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律「皆いくぜぇ!1.2.3.4!」#後編 【非日常系】


http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1247751510/

律「皆いくぜぇ!1.2.3.4!」#前編
律「皆いくぜぇ!1.2.3.4!」#後編




202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 00:41:31.30 ID:bV0OOg3yO


~平沢宅~

律「うわああああぁあぁ!!!!」

唯「あわわわわわぁぁ~~」

梓「うわああああああん!!!」


憂「やった♪また私の勝ちだね♪」


律「くっそぅ!何でこんなにスマブラ強いんだ憂ちゃん!?」

梓「こっちのストック50にして憂はストック1なのになんでそんなに強いの!?」

唯「あれ?知らなかったっけ?憂ってゲームの大会で優勝したことがあるんだよ?」


律&梓「ええええええ!!!!?」

憂「あ、でもそんな強いわけじゃないですよ。葛飾区の両津さんにはさすがに負けましたし…」



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 00:49:30.21 ID:bV0OOg3yO


律「そうと聞いちゃぁ尚のこと引き下がれないぜ!!いくぞ!梓!」

梓「はい!律先輩!憂!もう一回勝負しようよ!」

唯「もう、皆意地っ張りなんだね」

唯「あ、憂ー、アイス食べていいー?」

憂「今日はもう11個目だよお姉ちゃん」



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 00:52:55.29 ID:bV0OOg3yO


律&梓「うぉぉおおぉおおぉぉおおお!!!!!」


なんかお尻の辺りで携帯がうなってたけど
アタシは構わずコントローラーを再度握り締め

キャラクターをピカチュウに決定した



206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 00:58:30.37 ID:bV0OOg3yO


澪(もう30分もたってる…)

さっきから何通もメールを送っているのに
律からの返信はまだなかった

もちろん律の家にはいった
けれど聡の話だとまだ帰ってきていない様子だった

澪「どこいるんだよ…律…」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:04:55.14 ID:bV0OOg3yO


先ほど足取りとは異なり、私はもう、走られず、歩いていた
一歩、また一歩と歩くごとに不安が背中にはりついてくる

(もしかして、私の気持ちがバレちゃったのかな…)
(嫌われちゃったのかな…)
(友達で…なくなっちゃうのかな)

澪「怖い…怖いよ…っ」

俺「みんな、今日は集まってくれてありがとー!」

澪「!?」

私の不安を掻き消したのは路上ライブ中の俺の声だった



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:07:46.12 ID:bV0OOg3yO


どうでもいいけどこの話は宇多田ヒカルのFINAL DISTANCEを
聞きながら書いてるから
リンクしてるところもあるんだ

機会があったら皆聞いてみてくれ



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:13:35.75 ID:bV0OOg3yO


俺「今日集まってもらったのは他でもありません」

俺は堂々と、目を輝かせて言った

俺「俺、結婚します」

どうやらこの前いっていた重大発表とは俺が結婚するという告白だった

今、華々しい舞台に立っている者がなぜ路上ライブなんて…て思ったけど
どうやら結婚を機に一度原点回帰をするためらしい

俺が大きく深呼吸した



213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:20:19.08 ID:bV0OOg3yO


俺は耳が張り裂けそうな声を出して言った

俺「お前らも!好きな奴に躊躇しないで!!当たっていけ!!!」
俺「どんなに返事がこなくたって!誰も見ていなかったとしてもだ!!」
俺「俺が見てる!俺が聴いてる!!俺が!!!ここに!!!いる!!!!」

ウォオォオオォオレサイコォオォオオ!!

俺「それじゃあ今日もいくぞぉおー!!!」

俺のライヴは盛り上がった
その時の俺はとても輝いていた



215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:27:55.04 ID:bV0OOg3yO

俺の言葉を聞いて私は、勇気がでた

紬『嫌われるの前提で離していたら何もかもうまくいかないと思うの』

そうだ、自己嫌悪なんてしてる場合じゃないんだ

…絶対に伝えるんだ


今日、伝えなきゃ、もう二度と言えない気がするんだ



216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:34:59.62 ID:bV0OOg3yO


アタシのピカチュウと梓のオリマーは憂のスネークによって簡単に場外へ出されてしまった

律&梓「うぉぉおおぉおああぁあああああぁあ!!!!!」

憂「♪」

律&梓「ま…参りました…」

唯「二人ともあんまりうまくないね♪」

梓(バッサリだーっ!!)

律「お前がいえるのか!お前が!!」

唯「そういえばりっちゃん、さっきから携帯光ってるよ?」

律「へ?…ああメールか、どれどれ…」

律「澪からだ…」

心臓が高鳴った
うわ…アタシ…澪からのメールを無視ってたんだ…



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:42:00.88 ID:bV0OOg3yO

To  秋山澪
Sub ごめん
-------


メールに気づかなかった
今からそっちに行く
澪は今どこにいるんだ?


