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梓「仏はほっとけです!」 【ホラー】


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:22:38.14 ID:XW04vAbXO

唯「う~い~行ってくるねー!」

憂「お姉ちゃんお弁当忘れてるよー!」

唯「あぁっ!そうだった!今度こそ行ってきまーす」

今日は軽音部のみんなと山へ行きます
合宿でも野外フェスでもないただの山登り…ピクニックみたいな感じかな

天気も気持ち良い快晴になってくれて絶好の登山日和だ
みんなのお弁当一緒に食べるの楽しみだなぁ…とくにムギちゃんの

唯「なんてゆっくり歩いてる暇ないや!
  寝坊して時間ギリギリなんだった!電車だから遅れられないや!急ごう」



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:24:56.28 ID:XW04vAbXO

こうゆう時に限って信号に引っ掛かるよね、早くしてくれないかなー!

ふと道端に置かれた花束が目に止まった
そういえば最近近くで大きな事故があったって聞いたけど、ここだったんだ

道路に飛び出した子供と助けようとした母がバスにひかれて亡くなったって…

唯「あっ、信号青になった急がなきゃ!」

それにしても暑いなぁ…強い陽射しと熱されたアスファルトからの熱気でただでさえ地獄みたいなのに

蝉の声がさらに暑さに拍車をかけてる気がするよ





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:27:33.58 ID:XW04vAbXO

地中で何年も過ごして地上で生きられるのはほんの一週間の命っていうし、アイスは食べられないし

熱いアスファルトの上で横たわって死んでいる蝉を見てつくづく蝉に生まれなくてよかったと思うよ

駅前まで来ると既にみんなは集合していた

唯「みんなーおはよー!」

律「唯!遅いぞ!」

紬「おはよう唯ちゃん。遅いから心配したわ」

梓「唯先輩おはようございます」

唯「ゴメンゴメン!寝坊しちゃった!あれ?澪ちゃんは何してるの?」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:31:10.30 ID:XW04vAbXO

澪ちゃんは耳を両手で塞いでしゃがみ込んでいた

唯「澪ちゃん…?」

澪「キャーーッ!ってゆゆゆ唯か、びびびびっくりさせるなよ!」

唯「私普通に呼んだだけだよー」

律「実は昨日テレビでやってた心霊番組の話しをしててさ」

澪「キャーーーッ!」

それで脅えてらっしゃったのですね

私も昨日ご飯食べてる時にそんなの見てたな



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:35:47.74 ID:XW04vAbXO

律「霊能者が言ってたけど、
  霊界への扉はそこら辺にたくさんあって霊は私達のまわりをうろうろしてるらしいぞー」

澪「うるさい!」

そういえばそんな事言ってたかも…

ただ霊的なものを信じない私には蝉がなぜ鳴くのかよりもどうでもよかったしアホらしかったな

律「ほら、澪の後ろに黒い影が…」

梓「霊じゃなくて私です」

澪「うぅ、ムギ~律がいじめるよぉ…」

紬「あー、よしよし」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:40:08.07 ID:XW04vAbXO

梓「遊んでると電車に乗り遅れますよ」

唯「そうだった!」


切符を買って電車を待っていた。
その時電車が遅れるとアナウンスが入った
近くでなにやら人身事故があったらしい

だけど私達が乗る路線とは関係なく私達が乗る電車が遅れるということはなさそうだ

その後しっかりと時間通りに到着した電車に私達は乗り込んだ

律「涼しい~ここは天国ですか?」

唯「ずっとここにいたいよぉ」

澪「唯って冷房苦手じゃなかったか?」

唯「はっ!思い出したら急に具合が……」

紬「唯ちゃん大丈夫?」

唯「うん、なんとか暑いのよりは大丈夫だよー」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:44:25.54 ID:XW04vAbXO

