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唯「ういー、おかわりー」セイバー「私にもお願いします」#4 【クロス】


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唯「ういー、おかわりー」セイバー「私にもお願いします」#1
唯「ういー、おかわりー」セイバー「私にもお願いします」#2
唯「ういー、おかわりー」セイバー「私にもお願いします」#3
唯「ういー、おかわりー」セイバー「私にもお願いします」#4




535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 22:18:52.96 ID:JCsfQm+d0

――桜の丘――

ギルガメッシュ「時間ちょうどの到着とは、この我を待たせるなよ」

セイバー「ギルガメッシュ――!」

ギルガメッシュ「フフ、聖杯はこうして降臨した。故に、これから我たちは殺し合うわけだ。
         我はいいのだぞ? お前を殺すことでしか屈服できないのであれば、構わんのだ」

唯「セイバーちゃんは死なないよ。私たちがいるもの」

澪「そうだぞ。私たちが、セイバーを見守る」

セイバー「――ありがとうございます」

ギルガメッシュ「美しい友情だなセイバーよ。今、どのような気持ちなのだ?」

セイバー「心の奥から、充実感がある。――今だかつてないほどの、安心感までもある。
      国を滅ぼした貴様では、一生、永遠をかけても得られないものだ!」

ギルガメッシュ「この我に、手に入らないものなどない。それが聖杯であってもだ」

セイバー「聖杯――。――――!!」

セイバー「サクラ――?」



536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 22:24:00.21 ID:JCsfQm+d0

桜「――」

セイバー「なぜだ!? なぜサクラが聖杯に――」

ギルガメッシュ「知れたことよ。これこそ聖杯なのだ」

唯「あの人、知り合いなの?」

セイバー「シロウの、大切な人です。まさか、あのサクラが聖杯だったなんて――」

澪「人間が、聖杯?」

ギルガメッシュ「我にも深淵は知りかねるが、人間の中に聖杯が隠されていたらしいのだ。
         聖杯の欠片が埋め込まれた娘が、サーヴァントの魂を吸って降臨した」

セイバー「サクラ――」

桜「――」

ギルガメッシュ「さあ、この聖杯を知っているのならば尚更取り返すしかあるまい。
         ――全力で来いよセイバー。死にたくなければ、聖剣を抜け」

セイバー「――言われずともそうする。いくぞ! 英雄王!!」

ギルガメッシュ「来い! 騎士王!!」



538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 22:30:28.60 ID:JCsfQm+d0

――?――

凛「まったく、ホントにデタラメね。アンタ」

桜「姉さんだって。本当だったら、その変な剣を振る前に死んじゃうのに」

凛「お生憎様。これはシロウとイリヤで作った宝石剣。アンタも名前くらいは知ってるでしょ?」

桜「……また、姉さんは先輩をとっちゃうんだ」

凛「被害妄想もいい加減にしなさいよ」

桜「うるさいうるさい!! 姉さんなんか!
  私をひとりぼっちにしちゃう姉さんなんか――死んじゃえ!!!」ズオオオオ

凛「――だから、効かないの!!」パアアア

桜「死んじゃえ! 死んじゃえ!! 死ね! 死ね!!」

凛「トンデモない恨みと憎しみね。これはちょっとやばいかも……」

士郎「遠……坂……」

ライダー「リン!!」

凛「は?」



539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 22:33:17.24 ID:JCsfQm+d0

士郎「加勢に来たぞ。桜は――」

凛「馬鹿!」

士郎「……?」

凛「ライダーも止めなさいよ! 士郎ったら、もうとっくに身体なんて――」

士郎「――ああ。もう、心臓なんて止まっちまってるだろう」

ライダー「私は、サクラを助けたい」

凛「――!」

士郎「俺もライダーと同じだ……。
   だから、たとえこの身体が消えちまっても、サクラは助ける」

凛「あなた達、馬鹿を超えてるわ!」

桜「先――輩――?」

士郎「久しぶりだな桜。随分と変わっちまったな。お互いにさ」

桜「――その身体!」

士郎「こんなのはどうだっていい。重要なのは、お前を助けることだけだ」



540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 22:38:43.25 ID:JCsfQm+d0

桜「――先輩は、どうしてっ!?」

士郎「だから、お前を助けるためだって言ってるじゃないか。
   肺だって、もう動いてないんだから、あまりしゃべらせないでくれ」

凛「……」

桜「馬鹿です。先輩は――」

士郎「何度も言われたし、これから先も言われるだろうな」

桜「もう、私は戻れないのに……」

士郎「――」

桜「憎しみでしか動けない。もう、誰も信じてあげられないんです……。
  そんな私が、先輩に愛してもらえる筈が、ないです」

士郎「――」

桜「私なんて、誰にも愛されないんです!」ズオオオオオオオオオ

凛「多っ! 士郎は下がってなさい! ライダーもよ!
  あれはサーヴァントには天敵中の天敵なんだから!」

士郎「――」すたすた

凛「馬鹿!」

士郎「――ああ。俺は、お前なんて愛してないよ」



541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 22:44:20.18 ID:JCsfQm+d0

桜「――!」

士郎「だってそうだろう?
   いつまでもウジウジしてる女なんか、俺は好きになんてなれない」

桜「……」

士郎「いつまでも、自分が可哀想可哀想って、
   世界で一番自分が不幸だって言ってないで、さっさと前を向け。上を見ろ」

士郎「だから、今の桜は嫌いだ」

桜「―――――――――――!!!!!!」

士郎「大嫌いだ」

桜「―――――――――――――――――!!!」

士郎「……」

桜「……じゃえ」

ライダー「――!」

桜「みんな! みんな死んでしまええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」

凛「ちょっと待ってよ! 洞窟が崩れ出した! 士郎!」

士郎「――よし、これでオーケーだ。遠坂、あとは頼む」



542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 22:54:00.35 ID:JCsfQm+d0

――桜の丘――

セイバー「――!」ズザアア!!

ギルガメッシュ「ほう、やはり魔力不足か?」

セイバー「……ユイ!」

唯「うん! 打って! 勝負に出るよ!」

澪「いけ!!」

セイバー「わかりました!」キイイイイイイイ

ギルガメッシュ「宝具か――!」

セイバー「これは! この輝きは――」キイイイイイイイイイイイン

ギルガメッシュ「――なら、我も抜こうか。原典なしの唯一剣を――」

セイバー「私たちの、輝きだああああああああああああああ!!!!」

セイバー「約束された勝利の剣(エクスカリバー)―――――――!!」

ギルガメッシュ「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)―――――!!」



543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:01:32.47 ID:JCsfQm+d0

唯「セイバーちゃん!」

澪「セイバー!!」

セイバー「あああああああああああああああ!!!!」

ギルガメッシュ「どうした!? この程度か! 最強にして最高の聖剣は――――!!」

セイバー「もっと! もっと!! もっと!!!」

ギルガメッシュ「――?」

セイバー(これで終わってもいい。どの道消えるのなら、ここで終わってしまえ――!)

