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梓「私、結婚しますから」#3 【恋愛】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330186585/l50
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1330273140/

梓「私、結婚しますから」#index


122 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:39:40.43 ID:1FD7vy2wo

和「ごちそうさまでした」

唯「ごちそうさまでした……」

夕飯を食べ終わりました

私と和ちゃん、揃って手を合わせます

憂「お粗末様でしたー。どうだった?」

和「美味しかったわよ。そう言えば、憂の作る煮物食べたの初めてかも」

憂「えへへ。初めて挑戦してみたんだ。お口に合って良かったよ」

梓「先輩、卵焼きどうでした……?ちょっと甘すぎですかね」

唯「とんでもないよ。美味しかったよあずにゃん。お料理上手だね……」

梓「泣くほどですか」

今日の朝から始めた「あずにゃんの理想の女の子になろう」作戦

まずは初期段階の「かっこいい唯先輩」を達成しようと色々努力したのですが

朝はお皿洗いレベルで指を切ってあずにゃんに手当てしてもらって

昼にプレゼント作戦を決行するも、お店の前で転びそうになってあずにゃんに支えてもらって

スーパーでは汚名返上しようと買い物袋に色々詰めてたら卵割っちゃって

せめて夕ご飯のお手伝いをしようとしたら、もちろん「怪我するから」とあずにゃんに止められて

唯「かっこいいって難しい……」



123 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:40:08.92 ID:1FD7vy2wo

私ってこんなにダメなんだ……

なんかやること全部裏目に出てる感じ

その点、あずにゃんは違います

今日ずっと私のフォローしてくれたし、

お料理だって今朝憂に習っただけでここまで美味しく仕上げています

ギターも私と違って上手いし、真面目だし、可愛いし

そんな私があずにゃんに何をしたか

何もしてないし、むしろ昨日の夜なんか寝てるあずにゃんに痴漢紛いなことしてるし

かっこいいどころかこれ、最低なんじゃ……

梓「唯先輩、流しにお皿持って行くの手伝ってもらっていいですか?」

唯「任せてあずにゃん!」

梓「そんな意気込まなくても……慌てなくていいですよ」

とりあえず、これで失点分の僅かな穴埋めにはなると信じたいです

先は遠いけれど、何もしないわけにもいきませんから



124 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:40:38.25 ID:1FD7vy2wo

和「ねえ、先にお風呂入ってもいいかしら」

憂とあずにゃんがお皿洗いを終えてしばらくたって

和ちゃんがそう言いました

唯「いいよー。昨日は先にお風呂入らせてもらったし」

梓「はい、お先にどうぞ」

和「ごめんね、二人とも。じゃあ憂、行きましょうか」

憂「うん」

至極当然のように、憂と一緒にバスルームに向かおうとする和ちゃん

唯「……」

梓「そ、そんな目で見てもダメですよ!」

ですよねー

あずにゃんはダメですよねー

唯「いいなー、憂、和ちゃんと入れて」

梓「なっ……!?」

唯「そう言えば私、和ちゃんとしばらくお風呂入ってないよー」

和「そういえばそうね。唯も来る?」

憂「の、和ちゃんとお姉ちゃんと三人で……!」



125 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:41:06.68 ID:1FD7vy2wo

梓「だ、だめですそ」

唯「あー、いいよ。家のお風呂、三人じゃちょっと狭いしね」

憂も、久しぶりに和ちゃんが泊まっているんだから、お話したいこともあるでしょうし

でもやっぱり、羨ましいなー

私もあずにゃんと入りたいけれど

唯「まー、仕方ないよねー」

梓「……」



126 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:41:35.46 ID:1FD7vy2wo

唯「あずにゃん、二人がお風呂入ってる間、なにしよっか」

二人っきりです

面白いテレビはやってないし、ご飯も食べた

唯「いちゃいちゃ……する……?」

梓「お断りします」

唯「ですよね……」

わかってたのに……

わかっていたのに、何で私は敢えて傷つくような発言をするんでしょう……

梓「ギターの練習しましょうか、唯先輩」

唯「ギター?あずにゃん、ギター持ってきてるの?」

梓「いえ、私は持ってきてません。だから、唯先輩の練習をお手伝いしようかなって」

唯「あー、なるほどね」

そう言えば昨日はギー太に少ししか触ってないや

唯「じゃあちょっと持ってくるよ。あ」

そう言えば、

唯「あずにゃん、実は弾きたい曲があるんだよ」

梓「弾きたい曲?」



127 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:42:01.73 ID:1FD7vy2wo

唯「うん。自分なりに耳コピしてみたんだけど。
  ちょっとCDも持ってくるから、聞き比べしてもらえないかな」

梓「はい。いいですよ」

唯「ありがとね。じゃあ、持ってくるね!」



128 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:42:33.98 ID:1FD7vy2wo

唯「シェアーしよー、with loveー」

じゃーじゃーじゃかじゃかじゃん、じゃん、じゃーん

梓「わー」

あずにゃんが拍手してくれます

何だか恥ずかしいような嬉しいような、そんな気持ちです

唯「えへへ、どうかな」

梓「ちゃんと音が出てない箇所があったり、
  ストロークの細かいミスというか、やり方の不備はありましたけど」

あずにゃんが微笑みます

梓「そんな感じでいいと思いますよ。
  歌い辛かったら、ちょっと音程を調整すればいいと思いますし」

唯「本当?ありがとうー」

あずにゃんのお墨付きがあれば大丈夫でしょう

へへ、結構練習したからねー

梓「それにしても」

あずにゃんがCDケースを手に取り、眺めながら言いました

梓「唯先輩知ってたんですね、この人。結構マイナーなアルバムだと思うんですけど」

唯「ううん。こないだ知ったんだ。憂の好きな曲なんだって」

梓「あー、憂の」

なんだか憂らしいですね、とあずにゃんが微笑みます



129 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:43:22.51 ID:1FD7vy2wo

唯「練習して、弾いてあげるって約束したんだー。あずにゃんはこの人知ってるの?」

梓「知ってますよ。とても優しいギターを弾く人です。
  まあ、私が知った時には、既に亡くなってましたけどね」

唯「そっか」

あずにゃんも好きなんだー

梓「ギターはそんな感じでいいと思いますよ」

唯「そう?」

試しに軽く弾いてみます

優しく、だけどポップな感じで音が流れるようなイメージを意識してっと

梓「……」

弾いていると、何やら視線を感じます

唯「……あずにゃん?」

梓「は、はい!?」

何故かあずにゃんがそんな声をあげます

顔も心なし赤いし

唯「どっか変だったかな?」

梓「い、いや、全然!……そのままで、良いと思います」

唯「へへ、そっか」

変なあずにゃんー



130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:44:15.21 ID:1FD7vy2wo

唯「ふいー、このくらいにしよっかー」

梓「もう、まだちょっとしか練習してないのに」

唯「あずにゃんとの貴重な時間だからねー、練習ばっかりしてちゃ勿体ないよー」

梓「またそうやって……」

唯「アイス食べたいー」

梓「ダメです。お風呂あがってからです」

唯「ちぇー」

ギー太を立てかけて、私はソファーにダイブします

目の前には、ソファーに座ってるあずにゃんの太ももが

言い忘れてましたが、今のあずにゃんの格好は半ズボンに長袖のしましまのTシャツです

可愛い

梓「寝転がると眠たくなりますよ。……お風呂、まだなんですから」

唯「眠らないよー。時間がもったいないしー」

そんなことを言った後で、ふと思いつきました

唯「あずにゃん、膝枕して?」

梓「……いいですよ」