律「そうだ!着くまで暇だしダジャレ大会しようぜ!」

唯「やりたいやりたーい!」

澪「なんだそのとても関わりたくない名前の大会は…」

律「名前の通りだよ!一人ずつダジャレをやって
  全員が笑ったら次の人に交代って感じで全員笑うまではずっとやらなきゃダメってルールだ」

紬「とっても楽しそう!」

梓「そうですか?」

紬「うん!みんなでやりましょう」

梓「マジですか…」

ムギちゃんの楽しそうな笑顔を見たらやらないとは言えず澪ちゃんもあずにゃんも参加することになった



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:47:22.16 ID:XW04vAbXO

律「じゃ、最初は梓からなー」

梓「なんでそうなるんですか?無難にジャンケンとかで決めましょうよ」

律「えー?まずは後輩からだろー!あっ、もしかして梓はみんなを笑わせる自信がないとかー?」

梓「なっ…そんなわけないです!やってやるです!」

澪「なんだかうまく律の口車に乗せられた感じだな」

梓「それではいきますよ」

唯「あずにゃーん!ファイトー!期待してるよー!」

紬「梓ちゃん頑張れ!」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:51:02.08 ID:XW04vAbXO

梓「仏はほっとけです!」

唯澪紬律「………」

一瞬で沈黙に包まれる
車内には電車の走る音だけが響いていた

梓「ね、猫が寝転んだですっ!」

なんだか車内の気温が一気に下がった気がするよ、あずにゃん…

梓「アルミ缶の上にあるミカンです!」

澪「は、はは…」

紬「うふふ…梓ちゃん面白いわ」

律「マジで?つまらないと思うんだけど、もっと斬新なのないのかー?」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:54:49.21 ID:XW04vAbXO

梓「それなら律先輩がやればいいじゃないですか」

律「まだムギしか笑ってないだろ、梓がみんなを笑わせたらやってやるよ」

梓「うー…布団が吹っ飛んだです!」

唯「そんなあずにゃんも可愛いよ!頑張れあずにゃん!」

梓「スキー好き!カレー辛ぇ!馬美味い!」

紬「うふふふ…梓ちゃん可笑しいわ…」

澪「ムギだけは爆笑だな」

梓「ムギ先輩がこの度結婚して会社を辞める事になりました」

律「なんだそれ」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 19:58:02.15 ID:XW04vAbXO

梓ちゃんはひたすらダジャレを言い続けそれに笑うムギちゃんと苦笑いの澪ちゃん
苦笑いは笑ったうちに入らないそうです

それを見守りながら私とりっちゃんは何が楽しいのか
持ってきたトランプで二人ババ抜きをしてました

律「ほら唯の番だぞ」

唯「ほいほい」

りっちゃんの持ってる六枚のトランプ

そこから私は一枚を引いたスペードの6のカード

唯「やった!揃った!って絶対揃うんだよね」

律「まあな」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:01:06.28 ID:XW04vAbXO

そんな楽しい時間を過ごしてるうちに電車は目的の駅に到着した

電車をおりるとまるでサウナに入ったみたいな暑さが私達を迎えてくれた

唯「あづい~…ここは地獄ですか…?」

澪「大丈夫、地獄じゃないから」

唯「あー暑いのヤダー早く冬になればいいのにぃ」

梓「それで冬になったら今度は早く夏になれって言うんですよね」

唯「もういっそのこと春→秋→春→秋のローテーションになれば調度いいのに」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:03:28.60 ID:XW04vAbXO

駅を出るとすぐそこはもう山だった

澪「こんなにすぐ近く山がにあるんだな」

紬「自然がたくさんで空気が美味しいわ」

律「みんなー!ぼーっとしてないで早く行こうぜー!」

唯「待ってよ、りっちゃーん」

律「山ってすごいな!なんか冒険心をくすぐられるぜー!
  なんか未知の生物との遭遇とか期待できそうだな」

唯「ツチノコ!天狗!河童!」

律「そうそう、カメラは常に用意しておこう。いや写真だけじゃなくて見つけたら捕まえないとな」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:05:23.59 ID:XW04vAbXO

