってるのに」

憂「私が盛り過ぎたからだね、ごめんお姉ちゃん。私もビーフストロガノフ食べずにお姉ちゃんを待ってるよ」

お姉ちゃんは急いで食べているようだが、
それでも特盛サラダはすぐにはなくならず、なかなか主菜に踏み込めない。
結局、私達がビーフストロガノフに手を出せたのは、香山さんがデザートを食べている頃だった。



310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:08:58.71 ID:+BVtJ5c7O

カチャーン

食器の落ちる音。
見ると、香山さんが食後に飲んでいたコーヒーのカップを足元に落とし、口を抑えて苦しそうにしている。

香山「うぐっ……ご……がっ……」

そしてそのままどさり、と椅子から倒れ落ちた。

私達のデザートを運んできた真理さんが、血相を変えて香山さんのもとへ走り寄る。

真理「かっ香山さん!どうしたんですか!?」

真理さんの呼び掛けに答えることはなく、びくびくと痙攣を繰り返したその体は、ついに動かなくなった。



311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:09:49.90 ID:+BVtJ5c7O

デザート待ちぼうけをくらっている私達も、そんなことは言ってられず、香山さんのもとへ近寄る。

唯「し、死んじゃったの……?」

異変を察した透さんが厨房から現れ、香山さんの喉元に指を当てる。

透「そう、みたい、だね。真理、警察と救急に連絡をお願いしていいかい?」

真理「わかったわ」

そう言うと、真理さんは食堂から駆け出して行った。



313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:10:34.02 ID:+BVtJ5c7O



翌朝やってきた警察に状況説明と称した取り調べをしばらく受け、私達二人は解放された。
このときお姉ちゃんは、律さん達が戻っていないことを訴え、別個捜索隊が派遣されることとなった。

ちなみに、香山さんの死因は、タバコの誤飲による中毒死だそうだ。
コーヒードリッパー上方の棚に保管しておいたタバコの吸い殻が、何かの拍子に落下したらしい。

憂「まったく、そんなとこに吸い殻を保管するなんて、ちゃんちゃらおかしいね」

お姉ちゃんはと言えば、シュプールから帰ってきて三日後に、
軽音部の仲間が遺体――集団で吹雪の中遭難し、前方不注意で崖から落下したとの見方が有力――
で発見されたと聞き、以来塞ぎ込んでしまっている。

憂「このままじゃお姉ちゃん出席日数足りなくて留年しちゃうよ」

憂「そうなれば同じ学年だね、嬉しいな」


 終 ~歪んだ姉妹愛~




>>295より分岐





315 名前:>>295より分岐:2012/02/04(土) 19:11:44.76 ID:+BVtJ5c7O

こんこん。ノックの音で我に帰る。

唯「うーいー、スキー行こうよー」

お姉ちゃんだ。私は壁から顔を離すと、慌ててスキーの準備をした。
だが、このままスキーになんて行く気分にはとてもなれない。
ドアを開けると、お姉ちゃんを尻目に隣の、香山さんの部屋の前に立ち、ノブに手をかける。

唯「う、憂、そこは香山さんの部屋だよ」

鍵がかかっていないことを確認すると、意を決してノブを回し、ドアを開いた。

憂「梓ちゃん!みなさん!さっきの話はいったいどういうことですか!?」



316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:12:30.13 ID:+BVtJ5c7O

突然の乱入者に、部屋にいた5人全員がしばし固まる。
最初に口を開いたのは香山さんだった。

香山「なんや、急に入ってきて。もしかして人の話盗み聞きしとったんちゃうやろな?」

そう言われると少し心苦しいところがある。

梓「憂、そうなの?」

律「たはっ、参ったな」

何が参った、だ。問い詰めようと口を動かす瞬間、後ろからお姉ちゃんが姿を見せた。

唯「ねぇ憂ったら、いったいどうし――あれっみんな?」



317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:13:13.63 ID:+BVtJ5c7O

よくよく考えれば、お姉ちゃんは自分がハブにされていたことに気付かないほうがよかったのかもしれない。
ついカッとなって、そこまで気が回らなかった。
今からでも誤魔化せないか思案していると、それを妨げるように律さんが話し始めた。