131 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:44:55.87 ID:1FD7vy2wo

唯「ですよねーって、え!?」

梓「どうぞ、唯先輩」

そう言って、あずにゃんは自分の太ももを軽く叩きました

唯「……本当に?」

梓「こんなことで嘘ついてどうするんですか」

唯「……本当に?殴ったりしない?」

梓「私がそんなことをするとでも思ってるんですか……?」

唯「だって昨日の夜は強く」

梓「わーわー!ど、どうするんですか!別に膝枕しなくてもいいんですよ恥ずかしいし!」

唯「お願いします」

あずにゃんの気が変わらないうちに、あずにゃんの太ももに滑り込みます

あずにゃんの太ももは白くて温かくて柔らかいです

昨日の夜は勝手に触っちゃったけど、今は違います

あずにゃん公認です

梓「髪、撫でてもいいですか?」

唯「え?うん、もちろん」

ふわっとあずにゃんの手が私の頭に乗ります



132 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:45:36.09 ID:1FD7vy2wo

そのまま、猫を撫でるかのように

昨日の夜のように撫でてくれます

その太ももの感触と撫でられる気持ち良さで、油断するとすぐに眠ってしまいそうです

もったいないから、意地でも起きてますけど

唯「あずにゃん、何か今日は優しいね。膝枕してくれるし」

今日『も』、ですよねとあずにゃんは呆れます

梓「いえ、まあ。二人きりですし、お願いされましたから」

唯「ありがとね。これからは二人きりの時にだけお願いしようかな。わがまま聞いてくれそうだし」

梓「内容にもよりますけどね」

そんなことを言っていても、あずにゃんは優しく髪を撫で続けてくれます

その気持ちがとても嬉しくて、なんだかニヤけちゃいます

梓「そう言えば、今日はどうしたんですか?」

唯「んー?何が?」

梓「今日の唯先輩、なんか必死というか、何かに頑張ってた気がしたんですが」

唯「……」

さすがあずにゃん



133 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:46:17.53 ID:1FD7vy2wo

私のことをよく見てくれている気がします

まあ、気がするだけで、実際はいつもと違う私に違和感があったんでしょうけれど

唯「朝も言ったけど、かっこよくなりたいなー、なんて思っちゃって」

梓「なんですかそれ」

あ、あずにゃん笑ったな

唯「酷いよー。まあ、確かに似合わないと思うけどさ」

梓「なんでまたそんなこと思ったんですか」

それは、言えないよね

まだ

唯「なんとなくだよ」

あずにゃんの視線から逃れるように、あずにゃんの反対方向に顔を向けます

梓「もう……」

あずにゃんはため息をついて、そして

梓「そのままでいいですよ、唯先輩は」

優しく髪を撫でてくれます

唯「そういうわけにもいかないんだよ……」

梓「もしかしたら、唯先輩はすでにかっこいいのかも知れないですよ?」



134 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:47:21.01 ID:1FD7vy2wo

唯「え?」

一瞬喜んでしまいましたが

唯「……いやぁ、それは無いね」

そうですか、とあずにゃんが言います

梓「まあ、自分のことなんて意外とわからないものですよね」

唯「少なくとも、自分がかっこいいかどうかくらいはわかるもん」

梓「拗ねないでくださいよ」

拗ねてないもん

唯「じゃあさ」

顔をあずにゃんの方に向けます

唯「あずにゃんは、私のことかっこいいって思ってる?」

梓「練習を真面目にしてくれればね」

唯「ほらー、やっぱりそうじゃん!」

梓「違いますよ。これは捉え方の違いだと思います」

唯「あずにゃんが難しいこと言う……」

梓「まあ、そう難しく考えずに」

唯「でも……」



135 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:47:55.42 ID:1FD7vy2wo

梓「ゆっくりでいいですから、無茶しないで。怪我でもされたら困ります」

そう言って微笑むあずにゃん

優しくて、思わず甘えちゃいそうになるけど

でも、私がのんびりしてたらあずにゃんは他の誰かさんに取られちゃう

この温かい膝枕も笑顔も、全部その人のものになっちゃう

焦らなきゃ、いけないと思うんですけれど

唯「……難しいところだねぇ」

梓「なっ!唯先輩、そんなところに顔突っ込まないでください!」



136 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:48:52.71 ID:1FD7vy2wo

和「お風呂空いたわよ」

唯「あ、和ちゃん」

和ちゃんと憂が出てきました

和ちゃんは気持ちよさそうに、憂は何故か落ち込んでるように見えます

和「気持ちよかったわね、憂。お話もいっぱい出来たし」

憂「う、うん。そうだね、和ちゃん……」

梓「憂……次があるよ……」

憂「うん……」

何やらあずにゃんと憂がこそこそ喋っています

むぅー、なんか悔しいような……

でも憂、どうしたのかな

唯「ねえ、和ちゃん」

私は牛乳を一気飲みする和ちゃんに耳打ちします

和「ん?どうしたの?」

唯「憂と何かあったの?なんだか落ち込んでるような気がするんだけど」

和「そう?いつも通り可愛いじゃない。湯上がりの憂って色っぽいわよね」



137 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:49:36.05 ID:1FD7vy2wo

唯「んー、お姉ちゃんだからわからないや」

和「お風呂の中でも楽しくお喋りしてたし、手も出さなかったわよ。ちょっとのぼせたのかしら」

唯「あー、そっか」

のぼせたのか。それじゃあ、

唯「憂-、アイスあるよー。のぼせたんなら、食べないと!」

憂「え?あ、うん!ありがとうお姉ちゃん」

のぼせるくらいお風呂に入ってたら、アイスもきっと美味しいよね

元気も出るだろうし

唯「じゃあ、私達も入ろっか。あずにゃん」

梓「お先にどうぞ」

流れでおっけーしてくれるかと思いましたが、甘かったようです

唯「入ってきますね……一人で……」

和「そんな落ち込まなくても……私がもう一回入りましょうか?」

憂「ダメ」

梓「ダメです」



138 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:50:12.37 ID:1FD7vy2wo

唯「ふぃー」

シャワーで軽く体を洗って、湯船につかります

結構熱めだけど、それがまた気持ちいい

最近は夜は冷えだして、そんな時のお風呂は気持ちいいです

唯「あー、あずにゃん……」

結局あずにゃんと入れなかったなー、お風呂

明日のお昼にはもう帰っちゃうみたいだし

どうせなら月曜日の朝、ここから学校に行けばいいのに

それならあともう一回、一緒にお風呂に入るチャンスもあるし

唯「でもまあ、それでもダメか……」

あずにゃん、頑なに拒否の姿勢を貫いてたし

もしかしたら警戒されてるのかもね

昨日の夜、私が「女の子が好き」ってこと告白しちゃったし

あずにゃんの身持ちが堅いのかもしれません

好きな人としかお風呂に入らない、とか

それはそれでショックです



139 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:51:04.45 ID:1FD7vy2wo

あずにゃんと一緒にお風呂に入れるその人が羨ましい

きっとあずにゃんも喜んで入るでしょう

もしかしたら、洗いっことかするかもしれません

唯「ふぅ……」

そのことを考えるのは止めよう。お腹の下らへんが痛くなる

それに、あずにゃんも昨日の夜は抱きついてくれたり、髪を撫でてくれたり

さっきだって髪撫でてくれながら膝枕してくれたりしたじゃん

自分が「女の子が好き」ってこと、カミングアウトしてくれたし

信用されてるよ、きっと

良いことだけを考えよう

唯「……先は長いんだしね」

今日のでわかりました

あずにゃんの理想の女の子になるのは難しい

これから気を抜かずに毎日努力したところで、きっと間に合わない

間違いなく、私は他の人と幸せそうに笑うあずにゃんを見ることになる

私の想いは無駄になる

それでも



140 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 02:51:33.47 ID:1FD7vy2wo