ピクニック気分できたのに本来の目的とはちょっとズレたことでテンションがあがる

天狗、河童なんている訳がないだろうけど…

たくさんの鳥の声や虫の声、風で草葉が揺れる音を聞き

私達の日常ではあまり馴染みのない深い緑の中、

山道を進んで行くにつれて別の世界にきたような感覚になる

天狗や河童やおとぎ話に登場する妖精みたいな、

そんな不思議なものが出てきても不思議じゃない世界

ちょっと心の中でりっちゃんを小ばかにしていた私も

何か未知との遭遇があるんじゃないかとワクワクしてきていた



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:14:52.86 ID:XW04vAbXO

律「もしも生まれ変わっても~♪」

唯「また私に生まれたい~♪」

梓「唯先輩と律先輩はテンション高いですね、帰り道があること忘れないで下さいよ」

律「ズレた間のワルさも~♪」

唯「それも君の~♪」

唯紬律「タイミング♪」

澪「さっきまであんなに暑い暑い言ってたのにな」

唯「歌えばそんなのも吹っ飛ぶよ~澪ちゃんも歌おう!
  恥ずかしがらなくてもここなら誰も聞いてないよ」

澪「遠慮しておきます」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:16:46.72 ID:XW04vAbXO

私達は楽しく歌いながら歩み
鳥や珍しい植物をカメラで写真におさめたり充実した登山をしていたが…

律「疲れたー!」

唯「お腹空いたー!」

梓「こうなると思いましたよ、だからさっき言ったじゃないですか」

紬「まだ登り始めてあまりたってないからお昼はもう少し待ってね」

律「えー!せめて少し休憩しようぜー!」

澪「もう少しくらい頑張れよ」

律「だって疲れたんだもん」

紬「なら少し飲み物でも飲んで休憩しますか」

律「さんせーい!」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:19:09.65 ID:XW04vAbXO

紬「はい麦茶」

律「はぁ…生き返る~」

唯「おぉ!ムギちゃんだけに麦茶!」

紬「少し狙ってみたの」

梓「お昼はもっと上の方で食べるんですから頑張って登って下さいよ」

唯「分かってるよー。でも、まだあまり登ってなかったんだね、
  なんだかもう数時間も歩いてた気がしたよ」

律「私もだよ、もう頂上近くまできてると思ってた」

梓「始めからあんなにはしゃいでるからです。そうですよね澪先輩」

澪「ん…?あ、あぁ…そうだな」

澪ちゃんなんだか元気ないみたいだな、澪ちゃんも疲れてるのかな?



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:22:20.84 ID:XW04vAbXO

小休憩を終えて再び山道を歩き始めた

みんな疲れたのか口を開くことはなく黙々と足を進めて行く

さっきまでどこかにいってしまっていたようだった暑さも再び戻ってきた

唯「あづい~まだ頂上につかないの~?」

澪「おかしいな、もうついてもおかしくないくらい歩いたんだけどな」

律「もしかして道を間違えたとか?」

紬「しっかり道どおり歩いてきたからそれはないと思うわ」

梓「戻った方がよくないですか?」

澪「うーん…道は続いてるしもう少し歩いてみよう」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:25:36.19 ID:XW04vAbXO

それからしばらく歩き続けるも頂上につくこともなく

道も段々と険しくなり人が通る道というよりは獣が通る道のようになっていった

唯「ムギちゃんやっぱり道間違えてるんじゃないかな?」

紬「確かにこの道はおかしいわね」

梓「戻りますか?」

紬「このままだと進むのも難しいし、そうしましょう」

引き返そうと振り返るとそこにあるはずの二人の姿がなかった

唯「あれ?澪ちゃんとりっちゃんは?」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:28:31.58 ID:XW04vAbXO

梓「いませんね…まさかはぐれちゃったんでしょうか?」

紬「急いで戻って捜しましょう!」

私達はすぐに元の道を急いで引き返し二人を捜した

唯「澪ちゃーん!」

紬「りっちゃーん!」

梓「どこ行ったんですかー!」

いくら呼んでも返事がかえってくることはなく二人を見つけることはできなかった

唯「二人ともどこ行っちゃったんだろう…」

紬「唯ちゃん……二人とも少しはぐれちゃっただけよ、
  大丈夫すぐに見つかると思うから三人で捜しましょう」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:31:46.22 ID:XW04vAbXO