律「唯もいるのか……知られたくなかったんだけどな。みんな、もう話しちゃっても仕方ないよな?」

澪さん、紬さん、梓ちゃんが顔を見合わせ、頷く。
それを確認した律さんが、お姉ちゃんと微妙に視線を合わせないまま喋り出す。

律「実はな、唯。お前を除いたHTTでデビューしないかって提案されててだな……」

律さんの目が、にっこり笑ってお姉ちゃんを見た。

律「断っちゃった」



319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:13:46.47 ID:+BVtJ5c7O

ことわった……?断った!?さっき壁越しに聞いてたときはそんなこと一言も……。

律「今日ここに来たのも、香山さんとデビューについて話をするためだったんだけどな。
  やっぱ、私達は唯と一緒じゃなきゃ嫌だ。」

お姉ちゃんはぽかんとした顔で聞いていたが、急にキッと目付きを変えた。

唯「そんなのダメだよ!せっかくデビューするチャンスなんだよ!?それなのに――」

澪「そう言うと思った!」

澪さんが声を上げる。

澪「唯ならそう言うと思った。だから内緒にしてたんだよ」



320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:14:28.19 ID:+BVtJ5c7O

唯「でも……」

梓「唯先輩、私達の夢はただデビューすることじゃないんです。きっかり5人揃ってデビューしたいんです」

紬「だから、香山さんになんとか唯ちゃんも一緒にデビューできないか頼もうと思ってたんだけど……」

紬さんがちらりと香山さんを伺う。

香山「君らの友情が固いのはわかった」

律「じゃあ!」

全員の目が期待の色に染まる。



321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:15:03.58 ID:+BVtJ5c7O

だが、その期待が叶うことはなかった。

香山「わかったけどやな、ビコターケ丸亜?っちゅう占い師の言うことには背けへんのや。
   なんせ、あいつのおかげで無事夏美は成仏できたんやしな」

天井を虚ろに見上げる香山さん。もしかしたら変な宗教に入っているのかもしれない。

香山「そういうことやから、今回の話はなかったことにしとくれ。
   あとはシュプールでの旅行を楽しんだらええわ。料理も美味いしな」

唯「みんな……ごめんね」

梓「いいんですよ。さぁ!香山さんの言うとおり旅行を楽しみましょう!」

梓ちゃんの声掛けに、みんなが呼応する。

おーっ!