ギルガメッシュ「――なるほど、決死か」

セイバー「ああああああああああああああああ!!!!!!」

ギルガメッシュ「――だが残念だな。それでもまだ及ばないとは」

セイバー「――――!!!!」ゴアッ!

唯「セイバーちゃん!」

セイバー「――」

唯「セイバー、ちゃん?」



544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:05:44.37 ID:JCsfQm+d0

セイバー「ユイ……ごめんなさい。私では、英雄王に――」

唯「……」ぎゅっ

セイバー「ユイ……、血がつきますよ……」

唯「どうだっていいよ。セイバーちゃん……」

澪「セイバー」ぎゅっ

セイバー「ミオ……」

唯「もう、頑張ってなんて言わない。セイバーちゃん、今までありがとう」

セイバー「……」

澪「私たちは、絶対にセイバーを忘れないよ。だから、私もありがとう」

セイバー「――ああ。温かい。本当に、あなた達は温かい」

ギルガメッシュ「ククク……アーハッハッハッハ!!!
         本当に、貴様ら雑種にしては面白い!! あまりにも滑稽だぞ!!」

唯「!」



545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:08:36.73 ID:JCsfQm+d0

ギルガメッシュ「あまりにも無意味! 無価値! 笑いが堪えられんわ!!」

唯「――!」タッタッタ

ギルガメッシュ「どうした雑種。我になにか?」

唯「――えい!」パン!

ギルガメッシュ「――!」

澪「唯!」

唯「無意味じゃない! 無価値でもない!
  セイバーちゃんが勝てないのなら、今度は私が相手だ!!」

ギルガメッシュ「――殺すぞ」ズオオオオ

澪「武器庫の宝具――逃げろ! 唯!!」

唯「――!!」

ギルガメッシュ「――死ね」

?「うわあああああああああああああああああああああ!!!!」

ギルガメッシュ「!?」



546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:13:19.65 ID:JCsfQm+d0

士郎「……いてて」

ライダー「――」

凛「なにしてんのよ士郎! 桜を怒らせてどうするのよ!!」

士郎「いや、言いたいことだけ言ったんだけどさ。あとは遠坂がなんとかしてくれるもんかと」

凛「まったく……。ゼルレッチで無理矢理時空移動したけど、ゼルレッチが壊れちゃったわよ」

ライダー「そんなことより士郎。身体が――」

士郎「――あ」

凛「な、治ってる……?」

ライダー「時空を超えたことが、なにか関係してるのでしょうか」

セイバー「――シ、シロウ?」

士郎「――え?」

唯「ふぇ?」



549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:18:32.52 ID:JCsfQm+d0

凛「セイバーじゃない!!」

セイバー「リン……」

ライダー「傷だらけですね。セイバーのクラスとあろうものが情けない」

士郎「――セイバー」

セイバー「シロウ、会いたかった」

士郎「――」

唯「あの……」

士郎「ん? きみは――」

唯「私は平沢唯です。セイバーのマスターやってます」でヘヘ

澪「私は秋山澪です。アーチャーの元マスターです」

凛「アーチャー!?」

澪「は、はい!」

凛「……一体どうなってるのよ。ここは」

ライダー「それは、あの男が知ってそうですね」

ギルガメッシュ「この我を無視するとはいい度胸だ。貴様ら、生かしてはおけんな」



550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:23:32.91 ID:JCsfQm+d0

士郎「無視なんてしてない。……アンタは誰だ?」

ギルガメッシュ「我が名はギルガメッシュ。雑種に名を名乗るのは、本当に癇に障る」

士郎「そうか。だったら、ギルガメッシュよ。俺がお前を倒す」

ライダー「士郎?」

澪「え?」

士郎「どうした?」

凛「士郎。アンタもしかして――」

凛(こんなのあり得ない――! この魔力量、まるでサーヴァントじゃない!)

ギルガメッシュ「お前が? 我を? 寝言は寝ていうものだぞ?」

士郎「寝言でも妄言でもない。今なら、俺はお前を倒せる」

ライダー「……なるほど、そういうことですか」

凛「アーチャーの左腕は、どうにも都合のいいプレゼントをしてくれたみたいね」



551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:26:53.61 ID:JCsfQm+d0

セイバー「リン、治療をお願いできますか?」

凛「それはいいけど……。今の貴女じゃあ、回復はかなり遅くなるわよ?」

唯「どうしてですか?」

凛「貴女がセイバーのマスターよね。貴女はどこの魔術師さん?」

唯「えと、魔術師じゃないんですよ」

凛「はい?」

唯「一般人です。パンピーです」

凛「……道理でセイバーの魔力が変だと思ったのよ。よっぽどご飯が美味しかったのね」

セイバー「はい」

凛「はいじゃないの」

唯「……」

ライダー「セイバーを治療する時間なら、私が稼ぎます」

ギルガメッシュ「ほう。それは面白い。サーヴァント戦は、実に面白い」



554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:33:51.63 ID:JCsfQm+d0

ライダー「士郎は手を出さないでください。
      あの、聖杯となっているサクラを救うのは、貴方しかいないのですから」ヒュッ

唯「――あの、貴方がエミヤシロウさんですか?」

士郎「ああ。俺が衛宮士郎だ」

唯「頼みたいことがあるんです」

士郎「?」

唯「セイバーのマスターを、代わってくれませんか?」

セイバー「!?」

澪「唯!」

士郎「……なんでさ」

唯「私は、魔力なんてありません。でも、衛宮さんなら――」

士郎「――セイバー」

セイバー「私のマスターはシロウでした。しかし、今のマスターはユイしかいない!」



556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:39:01.93 ID:JCsfQm+d0

凛「大きな声を出さないの。傷が痛むでしょ?」

澪「――唯、セイバーの言うとおりだ。お前は昼間、セイバーに何を言ったんだ?」

唯「……それでも、自分を覆すことになるけど、それでもセイバーちゃんがいなくなるよりはいい!」

士郎「……セイバー」

セイバー「断ります。こればかりは、私はユイの命令でも聞けない!」

凛「代わるのなら、私よりも士郎の方がいいわ。
  もはや士郎の魔力量はサーヴァント並みだもの」

士郎「……アイツのお陰か」

凛「アーチャーの左腕が完全に同化するなんて、時空間移動には不思議が伴うわね」

澪「アーチャー?」

凛「あ、貴女はこっちではアーチャーのマスターだったんだっけ。私もよ。大変だったでしょ」

澪「はい。私の下着がぶかぶかだとか、注文が多い奴でした」

凛「はい?」

澪「えっ?」



557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/22(火) 23:45:46.84 ID:JCsfQm+d0