梓「あの、さっきから歩いてる道を通った覚えがないんですが…本当にここ来た道ですか?」

紬「そう言われてみればそうね…もしかして道に迷ったかしら…」

唯「えぇっ!?それって遭難したってこと?」

梓「このまま帰れなかったらそうなりますね…」

唯「そうだ!携帯電話で助けを呼べばいいんじゃないかな!私頭いい!」

梓「さっき見たけど圏外でしたよ」

唯「連絡できないの?どうするの?」

紬「自力で下りるか助けを待つしかないわね」

梓「まだ下りられないって決まった訳じゃないんですからネガティブになるのはやめましょう」

紬「そうね」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:35:14.80 ID:XW04vAbXO

唯梓「…」

紬「……そ、そうだ!もうお昼だしご飯食べましょう!それがいいわ!」

梓「そうですね、食べてからまた先輩達を捜しましょう」

そう言ってムギちゃんは鞄からお弁当を出して食べ始めた
私も憂の作ってくれたお弁当を取り出して食べ始める

みんなでおかずを分け合ったりおしゃべりしたりしながら楽しく食べるはずだったお弁当

そんな予定とはまったく違ったシチュエーションで食べることになったお弁当はとても味気ない物だった

暗く沈むみんなの表情を映すように青空も曇り空へと表情を変えていった



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:38:02.05 ID:XW04vAbXO

お昼を食べた後も引き続き澪ちゃんとりっちゃんを捜した

しかし人影を見ることもなく二人を捜して山の中を歩いて行くにつれてさらに迷っていった

私の頭の上の方で飛んでいる蝉を見て今は少し蝉になれたら飛んでみんなを捜せるのになと思った

・・・

梓「少し休憩しませんか?さすがに疲れました…」

唯「そう?」

梓「唯先輩は疲れてないんですか?」

唯「不思議と疲れはないよー、ムギちゃんは?」

紬「私も少し疲れたわ、休憩にしましょ」

唯「わかったよー」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:41:33.17 ID:XW04vAbXO

紬「梓ちゃん手に切り傷があるわね、今絆創膏出すわ」

梓「ありがとうございます」

唯「えいっ!とうっ!じゅわっ!」

梓「こんな時に唯先輩は何してるんですか?」

唯「いや、飛べないかなって思って…飛べたら澪ちゃんとりっちゃんも簡単に見つけられそうだし」

梓「飛べるわけないじゃないですか…」

唯「だよねー、誰か助けにきてくれないかな…」

紬「私達が帰らなければ捜索願いを出してくれるだろうから夜には捜索がくるかもしれないわね」

梓「それか澪先輩か律先輩が下山して助けを呼ぶかですね」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:45:08.78 ID:XW04vAbXO

――――――

澪「大丈夫か?律」

律「あぁ、もう一人で歩けそうかな…痛っ…」

澪「無理するなよ」

律「大丈夫大丈夫。悪いな、私が足くじいたせいでみんなとはぐれちゃって」

澪「そんなこと気にするなよ」

これからどうしようか…

近くを捜したけど、みんなを見つけられなかったし
ここがどこらへんかもよく分からないからこの状態の律と山を下りるのは難しいな

律「みんな気付いてるかな?」

澪「いつまでも気付かないって事はないだろ、今はみんなを信じて待ってよう」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:48:22.52 ID:XW04vAbXO

律「なぁ澪~腹へった」

澪「さっき弁当食べただろ?ほかに食べ物なんて持ってきてないぞ」

律「えー…なんかないのかよ、助けが来なかったら食い物ないと飢え死にするぞ」

澪「しょうがないな、ちょっと近くになにかないか見てくるからここで待ってろよ」

律「いってらっしゃーい」

・・・

とは言ったものの山にある食べれる物ってなんだ…
野草とか食べられるっていうけど、どれが食べられるか分からないしな

食べられる虫もいるっていうよな、ただ虫なんて見るのも嫌だからこれは無しだ



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:51:01.89 ID:XW04vAbXO

余計なこと考えなきゃよかったな、まわりの草場に虫がいると思うとなんだか怖くなってきた

もう戻ろうかな…

…ん?何か音がする…水の流れる音か?もしかして!