322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:15:45.50 ID:+BVtJ5c7O



シュプールへの旅行から数ヶ月。お姉ちゃんが雑誌のとあるページを見せてきた。

唯「ねぇ憂、これ見てよ」

そこには、
『香山誠一プロデュース!KYM48のCDを買うと、お好み焼き半額券が付いてくる!』という字が躍っていた。

憂「香山誠一って……シュプールで会ったあの人だよね」

お姉ちゃんが曖昧そうに頷く。

憂「『責任持って売り出したる』なんて言ってたけど、こんな売り出され方するなら断って正解だったね」

唯「いやまあそんなことより……」

お姉ちゃんが私の手を取り訴えかける。

唯「お好み焼き食べたいなぁ……なんて、ね」

憂「え……。うん、よし任せて!今晩はお好み焼き作るよ!」

こんなにも純粋なお姉ちゃんが、汚い手法で売り出されることがなくなり、本当によかったと思うのだった。


 終 ~愛しの純粋お姉ちゃん~



323 名前:番外編:2012/02/04(土) 19:17:30.20 ID:+BVtJ5c7O

憂「軽音部の皆さんまでシュプールに泊まるだなんて予想外だけど……」

憂「お、お姉ちゃんとの、ふ、二人きりの旅行!」ハァハァ

憂「人は旅先では大胆になるって言うし」ハァハァ

憂「今日こそは!ししし姉妹の一線を越えちゃったり!?しちゃったり!?」ハァハァハァハァ

憂「きゃー、しちゃったりって何をー、きゃー」バタバタ

憂「……いざ、出陣!」キリッ



324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:18:12.51 ID:+BVtJ5c7O

ガチャッ
憂「えっとお姉ちゃんの部屋はっと」

憂「すぐ隣だし、間違うわけないね」

憂「よ、よし、行くぞ……」ゴクリ

コンコン
憂「お姉ちゃーん」ドキドキ

憂「……」ドキドキ

憂「……いないのかな」



326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:18:52.31 ID:+BVtJ5c7O

憂「誰かの部屋に遊びに行ってるのかな」

憂「許せん!私のお姉ちゃんを独占するのは誰だ!」

憂「お姉ちゃんのことだから、やっぱり一番可能性が高いのは……」

憂「……梓ちゃん、だよね」

憂「えぇい気後れしてる場合じゃない」

憂「いざ、取り返さん」



327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:19:20.95 ID:+BVtJ5c7O

コンコン
憂「梓ちゃん?憂だけどー」

ガチャッ
梓「どうしたの?もうすぐ日付も変わろうかって時間に」

憂「あれっ一人?」

梓「当たり前じゃん。この部屋に幽霊がいるなんて言わないでよ?」

憂「あ、あはは、怖がるかなーなんて」

梓「少し怖いからもうやめて。あっそういえば一人といえばさ」

憂「何?」

梓「憂って一人でしたことある?」



328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:19:56.99 ID:+BVtJ5c7O

憂「ななな何言ってるの梓ちゃん!」カァッ

梓「そんな焦ることないじゃん、それとも怖くてしたことないとか?」

憂「こっ怖いとかじゃないけどっ」

梓「ほぉ~じゃあしたことあるんだね?」

憂「……」コクッ

梓「へぇーほんとにしたことあるんだ、私なんかとは違うね」

憂「あ、梓ちゃんは一人でしたことないの……?」

梓「やり方は知ってるけど、どうしても怖くてさ」



329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:20:32.87 ID:+BVtJ5c7O

梓「ねぇ、してみた感想どう?」

憂「どうって、言われても」カアァー

梓「ちゃんといた?」

憂(いた?イった、かな)

憂「う、うん、まあ……」

梓「そりゃそうだよね、いなかったら怖過ぎるよ」

憂「え、いなかったら……?」

梓「一人かくれんぼしたからってぬいぐるみが勝手に動き回れるわけないもんね」

憂「一人かくれんぼ……えっ、あ、はは、そうだね……はは」



331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:21:04.22 ID:+BVtJ5c7O

憂「梓ちゃんの部屋にお姉ちゃんはいなかった」

憂「それどころか無駄に恥をかかされてしまった」

憂「まあ私が勘違いしてたことに気付いてなかったみたいでまだよかった」

憂「さて、お姉ちゃんはどこにいるのかな……」

憂「とりあえず、順番に梓ちゃんの隣の澪さんの部屋に行こうかな」



332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:21:47.51 ID:+BVtJ5c7O

コンコン
憂「澪さん?憂ですけどー」

ガチャッ
澪「やあ憂ちゃん。こんな時間にどうしたんだ?」

憂「あの、お姉ちゃん来てませんか?」

澪「唯?さあ、見てないけど」

憂「そうですか……」

澪「……あのさ、憂ちゃん」

憂「はい?」

澪「いきなりなんだけど、その……迷惑じゃなければ……
  私の、しょ、処女さっ、もらってくれないかな?」

憂「……はいぃっ!?」



334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:22:33.37 ID:+BVtJ5c7O

澪「軽音部のみんなに頼んだら茶化されそうだからさ、
  真面目な憂ちゃんなら感想もちゃんと教えてくれるかなって」

憂「こっ困ります!急にそんなこと言われても!」カアァッ

澪「そうか……そうだよね……」シュン

憂(澪さんが処女コンプレックスを持ってたなんて)

澪「どうしても、だめ?」ウルウル

憂(反則的にかわいい上目遣い!)

憂(……考えてみれば、私の処女が奪われるわけでもないし、私が困ることはないのかも)

憂(むしろ、お姉ちゃんとするときのいい練習になるかもしれない)

憂「そこまで言うなら……」



335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:23:12.46 ID:+BVtJ5c7O

澪「ほ、本当?」パアァッ

憂「は、はい」

憂(澪さん嬉しそうだなあ)

澪「じゃあすぐ取ってくるからちょっと待ってて」タタタッ

憂(取ってくる?まさか、お、大人のおもちゃ……)

澪「お待たせ、はい」

憂「……本、ですか?」

澪「私の処女作、その名も『魔法少女隊ミオーズ』だ。読んだらまた感想教えてほしいな」

憂「処女さっ……!あ、はは、わかりました、……はは」



336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:23:45.86 ID:+BVtJ5c7O

憂「澪さんの部屋にお姉ちゃんはいなかった」

憂「それどころか無駄に恥をかかされてしまった」

憂「まあ私が勘違いしてたことに気付いてなかったみたいでまだよかった」

憂「さっきもこんなこと言ってたような……」

憂「さて、お姉ちゃんはどこにいるのかな……」

憂「とりあえず、順番に澪さんの隣の律さんの部屋に行こうかな」



337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:24:15.70 ID:+BVtJ5c7O

コンコン
憂「律さん?憂ですけどー」

ガチャッ
律「やあ憂ちゃん。日付も変わったっていうのにどうしたんだ?」

憂「あの、お姉ちゃん来てませんか?」

律「唯?さあ、見てないけど」

憂「そうですか……」

律「……なあ、憂ちゃん」

憂「はい?」

律「私と一緒に、イケナイコト、しちゃわないか?」



340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:24:55.54 ID:+BVtJ5c7O

憂「イ、イケナイコト……」カアァッ

律「そう、イケナイコト」

憂(騙されるな憂。梓ちゃんや澪さん相手に恥をかいたばかりじゃないか。何のことかしっかり確認しないと)

