SS保存場所(けいおん!) TOP  >  クロス >  唯「ゲッターロボ!」#5

お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






唯「ゲッターロボ!」#5 【クロス】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320490601/

唯「ゲッターロボ!」#index




348 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:29:38.69 ID:4Mq6VhXI0

再開します。



349 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:30:41.61 ID:4Mq6VhXI0

唯「ゲッターロボ!」第三話





350 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:35:12.04 ID:4Mq6VhXI0

人類の生活の場、地上より遥か地の底。

恐竜帝国の本拠地 マシーンランドの宮殿内。

帝王ゴールの執務室において今、

ゴールは腹心のバット将軍より、先の作戦が失敗に終ったとの報告を受けていた。


ゴール 「そうか・・・不首尾に終ったのか・・・」

バット 「はい、申し訳ございません・・・」

ゴール 「ゲッターという虎にもう一頭の虎をけしかける、二虎共食の計・・・終ぞ成らず・・・か」

バット 「は・・・」

ゴール 「ゲッターロボにゲッターロボを差し向ける作戦、魅力的な策ではあったが・・・しかし」



351 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:37:01.25 ID:4Mq6VhXI0

ゴール 「失敗した以上、マシーンランドの所在は人類に知られてしまったであろうな」

バット 「は・・・おそらくゲッターの反応を元に割り出されているものかと・・・」

ゴール 「ならば・・・最後の策に賭けねばなるまい・・か・・・」

バット 「・・・遺憾ながら」

ゴール 「例の機体、もう完成していような」

バット 「はい。敷島めが持ち込んだ旧ゲッターのデータを解析し、
      建造を急がせておりましたので。いつでも出撃できます」

ゴール 「そうか」

バット 「しかし・・・その乗り手ですが・・・」

ゴール 「余が乗ろう」

バット 「・・・!いけません!それは、それだけは・・・」

ゴール 「いや、余にしか乗りこなせまい。余が乗る事により、あれは最大の力を発する事ができる」

バット 「しかし、あれに乗り込むということは、すなわち乗員の身体を・・・」

ゴール 「バットよ・・・」

バット 「は・・・」



352 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:38:19.68 ID:4Mq6VhXI0

ゴール 「余の出撃と同時にマシーンランドがいつでも発進できるよう、準備を整えておくように」

バット 「はい・・・」

ゴール 「余が勝利した暁には地上に上がり、人類の残存戦力を駆逐し、地上を制圧せよ」

バット 「はい、陛下・・・」

ゴール 「しかし、万が一にも余が敗れし後は・・・」

バット 「・・・」

ゴール 「地底に逃れ休眠を迎えよ。雌伏し、再び地上に上がる日に備え力を蓄えるのだ」

バット 「陛下・・・陛下・・・っ」

ゴール 「娘、ジャテーゴの養育の件、全て卿に任せる。見事、次代の帝王に相応しく育て上げてくれ」

バット 「・・・はっ、このバット、身命を賭しまして」

ゴール 「このゴール、心より礼を言うぞ。これで、心置きなく出撃できる」

バット 「うう・・・も、もったいないお言葉・・・」

ゴール 「・・・戦いの渦中、非業に斃れし臣民たちの英霊よ。どうか余を導いておくれ・・・」


ゴール 「そして人類よ、ゲッターロボよ!
      恐竜帝国の帝王が力、恐怖の烙印と共に、その身に刻み込んでくれようぞ!」



353 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:39:35.80 ID:4Mq6VhXI0

・・
・・


敷島の襲来より三日がたった。


傷心の唯は今、琴吹重工の宿舎内にあてがわれた部屋で一人、悲しみと自責の念に囚われていた。

己が戦いを選んだから。和の友であり憂の姉であったから。

大切な二人を戦いに巻き込み、あまつさえ死なせてしまった・・・!

重すぎる現実。

たかだか16歳の少女に過ぎない唯にとって、突きつけられたその現実は、あまりに酷な物であった。

そう、周囲の心配をよそに、部屋に引きこもってしまうほどに・・・!!