唯「それでも、頑張るって決めたんだ」

私はあずにゃんが好きで、その気持ちは世界で一番価値がある

何もせずにただぼうっと見ているだけでは、この気持ちがもったいない

せめて、ロックンロールしよう

決まっている結末に銃口を向けて引き金を引いてやる

当たらなくてもいい。流れ弾がカスるだけでも、ヒビくらいは入れてやる

変わったなぁ、私と自分で思いました

こないだまで、ただこの気持ちを隠すために必死だったのに

今では伝えたくてたまらない

唯「欲張りになっただけかも」

少し笑います

さて、と

唯「あずにゃんをその気に出来るように、綺麗にしとかなくちゃね。髪も身体も」

ザバっと私が湯船から立ち上がろうとするのと

唯「え」

ドアが開いて、全裸のあずにゃんが入ってくるのはほぼ同時でした



141 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[十分ほど休憩させてください]:2012/02/27(月) 02:52:47.66 ID:1FD7vy2wo

B・メイ「彼女は天才だ。だけど、君は天才じゃないよ。ただ上手なだけだ。ギターを弾くのがね」

ロックンロールが文化として栄える場所、イギリス・ロンドン

キース「大事なのはロックンロールなんだよ。ロックじゃない。『ろっくんろぉる』だ。わかるか?」

霧深い街で、一人の小さなギタリストは現実を知ることになる

ピート「君は大きすぎるから僕の趣味じゃない。
    だから言わせてもらうけど、君は彼女の隣に立っていいような人間なのかな」

小さなギタリストは、「天才」と称される一人のギタリストへの本当の気持ちに気づく

唯「うわー。バッキンガム宮殿の屋上でギター弾けるってすごい経験だよねー」

幾多の困難が降りかかり、彼女を邪魔し、心を壊していく

梓「私は、本当に唯先輩の隣には……」

律「くっそ、エンジンがかからないっ!!」

澪「おいおい、また派手にやらかしてくれるじゃないか……」

紬「ここまで追ってくるなんて大したものね、純ちゃん」

物語は加速し、そして静寂の向こう、新しい世界へ――

フランシス「大丈夫だ、アズサ。君はもう知ってるんだろう?彼女の隣でギターを鳴らす、本当の理由に」

梓「唯先輩」

唯「ん?どうしたのー、あずにゃん」

梓「私……私、唯先輩のこと!」


映画「けいおん!」


澪「……何してるんですか」

ジョン「ん?ああ、僕は今、駅で売店を開いてるのさ」



148 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:06:12.42 ID:1FD7vy2wo

唯「あ、あずにゃん!?」

急いで湯船に戻ります

み、見られた?見られたよね

あずにゃんがドア開けるタイミングとほぼ同時だったもん!

いや、そりゃ裸を見られたのが初めてってわけじゃないけどさ!