私は音のする方へと行ってみた

澪「やっぱり川だ!これで飲み水に困らないな、よし律を呼びに行こう」

・・・

律の所へと戻るとそこでは律が地面を這うようにして倒れていた

澪「りっ、律!どうしたんだ!」

律「みおぉ…水ぅ…」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:53:24.81 ID:XW04vAbXO

律の近くには朱色のキノコが転がっていた

澪「バカ律っ!なにも分からないのにキノコを食べたのか!?」

私は律を抱え上げると大急ぎでさっき見つけた川へと律を運んだ

澪「ほら律、水だぞ!飲め!死なないでくれ律!」

持ってきていた水筒のコップに水をすくい律に渡してやると律は勢いよく水を飲み干した

澪「律…大丈夫なのか?」

律「はぁはぁ…大丈夫、喉に詰まらせただけだから…毒とかはなかったみたいだ…」

澪「このバカ律!本気で心配したんだぞ、もうキノコなんか食べるなよ!」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:56:43.06 ID:XW04vAbXO

律「一応死ぬかと思ったんだぞ…まぁ心配させて悪かったよ」

澪「まったく………あれ?」

律「どうしたんだ?」

澪「いま川の向こう岸に人影が見えた気が…いや間違いなく人影が見えた」

律「こんなところで?気のせいだろ、幽霊でも見たんじゃないか?」

澪「うるさい!幽霊なら目に見えないだろ。
  間違いなく人だよ、もしかしたら唯達かもしれない!行こう」

律「どうやって行くんだよ!橋とかないんだぜ」

澪「川を渡ればいいじゃないか」

律「濡れるだろ!それに川にそって行けば山を下りられるんじゃないのか?」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 20:58:54.96 ID:XW04vAbXO

澪「さっきのが唯達だったらどうするんだ?置いて行けないだろ!ほら早く行くぞ」

律「私はいいよ、足が痛いからここで待ってるよ」

澪「何言ってるんだよ、私がおぶって行くから捕まれ」

律「わ、分かったよ」

私は律を担いで川を渡り出した
流れはそこそこ早かったが、浅い川で思ったより渡るのに苦労はしなかった

律「で、人影を見たのはどこなんだ?」

澪「あっちに行ったよ、追い掛けよう」

律「あぁ」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:08:06.96 ID:XW04vAbXO

――――――

唯「澪ちゃんとりっちゃん見つからないね」

梓「そうですね…」

あれから歩き続けたがなんの成果をあげることもなく、ただ山の中をさまよっただけだった

唯「あっ、雨…」

紬「降ってきちゃったわね、天気予報では晴れだったのに…」

梓「朝は全然雨雲なんてなかったのになんでこういう時に限って降ってくるんですかね」

紬「どこか雨を避けられる場所に移動しましょう」

唯「そうだね、早くしないとびしょびしょになっちゃうよ」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:11:50.65 ID:XW04vAbXO

鞄をカサがわりにして雨の中を歩く
強さを増してきた雨が衣服に染み込み身体を重くする
さっきまで軽かった足どりも重くなっていき体力を奪われる

梓「キャッ…」

激しく音を鳴らして降る雨の中あずにゃんの悲鳴が聞こえて

後ろを見るとあずにゃんがいなくなっていた

唯「あずにゃん?ムギちゃんあずにゃんは?」

紬「分からないわ、いつの間にかいなくなってて…」

まさかと思い私達が歩いていた脇の斜面の下を覗くとそこにあずにゃんはいた



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:14:17.83 ID:XW04vAbXO

唯「あずにゃーん!」

紬「返事がないわね…唯ちゃん下りて梓ちゃんを助けましょ」

唯「うん!あずにゃん!今助けに行くよー!」

雨で滑りやすくなった斜面を慎重に慎重に下りて行く
ゆっくりと時間をかけてあずにゃんの所までたどり着いた

紬「梓ちゃん大丈夫?」

梓「ムギ先輩…ちょっと大丈夫じゃないかもです…体中が痛くて動けません」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:19:04.68 ID:XW04vAbXO