-------

律「ごめん、アタシ用事思い出したわ、先帰るね」

唯「ふぇ?帰っちゃうの?」

梓「あ、じゃあ私も帰ります。途中まで一緒に行きましょう」

律「ん、おう!」



219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:50:27.08 ID:bV0OOg3yO

あらかたお菓子を片付けてから私と律先輩は平沢家を後にした

道中、律先輩はずっと携帯を閉じたり開いたりしてた

澪先輩と何かあったのかな…

梓「……」
梓「…律先輩って澪先輩のこと、どう思ってます?」

律「へ?」



221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:58:18.31 ID:bV0OOg3yO


律「どう、っていうかなんとも。アタシの傍にいるのが普通って感じかな」

梓「それって、大切って意味ですか?」

律「んー…どうなんだろう。正直アタシ自身よくわかってないからさぁ」

梓「何なんですか、その曖昧さ加減は」

私は肩をすくめてため息をついた

せっかく先輩の意見を参考にして唯先輩の事を考えようと思っていたのに

…てあれ?何?私…なんで、唯先輩だなんて…

混乱している私の横で律先輩は手を頭の後ろで組んだ



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:05:50.41 ID:bV0OOg3yO


律「でも、今日は」

律「今日はさ、なんとなく出掛けたのも、澪に会いたかったからなんだ」

律「もちろん!梓や唯達とも遊べて楽しかったんだけどさ」

そういって律先輩は照れくさそうな顔をして私の頭をなでた

それ、私もだ

憂と遊ぶのはもちろん楽しい
憂は気遣いができて、優しくて、なんでもできちゃうすごい子だ

だけど、憂と遊ぶっていう事で
唯先輩と一緒にいれるというきっかけがほしかったのも事実なんだ



224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:15:54.22 ID:bV0OOg3yO


人気の少ないバス停沿いで私は携帯を取り出して


見慣れた番号へ電話をかけた

澪(大丈夫、大丈夫)
澪(きっと、律はすぐでるさ)

だから変な杞憂は捨てるんだ 秋山澪

プルルルルル…



225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:22:28.21 ID:bV0OOg3yO


その後、律先輩はこう続けていった

その人の一番じゃなくてもいい
ただ、傍にいさせてほしい
話さなくたっていい
一緒にいてくれれば、それでいい

それを話しているとき
律先輩は手の中にある携帯をずっと見つめていた

梓「それって…」



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:29:02.57 ID:bV0OOg3yO


梓「それって、す、好きって事じゃないんですか?」

律「え?」
梓が顔を赤らめて言った

え?
好き?
誰が?
誰を?

梓「澪先輩の事が…好きって事なんですよね?」



229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:35:48.04 ID:bV0OOg3yO


梓『澪先輩の事が…好きって事なんですよね?』

うん、そうだよ
アタシは澪のことが好き
でもそれは誰にも言ってはならない

だって話してしまえば、肯定してしまったら

澪が離れていってしまいそうだから

だから、この想いは誰にも話さない
そう、決めたはずなのになぁ…

律「好きだよ、澪のこと」



230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:38:03.67 ID:bV0OOg3yO


どこからこの自信が湧いてくるのだろうか
今のアタシは何もかもが怖くなくなっていた

道の分かれ道でアタシは止まった

律「確かに、アタシは澪の事が好きだ」

梓「っ…じゃあ!告白とかはするんですか!?」

律「…アタシは、この想いを告げるつもりはないよ」

梓「え…?」



231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:46:32.44 ID:bV0OOg3yO


なんで?どうして?

そんなこと言いたげな梓の顔をみて私は笑う

律「アタシはね、皆が思ってるほど、強いわけじゃないんだよ」

アタシの気持ちがバレたらどうしよう
嫌われたらどうしよう
友達でなくなったらどうしよう

律「そんな『らしくない』事ばかりグルグルしちゃうんだ」



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 02:55:19.55 ID:bV0OOg3yO


アタシはもう一度手の中にある携帯を見る

律「アイツの幸せをずっと見守ってようってさ」

アタシは澪の楽園には入ることはできない

ずっと、ずっとその楽園を見守ろう

そう、きっと、アタシには

見守ることしか できないんだ



234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:00:52.07 ID:bV0OOg3yO


梓(なんで?どうして?)
梓(律先輩の性格なら玉砕覚悟でいくと思うのに…)


律「…『らしくない』事ばかりグルグルしちゃうんだ」

らしくない?て何?
律先輩のらしくないって何なの?

それもひっくるめて律先輩じゃないの?