ライダー「……少し、きついですね」

ギルガメッシュ「ほう、我が宝具の雨を避けきるか。さすがはライダーだ」

ライダー「お褒めに与り光栄ですよ英雄王。少し、本気を出します」

ギルガメッシュ「減らず口を叩くなよ堕落神」

ライダー「自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)」キュイン

ギルガメッシュ「石化の魔眼か――!」

ライダー「その金にものを言わせた防具がなければ、石になってましたね」

ギルガメッシュ「フン!」

ライダー「……本気を、出したらどうです?」

ギルガメッシュ「貴様にエアを抜く価値などない! 慢心してこその王よ!」

ライダー「その油断は、自らを殺しますよ――」

ライダー「―――――――!!!」キュイイイン

ギルガメッシュ「!?」

ライダー「本気を出さなくとも、私は出すますよ?」

ライダー「騎英の手綱(ベルレ・フォーン)―――――――!!!」



561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:00:38.94 ID:/oqNrqD10

ギルガメッシュ「――!!」

ライダー「これで、終わりです!!」

ギルガメッシュ「速いな。確かに世界最速の宝具だ」

ライダー「――――!!」

ギルガメッシュ「だが、それ故に直線的だ」

ライダー「いっけえええええええええええ!!!!」

ギルガメッシュ「――なら、もう的を外すこともないな」

ギルガメッシュ「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)――――」

ライダー「!?」

ギルガメッシュ「勝負を急いだな、メデューサ。お前の速さは、我には関係ない」

ライダー「あ」

ギルガメッシュ「―――――フフフ」ビシュっ!!



562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:04:44.45 ID:/oqNrqD10

凛「ライダーが危ないわね……」

士郎「セイバー!」

セイバー「駄目です。私には、もうユイしかいない!」

唯「――」

澪「唯?」

唯「セイバーちゃん。ごめんね?」

セイバー「ユ、ユイ……?」

唯「セイバー、マスターを衛宮さんに鞍替えしなさい」キュイイイン

セイバー「――あ」

凛「令呪!? まだ残してたの?」

澪「はい……」

セイバー「――嫌だ!」バリン!

凛「嘘! セイバーの対魔力は、令呪にも抗うの!?」

セイバー「――!!」

唯「じゃあ、もうひとつを使って命令するよ。鞍替えしなさい。アルトリア」



563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:09:07.72 ID:/oqNrqD10

セイバー「……!!」

士郎「いくぞ、セイバー」

セイバー「……」

士郎「聖杯の寄る辺に従い、この意。この理に従うのなら、我が命運を預けよう」

セイバー「……セイバーの、名に懸けて誓う
      ――そなたをマスターとして、マスターとして認めよう……。シロウ……」

唯「――」

澪「唯、よくがんばったよ」

唯「澪ちゃん……」

セイバー「……」

凛「セイバー、治療するわよ」

セイバー「……」

士郎「平沢さん、セイバー。ごめんな――」

唯「――いいえ」



567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:13:46.41 ID:/oqNrqD10

セイバー「――」

凛「これでオーケー。それじゃあ、いってきなさい!」

セイバー「――はい。シロウ、貴方も」

士郎「もちろんだ。まさか、セイバーに加勢を頼まれるなんて思わなかったよ」

凛「ライダー! 早く来なさい! 宝石を全部使ってでも、戦力を戻すわよ!」

ライダー「は、はい!」

唯「……」

澪「唯、ここはこの人たちに任せよう」

唯「……うん」

セイバー「ユイ、ミオ。――見ていてくださいね」

唯「……うん!」



568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:18:36.08 ID:/oqNrqD10

ギルガメッシュ「セイバーよ。まだ我に立ち向かうか」

セイバー「もう、私はお前には負けない」

士郎「……ああ。俺たちは絶対に負けないぞ」

ギルガメッシュ「――面白い。実に面白いぞ。
         ここまで胸が高鳴ったのは、実に数万年ぶりやも知れぬ。
         ――さあ来い人間! この我を楽しませてみろ!!」

士郎「いくぞセイバー!」

セイバー「おう!」

ライダー「凛、早く!」

凛「ったく! アンタも治りが早すぎ! どんだけ桜からの供給がすごいのよ!」

ライダー「聖杯になってますからね。魔力が、止めどなく溢れてきます」

凛「……もう。ゼルレッチさえあれば、私も参戦するっていうのに」

唯「いけー! セイバー!!」

澪「負けるなー!!」



570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:24:00.22 ID:/oqNrqD10

ギルガメッシュ「王の(ゲート・オブ)――」

士郎「I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ、穿つ)」

士郎「偽・螺旋剣(カラドボルグ)!!」

ギルガメッシュ「な――!」

セイバー「ハァ!!」ザン!!

ギルガメッシュ「――――ッ!」

士郎「投影・完了(トレース・オフ)!!」

ギルガメッシュ「――このッ!」ブン!

ライダー「やはりあなたは、石化の魔眼の影響を受けますね」

ギルガメッシュ「クソッ!」

セイバー「――英雄王おおおおおおおおおお!!」

ギルガメッシュ「セイバアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

士郎「――アーチャーのイメージが、今理解(わか)ったぞ。セイバー」

士郎「――投影・開始(トレース・オン)」



571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:28:36.44 ID:/oqNrqD10

唯「――すごい」

澪「あのギルガメッシュを圧倒してるぞ」

凛「まあ、当然よ。サーヴァント3体と戦ってるようなものなんだから」

澪「3体?」

凛「士郎の身体。あれは一度死んでるのよ」

唯「!?」

凛「正確には、止まってしまったっていえばいいのかな。
  とにかく、今の士郎の身体は、サーヴァントのものと同化した、人ならざるものなの」

澪「……アーチャーですか」

凛「そう。話を聞く限り、こっちのアーチャーと向こうのアーチャーは全く違うみたいね。
  ……あの子が関係してるんだろうけど」

唯「桜さん、ですか」

凛「ええ。あの子が取りこんできたサーヴァントが、こっちでまた聖杯戦争をしてた。
  ……恐らく、この世全ての悪(アンリマユ)が保険をかけたんでしょうね。
  私たち側のアンリマユが死んでも、問題がないように」