今、唯は夢の中にあった。

泣き疲れ、心も体もクタクタになっていた唯は、一時の眠りに癒しを求めたのだ・・・

そして・・・


唯 「いつもの夢の中・・・」

唯 「ユイ・・・ユイ・・・どこにいるの?」



354 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:41:08.89 ID:4Mq6VhXI0

唯 「・・・」

唯 「ううん・・・やっぱり出てこないで。今は私、ユイとお話したくない・・・」

ユイ 「唯ちゃん」

唯 「・・・」

ユイ 「あのね・・・聞いてほしい事があるの。
     和ちゃんや憂ちゃんの事・・・そして、これからの戦いの事・・・」

唯 「安心してよ」

ユイ 「え・・・」

唯 「私、キチンと戦うよ。だから、今はそっとしておいて」

ユイ 「・・・」

唯 「だって、ユイには分かってるんでしょ?私が戦い続ける事も、何もかも・・・」

ユイ 「唯ちゃん・・・」

唯 「私がゲッターに乗ることも、それが原因で和ちゃんと憂が死んじゃう事も。そして・・・」

唯 「私には意味が分からないけど、その事が恐竜帝国への勝利に繋がる事。
    こうなる事、すべて、お見通しだったんでしょ?」

ユイ 「・・・」

唯 「ぜんぶ仕組まれたとおりに動かされていたんだよね、私。

   だから、今さら悲しいからって
   ゲッターユイから降りられない事くらい、ちゃんと分かってる・・・」

ユイ 「・・・」



355 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:42:27.81 ID:4Mq6VhXI0

唯 「な、なんでそんな悲しい顔をするの?私がこう言う事も、どうせ分かっていたんでしょ!?」


? 「だめよ、唯。そんな言い方をしては」


唯 「え・・・」

和 「唯」

憂 「お姉ちゃん」

唯 「和ちゃん!それに憂も・・・!ど、どうしてここに?死んじゃったんじゃなかったの!?」

和 「あいかわらずのあわてんぼうさんね、唯。ユイはきちんと説明してくれたはずでしょ」

憂 「私たちを”生かす”ことはできるって。
   だからお姉ちゃん、私たちをゲッターユイに取り込んだんじゃないの?」

唯 「そ、それはそうだけど・・・」



356 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:48:34.38 ID:4Mq6VhXI0

和 「私たちは生きている。ただ、少しだけ。存在のありようが変わってしまっただけ」

憂 「お姉ちゃんが言ったんだよ、”三人一緒になろう。ずっと、一緒にいよう”って」

和 「だから、そのとおりになった」

憂 「何も変わらないよ、お姉ちゃん。今までもこれからも、私たちはずっといっしょ」

唯 「うう・・・和ちゃん・・・憂ー・・・」

和 「ごめんなさいね、唯。
   私は愚かだったわ・・・そのために、あなたをとても苦しめる結果になってしまった」

唯 「そんなの・・・和ちゃんは私のために、私の事を思ってくれて・・・」

和 「うん・・・でもね、今。
   ゲッターと一つになることができて、私はいろいろな事が分かるようになったの」

憂 「なぜ私たちが、ゲッターに取り込まれたのかも。全てが理解できる」

唯 「え・・・」



357 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:52:59.69 ID:4Mq6VhXI0

和 「唯、最後の戦いが始まるわ」

憂 「敵はとても強大だよ。お姉ちゃん一人のゲッターユイじゃ、とても歯が立たない」

和 「本来ゲッターは三人乗り。
   だけど、唯ほどの力を持ったパイロットなんて、そうそう見つかるはずもないわ」

憂 「だからね、私たちがゲッターと一つになったの。旧ゲッターロボのゲッター炉心と共に」

和 「そうする事によって、後天的にゲッターに相応しいパイロットを造り上げたってわけ」

唯 「そんな、それじゃ・・・それがユイの言ってた、敵への勝利に繋がるって事なの・・・?」

和 「悲しまないで、唯」

唯 「そんなこと言ったってぇ・・・」



358 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 21:56:46.03 ID:4Mq6VhXI0