律「アイツの幸せをずっと見守ってようってさ」

澪先輩の楽園には入れない?て事?
何それ
澪先輩はそんなこと思ってなんかないよ



235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:09:03.85 ID:bV0OOg3yO


だって合宿のとき、私は散々みてたよ

澪先輩をからかう律先輩のことも
律先輩に説教してる澪先輩のことも

すごくいい感じだったもん

それに私見ちゃったから知ってるんだ

なんでそんなに澪先輩が律先輩の事が好きだって

確信めいて言えることがある」



236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:15:10.88 ID:bV0OOg3yO


合宿最終日、朝食ができたので

律先輩と律先輩を起こしにいった澪先輩を呼びに

私は相部屋の寝室に行った

そこで見たんだ

澪先輩は口では律先輩に文句を言っているのに


すごく優しい瞳で律先輩に向けていたから



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:24:26.35 ID:bV0OOg3yO


梓「だからそんな馬鹿みたいなこといわないでください!!」
梓「まだチャンスはあるんですよ!!?」

口を大きく開けて梓が叫んだ

その拍子でアタシの思考は停止した
しかし5秒ほどたってすぐに復旧したが混乱はしていた

律(澪が?アタシを?)

その時、手の中にあった携帯が鳴り出す
聞き慣れたメロディが流れ出す
澪専用の曲だった

梓「ほら!!私のことはもういいですから!!!」
梓「先輩は早く電話にでて澪先輩に会って下さい!!!」

律「お…おう!」

梓に背中をバン!押されアタシは携帯を耳にあてて駆け出した



239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:34:46.90 ID:bV0OOg3yO


全力でどこかへ走りながらアタシは澪の電話に答えた

律「……もしもし?」

澪「…律か?」

心なしか、澪の声はいつもより堅く聞こえた

律「うん、アタシだよ」

澪「…」

律「何?」

澪「…今、暇か?」

律「うん」

澪「今、どこにいる?」

律「S交差点前の本屋前にいる」

澪「わかった」

澪「言いたいことがある、そこにいて、律」

鼓動が波打つ
期待するな、期待するなアタシ

律「わかった」



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:41:55.29 ID:bV0OOg3yO


アタシは電話を切ろうとしたけど

受話器から何か言おうとして口ごもっている澪の声が聞こえた

律「何?どうした?」

澪「…ぅ……………」

交差点の前にいるからか、何をいってるのか聞きづらい

もう一度耳を澄まして聞いてみることにした



241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:48:15.36 ID:bV0OOg3yO


…泣いてる澪の、声だった

律「…馬鹿澪」

澪「…ぅう…馬鹿、律…」

いてもたってもいられなくなった

律「今どこにいるんだ?」

澪「…Y交差点前の公園…」

昔、小さい頃よく遊んだあの場所か
昨日、あの黒猫と出会った場所

アタシは信号が青信号になるかなるまいかというぐらいで
勢いよく走り出した


なんでアタシは
澪を泣かす事しかできないんだろう



242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:52:15.48 ID:bV0OOg3yO


なんで私は
律を困らせる事しかできないんだろう

私は公園のベンチでうずくまって泣いていた

泣くだけじゃ何の解決にもならない

そんなのとっくの昔に分かりきっていたのに…っ

受話器越しの律の声を聞いただけで崩れてしまうほど


私は律の事を愛してしまっていたんだ



243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:03:29.68 ID:bV0OOg3yO


それでも、今泣いてちゃ駄目なんだ

私はベンチから体を離して道路の方へ向かう
涙で視界がぼやけ霞む

でも

ここで動かなきゃ

ここで言わなきゃ


澪「今、言わなくて、いつ、言うんだよ…私」

今度は、背中越しなんかじゃなくて正面から
律の顔をまっすぐ見るんだ



244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:10:06.59 ID:bV0OOg3yO


アタシは全力で走っていた

喉はカラカラ
夜といっても夏は夏 汗でシャツはベトベトだ

それでも

ここで走らなければ

ここで、ハッキリさせなきゃ

律「澪と一緒にいる、なんて言える資格ない!!」

梓のおかげで目が覚めたんだ

アタシ達は一緒にいるべきなんだ
アタシにはやっぱり 澪が必要なんだ

アタシは交差点を通り過ぎ遊歩道を駆けた



…見えた



246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:17:59.74 ID:bV0OOg3yO


私は腕で涙を拭った

それでも目からは涙が溢れてくる

けど今は

一歩でも律の元へ行こう

一つでも水面をさざめかそう

律が気づくように

律に伝わるように


ふと横を見ると、一匹の黒猫が歩いているのが見えた

