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憂「ロボットの見る夢」 【SF】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329904981/




1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/22(水) 19:03:06.72 ID:qLrKhwQ9o




――ロボットと呼ばれた少女がいた。


彼女は一人で何もかもをこなした。
彼女は一人で生きてきた。
彼女は一人で生きることが出来た。
彼女に出来ないことなど何もない。生まれたての彼女を見た周囲の誰もがそう零した。


それからすぐ、セカイの歯車が止まり、ヒトが吐き出す黒煙が消え果てても。
彼女は一人で生き続けた。彼女にはそれが可能だった。

彼女は自らの歯車だけを一人きりで回し続けた。

なぜならば、彼女に不可能なことなどないのだから。
彼女は一人で何でも出来るのだから。


知識と知恵を駆使し、自らが生きるために必要なものを全て揃え、生み出し、消費し、彼女は生きた。
完全なる自給自足生活。彼女一人きりの世界は、彼女一人だけで全て事もなく回っていた。





2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/22(水) 19:04:14.27 ID:qLrKhwQ9o




しかし、彼女にも『心』があった。


いつからあったのかはわからない。
最初からあったのかもしれないし、いつの間か芽生えていたものなのかもしれない。

もっとも、知識を吸収し、知恵を搾り出し、言葉を操り、
自分で考えて生きる彼女に感情が芽生えないはずがない。
なにはともあれ、これは偶然ではなく必然だった。
彼女がそれを拒むどころか存在に戸惑う理由すらないほどに必然だった。


そうして必然としてそこに在った心は、少女に様々な『感情』を抱かせる。様々なことに気づかせる。


透き通ったような空が輝いて見えること。

音を立てて吹き抜ける風が心地よいこと。

太陽も月も、眩しく光る素敵な存在であること。

朝、昼、夕方、夜。それぞれが美しく、ただそこに在ること。


自分以外誰もいないこの世界は、とても綺麗であること。



3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/22(水) 19:05:34.54 ID:qLrKhwQ9o



自分以外誰もいないということ。

自分が一人ぼっちであること。

この世界はつまらないこと。

こんな生活、続けてもここで止めても同じじゃないか、ということ。


……自分が、こんな生活に『飽きて』きているということ。



一人で何でもこなす彼女とはいえ、挫折や苦難に完全に無縁だったというわけではない。
しかし、その程度のものならいずれ乗り越えた。それだけの技術と知識を持っていた。

それでも、彼女の持ち得る全てをもってしても怠屈を越える事は出来なかった。

次第に、彼女の心は憂鬱に、物憂げな心に支配されていく。


何でも出来るはずの自分が、倦怠感に、倦んでいく心に打ち勝てない。


何でも出来る彼女でも、『心』だけはどうにも出来ない。
たとえそれが誰よりも身近な自分の物であっても。


自分にも出来ないことがあると知った彼女は、
自分に出来ていたことを捨て、多くの物を犠牲にして、
それを可能にする方法を探し始めた。捜し求めた。

皮肉にも、その時の彼女は今までのどの時よりも生き生きとしていた。



4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/22(水) 19:08:20.01 ID:qLrKhwQ9o




――そうして、何でも出来る彼女は自分に出来ないことに対する一つの答えを導き出した。

その答えを導き出す過程で、自分に出来ないことは思ったよりも多いと思い知りながら、
それを満たしてもらうためにも答えを求め続けた。
そして、それが実を結ぶ。


少女は『人』を創り出した。


目の前に横たわり眠る『人』に触れる。
その身体はあたたかく、少女の心を何よりも落ち着かせてくれる。
故に自分が求めた答えはこれだという確信を得ることが出来た。

唯一の問題点といえば外見だろうか。
参考に出来るものが自分自身しかなかったため、自分と瓜二つな外見になってしまったこと。
他に誰もいないこの世界では大した問題ではないかもしれないが、
それでも少女は区別をつけたがった。彼女が欲しがったのは『自分』ではないのだから。
区別する方法を考え、少女は手を伸ばして   髪を縛った。


そうして。

5億6千7百99万3千6百秒の果てに。

少女は、求めた人に出会った。


ゆっくりと、その人の瞼が開かれる。
視線と視線が交錯した時、どちらからともなく自然と笑みがこぼれた。

少女の口は、その人に対し何かを口走った。何かの呼び名を口走った。
自分が求めたその名を、あるいは名称を口走った。

そして「呼んでほしい」と言う。自分の名を呼んでほしいと言い、名を告げ、求める。
彼女一人では出来ない、いくつかのことのうちの一つを求める。

目の前の人は、自分の名を呼んでくれるたった一人の人はそれに応え、口を開き――



――――
―――



5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/22(水) 19:10:20.16 ID:qLrKhwQ9o



憂「……ん、ぁ、あれ? 寝ちゃってた…?」

首を起こし、少女は周囲を見渡す。そこにあるのは彼女にとって変わり映えしないいつもの風景。

変わり映えしない。
何も変わらない、いつもの風景。

憂「………」

彼女には贅沢など言えない。こうして居眠りをし、夢を見れるだけで充分な贅沢なのだから。
何でも出来る彼女に、それ以上の贅沢など許されないのだから。


憂「っ……」



……だから、何か一つでも出来ない事があるならば、贅沢を言っても許される。
自分だけじゃ、自分一人じゃ出来ないことがある。それを知る彼女は……



 「――おはよう、うい」


憂「――!」



6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/22(水) 19:11:12.66 ID:qLrKhwQ9o


最後の最後で「」がズレた気がしますけど終わりです




8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2012/02/22(水) 23:13:55.17 ID:s3Uu7CiVo

馬鹿だから良くわかんなかったけど乙



10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/02/23(木) 04:00:33.06 ID:lDarhx4io

これはまた考察し甲斐がありそうなSSですね
おつ



11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/23(木) 08:10:35.16 ID:gs+nBTSoo


姉と妹の順番が逆なのが少し気になったかな






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憂「ロボットの見る夢」
[ 2012/02/26 05:03 ] SF | | CM(1)

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タイトル:
NO:5692 [ 2012/02/26 18:30 ] [ 編集 ]

こういうSS好きだ

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