紬「意識はあるわ、よかった…」

唯「ムギちゃんそこに洞穴みたいなのがあるよ、あそこなら雨も凌げるんじゃないかな?」

紬「そうね、あそこまで梓ちゃんを運びましょう。唯ちゃん手伝って」

唯「了解だよ!あずにゃん痛いかもしれないけど我慢してね」

私とムギちゃんは協力してあずにゃんを洞穴の中まで運んだ

ゴツゴツとした真っ暗な洞穴でも雨を避けられることで今の私達にとってはとても快適な空間だった



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:24:07.11 ID:XW04vAbXO

唯「あずにゃん…大丈夫?痛いところは?」

梓「…」

唯「あずにゃん?」

紬「眠ったみたいね」

唯「ムギちゃん!あずにゃん死んじゃったりしないよね!」

紬「体中傷はあるけど、骨折とか大きい怪我はないように見えるし大丈夫よ」

唯「よかったぁ…」

紬「でもいつまでも手当てをしないままにしておくのは良くないわ、
  早く救助がきてくれるといいんだけど…」

唯「そうだよね、雨早くやんでくれないかな…」



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:27:44.98 ID:XW04vAbXO

――――――

平沢家

憂「和さんよかったらお菓子食べますか?」

和「ありがとう。いただくわ」

お姉ちゃんが出掛けて一人留守番の私のために和さんが家にきてくれました

和「憂ちゃんも唯達についていけばよかったのに」

憂「私はいいですよー軽音部の人達の中に入るのもなんか悪いですし」

和「そんなことないわ、みんななら喜んで歓迎してくれたと思うわよ」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:30:25.35 ID:XW04vAbXO

憂「今度なにかあったら私も参加してみようかな」

和「そうしなさいよ、私といるよりは唯といる方がいいでしょ?」

憂「そんなことないですよー和さんも一緒に参加しましょうよ」

和「私は疲れそうだから遠慮しておくわ」

テレビ「………死亡したのはバス運転手の………」

和「それにしても暗いニュースばっかりね」

憂「そうですね」

テレビ「次のニュースです。突然の豪雨で○○山で土砂崩れが発生し……」

憂「えっ…ここってお姉ちゃん達が行ってる山……」



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:34:03.14 ID:XW04vAbXO

和「本当に…?もう夕方になるし唯達ちょっと帰ってくるのが遅いわね」

憂「もしかして何かあったんじゃ…」

和「まさか、雨で電車が遅れたりしてるんじゃない?」

憂「でも、なんか嫌な予感がするんです……私電話してみます」

…………ガチャ

「おかけになった電話は電波の届かないとこ……」

ガチャ

憂「やっぱり電話が繋がらない…」

和「電車の中とかにいて電源切ってるんじゃないの?」



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:37:11.31 ID:XW04vAbXO

『おかけになった電話はでん……』

ガチャ

憂「ほかの皆さんも電話繋がりませんし、
  きっと山で何かあったんですよ!私お姉ちゃんの所に行きます」

和「ちょっと待ちなさい憂ちゃん!まだ何かあったなんて分からないでしょ」

憂「分かります!なんとなくですが分かるんです!
  姉妹だからお姉ちゃんが助けを求めてる気がするんです」

和「落ち着いて!
  もし何かあったとしてもこの雨の中じゃ憂ちゃん一人が行っても危険なだけよ」

和「まずは警察に電話して話してみましょう。
  いつまでも帰ってこなければ捜索隊を派遣してくれるわ」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:40:19.92 ID:XW04vAbXO