憂 「私たちは死んだんじゃない。元の形に戻るだけ。生物以前のものに・・・」

和 「唯、何も心配はいらないわ。全ては元の空間に戻っただけなのだから」

憂 「そう、全ては一つに・・・」


すっ


唯 「・・・あ、和ちゃん?憂・・・?」

ユイ 「・・・」

唯 「ユイ・・・」

ユイ 「私はあなたを導く。それがゲッターの意志だから。だけど・・・」

ユイ 「私が導き出した答えを掴むかどうかは、全てが唯ちゃん次第。だってね・・・」


ユイ 「唯ちゃんの想いもまた、ゲッターの意志なのだから・・・」



359 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:00:53.09 ID:4Mq6VhXI0

・・
・・


琴吹重工宿舎内休憩所


隼人 「お嬢。平沢唯はあいかわらずか?」

紬 「ええ・・・お部屋にこもったきり。食事にもほとんど手をつけてくれなくって・・・」

隼人 「無理もないな・・・
     自ら友達を手にかけてしまったんだ。今はそっとしておくより他はあるまい」

紬 「・・・辛いわ。本当に私にしてあげられることはないのかしら」

紬 「私にしてあげられたのは、
   憂ちゃんの温もりが残る家に帰りたくないって言う唯ちゃんのために、
   お部屋を用意した事くらい・・・」

隼人 「そのこと・・・妹や真鍋和の件は、彼女の友達に説明したのか?」

紬 「言えるはずないじゃない・・・」

隼人 「・・・そうか。では、急に平沢唯と会うことができなくなって、さぞ心配している事だろうな」

紬 「合宿が中止になったって伝えた時に、
   作戦上しばらく忙しくなるから・・・と誤魔化してはおいたんだけれど・・・」

隼人 「いつまでも誤魔化せるものでもない。そう遠からず、全て知られてしまうだろうよ」

紬 「ですよね・・・」

隼人 「・・・」



360 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:06:04.00 ID:4Mq6VhXI0

竜馬 「甘ぇんだよ・・・」ぼそっ

紬 「え・・・」

竜馬 「俺たちは戦争をやってるんだぜ。誰かが死ぬのは当たり前だ。
     それが今回は、たまたまヘアピンの関係者だったってだけの話だろう」

紬 「なっ・・・」

隼人 「おい、リョウ・・・」

竜馬 「次は誰が死ぬか分からない。俺か?隼人か?もしかしたらマユゲかも知れねぇ」

竜馬 「戦いが続く限り、誰かが傷つき死んでいくんだ。
     そのたびに感傷にふけっていたら、体がいくつあったって足りやしない」

紬 「あなた・・・良くそんなこと言えるわね。
   唯ちゃんはつい最近まで戦いとは無縁の生活を送っていたのよ」

紬 「そんな彼女がみんなのためにゲッターに乗ってくれた。
   だけど、それが友達を失う原因になってしまって・・・」

紬 「その事がどれだけ唯ちゃんを苦しめているのか、あなたには考えられないの!?」

竜馬 「考えたくもねぇな」

紬 「ひ、人でなしっ!」

竜馬 「・・・」



361 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:08:28.30 ID:4Mq6VhXI0