憂「それって、その、気持ち良くなっちゃったりすること、ですよね……?」

律「そうそう、憂ちゃんわかってんじゃーん」

憂(うわーこれ勘違いじゃないよ、本当にイケナイコトだよ、イケナイけどイケちゃうよ)

律「憂ちゃん確保ー!」ダキッ

憂「はわっ!?」

律「さあこっちへおいでー」

憂(まずいまずいまずいまずい)バタバタ



341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:25:48.98 ID:+BVtJ5c7O

律「ほんとはみんなと一緒にパーっとやりたかったんだけど、言い出すタイミングがなくてさ」

憂(乱交!?いやそれより襲われてる、私襲われてるよ!)バタバタ

律「暴れるなよー。……それとも、やっぱ嫌なのか?」キラキラ

憂(反則的にかわいい上目遣い!)

憂(律さんって、カチューシャ外してもらったらちょっとだけお姉ちゃんに似てるんだよね)

憂(自分の処女さえ守れたら、お姉ちゃんとするときのいい練習になるかもしれない)

憂「そこまで言うなら、ちょ、ちょっとだけ……」



342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:26:29.78 ID:+BVtJ5c7O

律「ほ、本当?」パアァッ

憂「は、はい」

憂(律さん嬉しそうだなあ)

律「じゃあすぐ取ってくるからちょっと待ってて」タタタッ

憂(取ってくる?まさか、お、大人のおもちゃ……)

律「お待たせ、はい」

憂「……缶チューハイ、ですか?」

律「瓶ビールなんて持って来れないからな。ま、未成年には缶チューのほうが美味しいさ」

憂「イケナイコト……!あ、はは、飲みましょうか、……はは」



343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:27:04.75 ID:+BVtJ5c7O

憂「ひっく、律さんの部屋にお姉ちゃんはいなかった」

憂「それどころか無駄に恥をかかされてしまった、うぃっく」

憂「まあ私が勘違いしてたことに気付いてなかったみたいでまだよかった」

憂「さっきもこんなこと言ってたような……うえっ」

憂「さて、お姉ちゃんはどこにいるのかな……」

憂「ま、残った紬さんの部屋にいるでしょ、うへへ」



344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:27:53.65 ID:+BVtJ5c7O

コンコン
憂「紬さん?憂ですけどー」

憂「……」ウトウト

憂「はっ、いかんいかん」

コンコン
憂「紬さーん」

ガチャッ
紬「あら憂ちゃん。もう寝かけてたから遅くなってごめんなさいね、どうしたの?」

憂「あの、お姉ちゃん来てませんか?」

紬「唯ちゃん?さあ、見てないけど」

憂「そうれすか……」

紬「……ねぇ、憂ちゃん」

憂「ふぁい?」

紬「私と一緒に寝ない?」

憂「……ふぁい?」



346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:28:46.56 ID:+BVtJ5c7O

紬「私、友達の兄弟姉妹と仲良くするのが夢だったのー!」

憂(寝るってあれだよね、性的な意味だよね)ボーッ

紬「憂ちゃんなんだか顔赤くない?まさか熱でもあるの?」

憂(仲良くする……夫婦の営みのことを仲良しって言ったりするよね)ボーッ

紬「大変、早くベッドに入って暖かくして寝ましょ」グイグイ

憂(ああベッドに連れ込まれちゃってるよ私……)

憂「……ぐぅ」スヤスヤ



347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:29:32.51 ID:+BVtJ5c7O

唯「小腹が空いたからって作ってもらったサンドイッチ美味しかったなー」ホクホク

唯「それにしても、憂は私の部屋に来るって言ってたのに全然来ないな……」

唯「もうちょっとだけ起きて待っとこうかな」

唯「でも寒いからベッドの中で」ゴソゴソ

唯「……ちょっと目をつぶるだけ。憂を待ってるから寝はしないよ」

唯「……ぐぅ」スヤスヤ


 完 ~ちょっとHなかまいたちの夜~



348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:30:51.22 ID:+BVtJ5c7O

以上で全編終わりになります
ありがとうございました




349 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/02/04(土) 19:31:10.89 ID:PycthjD80

>>348




350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:31:59.21 ID:7UHQ2waQ0

おつだ



352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:32:57.21 ID:P6FYhjW6O

おもしろかった
乙でした



353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:33:04.26 ID:DTLMj2fo0





359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/04(土) 19:38:40.55 ID:KbL1+ecGO

乙!かま2版もちょっと見てみたかった






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憂「かまいたちの夜」#後編
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タイトル:
NO:5540 [ 2012/02/08 03:02 ] [ 編集 ]

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