憂「そんなの待ってられません!」

和「ダメよ、憂ちゃんをそんな危険なところに行かせられないわ」

和さんが両手を広げて私の前に立ちはだかった

憂「和さん…ごめんなさい!」

和「うっ…」

私は和さんのみぞおちに拳を一発打ち込んだ
映画のみたいに気絶なんてうまいようにいかないけど、和さんはその場にうずくまった

私はその隙に家を飛び出した

大きな通りまで走りタクシーを捕まえてお姉ちゃん達が行っている山へと向かってもらった



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:44:18.37 ID:XW04vAbXO

タクシーの中で何度もお姉ちゃん達の携帯に電話をかけるが繋がることはない

警察にも電話して事情を話しておいた

警察からは大人しく待つように言われたが、お姉ちゃんが危険な時に待ってなんていられない

山の近くまできてタクシーをおりよう思った時にようやく財布を持ってきてないことに気付いた

悪いと思いながら運転手の隙を見てタクシーを飛び出し山の中へと逃げた

憂「ごめんなさい…お金は帰ったら必ず払います…」

私はタクシーの方へ謝罪をして
お姉ちゃん達を捜すために大雨の山を登り始めた



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:48:14.48 ID:XW04vAbXO

――――――

唯「すっかり夜だね、真っ暗でなにも見えないや」

紬「そういえば、懐中電灯をもってきてたわ」

唯「ムギちゃんナイスタイミングだよ!」

懐中電灯の光で洞穴の中が明るく照らされる
今まではよく見えなかったけど、かなり大きな洞穴でまだまだ奥が深いみたいだった

唯「ムギちゃん懐中電灯貸して私ちょっと奥の方を見てくる」

紬「えっ!危ないわよ。唯ちゃん」

唯「でも、奥から風が吹いてきてる気がするし…もしかしたら反対に繋がってるんじゃないかな?」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:51:10.79 ID:XW04vAbXO

紬「そう言われてみると風が吹いてきてる気がするわね」

唯「でしょ!だから私見てきてみるよ!」

少し強引にムギちゃんから懐中電灯を取り洞穴の奥へと進んだ

デコボコしていて歩きにくかったが、進んでいくと出口が見えた

唯「やっぱりトンネルになってたんだ!」

出口から外に出るとすぐそこに道路があるのが見えた

唯「道路があるってことは車が通るかもしれない!
  助かった!急いでムギちゃんを呼びに行かなきゃ」



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:55:36.41 ID:XW04vAbXO

唯「ムギちゃーん!洞穴の先に道路があったよー」

紬「本当!?」

唯「うん!道路に出れば車も通るかもしれないし人がいる所に続いてるはずだよ」

紬「これでやっと帰れるのね…」

唯「うん!あずにゃん!もうすぐだからね」

私とムギちゃんはあずにゃんを担いで洞穴を通り抜けて反対側へと出た


出た先の道路を二人の人が歩いてるのが見えた

唯「あれ澪ちゃんとりっちゃんだよ!おーい!」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:59:15.76 ID:XW04vAbXO

唯「あっ!二人とも手を振ってる!こっちに気付いたみたいだよ!」

紬「よかったわ、みんな無事だったのね」

道路へと下りた私達を澪ちゃんとりっちゃんが迎えてくれた

律「みんな無事だったんだな!」

唯「二人とも大丈夫みたいでよかったよぉ…心配したんだよ~」

律「私がちょっと足くじいたぐらいだから心配いらないよ」

澪「梓どうしたんだ?」

紬「怪我しちゃったんだけど今は眠ってるだけ、大丈夫よ」

澪「そうか、よかった…」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:02:30.07 ID:XW04vAbXO