黒いからちょっとした親近感がわいた

澪「一緒に、律のところに行こうか」



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:24:43.71 ID:bV0OOg3yO


律「澪ー!!!!」

アタシは澪に向かって懸命に叫ぶ

けれどここは夜になっても車通りの多いところで

大きなトラックの通る音でかき消されてしまった

律「…もっと近くにいかなくちゃ…」

すぐ目の前にいるのに

車が多くて、澪の姿が見えては、消えてゆく

会いたい気持ちが心に溢れて
次第に焦る気持ちが現れてきた



250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:34:54.22 ID:bV0OOg3yO


信号機の下にきて早く信号が赤から青になるようボタンを連打する

しかし信号機はその願いに答えず赤のままだった

律「くっそ、早く青になれよ…!」

信号機が青になるかわりに一気に交通量がへった

澪がハッキリと見えた



251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:36:46.44 ID:bV0OOg3yO



律「澪ー!!!」

澪「!!?」

律の声がきこえる

律の姿は信号機の下にあった

ひどく、懐かしく感じた
もう、言ってしまおうか

澪「律ー!!」
澪「言いたいことがあるんだー!!」



252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:38:49.88 ID:bV0OOg3yO


信号が青に代わり

澪は律の元へ走りかけた

黒猫は律を見つけて澪より数歩多く駆け出した

その時だった


サイレンの音が周囲に木霊した



253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:44:00.94 ID:bV0OOg3yO


「危ない!!!!!」

青信号にもかかわらずトラックが飛び込んできた

黒猫が見るも無残な姿になるのは誰もが瞬時に理解できた

しかし

不幸なことに律の瞬発力のせいか黒猫は難を逃れ

代わりに律がトラックにはねられた

澪「律!!!」

律の身体は空をとび、そして遠くで落ちた



255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:46:17.35 ID:bV0OOg3yO


澪「…ハァ…ハァ…」

動悸が激しい
足からは力が抜け、コンクリートに膝を落とした
息を整えようとして深呼吸するけれども
込み上げてくる酸っぱさと、辺りの鉄臭さにむせ返りそうになる

澪「っ…」

全てが歪んで見えた

目の前で 壊れてしまったんだ



256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:51:49.40 ID:bV0OOg3yO


ハッと我に返り私は律を探した

周りでは横転したトラックと数台の乗用車ある

私はそれの間をぬって律を探した

澪「律!!律!!りつぅ!!!」

どこにいるんだよ、律

でてきてよ

いつもみたいに笑ってよ



260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 05:18:01.81 ID:bV0OOg3yO


ガソリンくさい

なんだか頭がクラクラする

それになにより体の節々が尋常じゃないほど痛かった

それでもアタシは遠くを見つめていた

ひどく遠い、自分から離れた場所にいる、おびえたような

警戒するような、けれども力強い瞳を探した

暗くなっていく、霞んでゆく自分の視界の先に、ちゃんとあるか探した

律(澪…どこ…?)



261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 05:21:59.10 ID:bV0OOg3yO


澪「…っ!律!…りつぅ!!」

律は澪のいた所から10mほど離れた所で倒れていた

律「…ぃ…ぉ…ガハッ」

律の口からは大量の血が吐き出された

澪「喋るな!くそ…なんで…こんな…っ」

近くの人が呼んだのだろうか
遠くでサイレンの音が聞こえた

律「み…ぉ…」



264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 05:30:31.26 ID:bV0OOg3yO

律は私に向かって精一杯、手を上げた

私は律の手にしがみついた

澪「…っ律」

でも律の手からはどんどん力が抜けていって

どこかで切れたのであろうか
腹部からは大量の血がでていた

慌ててタオルで止血する

澪「死んじゃ嫌だ!!律!!!」

閉じかけの瞼が 完全に閉じてしまった



282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 12:50:08.88 ID:bV0OOg3yO


梓「本当に…世話がやけるんだからっ…」

私は律先輩の背中を押した後、壁に背中をあずけていた

私だって馬鹿じゃない

私だって、皆を見てきた

律先輩が抱いている感情は、澪先輩ももってるモノだって


そして、その感情と同じモノを私は唯先輩に抱いているって事も



わかってる



283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 12:55:16.38 ID:bV0OOg3yO