で、でもだっていきなり過ぎて

唯「ど、どうしたのあずにゃん……」

あずにゃんは嘆息してから、

梓「……唯先輩が一緒にお風呂ってしつこいから、来てあげました」

嫌ですか、と言われて全力で首を横に振ります

唯「ぜ、是非一緒に!」

梓「なんですかそれ」

笑って、そしてシャワーで体を軽く流して、あずにゃんが湯船に入ってきます

梓「すみません、もうちょっとそっち寄ってもらえます?」

唯「う、うん」

一人が足を伸ばせるくらいには大きい浴槽ですが、さすがに二人で並んで足を伸ばせる幅は無くて

唯「あ、あずにゃん、こう座る?私の、足の間に」

ちょっと足を開いてみます



149 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:07:02.30 ID:1FD7vy2wo

いや、ちゃんと隠しはしますけど

あずにゃんは大して抵抗することも無く、私の足の間に座ってくれました

自然と、あずにゃんが私の胸に背中を預けてくれて、私は軽く抱きしめる形になります

なんだろう、もの凄く嬉しい

梓「ふぃー」

唯「ふふ、あずにゃん私と同じこと言ってる」

梓「お風呂入ったら、みんな言うと思いますよ」

しばらく、沈黙して

唯「あずにゃん、なんで一緒に入ってくれる気になったの?」

聞いてみます

何気に手の置き所が無くて、あずにゃんのお腹の上らへんを行ったり来たりしてます

会話でもしてないと、ちょっと所在ない

梓「まあ、何度もお願いされましたし。それに、明日のお昼には帰っちゃいますから」

あずにゃんが私の両手を掴んで、お腹の上に置きました

そのまま、握ってくれます

梓「だから、今夜くらいはいいかなって。二人っきりでお風呂入るのは初めてですし」

唯「夏の合宿の時は一緒にお風呂入ったけど、みんなと一緒だったからね」



150 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:07:50.14 ID:1FD7vy2wo

あの時は本当に、女の子で良かったって思ったっけ

警戒されることもなく一緒にお風呂入れて、あずにゃんの裸見られるんだから

もちろんあの白くて細い、彫刻のような身体は網膜に焼き付けてます

ちなみにこの瞬間も、絶対に忘れないように保存中

唯「あの時はあまりお話出来なかったね。……あずにゃんが澪ちゃんばっかりに話しかけてるから」

梓「そ、それは唯先輩だって同じじゃないですか!律先輩とばかり遊んでて」

あずにゃんがぐいーっと背中で押してきます

唯「そんなに遊んでたっけ?」

梓「遊んでましたよ。それに予想ですけど、たぶんその時澪先輩は律先輩とお話したかったと思いますよ」

私と話してる最中も頻繁に律先輩の方見てたし、とあずにゃんは言います

唯「あー、それは悪いことしちゃったね。もしかしてその時にはもう付き合ってたのかな?」

梓「それはわかりませんけど。……そう言えば、夕方スーパーで買い物してましたね」

唯「してたねー。なんかずっとイチャイチャしてて、声かけられなかったよ」

梓「あんな場面で声かけるのを、野暮って言うんでしょうね」



151 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:08:21.37 ID:1FD7vy2wo

言われるまではわからなかったけど、

今日改めて二人を観察してみると確かに、二人は愛し合っていました

雰囲気というか何というか

通じ合う何かが、二人の間には存在しました

羨ましい、と思います。私があずにゃんとなりたい関係の完成形でした

唯「羨ましいな」

無意識に声に出してしまいました。やっちゃった、と思いましたが、

梓「そうですね」

あずにゃんが呟くように言いました

唯「……あずにゃんも、やっぱああいう風になりたい?その、好きな人と」

梓「当たり前じゃないですか。好きなんですから」

少し笑いながら、あずにゃんが言います

梓「唯先輩だってああいう風になりたいんじゃないですか?」

唯「うん。もちろん」

私はあずにゃんとそういう風になりたいんだけどね

あずにゃんには好きな人が居るけど

梓「……お話もいいですけど、先に髪とか体とか洗っちゃいましょうか」

唯「うん。あずにゃん、お先どうぞ」



152 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:08:56.32 ID:1FD7vy2wo

じゃあお先に失礼しますね、と言ってあずにゃんが立ち上がりました

あずにゃんの可愛いお尻も、その表面に流れる水滴の一つ一つも間近で確認できます

唯「色、白いね」

梓「新陳代謝が良いみたいですから。でも、すぐに日焼けしちゃうんですよね」

唯「可愛いよ。日焼けしても」

梓「またそんなことを平気な顔で……」

照れたようにそっぽを向いて、あずにゃんはシャワーを浴び始めました

髪を纏め上げていたタオルを外すと、ふわっと長くて黒い髪があずにゃんの白い背中に広がります

その髪にもう一度触れたくて

唯「私、洗ってあげようか?」

梓「え?」

あずにゃんが振り向きます

唯「一緒に入ってるんだし、洗いっこしようよ。夏の合宿の時は出来なかったし」

埋め合わせだよ埋め合わせ、とあずにゃんに必死で言ってみます

梓「じゃ、じゃあお願いしてもいいですか?」

何やらもじもじしていたあずにゃんですが、やがて小さく呟くように言いました

唯「へへ、もちろんだよ」



153 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:09:25.92 ID:1FD7vy2wo

私もさっそく、湯船から立ち上がります

胸とか下とか隠そうと腕が動きましたが、少し考えてやめました

別にあずにゃんになら見られてもいいし、むしろ見て欲しい

唯「じゃあまず、髪濡らすね」

シャワーの温度が熱すぎないか確認して、髪を濡らしていきます

唯「熱くない?あずにゃん」

梓「はい。丁度いいです」

地肌から髪の先まで丹念に濡らして、それからシャンプーです

毛先までちゃんと手を入れて、泡立てます

唯「痛くない?」

梓「いえ……気持ち、いいですよぉ……」

甘えるような声音でそう言われて、心臓が高鳴ります

どうやら気持ちよく出来ているようです

なんだか嬉しくて、尚更丁寧にやってしまいます

唯「お客様、かゆいところはございませんかー?」

梓「無いですよぉ……」

冗談もスルーされてしまいました



154 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:10:20.87 ID:1FD7vy2wo

……思えば髪を洗わせてくれるのって結構親しい間柄でしか出来ないよね

そういう点では、あずにゃんは私に少しは心を許してくれてるのかな

唯「流すよー。目に入らないようにしてね」

シャワーで泡を洗い流して、次はトリートメント

髪が長いから、やりがいがあります

唯「あずにゃん、髪長くて大変じゃない?お手入れとかさ」

梓「そうですねー」

気持ちよさそうに目を閉じながら、あずにゃんが言います

梓「結構昔から伸ばしてはいるんですけど、確かに大変ですね。切っちゃおうかなって思って」

唯「絶対だめ」

梓「え?」

唯「もったいないよこんなに綺麗なのに。絶対だめだからね、切っちゃ」

梓「そんな真剣な顔で言われても」

困った風に笑うあずにゃん

でもどこか嬉しそうなのは気のせいでしょうか



155 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:10:54.33 ID:1FD7vy2wo

梓「……唯先輩、髪の長い子の方が好みなんですか?」

唯「うん」

だってあずにゃん、髪長いもん

まあ、あずにゃんがショートにしても惚れ直す自信はありますけどね

でもやっぱ、あずにゃんの長い髪が好きです

梓「そうですか」

だったら、とあずにゃんが言います

梓「だったら、髪はこのままでいいです」

唯「へへ。……あずにゃんの好きな人も、長い髪が好きな人なの?」

梓「好きって言ってくれましたよ」

唯「そっか。……良かったね」

毛先まで丁寧にトリートメントして、手櫛ですいて、

トリートメントを残さないように時間をかけて洗い流します

唯「はい、終わり!」

梓「ふぁ……ありがとうございます、唯先輩。……気持ちよかったです」

唯「えへへ。人の髪を洗ったのなんて、
  憂が小学生くらいの時以来だからね。上手くできたようで良かったよ」

さて、と



156 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:11:24.43 ID:1FD7vy2wo

唯「じゃあ次は体を洗おうか!」

梓「か、体はまだダメです!自分で洗えますから!」

唯「ちぇー、あずにゃんのいけずー」

予想してましたけどね

髪まで洗わせてくれて、まさか体まで洗わせろなんて贅沢が過ぎるというものです

……ん?今『まだ』って言った?

湯船に戻って、あずにゃんが身体を洗うのを観察します

へー、あずにゃんは最初に左腕から洗うんだ

それから右腕、お腹、お股、右太もも……

梓「ゆ、唯先輩。そんなまじまじと見ないでもらえます?」

唯「え?あ、ごめんごめん、ついね」

梓「結構恥ずかしいんですからね、こんなとこ見られるの……」

まああれだけ凝視してればバレるよね

いそいそと身体を洗い終わったあずにゃんは、シャワーを浴びて泡を洗い流します

なんていうかやっぱ、あずにゃんっておっぱい大きくなってるよね

昨日揉んだ時もそう思ったけどさ



157 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:11:52.90 ID:1FD7vy2wo

梓「お待たせしました。次どうぞ」

唯「うん、交代ね。あずにゃんも入りなよ、湯船……に?」

あずにゃんと変わろうと私が湯船を出ましたが、

あずにゃんは湯船に入る様子はなく、ただ私を待っています

唯「どうしたの?」

梓「え?私も唯先輩の髪洗おうかなって」

至極当然のように言いました

唯「え。……いいの?」

梓「洗いっこって言ったの唯先輩じゃないですか。ダメですか?」

唯「いえ、お願いします」

なんということでしょう。あずにゃんが私の髪も洗ってくれるって!

正直、あずにゃんの髪を洗いたい一心だったので自分の髪まで洗ってくれるなんて忘れてました

昨日から、夢のような出来事が続いていて少し怖いくらいです

落として上げるなんてことはないよね?

大丈夫だよね?