唯「その結果が、私たちの聖杯戦争……」

凛「そう。でも、それももう終わりよ――」



573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:38:58.74 ID:/oqNrqD10

セイバー「シロウ――」

士郎「そうだ。これは、おまえの鞘だろ」

セイバー「決して帰ることのないと思っていた。その鞘……」

士郎「……真名は」

セイバー「全て遠き理想郷(アヴァロン)です」

士郎「オーケー。十分だ。いくぞ、セイバー、ライダー」

ライダー「ええ。望むところです」

セイバー「――はい!」

ギルガメッシュ「殺す! 殺す殺す殺す! 殺してやるぞ! 貴様らァ!!」

セイバー「きます!」

ギルガメッシュ「死ねェ!! 天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

士郎「いってこい! セイバー!!」

セイバー「はい! 全て遠き理想郷(アヴァロン)!!」

ライダー「……石化の魔眼で、ギルガメッシュのパロメータは下がってますが、関係ありませんね」



574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:43:36.14 ID:/oqNrqD10

ギルガメッシュ「王の――」

セイバー「約束された勝利の剣(エクスカリバー)――――――!!!」

ギルガメッシュ「――――――――――!!!!」

唯「やった!」

凛「決まった!」

澪「直撃だ!」

ギルガメッシュ「貴様ァ!」

ライダー「往生際が悪いですよ。――騎英の手綱(ベルレ・フォーン)!!」

士郎「まったくだ。是、射殺す百頭(ナインライブスブレイドワークス)」

ギルガメッシュ「!!!!」

ギルガメッシュ「死ぬのか! この我が! 英雄王である、この我が――!」

セイバー「だれしもが、死を迎えねばならないのです。それを知れ――!」

ギルガメッシュ「ああ。我は不死を好んだが、不死は我を好まなかったようだ」

ギルガメッシュ「まるで、貴様のようだな。セイバーよ」シュウウウウン……

唯「……消えちゃった」



576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 00:50:29.78 ID:/oqNrqD10

澪「ってことは?」

凛「ええ!」

士郎「勝ったのか……?」へたり

ライダー「ええ」

セイバー「ユイ! ミオ! やりました!! 私たちの勝利です!!」

唯「やったああああああああああああああああ!!!!」ガバっ

澪「セイバアアアアアアアア!!!」がばっ

凛「あらあら……」

士郎「……と、俺たちはまだやることが残ってたな」

ライダー「はい。サクラを、救出します」

凛「また暴れたらどうする?」

ライダー「そのときはそのときです」

士郎「ライダーがらしくないな。サクラを信じよう。セイバー」

セイバー「……はい」



579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:00:13.35 ID:/oqNrqD10

士郎「そういえば、令呪を一度しか使ってなかったな」

セイバー「シロウは、そうだったかもしれません」

士郎「それじゃあ、二回目だ。セイバー、聖杯を破壊して桜を助けろ」キュイイイン

セイバー「――了解しました」

士郎「お前が聖杯を手に入れたいのは分かってる。
   でも、俺は桜の味方になるって決めちまった。だから、俺はお前の願いも一緒に打ち砕く」

セイバー「仕方ありませんよ。私も、それがいいと思いますから」

セイバー「こんな歪んだものを、私は望んでいたのでは、ないのですから」

凛「……」

セイバー「約束された勝利の剣(エクスカリバー)―――――――!!!」

聖杯「―――――――――」グシャリ……



580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:01:56.24 ID:/oqNrqD10

士郎「桜、起きろー」

桜「――ん」

士郎「おはよう。随分と遅いお目覚めじゃないか」

桜「先――輩――?」

ライダー「サクラ」

桜「ライダー……」

凛「どーも」

桜「姉さん――」

士郎「心配掛けさせやがって、帰ったら炊事はやらせないぞ」

桜「――」

士郎「どうした? 変な顔して
   ――あ! 遠坂! なんか布ないか!? 大きめなやつ!」

桜「――フフっ」

士郎「?」

桜「私を、赦してくれるんですか? 先輩」

士郎「――ああ。当たり前だ。桜」



581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:06:15.94 ID:/oqNrqD10

セイバー「これで、聖杯戦争は終わりました」

唯「聖杯、なくなっちゃったね」

セイバー「まったくです。……しかし、これでいいのですよ」

澪「よかったの?」

セイバー「私が望んでいた聖杯は、あんなものではなかったのですから」

唯「……そっか」

セイバー唯「――あの」

唯「――セイバーから言ってよ」

セイバー「ユイからどうぞ」

唯「じゃあ、言うね。……聖杯がなくなっちゃって、セイバーちゃんは消えちゃうの?」

セイバー「わかりません。ただ、聖杯だったサクラはここにいますから、どうなのでしょう」

唯「それで、セイバーちゃんは?」

セイバー「はい。――私は、一度ここの櫻が見たいです」

唯「うん。見れれば、いいね」



582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:09:23.65 ID:/oqNrqD10

epilogue

唯「今日はお花見です!」

憂「誰に話してるの? お姉ちゃん」

唯「わかんない」

紬「はい。唯ちゃん、お弁当」

梓「わ、私も作ってきました!」

律「お! 気が利くなー」

和「空気読みなさいよ……」

聡「そうだぞ、姉ちゃん」

澪「聡、食べられるか?」

聡「大丈夫大丈夫。もう殆ど回復したからさ」

桜「私のお弁当もどうぞー」

凛「へえ、桜の料理なんて久しぶりじゃないの」

唯「ホントだー。いつも士郎くんだもんね。お料理担当は」



584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:13:00.44 ID:/oqNrqD10

士郎「当然だ。俺たちは居候で、桜は病み上がりなんだからな」

憂「私も、士郎くんとお料理作るの楽しいよ!」

桜「え?」

憂「ご、ごめんなさい。そういうわけじゃないから、安心して?」

凛「それにしてもびっくりよ! あんたたちが年上だったなんて!」

澪「ハハ……」

ライダー「見た目に惑わされるのは、魔術師としてどうなのですか? リン」

凛「仕方ないじゃない! 魔術師はなめられちゃいけないの!」

桜「自分を正当化しないでください」

凛「手厳しいわね、我が妹ながら」

紬「それにしても、驚いたわ」

梓「そうですよ! いきなり唯先輩の家に4人も!」

唯「お父さんたちもびっくりしてたよー」

律「当たり前だー!」



585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:16:36.28 ID:/oqNrqD10

ライダー「……それは、リンの責任です」

凛「どうして!?」

士郎「そうだぞ遠坂。みんなに謝れ」

凛「はい!?」

桜「姉さんが宝石剣壊したから、帰れなくなっちゃったんですよ?」

凛「そうだけど、それ私の責任じゃないわよ!?
  セイバーが聖杯こわしたのも一つの原因じゃない!」

澪「そうじゃなきゃ、桜ちゃんは聖杯のままだろー」

凛「そうだけど……。ていうか、なんだって私は一般人にも魔術の話をしてるんだか……」

聡「桜さん、この唐揚げ美味しいです」

桜「え? それ、先輩のだよ?」

聡「やべ!」

士郎「いいっていいって、好きなだけ食べなさい食べ盛りくん」

聡「あ、あざーっす!」



586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:19:18.68 ID:/oqNrqD10

和「まさか、この街がそんなに大変なことになってたなんてね」

唯「大変だったんだよー」すりすり

和「この体勢についてはどうでもいいから、おいおい話しなさいよ?」

ライダー「できれば、この話は闇に葬りたいのですが……」

唯「和ちゃんはいいのー。ライダーちゃんったら、お堅いよー」

ライダー「ライダーちゃん!?」

士郎「……死ぬほど似合わないな」

ライダー「士郎、なにか?」すっ

士郎「魔眼はやめて!」どかっ

士郎「あ、すいま……」

さわ子「あ?」ぎろ

士郎「こっちにもメデューサいたー!!」



587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:23:10.32 ID:/oqNrqD10

凛「せんせー! 私たちが帰れなくなった当事者がなにも言わずにもぐもぐと料理食べてまーす」

セイバー「失礼。櫻と料理に夢中になっていました」

唯「セイバーちゃんったら、話より団子?」

セイバー「そのようです」

憂「セイバーさん。ちらし寿司、美味しいですか?」

セイバー「はい。実に美味しいです」

唯「もぐもぐ――」

唯「ういー、おかわりー」

セイバー「私にもお願いします」

憂「はいはい」


 ――その日は、桜の丘で二つの約束が叶った日だった。

 長いようで短い、戦争のおしまいを祝うかのように――
 櫻は、咲き乱れていた。


                                        FIN




589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:25:06.65 ID:gAIengeV0

乙!