けど、唯先輩はその感情を私にはもっていない


だからこそ

両想いの二人には、繋がってほしかった

途切れないで、ほしかった


誰かにそれは自分のエゴだ、他人に押し付けるなといわれたとしてもも

私はきっと同じ事をするだろう

だって

梓「二人とも、びっくりするくらい鈍感なんだから」



285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:00:24.21 ID:bV0OOg3yO


紬「そうね、あの二人はこういう事に対してすごく奥手そうだもの」

梓「っ!むぎ先輩!?」

紬「だからからかな、私も、背中を押したくなっちゃったの」

梓「…」

紬「皆、素直になっちゃえばいいのにね」

そういって紬先輩は私に苦笑いを浮かべた

素直に

そう

素直になれたら、いいのに…



286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:05:33.79 ID:bV0OOg3yO


紬「信じましょう?あの二人を」

梓「…はい」

うん、今からならまだ間に合うよ…律先輩

だから、頑張って

しばらく私とむぎ先輩は

すっかく暗くなった空を見ていた


紬「あら、誰からかしら?」

紬先輩の携帯がなっていた

宛名は澪先輩からだった


私達は目を合わせて笑った

梓「大丈夫みたいですね」

紬「ええ」

そう言って紬先輩は電話にでた



287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:14:35.81 ID:bV0OOg3yO


唯「ういー…あいす」

憂「もう、30個も食べてるよお姉ちゃん」

唯「うーいー?」

憂「…はいはい、今もってくるからね」

唯「ありがとー♪憂ー♪」

私は先ほどまで憂と一緒にやっていたPSPで

リオレイアの素材を剥ぎ取っている時だった

携帯「ヴヴヴヴヴヴ…」



288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:24:02.21 ID:bV0OOg3yO


唯「あれ?ケイ太が鳴ってる…」

宛名はむぎちゃんからだった

唯「あれ?むぎちゃん日本に帰ってきてたんだ」

唯「まさか赤いと3倍早くなる乗り物にのって帰ってきてたりして♪」

唯「まーさすがにそれはないよね♪」

私は携帯を手に取り電話にでた

唯「もぉしもーし?むぎちゃん?」



290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:32:17.20 ID:bV0OOg3yO


唯「澪ちゃん!!!」
紬「澪ちゃん!!」
梓「澪先輩!!!」

手術中と表示された扉の前のベンチで

澪ちゃんは力なく座っていた

澪ちゃんはYシャツにジーパンといった格好だった

なんか澪ちゃんらしくない服装だけど誰かに借りたのかな?

私にはよくわからなかったけど

澪ちゃんが握り締めているタオルは


濃い赤色だった



292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:45:05.07 ID:bV0OOg3yO


唯「り、りっちゃんが…轢かれたって本当…?」

澪ちゃんは首を縦にふった

なんでも猫をかばってトラックに轢かれたらしい

なんで…どうして…

お医者さんが来て私たちに何かを話しているけど

私には難しくて何を言ってるのかわからなかった

ただお医者さんも『難しい』って言ってた



294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:55:52.94 ID:bV0OOg3yO


なんで私は
律を困らせる事しかできないんだろう

なんで私じゃ
律を助ける事ができないんだろう

涙はとうの昔に涸れていた

けれど拳を硬く握り締めていたせいか

濃く赤色に染まったタオルは

私の手を赤く染めた



295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:02:20.54 ID:bV0OOg3yO


さっきから唯達が話しかけてきてくれたけど

会話の内容はまったく頭の中にはいってこなかった

ただ私は律と 話したかった

言葉で 伝えたかった

メールや受話器越しじゃ

嫌だったんだ

そんな私の我が儘が 律を殺したんだ



297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:07:45.69 ID:bV0OOg3yO


もう

約束どおりじゃなくたっていいんだ

隣にいなくたっていい

そばにいなくたっていい


律が生きていてほしいんだ

律がいなきゃ 

…生きてなきゃ、駄目なんだ

律が生きていないと、私の世界は動き出さないんだ

律が、私の世界を動かす波紋なんだ



298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:13:04.52 ID:bV0OOg3yO


ただ時間が過ぎるのがひどく遅く感じた

それは今、律は私の隣にいないからだ

どこにいるかって?

それは…

私にはわからなかった

私は律が姿を現さないと

動けない 弱虫だったんだ



299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:19:29.31 ID:bV0OOg3yO


今思えばいつだって


律は私をどこにいたって捕まえくれていた

律が私を捕まえることが

律にしかできないことだと 信じたい


そう、私は 信じることしかできないんだ



301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:27:24.93 ID:bV0OOg3yO


だから 律 私を捕まえにきてよ

白ウサギじゃなくて黒ウサギになるけど、

私は 律に捕まえてほしい


私は顔を上げた

手術中のランプが 消えた



304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:34:16.24 ID:bV0OOg3yO


夢を見た

すごく幸せな、夢


唯やむぎや梓がいて

アタシと澪が喧嘩してたり

さわちゃんに無理やり服を脱がされたりして

皆で騒いで、笑って、バンド組んで



アタシがドラムで
澪がベースで





306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:40:22.91 ID:bV0OOg3yO


律『あのときの約束は、嘘だったのかよ!?』

ああ、そんなこともいったっけな
約束…ね

うん
もちろん武道館も大切だよ

だけど今は

約束を 守りたい


澪の隣に いたい



307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:48:08.03 ID:bV0OOg3yO


澪『こんなとこで何やってるんだ?』

あ 澪だ

律『おお!野生の澪が現れた!』

澪『どこのポケモンだ私は!!』ゴチン!

その言葉とともに案の定、鉄拳が頭にふってくる

なんだろう

このやりとりも、会話も、痛みも

すごく幸せだと感じたんだ

律「…あれ?」

澪がぼやけて見える
周りの情景が白になった



310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:52:07.23 ID:bV0OOg3yO


澪『どうした?律』

見えないよ澪 どこにいるんだ?