私を座らせると、あずにゃんはシャワーで私の髪を濡らし始めました

梓「熱くないですか?」

唯「大丈夫だよー」



158 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:12:28.51 ID:1FD7vy2wo

小さな手が私の髪を撫でて、それからシャンプーでわしゃわしゃされました

地肌が優しくこすられて、新感覚の気持ち良さです

梓「これくらいの強さでいいですか?」

唯「うん……上手だねー、あずにゃん」

梓「そうですか?初めてなので、唯先輩の見よう見まねですけどね」

照れくさそうに言って、丁寧に洗ってくれます

そっか、初めてなんだ

意図せず、あずにゃんの初めてを貰っちゃいました

なんか嬉しいです

あずにゃんの好きな人の先を取ることに成功しましたよ

梓「流しますよー」

唯「うん」

次はトリートメントで、あずにゃんはゆっくり丁寧に髪の一束一束まで洗ってくれます

唯「……髪を洗ってもらうって気持ちいいね、あずにゃん」

梓「そうですね。唯先輩がしてくれたのも気持ち良かったですし」

唯「……あずにゃんに髪を洗って貰えるの、これが最初で最後かも知れないね」

梓「え?なんでですか?」



159 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:13:19.93 ID:1FD7vy2wo

唯「あずにゃんが好きな子と付き合ったら、もう家にはお泊まりに来てくれないでしょ?」

髪をトリートメントする手が止まりました

そして、後ろからため息をつくのが聞こえて

梓「本当に唯先輩はしょうがないですよね」

唯「あずにゃん痛い!髪が!キューティクルが!」

乱暴にわしゃわしゃされました

唯「乙女の髪なんだから、もうちょっと優しくしてくれても……」

梓「唯先輩が変なこと言うからでしょ」

再び、丁寧に髪をトリートメントしてくれるあずにゃん

梓「第一、まだ私が『その人』と付き合えるかどうかは決まってないじゃないですか」

唯「その点は大丈夫だよ。あずにゃん可愛いもん」

梓「それ、わかってて言ってるんですか?」

唯「何が?」

梓「わかってないですよねー」

知ってましたけど、とため息をつくあずにゃん

唯「ねー、何がわかってないの?」

梓「もういいですよ。それより、髪流しますよ」



161 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:13:49.64 ID:1FD7vy2wo

シャワーをかけられました

私がやった時のように丁寧に、髪のヌルヌルを落としてくれます

梓「はい、じゃあ体は自分で洗ってくださいね」

唯「えー?洗ってよー」

梓「は、恥ずかしいじゃないですか!いいからさっさと洗っちゃってください!」

そう言って湯船に戻っていくあずにゃん

まあ仕方ないかー

体を洗っていると、湯船の中からあずにゃんがチラチラ見てきます

唯「あずにゃん、どったの?」

梓「い、いえ、別に!」

まあ見ちゃうよねー。私も見てたし

唯「好きなだけ見なよー」

梓「そ、そんなんじゃないですってば!」

あずにゃんにちら見されながら体を洗い終えて、湯船に戻ります

唯「あずにゃん、ちょっと寄ってくれる?」

梓「あ、はい」



162 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:15:05.67 ID:1FD7vy2wo

湯船に浸かって、最初のような姿勢を取ります

唯「いいよ、あずにゃん。おいでー」

梓「は、はい」

おずおずと、あずにゃんが私の足の間に座ります

梓「よく考えると、この姿勢って結構恥ずかしいですよね……」

唯「んー?でもこれしか無いよ、二人が足伸ばせる姿勢って」

あずにゃんとも密着出来るしね

唯「あずにゃん、もっと寄りかかっていいよ?」

梓「え?あ、じゃあ、お言葉に甘えて」

あずにゃんが背中を預けてくれて、私は改めて両手をあずにゃんのお腹に回します

へへ、おっぱいがあずにゃんの背中に当たってる

私の両手を、あずにゃんが握ってお腹の上に置きます

唯「あずにゃんのお腹柔らかいねー」

梓「ゆ、唯先輩は胸が大きくなりましたよね」

唯「そっかな?」

梓「背中に、その……当たってるんですけど」



163 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:15:34.04 ID:1FD7vy2wo

唯「いいよー別に。うりうり」

梓「ちょ!押しつないでください!……い、嫌みですか」

唯「違うよ。あずにゃんも大きくなってるじゃん」

梓「え?まあ、最近少し。……よくわかりましたね?」

唯「……いや、私見ただけで女の子の胸のサイズわかるから」

梓「本当ですか……?」

唯「本当だよ。現にほら、当たってたじゃん」

危なかった

揉んで確かめたとかバレたら嫌われちゃいます

何とか誤魔化せたようで良かった

ふーん、とあずにゃんが意味ありげな瞳で私を見ます

梓「ま、いいですけど」

そのまま、二人で何を話すでもなくお湯に浸かっていました

ただ、私の胸に押しつけられるあずにゃんの背中と、

時折あずにゃんが開いたり閉じたりして遊んでる私の両手と

なんだか色んなところであずにゃんと距離が近いってことがわかって安らぎます

この瞬間だけは、あずにゃんはどこにも行かないし

私だけの側に居てくれますから



164 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:16:21.01 ID:1FD7vy2wo

唯「あずにゃん、ちょっと気になってることがあってさ」

安らぐけれど、それに甘えてるばかりにもいかなくて

こんな雰囲気だからこそ、あずにゃんが近くに感じる時だからこそ

聞かなくちゃいけないことだってあるわけで

梓「なんですかー?」

どこか間延びした、リラックスしてるあずにゃんの声

普段のあずにゃんからはちょっと想像出来なくて、可愛いです

唯「あずにゃんの好きな人のことで、聞きたいんだけど」

梓「もう……ヒントはあれ以上出しませんよ?」

唯「特定しようとしてるんじゃないよ」

梓「いいですよ」

なんですかー、とあずにゃんが静かに寄りかかります

そんなあずにゃんをもっと深く抱きしめて、うなじに顔を寄せて

唯「好きな人とさ、その……どこまで進んでるのかなって思って」

梓「どこまで、ですか」

考え込む仕草のあずにゃん

お腹に回した私の手を弄びながら、口を開きます



165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:17:11.55 ID:1FD7vy2wo

梓「膝枕とか、したことあります」

唯「……」

梓「一緒に寝たこともありますよ」

唯「ちょ、それってまさか!?」

梓「や、そういう意味じゃなくて!」

ガバッとあずにゃんが振り返って、私を見ます

梓「その……そういうことはしてなくて、ただ一緒のお布団でってことです」

唯「あ、ああ。そっか」

良かった

いや良くないか。少なくとも、お泊まりまでするくらいには二人の仲は進展しちゃってるんだから

唯「それは……お泊まりしたってことだよね」

梓「そうですね」

唯「い、一緒にお泊まりってことは、その……『そういうこと』はまだ欠片も無いんだよね?」

梓「そこまで聞きますか……」

唯「こ、今後の参考というか、なんというかね?」

梓「……まあ、そういう雰囲気になったことはありますね」

唯「……」



166 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:18:01.14 ID:1FD7vy2wo

聞くんじゃなかった

いや、現実から目をそらしても仕方ないんですが

現状の確認というか

私とあずにゃんの好きな人とでは、どれだけアドバンテージを取られているのか

それを確認しないことには、何も出来ないじゃないですか

唯「た、例えば?」

そうですね、とあずにゃんは少し考えて、

梓「一緒に寝た時、抱き合って髪を撫で合ったり」

唯「はい」

梓「私から抱きついちゃったり」

唯「はい」

梓「私が寝たと思ったのか、身体を色々触られましたね。胸とか」

唯「はい」

梓「まあその……肝心な所でその人が止めちゃったんで、
  結局私も寝たフリをしたままだったんですけどね」

唯「はい」

梓「……唯先輩、ちゃんと聞いてました?」

聞いてるよ、もう!

何なんだよこれ!私がやったこと全部先にやられてるじゃん!



167 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:19:10.28 ID:1FD7vy2wo

っていうか何?今の様子だと、あずにゃんの好きな人もあずにゃんのこと好きなんじゃないの!?