隼人  「リョウ、やめろ。お嬢も少し落ち着いてくれ」

竜馬 「・・・不安があるなら戦いからは身を引く事だ。
     よけいな感傷で足を引っ張られるのはゴメンだぜ」


すたすた


紬 「・・・なんて人なの。言葉使いは乱暴だけど、悪い人じゃないって思ってたのに・・・」

隼人 「お嬢・・・」

紬 「唯ちゃん、流さんのことを信頼してたのに・・・あれじゃあんまりだわ・・・」

隼人 「お嬢、リョウを悪く思わないでやってくれ。
     あいつはおそらく、誰よりも平沢唯の気持ちを理解しているはずさ」

紬 「何を言ってるの・・・?」

隼人 「平沢唯が親友と妹を手にかけた様に、リョウは戦友の武蔵を殺している」

紬 「・・・あ」

隼人 「直に殺したわけではないが、武蔵の死の原因を作ったのは間違いなくリョウだ」

隼人 「今の平沢唯は、まさしくあの時のリョウそのものなのさ。
     少なくとも、リョウにはそう見えている」



362 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:09:42.56 ID:4Mq6VhXI0

紬 「だったら・・・だったら、何もあんな言い方することないじゃないですか」

隼人 「不器用なのさ」

紬 「どういうこと・・・?」

隼人 「あいつは後の事は全部引き受けるつもりで、戦えないならゲッターから降りても良いと・・・」

紬 「え・・・」

隼人 「そう、平沢唯に言ってやりたいんじゃないかな」

紬 「流さん・・・」

隼人 「言葉を選ぶことができない奴だからな、あの朴念仁は」


弁慶 「おお、隼人に紬ちゃん。ここにいたか」どてどてどて


隼人 「どうした、弁慶。そんなに慌てて」

弁慶 「通信室に早乙女研究所から連絡が入ったんだ。二人とも一緒に来てくれ」

紬 「なにかあったんですか?」

弁慶 「・・・恐竜帝国の本拠地が判明したらしい・・・」

隼人・紬 「!!」



363 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:16:24.46 ID:4Mq6VhXI0

・・
・・


唯の部屋。


こんこん


唯 「・・・ん?」


こんこんこん


唯 「あ・・・私、いつの間にか眠っちゃってたみたい・・・」

唯 「・・・」

唯 「私自身がゲッターの意志・・・?」

唯 「和ちゃん・・・憂・・・私・・・」


こんこんこん


竜馬 「ヘアピン、起きてるか?」

唯 「・・・あ」

竜馬 「いるんだろ?その・・・開けてくれないか?」

唯 「リョウさん・・・?」



364 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:23:26.41 ID:4Mq6VhXI0

竜馬 「ああ・・・」

唯 「ごめんね、ウトウトしてたの。ちょっと待ってね」


がちゃ


唯 「・・・」

竜馬 「・・・よぉ」

唯 「どうぞ・・・」

竜馬 「ああ、邪魔するぜ」

唯 「適当にかけて?今、お茶煎れるね」

竜馬 「あ、ああ・・・」


こぽこぽ・・・


竜馬 (なんて顔だ。三日三晩泣きあかしたってのがバレバレだぜ。目まで真っ赤にして・・・)