澪『私はここにいるよ』

だけどその姿は段々と霞んで遠くへいった
どんどん澪との距離が広がって

律「待てよ!ま、待てってば!澪!!」

会いたいけど、見えなくなった
見えなくなった

アタシは白い世界に一人きり
取り残された


一緒に、いたかった



311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:05:15.19 ID:bV0OOg3yO


外は相変わらず蒸し暑かった

ただ時間が過ぎるのがひどく遅く感じた

あの事故が起こってから1ヶ月がたっていた

律はまだ 目を覚まさなかった

澪「今日も暑いな、気分はどうだ?律」

外は相変わらず暑いけど
窓から涼しい風が吹いてきていた



312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:11:13.27 ID:bV0OOg3yO

私は律に語りかける
もうこれが日課みたいなものになっていた

澪「聞いてくれ、私たちのCDが今度でるんだ」

澪「これはむぎとかの力でもなんでもないんだ」

澪「桜高の誰かが私たちのCDを買って、それでどこかの放送局に投稿したんだ」

澪「それから色々あったよ、録音とかインタビューとかさ」

窓からの風で髪の毛がはためく
律の長い前髪も はためいた



313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:16:48.83 ID:bV0OOg3yO


澪「それで武道館でライブしたいって駄目もといってみたんだ」
澪「そしたら、OKだってさ」
澪「笑えるだろ?こんな、実力であがったわけじゃないのに」
澪「最初はもちろん断ったさ、でも、」

武道館でライブするって伝えたら

律『実はドッキリでしたー!!!』


声がしそうな気がしたんだ

だから

澪「早く起きてよ 律」



314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:23:34.18 ID:bV0OOg3yO

病室の扉が開き唯と梓が入ってきた

唯「…りっちゃん、澪ちゃん、きたよ」

梓「…律先輩はどうですか?」

澪「この通り。ぐっすり眠ってるよ」

律の顔を見て私は言った

唯「そっか、あ、りっちゃんこれ差し入れだよ」

そういって唯は持ってきたスイカをベッド脇に置いた


318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:35:13.75 ID:bV0OOg3yO


律のいる病室の外では私とさわ子先生は
お互いに目線をあわさずに立っていた

さわ子「…」

さわ子「……りっちゃんは、もう駄目なの?」

紬「まだ…!…っまだ駄目じゃありませんよ」

紬「琴吹家が全力でりっちゃんのサポートをしています」

紬「それに、りっちゃんがそう簡単に死ぬはずありません!!!」

さわ子「それでも、目覚める確立は低いのよね…」

紬「…」



319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:40:41.06 ID:bV0OOg3yO


梓「律先輩、昨日夏祭りがあったから風鈴かってきましたよ」

梓は小さいからだを伸ばして窓脇に風鈴をかけた

病院のすぐそばにはススキ畑が生えつつあった

少し強い風が吹いた

ススキが喚き、風鈴はより一層強い音を出した


夏に会いに行く秋の音が聞こえた

なんだか急に 泣きたくなった



320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:49:13.97 ID:bV0OOg3yO


これから先 律はきっと眠り続けるだろう

最初は律が生きていればいいなんていっていた

けど 次々に欲望が溢れ出てくる

生きているだけで それだけでいいのに

律に会いたい

律に触れたい



律と…話したい



321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 15:53:57.97 ID:bV0OOg3yO


もう律がいないとだめなんだ

一緒にいなくちゃ 嫌なんだ


やっぱり 約束を 守ってよ


律に向かって波紋を広げるから

ひとつになんかならなくたっていいから

私に波紋を返してよ

ずっと手を握ってるから



322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:00:04.10 ID:bV0OOg3yO


澪「ぅ…りつぅ…」
唯「澪ちゃん…」
梓「澪先輩…」

涙は涸らしたと思っていたのに

また私の世界を濡らした

唯も、梓も泣き出した

私たちはまたすすり泣いた

私の涙は律の手の甲に涙がおちた



325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:06:00.45 ID:bV0OOg3yO


アタシは白い世界にいた

随分前に澪が私の前から消えてから

この世界では誰にも会っていない

それから私は澪を探すために歩き続けていた

当ても何もない

どこへ行き どこへ向かうのかもわからない

もしかしたら同じところをグルグル回っているだけかもしれない

だけどアタシは歩き続けた


ふと あたたかさに包まれた

律『お?なんだ!?』

視界が 晴れていった



326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:11:54.94 ID:bV0OOg3yO


律(あれ?ここ、どこだ?)

半目を開けて天井を見る
どこだここ、私、知らないぞ?

ていうかアタシ 今まで何してたんだっけ?

首が重くて動かない

仕方なしに目を端に向ける

お!スイカだ!ラッキー!!!
あれ?誰かいる

澪「ぅ…りつぅ…ひっく…」

…澪!?



330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:18:46.42 ID:bV0OOg3yO


おいおいおいおい、何で泣いてるんだよ

何で唯も梓も泣いてるんだよ!