唯「……寝込みを襲うなんて最低だよね、人として」

両想いなのに、それを引き裂こうとする私は格好悪いです

しかも、私もあずにゃんの寝込みを襲ってますしね

梓「んー……確かにびっくりはしましたけど」

唯「けど?」

梓「正直、あまり嫌な気持ちはしませんでしたね。むしろ嬉しかったというか」

もうダメだ私立ち直れない

うっわ、聞かなきゃよかった

頭がクラクラしてくる

鼻の奥がつーんとする

私が入る隙間なんて無かったんだよ

唯「あずにゃん、良いこと教えてあげる。たぶんね、あずにゃんは両想いだよ」

梓「……そうでしょうね」



168 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:20:22.25 ID:1FD7vy2wo

唯「え」

気づいてるんだ、あずにゃん

梓「本人から直接聞いたわけじゃないので、確信は持てませんが」

あんなことするんだからたぶん好かれてはいると思います、と

あずにゃんは言いました

唯「……告白しないの?あずにゃんから」

梓「それをしちゃったらダメなんですよ」

本当は気持ちを伝えたくてたまらないんですけど、とあずにゃんは笑います

梓「待たないといけないんです。その人から告白してくれるの」

唯「……どうして?告白したら、その人と付き合えるんだよ?」

今まで以上に抱き合ったり一緒に寝たり、その先だって出来るのに

梓「んー。なんて言えばいいですかね……単純に、私のわがままなんですよ」

あずにゃんがぎゅっと私の手を握ります

梓「私は今まで誰とも付き合ったことなくて。
  それなのに、こんなこと言うなんて可笑しいって笑われるかもしれないんですけど」

梓「その人とずっと一緒に居たいんです。
  卒業しても、大学行っても、社会に出ても、お婆さんになっても」

梓「その人と一緒に笑いたいし、喧嘩したいし、色々な感情を共有していたい。同じ景色をみたい」

梓「ずっと一緒に居たいから。だから、必要なものがあるんです」



169 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:21:12.93 ID:1FD7vy2wo

唯「必要なもの?」

梓「……私と、その人は。そう遠くない未来に離ればなれになちゃいます」

唯「え!?な、なんで……」

梓「仕方の無いことなんですけどね」

あずにゃんが笑います

梓「もちろん、私も追いかけます。でも、ほら。
  私がそばに居ない間に、その人が心変わりしちゃったりしたら」

唯「……」

梓「信じてないわけじゃないんですけどね。
  でも、環境が変われば。新しい交友関係が出来れば、その中に可愛い人も居るでしょうし」

梓「それは私の知らない生活で、環境で。その中で絶対に想いが変わらないって保証は無いと思うんです」

どうしたって時間は流れちゃうし、考え方だって変わっちゃいますから

だから

梓「だから、必要なんです。その人から言って貰える『愛してる』って言葉が」

梓「その言葉は私の中で変わったりしません。
  私はその言葉だけを信じて、その人の居ない時間を耐えて、追いかけます」

梓「追いかけたその先が、その人と他の人が幸せそうに笑ってる光景でもいいんです。
  その時は、まあたぶん泣いちゃいますけど」

それでも、私の気持ちは貫けますから

そう言葉を結ぶと、照れたようにあずにゃんは顔を洗いました

梓「すいません、なんか変なこと言っちゃって」



170 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:22:28.98 ID:1FD7vy2wo

唯「ううん。……変じゃないよ」

私にしちゃいなよ、と言いそうになりました

そんな風に待ってないで、私にしちゃえば

私なら、ずっと一緒に居てあげるのに

私なら、絶対にこの想いは変わらない自信があるのに

ああ、なんだか頭がクラクラする……

唯「辛くない?そんなに待っててさ」

梓「……正直、辛いですよ。その人、私が好きだってことに気づいてないみたいで。
  何度も私から告白しそうになりましたし」

唯「鈍感な人なんだ」

梓「ええ。……鈍感で、そのくせスキンシップは頻繁にしてきますし。だから」



171 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:23:05.96 ID:1FD7vy2wo

瞬間、ザバっとあずにゃんが立ち上がり、私に覆い被さりました

浴槽のへり、私の頭の左右に両手を立てて

私の目の前に、あずにゃんの可愛い胸が赤裸々に晒されます

梓「だからもう、本当。どうにかなっちゃいそうなんですよ」

唯「あ、あずにゃん……?」

あずにゃんが私の首すじに顔を寄せて、唇を押しつけます

梓「私の気も知らずに抱きついて、身体まさぐって……お
  風呂に一緒に入って欲しいとか、誘ってますよね?」

唯「く、唇押しつけたまま喋らないで……」

吐息が首すじを撫でて、ゾクッと背筋が震えます

梓「唯先輩だって私にしたんですから……私がしたって、いいですよね」

それは質問なのか確認なのかわかりませんでした

どちらでも無いのでしょう

あずにゃんが私の唇に、あずにゃんのそれを近づけます

ただ唇は触れることなく、数ミリ上で止められて

私の足の間に、あずにゃんは身体を押し込んできます

足を閉じることも出来ず、ただ乱暴に胸を揉まれて

梓「嫌なら抵抗していいんですよ?逃がしませんけど」



172 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:23:47.85 ID:1FD7vy2wo

唯「あ、あずにゃん……なんで……」

何が起きているかわかりませんでした

ただ、あずにゃんの吐息が熱くて、手つきも乱暴で

私が昨日の夜にした行為と、あずにゃんが先ほど言っていた「そういう雰囲気」の中でされたこと

それがぴったりと重なって、どういうことかもわかって

そこまでわかれば、あずにゃんの好きな人も予想がついて

でも、それは。この展開は

あまりにも、私に都合が良過ぎじゃないかな



173 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:24:19.38 ID:1FD7vy2wo

梓「唯先輩、大丈夫ですか!?」

和「だめね。完璧にのぼせてる。一応リビングには運んだけど」

憂「二階の部屋まで運んであげるのは無理だね、さすがに」

和「今夜はここで寝かせましょうか。憂、私、布団運んでくるわね」

憂「うん、ありがとう」

梓「ごめんね、憂。唯先輩がこんなになるまで……」

憂「ううん。お姉ちゃんも梓ちゃんとお話したくて長風呂しちゃったんだよ」

梓「でも……半分以上私が話してたし……」

憂「ところで梓ちゃん。……のぼせるくらいお風呂入ってたってことは、もしかして!」

梓「……」

憂「あ、梓ちゃんも……」

梓「結構……いい雰囲気だったんだけどね……」

憂「次があるよ……気長に行こう?」

梓「そうだよね……ありがと、憂」

和「持ってきたわよ。梓ちゃんも唯と寝るのよね」

梓「え?あ、はい。そうさせて貰えるなら」

和「お布団一式に、枕二つね。今敷くから、唯を運んで貰える?」

梓「はい。……唯先輩、お布団のところ行きましょうね。よっ、と」

梓「……はいはい。私も一緒ですよー」



174 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:28:04.69 ID:1FD7vy2wo

月曜日の放課後、部室

律「唯」

唯「ふぇ!?な、なに?」

律「い、いや。なんかさっきからソワソワしてるなって。どうした?」

唯「べ、別に何ともないよ。あはは」

澪「そういや遅いな、梓」

唯「そ!そうだね。遅いな、あずにゃん!」

澪(梓か)

律(梓絡みか)

紬(やっぱり週末に何かあったのかしら)

あずにゃんとのお泊まり会を終えて、月曜日です

あずにゃんとお風呂に入った私は、あろうことかのぼせてお風呂の中で倒れてしまったようです

あずにゃんと和ちゃんが支えてくれながらリビングまで運んでくれたらしくて

結局私が起きたのは、日曜日のお昼過ぎ

あずにゃんと和ちゃんはとっくに帰ってしまってました

その夜はあずにゃんもリビングの同じ布団で寝てくれたらしいのですが、全く覚えてません

勿体ない、とどれだけ後悔したか

っていうか、それよりも



175 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:28:54.59 ID:1FD7vy2wo

唯「……」

私が見た夢が問題です

お風呂場で、あずにゃんに、その……されるとか

鼻血とか出さないように普段通りを心がけて

あずにゃんとお風呂に入っていたのですが、相当無理をしてたようです

いやまあ、実際無理だよね。好きな人が裸になってて、エロい気持ちにならないとか

でもまさか、あんな夢を見るまでとは思ってませんでした

いつも妄想してるのは、私があずにゃんにしてる感じなのに

今回の夢は、私があずにゃんにされてました

そういうのも、ちょっといいかなって思ったりして

なんというか、その

あずにゃんに会うの恥ずかしい

絶対に顔真っ赤になるって!

律(うお、顔真っ赤になってるぞ唯)

澪(や、やっぱ進展があったんじゃないか?律!)