590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:25:19.09 ID:EJrdsmOq0





592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:25:20.48 ID:FNCZ8kDmP

おつかれー



593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:25:34.98 ID:aIRbAlpi0





594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:25:40.45 ID:IZPupeYWO

乙!



595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:25:53.24 ID:haSNNyHl0

おつかれさん



596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:25:55.51 ID:ikRhAYAe0


なかなかよかった



599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 01:27:43.10 ID:tpqU+uuFO

乙!
面白かった!





659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 20:34:31.65 ID:/oqNrqD10

――琴吹邸・ホール――

律「……キャスターとアサシンを倒して、もう引き返せなくなったな」

律「なあバーサーカー。お前の所為なんだからな。私が戦わなければならなくなったのは」

律「――唯とも、戦うことになったのはさ」

律(一週間前の、あの日だ)

律(私が、お前と出会ったのは)

律(アイツの、残酷すぎる運命が始まったのは――)

律「聡……。お前は――」

バーサーカー「――――」

律「……」

律「もうすぐ、セイバーと唯がやってくるな」

律「アーチャーは来るだろうか」

律「……澪とは、戦いたくないな」

律「――いや、唯とも戦いたくない。ホントは、戦いなんて嫌いなんだ」

律「……怖いよ。聡……」



661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 20:40:05.67 ID:/oqNrqD10

――律の回想――

聡「なー! ねーちゃーん!」ごろごろ

律「どうした? 私の部屋でゴロゴロしやがって」

聡「ひまー」

律「私も暇だが、この暇を有意義に無駄にしたいんだ。
  漫画なら貸してやるから、さっさと出て行きなさい」

聡「姉ちゃんと遊びたーい」

律「中学生にもなって姉ちゃんと遊びたいだなんて、いくらなんでも子供すぎないか?」

聡「いいじゃんいいじゃん。姉弟なんだから、仲良ししようぜ。唯さんたちみたいにさ」

律「憂ちゃんみたいになりたいのなら家事をやりたまえ」

聡「ちぇー。休日に家にいてさ、姉ちゃん彼氏とかいないのかよ」

律「そんなもんは、いませんっと」ごちん

聡「このタイミングで暴力!?」

律「中学生のくせに、やらしいこと考えるからだぞ。しかも実の姉で」

聡「世界一面倒な冤罪キター!」



664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 20:45:41.99 ID:/oqNrqD10

律「ほら、中学生は自分の部屋で秘め事でもしてなさい」

聡「直接的な表現じゃないだけ、まだ姉ちゃんに乙女心があるから安心したよ」

律「――ば、馬鹿!」スパン

聡「いたっ! ジャンプで殴るな!」

律「うるせえ! ハンターハンターが休載してるジャンプなんか必要ない!」

聡「FF14が出るんだから仕方ないだろ!」

律「……よし、私の機嫌をとるため、ここは弟自らがアイスを買ってきなさい」

聡「これはまた脈絡がないな。姉ちゃんのそういうところ、ダイスキでございます」

律「そんな棒読みじゃあ機嫌良くならないぞー」

聡「でも、まあいいや。何がいい?」

律「モナカー」

聡「ん。それじゃあいってくるよ」



665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 20:52:26.75 ID:/oqNrqD10

律「……」

律「確かに、暇だな」

律「――」ごろっ

律「今週のナルトはよくわかんねー」

律「やっぱ、いぬまるだしだよな。今のジャンプはこれを柱にするべきなんだよ」

律「……ププッ」

律「――保健室がバトル展開かー。まあ、仕方ないよな」

律「めだかとロックオンはそろそろ打ち切られろよ……」

律「……」パタン

律「ひまー」

律「澪に電話しよっかなー」

律「でも、取り立てて話すこともないしなー」

律「……聡のやつ、遅いなー」

律「とはいっても、出て行ってまだ5分くらいか。まあ、そんなもんだよな」

律「……なにしよっかな」



667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 20:58:25.58 ID:/oqNrqD10

律「……」

テレビ「ちゃうねん。それはな、深い話やねん。わかるか上地」

テレビ「はい! 僕も松坂の球――」ブツン

律「――つまんねー」

律「聡ー、さっさと帰ってこーい」

聡「そう言われるのを待っていた!」

律「うわ!」

聡「……というのは冗談で。ほい、アイス買ってきた」

律「さんきゅー」

聡「ちなみに俺はガリガリくん」

律「随分とやっすいの買ってきたなー」

聡「ガリガリくんは攻守最強だぞ。当たりがでたらもう一本だしな」

律「それもそうだな」

聡「……姉ちゃんって、可愛いよな」

律「は?」



669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:04:23.24 ID:/oqNrqD10

聡「いやだから、姉ちゃんは可愛いなって思ったの」

律「わけがわからない」

聡「同じクラスに、まあそれなりに可愛い子がいるんだけどさ。
  その子が、体育だったかの時間で、姉ちゃんみたいに前髪をカチューシャで止めてたんだ。
  そうしたら、びっくりした」