そうか、アタシ、あの黒猫を助けようとして轢かれたんだ

なんであの黒猫をかばったんだろう

ただあの時はなんとなく

あの黒猫が、澪みたいに みえちゃったんだよなぁ…

澪「…りつ…!なんで…なんで起きないんだよぉ!」

律(澪…)



331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:29:01.64 ID:bV0OOg3yO


聞こえているよ

澪の声も、涙の音も。全部

全部知ってるから。

私は大丈夫だから。

ほら、こうやって話…せないけど、アタシ、そんな声、聞きたくないよ

私にはいつもみたいに怒ってくれる澪の声の方が耳慣れてて

心地がいいんだ だから

「…泣くなよ」



333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:40:42.57 ID:bV0OOg3yO

澪「律!?」
唯「りっちゅぁあぁぁあ!!!!」
梓「律せんぱぁぁああぁ!!!!」


突然病室から女の子達の涙声が聞こえた

それを聞いた私は

さわ子先生とりっちゃんの担当医とともに病室へ駆け込んだ

紬「りっちゃん!!!?」



335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:49:46.48 ID:bV0OOg3yO


律「あだだだだ!!!!澪!痛い!!痛いって!!」

澪「りつぅぅぅうぅぅ!!!!」

そこには見慣れた光景があった

りっちゃんに抱きついて泣きじゃくる澪ちゃんと唯ちゃんがいて

りっちゃんに悪態をつく梓ちゃんがいた

みんな 泣いていた

そして 笑っていた



336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 16:55:51.49 ID:bV0OOg3yO


担当医「奇跡だ…」

さわ子「…え?」

担当医「彼女はもう目覚めないとすら言われていたんです」

さわ子「だけど、自分で這い上がってきた」

担当医「よほどの精神力がなければなせません」

さわ子「…」

律の担当医は病室で笑っている律に言った



338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 17:04:57.64 ID:bV0OOg3yO


担当医「とにかく、これから精密検査を行いたので一度皆さん出て行ってください」

担当医「田井中さんは少し質問に答えてください、よろしいですか?」

律「あ、はい。ほら澪」

澪「…律、本当によかった…!っ本当に…」

律「うん、ありがと。皆もありがとうな!」

アタシはもう大丈夫!といわんばかりの笑顔を浮かべた

皆安心したのか素直に医者の意見に従った



340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 17:10:49.46 ID:bV0OOg3yO


アタシは医者の話を聞くために身体を前にしようとした

あれ?身体が、重くて動かないや

そっか、今アタシ患者だからそんなの当たり前か!

むふふ♪

あとでスイカおいしくいただくか♪

先ほどまで澪が座っていた椅子に医者が座った

担当医「…今、貴方の腕は動きますか?」

律「え?」



342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 17:19:05.55 ID:bV0OOg3yO


私達は医者と律に促され病室を後にした

唯「りっちゃんが生きててよかったぁー!!」

梓「まったく寝坊するにも程がありますよ!」

澪「ああ、全くだ!!むぎがいなかったら今頃どうなってたか…」

紬「そんな、私は何もしてないわよ」

そんな事をいいながら私達は病院の広いフロアに出て自販機で飲み物を買った

ちょっとしてからさわ子先生がやってきた



343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 17:26:04.10 ID:bV0OOg3yO


さわ子「皆、今日はもう面会できないみたいよ」

唯「えっ!?もうりっちゃんと会えないの!?」

梓「まぁ起きたばっかですしね…」

さわ子「明日なら面会はできるみたいよ、今日はもう帰ったら?」

紬「精密検査とか諸々やらなきゃいけないことがあるものね…

澪「そう…か。まぁそういうことなら仕方ないな」


『…今、貴方の腕は動きますか?』

さわ子(なんて聞かれたら、フラグたちまくりじゃないの…)

さわ子「りっちゃん…」



344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 17:31:15.04 ID:bV0OOg3yO


バン!!!!

扉が勢いよく開いた

聡「待たせたな!!姉ちゃん!!!」

全くなんでこいつはいっつも扉開けるとき

こんな騒がしいんだろう

部活帰りらしくユニフィーム着て

泥だらけになっちゃって

おまけに目に涙ためてるよ

男の子だろ?泣くなよ



346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 17:44:52.77 ID:bV0OOg3yO


律「なぁ、聡」

聡「なに?姉ちゃん」

アタシは自分の腕を見ながら言った

律「腕の事は、澪達に言わないでくれ」

聡「えっ、でも…」

律「いいから!言うなよ!!」

大声を出してアタシは笑いながら言った
聡は意図を感じ取ったみたいだった

聡「わかったよ、姉ちゃん」



347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 17:58:15.46 ID:bV0OOg3yO


バン!!!!