紬(待って澪ちゃん。焦っちゃダメよ。見守らないと)

澪(あ、ああ。そうだな。ここは慎重に見守らないとな!)

その時です

梓「お疲れ様ですー」



176 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:30:05.70 ID:1FD7vy2wo

唯「!」

扉が開いて、あずにゃんが顔を出しました

澪「お、梓来たか」

律「遅れるなんて珍しいじゃん。ほら、早く来いよ」

梓「は、はい」

トコトコと駆け寄ってくるあずにゃん

ギターと鞄をベンチに置いて、席に付きます

梓「すみません、ちょっと友達とお喋りしてまして」

律「いいって別に。どうせ今日も練習なんか少ししか」

澪「律?」

律「ごめんなさい」

紬「今お茶入れるわね、梓ちゃん。ミルクティーでいい?」

梓「はい、お願いします」

あずにゃんは今日も可愛い

本当に、見とれるくらいです

あの髪に触れて、あの太股で膝枕してもらって

それで、あの小さな手で髪を洗ってもらって、夢の中とは言え胸まで……



177 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:31:12.77 ID:1FD7vy2wo

律「で、だ」

澪「うん。えっと……」

梓「……」

紬「あの……」

律「ゆ、唯?」

唯「ひゃい!?」

我に返ります

び、びっくりした……

律「だ、大好きなあずにゃんが来たぞ?」

唯「え?あ、こんにちわあずにゃん!遅かったね!」

梓「へ?……あ、すみません。憂と少し話をしていたので」

唯「そ、そっか!えへへ!」

律「……」

澪「……」

梓「……」

紬「……」

え、何この沈黙



178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:31:59.76 ID:1FD7vy2wo

わ、私どこか変だった?

平静を装えてたよね?

律「あ、あのさ、唯。その……」

澪「きょ、今日は梓に抱きつかないんだなー」

唯「へ?……あ」

そ、そうだった!

今日一回もあずにゃんに抱きついてないよ!

唯「そ、そうだったね!忘れてたよ!」

紬(忘れてた!?)

立ち上がり、あずにゃんの席まで回り込みます

唯「あ、あずにゃん分補給の時間だよー」

冗談めかして、勢いとノリで抱きつきにいこうとします

しかし

梓「……はい。どうぞ」

あずにゃんが両腕を広げて、迎えてくれました

今まではこんなことしてくれなかったのに

両腕を広げて私を待つあずにゃんの上目遣いが、そりゃもう可愛くて

……鼻血が出そうで



179 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:33:54.09 ID:1FD7vy2wo

唯「きょ、今日はお休み!休肝日!」

梓「へ?」

律「なんだと……?」

あずにゃんから顔をそらして、とりあえず言い訳してみます

唯「あ、あずにゃん分は中毒性高いからね!たまには摂取しない日も作らないと!」

澪「へ、へえー」

紬(い、一体何が起きたというの……)

ダメだ、鼻血出そう

唯「わ、私ちょっとおトイレ行ってくるね!みんなはお茶してて!」

少し落ち着かないと

私は逃げるように、急いで部室を出ました



180 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:35:40.22 ID:1FD7vy2wo

律「……一体どうしたというんだ」

唯が。あの唯が

梓大好きなあの唯が、梓に抱きつかないだなんて

今まで無かったし、考えられない

やっぱりこの週末、何かあったんじゃ

梓「す、すみません」

突然、梓が席を立った

澪「どうした?梓」

梓「教室に忘れ物しちゃったみたいで。取りに行ってきますね」

律「あ、ああ」

梓「急いで戻りますから」

そう言って梓も小走りで部室を出て行く

な、何なんだよ、一体……

さわ子「こんにちわー、みんな練習してるー?」

程なくして、さわちゃんが入ってきた

練習してるー、とか聞いておきながら、目線はテーブルの上のお菓子とお茶だ



181 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:37:15.69 ID:1FD7vy2wo

さわ子「むぎちゃん、私もお茶ちょうだい」

紬「はい」

律「さわちゃん、さっき梓に会った?」

椅子に腰を下ろすさわちゃんに聞いてみる

さわ子「ん?うん。階段の踊り場ですれ違ったわよ。なんだか顔真っ赤にしてたけど」

澪「顔が真っ赤に?」

梓が顔を真っ赤にしてた?

なんだか本当、意味がわからない

さわ子「一体どうしたの?そう言えば唯ちゃんも居ないみたいだけど」

ギターと鞄はあるみたいね、とさわちゃんは言う

律「いや、実はさ」

私は先ほどの出来事をさわちゃんに話す

唯の様子がおかしかったこと

唯が梓に抱きつかなかったこと

唯が逃げて、梓も逃げちゃったこと

さわ子「あらー。そういうことね」



182 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:37:49.82 ID:1FD7vy2wo

笑って、お茶を飲むさわちゃん

澪「先生、何が起きたのかわかるんですか?」

さわ子「だいたいね。……あ、ほら、むぎちゃんも座りなさいよ」

紬「あ、はい。ありがとうございます」

むぎを自分の隣に座らせて、改めて私と澪に向き直る

さわ子「週末、お泊まりしたんでしょ?あの二人。たぶんね、唯ちゃんは意識し過ぎちゃってるのよ」

澪「意識?」

さわ子「そうそう。どうせ寝食を共にしてみて、梓ちゃんの新たな一面とか見ちゃったんじゃない?
    それか、何かイベントが発生したとか」

律「イベント?」

さわ子「十八禁的なね」

またまたー、と笑う私と澪

……まだ、だよね?

澪「そうですか。……じゃあ、心配はいらなそうですね」

さわ子「梓ちゃんの方も、なんだか普通じゃないみたいだしね。
    ま、暖かく見守って上げればいいんじゃない?」

澪「はい。そうします」

律「っていうかさわちゃん知ってたんだ、唯が梓を好きなの」

さわ子「当然よ。見てればわかるわ。……りっちゃんと澪ちゃんの関係も気づいてるわよ?」



183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:38:21.60 ID:1FD7vy2wo

澪「え!?」

ちょ、マジで?