律「なんで?」

聡「……かなり、アレになったんだよ」

律「ああ……」

聡「それを見て思ったんだ。姉ちゃんって、よくもまあそんな髪型でも可愛いよなって」

律「そんな髪型っておまえー」ぐりぐり

聡「いたたたたた! 褒めてるのに! 褒めているのに!!」

律「……私、可愛いか?」

聡「弟が言うのはどうかとは思うけど、可愛いよ。澪姉にも負けないくらいにさ」

律「――ばーか」

聡「とまあ、そういう褒めも入れたところで、釣りしに行かない?」

律「……最初っから、それが目的だっただろ」



670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:09:35.07 ID:/oqNrqD10

――港――

聡「それにしても、姉ちゃんって穴場探すのうまいよなー」

律「目の付けどころがシャープだからな」

聡「この港だって、誰も人いないもんな」

律「昔はけっこう栄えてたらしいぞ。産業まつりとかもやってたしな」

聡「あー。なんか覚えてるかも」

律「おまえ、迷子になってびえんびえん泣いてたんだぞー」

聡「うう……」

律「私のこと見つけたら、おねえちゃーん!
  って言って走り寄ってきてさ。可愛かったなー」ぷにぷに

聡「ほっぺ触るな!」

律「あれー? 顔が赤くなってるぞー?」

聡「――フン!」

律「可愛い弟め」

聡「さっさと釣ろうよ。まったくもう……」



672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:17:08.50 ID:/oqNrqD10

聡「ほら、姉ちゃんの釣り竿」

律「さんきゅっ! 餌までつけてくれて申し訳ないねー」

聡「一応男だからさ。そらっ!」ちゃぽん

律「さっすが! たくましい!」ちゃぽん



673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:17:52.48 ID:/oqNrqD10

聡「……いい天気だなぁ」

律「本当だな。いい天気だ」

律「こういう日に、大好きな姉ちゃんと釣りなんて幸せだなぁ」

聡「セリフの順番的に俺が言ったみたいになるだろ!
  ただでさえ名前が漢字一文字同士でわかりにくいんだから!」

律「てへっ!」

聡「なんだそのむかつく笑顔!」

律「な! 姉を敬えー!」

聡「敬えるか、こんな姉」

律「へー」

聡「あっさりと引き下がるね」

律「いや、そんなこと言うなら唯たちに聡のアノ写真見せちゃおうかなって」

聡「申し訳ないです」



674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:22:29.82 ID:/oqNrqD10

律「まさか、あの聡くんがあんなことしてるなんてなー」

聡「お願いだから、やめてください」

律「部活でもエースで、もはや学校内に知らぬものはいないであろう
  田井中聡が、あーんなことするなんてなー」

聡「頼むから、唯さんたちに見せるのだけは勘弁して」

律「あははー! 冗談だよー!」

聡「それはよかった……」ハァ

律「……釣れないなぁ」

聡「姉ちゃんがうるさいからだよ」

律「飽きてきたなー」

聡「弟との会話を楽しめ。そんなんだからモテないんだぞ」

律「いや、一応モテるぞ」

聡「マジ!?」

律「……女にだけど」

聡「あー。なるほどね。……ちょっとジュース買ってくるよ」すくっ



675 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:31:54.91 ID:/oqNrqD10

律「あれ? このへんコンビニあったっけ?」

聡「あそこの倉庫前に自販機があるんだよ。姉ちゃんはなに飲む?」

律「そうだったっけ? まあいいや。私はコーラ」

聡「おっけ」

律「チョイ待ち……ほら」

聡「あれ? 300円?」

律「さっきアイスおごってもらっただろ? そのお返しだよ」

聡「へえ、ありがとう」

律「もっと感謝の意を前面に押し出せよ。姉ちゃんのほっぺにならキスしていいんだぞ?」

聡「澪姉に怒られるから、そういうのはいいって」

律「そこでどうして澪が出てくるんだよー」

聡「さーて、どうしてかなっと」すたこらさっさ

律「なんだよあいつー」

律「――しまった。また暇になってしまった」



676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:40:14.39 ID:/oqNrqD10

律「――」

律「あ、釣れた」ちゃぽん

律「まだ小さいな。よし、お前は海に帰りなさい」

律「おっきくなったら、また釣られに来いよー」

律「……」

律「餌、くっつけるの難しいな」

律「父さんに教わったけど、聡みたいにいかないな……」

律「うーん……」

律「私、こういう細かい作業苦手なんだよなー」

律「悪く言えば大雑把。よくいえば豪快?」

律「――聡のやつ、遅いな」

律「自販がある倉庫って、あそこだよな」トコトコ

律「……」

律「あれ? 聡のやつ、いないぞ」



677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 21:55:27.19 ID:/oqNrqD10

律「聡? さとしー」

律「……?」

?「―――――――」

律「え? はい?」

律「なに、この馬鹿でかい塊……」

?「―――――――――!!!!!!!」

律「!?」

律「……まさかこれ、イキモノ?」

聡「――」

律「聡!」

聡「……あ」

律「あれ、一体なんだよ! どうしてこんなところに――え?」

聡「――ね、ちゃ」

律「お、お前……お前……顔が……」

律「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」



678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 22:06:52.91 ID:/oqNrqD10

――回想終わって――

律(聡は、バーサーカーに触れて瞬間に契約、全ての生命力を奪われた)

律(でも――お前にだけ負担を負わせない)

律(だから、私は戦う。聖杯戦争のことなら、偽臣の書に書いてあったからな)

律(全身が令呪に覆われた聡は、バーサーカーの動き一つ一つに激痛が走る)

律(頑張ってきたが、もう限界だ。今日の朝日を見ることなく、聡は死ぬだろう)

律(だから――)

律「今日で全てを終わらせるぞ。聡」

律(聖杯で、おまえを回復させてやる。部活ができるようにしてやる)

律「だから、たとえ唯と澪が相手でも――私は勝つ」

律「そうだろう? バーサーカーよ」

 
                                       ~了~




682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 22:22:23.32 ID:faqz395+O

聡がバーサーカーになった訳ではなかったのか

バーサーカーがギルガメッシュって人に殺されたから聡はギリギリ助かったの?




683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 22:29:01.84 ID:/oqNrqD10

そろそろ再開しようと思う。

>>682
そう。
聡が助かる方法は二つ。
朝日が昇る前にバーサーカーが死ぬか、律が聖杯を手に入れること。
後者は確実に回復するが、前者では障害が残ってしまい、聡はスポーツ
を断念せざるを得なくなってしまった。エピローグで澪が聡に食べられる
か聞いたのはそのため。



685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 22:40:47.51 ID:/oqNrqD10

Why did she arrive there?
――琴吹邸・ホール――

唯「――来たよ」

アーチャー「遅いわよ。もう少しで、ミオを殺してしまうところだった」

セイバー「アーチャー! ミオはどこか答えなさい!」

アーチャー「この先にあるワイン庫にいるわよ。一応、今のところは無事」

唯「……澪ちゃんを返して」

アーチャー「それは出来ないね」

唯「どうして!?」

アーチャー「ヒラサワユイ。貴女を殺すからよ」

ランサー「随分なことを言うじゃねえかアーチャー。俺とセイバーの姿が見えねえとは言わせねえぞ」

アーチャー「――単独行動の限界が過ぎ、魔力が枯渇しかかってるワタシ相手に、あなたたちが戦う?」

セイバー「当然です。ユイが、貴様と戦うことは――」

唯「私が戦う」

セイバーランサー「!?」



686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 22:46:51.04 ID:/oqNrqD10