再会を喜ぶ私達の所へ遠くから車のライトが近づいてくるのが見えた
車に停まってもらおうとみんなで手を振る

走ってきたのはどこか見慣れたようなバスだった
バスは私達の前で止まりドアが開くと中から一人の女の子が下りてきた

憂「お姉ちゃん!」

唯「えっ!?うい~!なんでこんな所にいるの!?」

憂「お姉ちゃん達の帰りが遅いから心配で山まできたんだよ!
  そしたら途中でこのバスに乗せてもらったんだ」

澪「憂ちゃんの唯への愛はすごいな…」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:05:51.22 ID:XW04vAbXO

憂「もうお姉ちゃんに会えないんじゃないかって思ったよ…これでまたずっと一緒だね」

唯「もう憂は心配性だなぁ…」

律「それより早くバスに乗ろうぜー、私はもうくたくただよ…」

紬「そうね、私も梓ちゃんを運んできて疲れたわ」

澪「帰れるって安心したら急に疲れがきたな」

運転手に会釈をしてバスに乗り込むと中には私達のほかに女性と子供が乗っていた

唯「そういえば、このバスってどこに行くの?」



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:08:29.27 ID:XW04vAbXO

憂「この先にある宿に行くんだって」

紬「そこに着いたら電話あるわよね、みんな家に連絡しないとね」

澪「そうだな、で今夜はその宿に泊まりかな…って部屋は空いてるのか?」

運転手「部屋はいつも空いてるから大丈夫だよ」

澪「ひっ…!」

憂「だそうです」

律「急に運転手しゃべるからビックリした…」

唯「澪ちゃん大丈夫?」

澪「大丈夫だよ!ちょっとビックリしただけだ!」

紬「空いてるなら宿は大丈夫そうね、よかったわ」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:10:20.49 ID:XW04vAbXO

しばらく山道を走ると古い建物の前でバスは停車した

唯「着いたみたいだね、あずにゃんは私がおんぶしていくねー」

澪「そうだ運賃払ってないな、えっといくら払えばいいんだ…」

運転手「もう貰ってるからいいですよ」

澪「え…?」

そう言って運転手はバスを下りて行く
それに続いて女性と子供もバスを下りて行った

律「誰かお金払ったのか?」

紬「誰も払ってないと思うわ」

唯「あの人達も払ってないし、いいんじゃないの?」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:15:44.27 ID:XW04vAbXO

律「そうだな、サービスってことなんだろう」

澪「そうなのか?もらってるって言ってたけど、何も払ってないし…」

憂「まぁ、いいって言ってるんだから気にしなくていいじゃないですか?早く行きましょう」

澪「そうか…?」

紬「そうよ、みんなも疲れてるし早く行きましょう」

律「温泉とかあるかな?風呂に浸かりたいぜ」

唯「澪ちゃん気にしない気にしない!
  今日はいろいろあって疲れてるんだから考え過ぎない方がいいよ」

澪「そ、そうだな…」

唯「じゃあ早く中に入ってゆっくり休もう」


終わり



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:18:05.33 ID:hiGgMd0W0

運賃=体
洞窟=あの世への道
梓=眠った時点で死亡
でOK?




74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:25:42.02 ID:XW04vAbXO

>>67
梓はただ眠ってただけってことで
洞窟を通るのと川渡るのがあの世への道
運賃はその通りで

あとはメイン六人を六道に当てはめたりしたかったけど、そんな器用なことできなかった



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:27:54.66 ID:XW04vAbXO

憂は書いてないけど、大雨の山で………ってことでお願い



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:30:47.52 ID:XW04vAbXO

あと人身事故で死んだのは母と子をバスでひいた運転手って設定で
これくらい



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:28:01.44 ID:hiGgMd0W0

>>74
やっぱ
そうか、ホラーだな
川とガールズトークで気づいた



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:29:06.26 ID:hiGgMd0W0

>>1
楽しかった





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タイトル:
NO:6287 [ 2012/04/14 20:43 ] [ 編集 ]

後付けで補完はカッコ悪い…

タイトル:
NO:6495 [ 2012/05/17 22:39 ] [ 編集 ]

2週め読んだら背筋が凍りついた。こええwww

タイトル:承認待ちコメント
NO:6754 [ 2013/03/01 10:30 ] [ 編集 ]

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