唯 「どうぞ」

竜馬 「悪いな」



365 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:26:16.75 ID:4Mq6VhXI0

唯 「・・・で?」

竜馬 「・・・ん?」

唯 「なにか用事があってきたんじゃないの?」

竜馬 「・・・まぁな」

唯 「ん・・・聞くよ?」

竜馬 「俺は口下手だ」

唯 「うん」

竜馬 「あれこれ相手の事を考えて、言葉を選べるようには、あいにくと頭の方ができていねぇ」

唯 「知ってる」

竜馬 「それ、踏まえて聞いてくれ」

唯 「うん」

竜馬 「これからも戦えるか?」

唯 「・・・」

竜馬 「もしこれからの戦いに戸惑いがあるんだったら、足手まといだ。ゲッターを降りろ」



366 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:28:49.65 ID:4Mq6VhXI0

唯 「・・・」

竜馬 「・・・」

唯 「ぷっ・・・あははっ」

竜馬 「なっ、何がおかしい!」

唯 「だってー・・・リョウさん言ったじゃん。一度ゲッターに乗ったら、もう後戻りはできないって」

竜馬 「それは・・・確かに言ったが」

唯 「だったら私、戦うしかないんじゃん?」

竜馬 「そうだ・・・一度ゲッターに関わり魅せられた者は、
     もう二度とゲッターから逃れる事はできねぇ」

竜馬 「・・・俺がそうだったように」

唯 「リョウさんが・・・?」

竜馬 「・・・武蔵のことは知ってるよな」

唯 「うん。ゲッター3のパイロットで、恐竜帝国との戦いで亡くなったんだよね」

竜馬 「あいつを殺したのは、この俺だ」

唯 「え・・・」

竜馬 「・・・」

唯 「じょ、冗談だよね?」



367 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:29:31.80 ID:4Mq6VhXI0

竜馬 「・・・あの時の俺は、記憶喪失にかかっていてな」

唯 「記憶喪失・・・リョウさんが・・・?」

竜馬 「敵との戦いで頭を打って、一時的にな。
     武蔵はそんな戦えない俺の代わりに、たった一人で出撃したんだ」

唯 「・・・」

竜馬 「奴は俺や研究所の皆を救うため、自爆して果てた。
     俺がしっかりしていれば、防げた死だったんだ」

唯 「リョウさん・・・」

竜馬 「記憶を取り戻した俺は、ゲッターを降りる決心をした。
     仲間を死なせた俺に、ゲッターに乗る資格なんざ無い。そう思ったから・・・」

竜馬 「だが・・・ダメなんだ。俺はゲッターから離れる事ができなかった」

唯 「どうして?」

竜馬 「俺は戦う事しかできない人間だ。他に生き様を見出す事もできない。
     すでに俺にとっては、ゲッターこそが全てになっていたんだ」

唯 「・・・」

竜馬 「だがな・・・お前は違うだろう?」

唯 「え・・・」

竜馬 「お前には大切な友達も居場所もあるし、
     ゲッターに拘らずともいくらでも他に進むべき道がある」

唯 「軽音部・・・学校のみんな・・・」

竜馬 「一度ゲッターと関わった者が、そう簡単にゲッターを降りられるはずも無い。
     だがな、お前が戦いをこれ以上望まないのなら・・・」


竜馬 「お前の抜けた穴くらい、俺が幾らでも埋め合わせてやる」


唯 「・・・あの時の武蔵さんみたいに?」

竜馬 「・・・」



368 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:30:33.79 ID:4Mq6VhXI0

唯 「そして、リョウさんも死んじゃうの?」

竜馬 「それは・・・」

唯 「ありがとう、リョウさん。リョウさんって、やっぱり優しいね」

竜馬 「ば、違う・・・俺はただ、覚悟のできてない奴に足を引っ張られたくないだけだ・・・!」

唯 「嘘ばっかり」

竜馬 「・・・ぐっ」

唯 「戦えるよ」

竜馬 「え・・・」

唯 「戦える。今、私が戦う事を止めちゃったら、
   和ちゃんや憂がああなっちゃった事、全てがムダになっちゃうんだもん」


唯 (そう、私は逃げちゃダメなんだ。負けられない、最初に戦うって決めた時、そう誓ったんだもん)

唯 (ね、そうだよね和ちゃん。それで良いんだよね、憂)

唯 (・・・ユイ)