唯「私が、アーチャーと戦う。それで、澪ちゃんは返してくれるんでしょ?」

アーチャー「そうね。貴女と戦ってる間は、セイバーとランサーが空いちゃうもの。
       そうしたら、ミオを助けるのも楽チンね」

唯「――セイバーちゃん、ランサー。そういうことだから、いい?」

セイバー「了解しました。しかし、こちらにも条件があります」

ランサー「同じく。無条件ではやらせられねえな」

唯「?」

セイバー「私たちはここで見守ります。ユイが、アーチャーに命を脅かされることがあろうことなら」

ランサー「俺たちが加勢する。だが、それまでは手は出さねえ。これでいいか?」

唯「……うん。それならいいよ」

アーチャー「これはまたきついなー。どっちにしても、私はもうここで終わりってことじゃない」

セイバー「当然でしょう。本来なら、すでに貴女を切り伏して、ミオの救出に向かっている」

アーチャー「――それもそうか。それじゃあ、ヒラサワユイ。決着をつけましょうか」

唯「――うん」



689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 22:53:51.54 ID:/oqNrqD10

アーチャー「――ワタシの真名は、知ってるわよね」かつん

唯「……唯、でしょ?」

アーチャー「そう。ワタシの名は真鍋唯。出来れば、この名前は名乗りたくなかったけれど、
       ワタシという存在は、すでに平沢唯としてではなく真鍋唯としての記号が正しい」かつん

唯「――和ちゃんと、一緒になったの?」

アーチャー「それも正解。和は、私にとってかけがえのない人だった」かつん

唯「私だってそうだよ。でも、私が守りたい人は和ちゃんじゃなくて――」

アーチャー「ミオなんでしょう。そんなこと、とうの昔に気が付いていた。
       だから、ワタシは貴女と戦う」かつん

唯「澪ちゃんを助ける。そして、守る。
  そのための障害になるのなら、私は、たとえサーヴァントであっても倒す」

アーチャー「とぼけた顔をしていても、本質的には変わらないわね」かつん

唯「だって、同じ唯だもん」

アーチャー「それもそうか」かつん

アーチャー「それじゃあ、始めようか。どちらの唯が正しいのかを、ここで決めてしまおう」カツンッ!



690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 22:58:57.54 ID:/oqNrqD10

唯「――セイバーちゃん」

セイバー「はい」

唯「剣、貸してくれない?」

セイバー「断る理由はありませんよ。
      私は貴女の剣なのですから、私の剣も、等しく貴女のものだ」

唯「……ありがとう」

セイバー「これで、私が手を出すことはできなくなりました」

ランサー「俺の槍を奪ってでも助太刀に入るかい?」

セイバー「まさか。貴方の魔槍は、貴方にしか扱えませんよ」

ランサー「それもそうか」

唯「――思ったより、軽いんだね」

アーチャー「それは妖精が鍛ったものだからよ。持った者の、力によってその形状すらも変化させる」

唯「詳しいんだね」

アーチャー「無駄話よ。――ギー太、ちょっと荒く扱うけど、我慢してね」



691 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 23:04:32.94 ID:/oqNrqD10

唯「ギー太――まだ、持ってたんだ」

アーチャー「これは私が一番楽しいと感じた瞬間の思い出の象徴。
       ワタシは、生涯このギターしか使わなかった」

唯「ムギちゃんが聞いたら、きっと驚いて喜ぶよ」

アーチャー「興味がない。それよりも、切りかかってきなさい。カウンターとるから」

唯「――!」ブン

アーチャー「まるで素人ね。間合いも剣の握りも全て0点よ」

唯「うるさい!」ブン

セイバー「……駄目だ。あれでは、いくら魔力が僅かしかないとはいえ、アーチャーには触れられない」

唯「――!!」ブンブン!

アーチャー「どこを見ているの?」

唯「――アーチャー!」

アーチャー「少し静かにしなさい」ガン!



692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 23:08:59.10 ID:/oqNrqD10

唯「ん!」ぐらり

アーチャー「やっぱり、ギー太で殴ると効くでしょう?
       レスポールは重いからね。よくもまあ、こんな代物を選んだものよ」

唯「ギー太で、ギー太をそんなふうに使わないでよ!」ブン

アーチャー「――だったら、これはなんのためにあるのよ!」ガン!

唯「――痛っ!」

アーチャー「私にとって、もうギターなんてものは意味がない!
       戦いの道具に使えるのであれば、このギターはもうそれしか価値がない!」

唯「違う! ギターは楽器なの! 人を傷つけるものじゃない!」

アーチャー「なら――他者を傷つけないために、自分を傷つけていいの!?」

唯「――!」

アーチャー「私には、かつてのヒラサワユイには夢があった!」ガン

唯「あ――!」

アーチャー「武道館でライブをして、アーティストになって
       お金を稼いで、憂に楽をさせたい! そう思った!」

セイバー「……」



693 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 23:16:04.98 ID:/oqNrqD10

唯「ハァ……ハァ……」

アーチャー「そうよ。私には才能があった。
       だから、澪ちゃんやりっちゃんたちをおいて、
       あっさりプロになれたし、CDも飛ぶように売れた」

唯「――」

アーチャー「そのために何をしたか。
       どこかの社長と寝たり、そういった汚いことなんて一つもせず、
       ただ愚直なまでに鍛錬した!」

ランサー「――」

アーチャー「置いてきてしまった仲間たちのため。
       蔑ろにしてきた妹のために、私は孤独に震えながらも、それに耐えてきた」

アーチャー「得るものはいくつもあった。カネなんて、使っても使っても
       次の日にはその10倍の額が振り込まれる。
       そんな、夢のようでいて幻のような生活の中で、
       私は結局一つのことしか知らなかった!」

唯「……歌うことと、弾くこと」

アーチャー「そうよ。それしか知らなかった私は、まるで子供のように
       ――否、未だ子供だったのよ。あの時の私は――」

セイバー「ユイ……」

アーチャー「そうして、武道館での夢が叶ったの。
       それでも、私の心の中は、変わらずに空っぽのままだった」



695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 23:24:01.65 ID:/oqNrqD10

セイバー「――」

唯「夢が叶ったのに、空っぽ――?」

アーチャー「私にとって、夢は軽音部のみんなと武道館のステージに立つことだった。
       それを、たった一人でしか果たせなかった私は、
       何も得ることもなく、そのライブを終えた」

アーチャー「終わっても、なにも感じなかった」

アーチャー「こんなにも、こんなにも意味のないものだったのかと、恐ろしさすら感じたよ」

唯「……そんなこと」

アーチャー「そんなことがあったのよ。
       それでも、夢を叶えても私が出来ることなんて、一つしかなかった。
       だから――私は歌い続けた」

アーチャー「歌い続けると、誰もが私を見てくれた」

アーチャー「ギターを弾いているだけで、誰しもが私を好きでいてくれた」

アーチャー「――永く、本当に永く孤独だった」

アーチャー「でも、私にも転機があった。27歳の春のことだ」

アーチャー「イギリスでの公演で、私は街で和と再会したの」



698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 23:33:30.20 ID:/oqNrqD10