扉が勢いよく開いた

唯「待たせたね!りっちゃん隊員!!!」

なんでこうアタシの病室はこうも騒がしいんだろう

アタシが眠っていた間に季節は9月になっていた
アタシの夏休みは没収された
学校帰りなのかみんな制服姿だった

律「おいーっす!いらっしゃい!!」



348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:07:34.15 ID:bV0OOg3yO


澪「昨日はどうなることかと思ってたがもうすっかり起きたみたいだな」

澪がそういって背負ってたベースを降ろす
よくみれば唯も梓もギターを背負っていた

むぎはティーセットをもっていた
近くのポットでお湯を沸かしたのか紅茶を用意してくれた



349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:10:13.90 ID:bV0OOg3yO


律「もしかして今日部活やってたのか?」

唯「うん、そだよ!」

梓「もう文化祭も近いしこの前話した武道館での公演も近いんですよ」

紬「はい、どうぞ」

むぎはテーブルに紅茶を置いた
アタシはそれを眺めるだけだった

律「お、サンキュ♪」

澪「だからお前もサッサと退院しろ!」

退院、ね…



351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:20:42.49 ID:bV0OOg3yO


律「そのこと、なんだけどさ」

澪「ん?どうした?」

律「…昨日、皆が帰った後、気づいたんだ」

律「アタシ…、腕、使いモノにならなくなった」

唯澪紬梓「!!!?」

律「だから、アタシ…もうドラムできないや」

澪「そ、そんなぁ…」

律「律…」



352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:23:18.27 ID:bV0OOg3yO


病室の空気が一気に冷え込む

アタシはベッドにもたれかかり腕は身体の脇に
力なくおいていた

みんな、アタシの腕をみている

梓「ほ…、本当に動かないんですか!?」

アタシは何も言わずに梓を見つめた
すぐに目線をそらされたけど。

澪「嘘じゃ、ないのか…?」

今にも泣きそうな声で澪がいった



355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:26:27.10 ID:bV0OOg3yO


ああもう全く

律「澪は大袈裟だなぁ」

顔を上げた澪の震える肩を

アタシは力いっぱい抱きしめた

律「嘘に決まってんだろ!」

アタシはいつもみたいに笑った



356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:29:53.88 ID:bV0OOg3yO


律「嘘に決まってんだろ!」

律がそうやっていつもみたいに笑った

けどその分抱き締められた肩の狭さがより一層


律の脆さを際立たせた



離すもんか、絶対、もうこの先ずっと、離してなるものか

澪「…ぅうぅ…ひっく…りつううううう!!」

唯「もう!りっぢぁんのぶわかぁあ!!!!」

梓「おどろかせないでくだざいよぉぉお!!」

紬(キマシタワー!!)



357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:32:27.32 ID:bV0OOg3yO


この瞬間をどれだけ待ち望んだだろう

この張り詰めた空気も、このホールも、皆と一緒に演奏できることも

律とこれからもずっと一緒にいれることも

ああ、そうか
今、私……



358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:33:29.54 ID:bV0OOg3yO

念願の武道館でのライブ当日

この瞬間をどれだけ待ち望んだんだろう

この張り詰めた空気も、このホールも、皆と一緒に演奏できることも

澪とこれからもずっと一緒にいれることも

ああ、そうか
今、アタシ……



359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:34:34.76 ID:bV0OOg3yO


私は不意に向きかえった

唯も、むぎも、梓も

…律も、まっすぐに私を見つめ、笑っていた

皆が、律がそうやっていつもみたいに笑うから、不安も緊張も何もかも溶かされた

澪(大丈夫…)
澪(大丈夫だよ、律)



360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 18:35:42.58 ID:bV0OOg3yO


律「それじゃぁ…」

律がスティックを構えた
それに答えるように私たちは楽器に手を添えた
ざわつきは瞬く間に静かになった

さぁ楽しもう、最高の舞台を

律「皆いくぜぇ!…1,2,3,4!」

ドコドコドン!!

軽快に律のドラムが鳴り響く


おわり
ありがとうございました




364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 19:00:06.16 ID:6KuqxH+o0


えがった



367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 19:25:43.54 ID:aQiPA2QSO

乙!



369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 19:43:40.09 ID:VQ0kB3OfO

>>1



371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 20:11:26.67 ID:31fxD/20O

乙でした。面白かったです。



368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 19:36:20.29 ID:aRigBDNoO

腕は動きますか?

…大丈夫みたいです

それはよかった



腕のことは言うなよ?(みんなを驚かしたいから)


ってこと?





370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 19:49:21.94 ID:bV0OOg3yO

>>368
ご名答!
ただちょっと急いでいた事があって
描写を少なくしてしまったんだ
わかりづらくて申し訳ない




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律「皆いくぜぇ!1.2.3.4!」#後編
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タイトル:
NO:6167 [ 2012/04/03 02:32 ] [ 編集 ]

唯「りっちゅぁあぁぁあ!!!!」
なんか吹いた

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