竜馬 「ヘアピン・・・」



369 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:32:02.18 ID:4Mq6VhXI0

唯 「次の戦いが、最後の戦いになるんだって」

竜馬 「なに・・・!?」

唯 「全てはそのために必要な事だったって、ユイが言ってたの」

竜馬 「唯・・・お前・・・が?」

唯 「ああ、ユイってのはね。んー・・・?ゲッターの意志って・・・リョウさん知ってる?」

竜馬 「ゲッターの意志・・・マユゲが言ってた、ゲッター線にも意志があるという、あれか」

唯 「うん。その意志が私に話しかけてくる時にね、私と同じ姿で現れるの。
   だから、私は彼女のことをユイって呼んでるんだ」

竜馬 「そんなことが・・・信じられないが・・・そいつが次の戦いが最後だと、お前に言ったのか?」

唯 「うん。だからね、がんばって勝ってね。そんで、戦いを終らせなくちゃダメなんだ。
   私と一つになった、和ちゃんや憂もそれを望んでるから」

竜馬 「・・・?」

唯 「えへ」

竜馬 「・・・驚いたぜ」

唯 「へ?」

竜馬 「お前・・・ずいぶんと強くなったな」

唯 「そ、そうかな?えへへ、女の子ってね、いざとなったら男の子なんかより、ずっと強いんだよ」

竜馬 「そうかもな」

唯 「うん・・・」

竜馬 「・・・」

唯 「・・・」


隼人 「あー、お二人さん。ちょっとお邪魔していいかな」こんこん、がちゃっ


唯 「ひゃっ」

竜馬 「な、なんだ隼人!急に出て来て驚かせるんじゃねぇ!」



370 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:32:51.09 ID:4Mq6VhXI0

隼人 「急も何も、ノックをしただろうが。まぁ、そんな事よりもだ」

竜馬 「なにかあったのか?」

隼人 「敵の本拠地が判明した」

竜馬・唯 「!」

隼人 「今度はこっちから攻めて行くぞ。
     というわけで、これから作戦会議だ。ブリーフィングルームに集合だぜ」

竜馬 「最後の戦いって、このことか・・・ヘアピン・・・」

唯 「・・・うん」

隼人 「・・・?」

唯 「あ。私、寝起きだったから顔洗って行くね。二人とも、先に行っててもらえるかなぁ」

竜馬 「あ、ああ。わかった」

隼人 「それじゃ、後でな」


ばたん


唯 「・・・」

唯 「うん、ちょっと元気出てきた」

唯 「いつまでも引きこもってるわけにはいかないしね・・・さ、顔あらっちゃおう」


竜馬の不器用な優しさ。

それに不思議な安らぎを感じながら、唯は顔を洗うために重くなっていた腰を上げたのだった。



371 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 22:33:40.16 ID:4Mq6VhXI0

次回へ続く!



373 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 22:55:08.34 ID:gR32P0p90

みなさん、あけましておめでとうございます。

それでは再開します。



374 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 22:55:58.76 ID:gR32P0p90

・・
・・


廊下。


隼人 「彼女、思ってたより元気そうだったな」

竜馬 「あいつは強いよ。俺たちが思っていたより、ずっとな」

隼人 「それと、お前に力づけられたからかな?」

竜馬 「はぁ・・・?」

隼人 「くっく・・・ずいぶんと平沢唯にご執心のようじゃないか、硬派の竜馬さん?」

竜馬 「な、何を訳の分からない事を言ってやがる・・・
     俺はただ、戦えないならゲッターから降りろと、そう言いに行っただけだ」

隼人 「優しいな。放っておけなかったんだろう?」

竜馬 「そりゃ、否定はしねぇよ」

隼人 「惚れたか?」

竜馬 「・・・!?」



375 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 22:57:21.60 ID:gR32P0p90

隼人 「放っておけないというのは、つまりはそういうことだろう?」

竜馬 「違う!俺は、あいつが危なっかしくって、
     目が離せなくなったというか・・・その、つまりだな!」

隼人 「そういうの、世間一般では惚れたって言うんじゃないのかね」

竜馬 「なっ・・・」

隼人 「俺は嬉しいぜ。お前さんは女の事となるとからっきしだったから、
     もしや変な趣味でもあるんじゃないかと気が気じゃなかったんだ」

竜馬 「隼人・・・お前、楽しんでるだろう」

隼人 「ふ・・・」

竜馬 「てめぇ、覚えてろよ。敵の親玉の後は、てめぇをのしてやるからな」

隼人 「受けて立つぜ。思えば、”隼人の校舎”での決着も、まだ着いてなかったからな」

竜馬 「その分も上乗せして、地べた舐めさせてやる」

隼人 「楽しみにしてるぜ。俺との決着もお前の色恋沙汰も、
     すべては戦いに勝ってからだ。気合入れていくぜ」

竜馬 「色恋って・・・だからっ、そんなんじゃねぇって!」



376 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 22:59:31.17 ID:gR32P0p90