唯「――和ちゃんと……」

アーチャー「何も変わっていなかった。
       あの時の、私の世話をしてくれたあの頃と、なにも変わってくれないでいた」

唯「……」

アーチャー「私たちが、再びその関係を修復するのに時間は要らなかった」

セイバー「ノドカ……」

アーチャー「ずっと、共にあろうと誓ったのは、再会して一年後のことよ」

唯「――私が……和ちゃんと……」

アーチャー「毎日のように愛し合った。毎日のように、私たちは――」

唯「――」

アーチャー「しかし、そのころには私は世界的なアーティストになっていた。
       知らぬ間に、気が付いたらだ」

唯「……」

アーチャー「ヒラサワユイ。世間は、私たちを見てどう感じると思う?」



700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/23(水) 23:42:36.26 ID:/oqNrqD10

唯「幼馴染同士が、恋人になってよかったねって……祝福してくれ――」

アーチャー「ちがう!! 世間は、マスコミは私たちを異常者として祀り上げた!
       同性愛者、それは世界的なアーティストであっても、
       侮蔑の対象でしかなかったのよ!!」

唯「――!」

アーチャー「毎日のように流れていた私の歌は、一部の国では発禁ものとなり、
       どの国に行っても誰かに後ろ指を指される始末だ。
       私は、そんなものは望んでなどいなかった!」

唯「うそ……」

アーチャー「それでも、私は歌い続けた。それしか知らなかったし、
       なによりもこれからは和を守ってあげるという在り方を選んだから!」ガン!

アーチャー「辛かったなどというレベルではなかった。スタッフの目は軽蔑。
       私の同類の人間からは、肉体の関係を迫られた!
       それは、決して一度や二度ではない!」

アーチャー「それでも私は笑うしかなかった。和に、心配をかけたくなかったから……」ギン

唯「――んん……!」ギギギ

アーチャー「歌ってさえいれば、私を見てくれていた。私は、今の自分を忘れることができた」

アーチャー「でもね――和には、そんなものはなかったのよ」



703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:01:42.21 ID:d12VvGQV0

アーチャー「……和は、パパラッチのクルマに撥ねられて……」

唯「!?」ギン!

アーチャー「和がいなくなって、私はまた一人になってしまった」ガン!

唯「……!」

アーチャー「――本当なら、それで終わりなんだろうけど。
       私には、やっぱり歌うことしかできなかった」

セイバー「ユイ、アーチャー……」

アーチャー「世間は、私を悲運のヒロインとして扱った。
       それを利用しようと、多くの団体や組織が、私にすり寄ってきた」

アーチャー「全てが真っ当なものではなかった!
       怪しいものもあったし、中には宗教さえも、私を利用した!」ギン!

唯「――!」

アーチャー「でもね、そんなことなんてどうでもよかった!
       私は私を生まないために、私を犠牲にしてもいいと思った!」

唯「……ん!」

アーチャー「それで赦してもらおうなんて思っていたわけではない。
       ただ私は――私が知りうる限りの世界では、誰にも涙してほしくなかっただけ……」



705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:08:01.14 ID:d12VvGQV0

アーチャー「……」

唯「だから――自分が可哀想だって言いたいの?」

アーチャー「その通りよ! 私は不幸よ!
       あんな目にあっても、それでも笑っていられる人間なんていない!」ギン!

唯「私は笑っていてみせる!」ギン!

アーチャー「――!」

唯「だって、私は一人じゃないもん!
  澪ちゃんだって、りっちゃんだって、ムギちゃんもあずにゃんも
  ――憂も和ちゃんもセイバーちゃんもランサーも、皆がいるもん!!」

アーチャー「皆が、私から離れていった!
       最終的には、世間は私を忘れ、誰も私を見てなどくれなくなった!」

唯「壁を作らないでよ! 構ってほしいから歌ってたくせに!」

アーチャー「違う!」

唯「そうだよ! 結局、アーチャーは逃げてただけなんだ!」



707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:11:34.05 ID:d12VvGQV0

アーチャー「……貴女と、私では存在が違う」

唯「当たり前だよ」

アーチャー「生きてきた世界も違う」

唯「――それが、違うということなんだから」

アーチャー「……合点がいった。やはり、和のために殺しておくべきね」

唯「……私は、澪ちゃんと一緒に生きる」

アーチャー「なら、ミオのために貴女を殺す」

唯「――お互いに、譲れないんだね」

アーチャー「それが、違うっていうことなんでしょう?」

唯「うん。……セイバーちゃん、見ててね」

セイバー「もちろんです。マスター」

唯「―――――――――――!!!!」ダッ

アーチャー「―――――――――――――!!!!」ダッ



708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:14:03.05 ID:d12VvGQV0




唯「――――私の勝ちだね。アーチャー」


アーチャー「ええ。やっぱり、ワタシと貴女は違う人間だよ」



709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:18:31.70 ID:d12VvGQV0

――――

澪「――ねえ、アーチャー」

アーチャー「なぁに? 正直、もう魔力なんて0以下なんだけど」

澪「それはそうだろ。私を裏切ったんだから」

アーチャー「それは、軽くごめん」

澪「謝る気ないだろ」

アーチャー「ないかも。……後悔は、してないしね」

澪「まったく。変わらないな、唯はさ」

アーチャー「――いつから、知ってた?」

澪「わからないよ。気が付いたら、アーチャーが唯にしか見えなくなってた」

アーチャー「フフ。それって、ただの恋じゃない」

澪「そうかな。――そうかもしれないな」

アーチャー「――私を、頼んだよ」

澪「あの可愛い唯が、お前みたいにならないように頑張るよ」

アーチャー「――澪ちゃん」



711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:24:20.08 ID:d12VvGQV0

澪「なんだ? 足元、もう消えてるじゃないか」

アーチャー「――私に伝えておいてね。澪ちゃんを悲しませたら、今度こそ、私は殺しに行くよって」

澪「――それじゃあ、これが最後の別れだな」

アーチャー「そうなると思う」

澪「さようなら、アーチャー。お前との時間は、多分、人生の宝になると思う」

アーチャー「これからも、私と過ごす時間だよ」

澪「唯とお前は、違うよ」

アーチャー「まったくだね。ちょっと、唯に嫉妬しちゃうよ」

澪「……うん」

アーチャー「じゃあ、また会おうね」

澪「いいや、これで最後だよ。絶対にな」

アーチャー「――うん」

 これが一人の英霊の物語。
 これが、一人の女の物語。
 これからが、二人の物語。

                                    ~了~




713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:27:05.78 ID:3ilV+s7D0





714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:29:16.42 ID:afPhLpTy0

面白かったよ、乙



715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:30:04.86 ID:eV1IzCc6O

乙。



716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:30:08.25 ID:sSkfCQhD0

お疲れさん



717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:33:12.24 ID:sxQTn72t0

おっつん



718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:36:48.92 ID:KKnDi3ynO

おつ!



719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:37:40.25 ID:Fic/1dzT0


良かったよ



720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:40:39.77 ID:QByQD1CP0





725 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 00:52:01.26 ID:oJuUZ0GTO

乙。面白かった



726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 01:02:46.39 ID:+JRY72H60

おつ






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