律「む、むぎ?」

紬「いや、私が言う前から気づいてたわよ、先生」

そ、そっか

あれー、結構気をつけてたのにな

さわ子「まあ別に何も言わないわよ。この学校、昔からレズ多かったしね」

伝統みたいなものよ、とさわちゃんは笑う

むぅ……

律「伝統かー。だからさわちゃんも女の子好きなんだね。むぎ可愛いもんなー」

さわ子「え……?」

さわちゃんがむぎを見る

むぎが困った風に笑ってる

澪「いや、その……私達が気づいちゃって」

さわ子「……マジ?」

頷く私と澪

途端、ガシっとさわちゃんが私の肩を掴んだ



184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:39:10.27 ID:1FD7vy2wo

さわ子「お願いだから言わないで!生徒に手を出したとかヤバイと思うから!」

律「言わないって!応援してんだからさ」

どんだけ焦ってるんださわちゃん

澪も慌ててフォローする

澪「そ、そうですよ。別にからかおうとかそんなんじゃありません」

さわ子「ほ、本当……?」

再び頷く私と澪

こんなこと、誰彼かまわず言えるもんか

律「もっと私達を信用しろよー、さわちゃん。むぎは信じてくれたのにー」

澪「そうブーブー言うなよ律。確かにさわ子先生の言う通り、バレたらヤバイんだから」

そりゃそうだけどさー

さわ子「だって仕方ないじゃない。どこで誰を好きになるかなんて自分で決められるわけないでしょ」

律「まあ、そうだな」

さわ子「それに本気で好きになっちゃったんだもの。絶対に離したくないから、みんなには黙ってたのよ」

紬「さ、さわちゃん……そんなに私のこと……」

さわ子「私は本気よ、むぎちゃん」



185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:39:59.40 ID:1FD7vy2wo

紬「私も、私も大好きです!」

律「あれ、どこから惚気を聞かされる展開になった?」

澪「さわちゃんって呼んでるんだ、むぎ」

まあ、お互いに交際が発覚したことだし

……えっと、何の話だったか

律「って、そうじゃなかった!私達じゃなくて、唯と梓のことだ!」

さわ子「だからほっとけばいいってー。なるようにはなるんだし」

律「でも……」

さわ子「いいのよ。私達が何をしたところで、
    結局は唯ちゃんと梓ちゃんの問題なんだし。私達に出来ることがあるとすれば」

澪「……あるとすれば?」

さわ子「この後の展開よね」

紬「この後?」

さわ子「そう。見守るとか、相談に乗ってあげるとか。
    もし二人が付き合えたら応援してあげて、ダメだったらフォローするとか」

それくらいよ、とさわちゃんは言った



186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:40:37.50 ID:1FD7vy2wo

一定のラインを引くような大人の意見だけど

……でもまあ実際、その通りではあるんだけどな

当事者間の問題だってのはわかってる

でも心配なんだよ畜生

さわ子「ところで、あなたたち付き合ってるのよね」

律「え?うん」

澪「つ、付き合ってます」

いきなりどうしたんだろ、さわちゃん

さわちゃんはニヤニヤしながら身を乗り出して、囁くように言う

さわ子「あなたたち知ってる?桜高祭の結婚式」

澪「け、結婚式?」

やっぱり知らないんだ、とさわちゃんは笑う

さわ子「あのね、さっきも言ったけど、女の子同士の恋愛ってこの学校じゃ珍しくないの。
    女子校だし、伝統的な雰囲気でもあるんだけど」

さわ子「そんな女の子同士のカップルだけど、日本じゃ結婚出来ないじゃない?
    入籍は出来るけど式は挙げられないし」

律「まあ……」

澪「ですね……」

ったく、お互いわかってて触れないようにしてたのに……



187 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:41:23.03 ID:1FD7vy2wo

さわ子「でね、結婚は出来ないけど、やっぱり好きな人と結婚式は挙げたいじゃない。
    それで、いつからか出来たのが桜高祭限定の結婚式よ」

紬「私は知ってるわ。結構有名よね、その世界では。都市伝説扱いだけど」

どの世界の話なんだ……

さわ子「桜高祭期間中、毎年絶対に『結婚式』がクラスの出し物として出てくるのよ。
    クラスはバラバラだし誰も意識的に開催してないんだけど、何故かね」

澪「ちょ、ちょっと怖いですね……」

ふーん、要するに、毎年どこかのクラスが「結婚式」を開催してるってことか。伝説を意識せずに

怖くないわ、とさわちゃんは言う

さわ子「むしろ、伝説があるのよ。『桜高祭の結婚式で愛を誓い合った二人は永遠に結ばれる』ってね」

律「へー……」

澪「な、なんだかロマンチックですね。えへへ……」

澪が私の裾をぎゅっと掴んだ。可愛いなおい

さわ子「まあ、良いことばかりでも無いんだけどね」

律「え?」

さわ子「だからね。マジなのよ、その伝説。本当に結ばれちゃうの」

だったらいいじゃん

……って、ああ。そういうことか

律「もしかして、友達同士で冗談で結婚式に参加しても結ばれちゃう?」



188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:42:42.47 ID:1FD7vy2wo

さわ子「そうそう。第一この伝説、女の子が好きって女の子にしか興味の無い情報だしね。
    あまり知られてないのよ、一般の間だと」

さわ子「知らずに参加して、女の子に目覚めてしまった同級生が何人も居るわ」

なんていうか、そうとう強力な効果みたいだな

呪いと言い換えてもいいんじゃないか?澪が怖がるから言わないけど

さわ子「まあ、あなたたちなら問題ないでしょ。参加してみれば?思い出になるわよ」

律「……どうする?」

澪「私は……やりたいけど……」

何故か俯き加減で言う澪

律「んじゃやるか、結婚式。さわちゃん、どのクラスがやるの?」

さわ子「今年は……あれ?そういえば、何か一つ条件があったような……」

澪「って、ちょっと待て律!」

腕を引っ張られる

何故か澪が真剣な顔をしていた

律「え、どうしたの澪しゃん」



189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:50:23.72 ID:1FD7vy2wo

澪「真剣に考えろよ。結婚式挙げたら、ずっと一緒なんだぞ?
  もしこの先、律に好きな人とか出来たら……」

自分で言っておいて涙目になる澪

ったく……

律「馬鹿。お前を一生離すつもりはないよ」

澪「え……」

律「十年片思いしてきたんだぞ。今更お前以外の人間なんて見れるかよ」

澪「あ、あう……」

律「それともいいの?私が他のとこ行って。澪も行っちゃうの?」

澪「い、いや、それは無い!わ、私も律と……!」

律「じゃあ決まりだな。参加で」

澪「り、律……!」

少しは信用しろよな、もう

遊びで付き合ってるわけじゃねーんだからさ、私は

見ると、むぎとさわちゃんがニヤニヤしてる

ちっ、無意識に惚気てしまったようだ

だって澪があんなこと言うんだもん……

律「あー、その。お見苦しいものをお見せしてすみませんね」



191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:51:03.93 ID:1FD7vy2wo

さわ子「いえいえ」

紬「でもまさか、ここでプロポーズしちゃうなんて予想もしてなかったわー」

律「プロ……え?」

さわ子「プロポーズー」

えっと、ああ

そういうことか、って

律「うわああああああああああああああああ!?」

そういうことになるのか!?なるよな!

さわ子「完全に無意識だったみたいね」

紬「はい」

律「こ、こんな部室で……お茶のついでみたいな感じでプロポーズしちまった……」

さわ子「何よ。なにか不満でもあるの?」

律「だって理想のプロポーズのシチュってあるじゃん……。
  観覧車で夜景をバックに、一番上になった瞬間に言うとかさ……」

そういう計画を立ててたのに……

紬「りっちゃんって紳士ね……」

さわ子「むしろ乙女じゃない?りっちゃんの理想のプロポーズでしょ、それ」

澪「……律」



193 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/02/27(月) 03:51:47.77 ID:1FD7vy2wo

うなだれる私の肩を、澪が抱く

澪「今度は私が言うよ。そのシチュエーションで。恥ずかしいけど……勇気、出すから」

澪の顔を見る

照れくさそうだけど、それでも瞳は真剣そのものだった

律「み、澪……私の王子様……!」

さわ子「軽音部全員参加出来るといいわねー」

紬「そうですね……って、さわ子先生、まさか」

さわ子「え?もちろんそのつもりだけど……嫌?」

紬「い、嫌じゃないけどダメです!バレちゃうじゃないですかそんな目立つことしたら!」

さわ子「大丈夫よ。遊びみたいな雰囲気出しとけば真剣だなんて誰も思わないだろうし」

紬「で、でも。もし万が一バレたら、先生の立場だって」

さわ子「そこが問題なのよねー。でも、やっぱむぎちゃんは真剣に愛してるし?」

紬「そ、それは私だってそうですけど……」

さわ子「まあ、考えておいてくれない?」

紬「考えるまでもなく結婚式挙げたいわよさわちゃん……」

ガチャ

唯「ただいまー。……なにこの雰囲気。……あずにゃん居ないし」




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