・・
・・


ブリーフィングルーム。


本来は琴吹重工の重要案件を議題する時に使われる、特別会議室である。

今は施設自体がゲッターチームの基地となっているために、

一時的にブリーフィングルームとして使用されていた。


唯 「は、入りまーす」がちゃっ


そこの扉をおずおずと開け、顔を覗かせたのは平沢唯である。


唯 「こ、こんちわぁー・・・」こそっ

紬 「唯ちゃん!」

唯 「あ・・・あはは・・・ムギちゃん、お久しぶり」

紬 「・・・うん、お久しぶり。体調はどう?具合悪いところとかは無い?」

唯 「うん・・・」

紬 「そっか」

唯 「あのね、ムギちゃん。その・・・心配かけさせちゃって、ごめんね」

紬 「ううん。一番つらいの、唯ちゃんだもの。だから良いの。私の心配なんて、どって事ない」

唯 「うん、ありがとね」

紬 「唯ちゃん、酷なこと聞くけれど・・・だいじょうぶ?戦える?」

唯 「うん、あのね。その事なんだけど・・・」


隼人 「そろそろ良いか?説明を始めたいのだが」


唯 「あ、ごめんなさい!ムギちゃん、この話は後で私の部屋ででも、ね」

紬 「う、うん」



377 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:04:37.37 ID:gR32P0p90

唯 「それじゃ席は・・・えーっと・・・じゃあ私、リョウさんの隣っ」ちょこん

竜馬 「!」

唯 「えへへ」

竜馬 「・・・おう」

唯 「・・・ん?」

竜馬 「な、なんだよ」

唯 「リョウさん、ほんのり顔が赤い」

竜馬 「・・・!」

唯 「風邪でも引いちゃった?」

竜馬 「き、気にするな・・・それよりも今は、作戦会議に集中だ」

唯 「うん・・・?」

竜馬 (ち・・・どうも調子がでねぇ。隼人のやろうがくだらねぇこと言うから・・・!)
 
隼人 「では、はじめようか・・・早乙女博士から送られてきた情報を元に俺から説明を・・・
     て、なに睨んでんだ、竜馬」

竜馬 「何でもねぇよ」

隼人 「そうか・・・?」



378 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:06:11.20 ID:gR32P0p90

竜馬 「とっとと本題行くぜ。敵の本拠地を突き止めたってな。
     だが、その根拠は確かなものなのか?一体どうやって見つけたんだ?」

隼人 「まぁ、言うなれば敷島の置き土産といったところか」

竜馬 「?」

隼人 「事のきっかけは前回の戦いによる。
     恐竜帝国に亡命した敷島が、敵の本土よりゲッターロボを発信させた事・・・」

弁慶 「それが・・・?」

隼人 「わからねぇか?つまりだな」

唯 「ゲッター反応だね」

竜馬 「え・・・」

隼人 「・・・平沢唯」

唯 「ゲッターエネルギーの塊であるゲッターロボを発進させれば、
    当然その場所には反応の痕跡を残す」

唯 「その痕跡を元に、敵本拠地を割り出したんだね。
   ゲッター線の研究には人類の方に一日の長があるもの」

紬 (和ちゃん・・・?)

竜馬 「ヘアピン、お前・・・」



379 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:07:50.88 ID:gR32P0p90

隼人 「そ、その通りだ。敵の本土は自由に移動ができる人工要塞のようだが、
     一度痕跡を発見したからには、どう移動しようが見失いはしない」

唯 「でも・・・」

隼人 「なにか気になることでも?」

唯 「敵だって、ゲッターを手駒に使った以上、
   こちら側に居場所を知られる事は覚悟していたに違いないよね。だったら・・・」

隼人 「驚いたな、ご明察だ」

紬 「・・・」

唯 「やっぱり・・・」

弁慶 「なに、なに・・・?どういうこと・・・?」

隼人 「敵の本拠地にさらにもう一点、強大なゲッター反応が観測されたんだよ」

唯 「つまり、敵はもう一体べつのゲッターを持っていて・・・」

隼人 「俺たちが来るのを万全の体制で待ち受けている」

弁慶 「そうか・・・つまり次の戦いは攻める俺たちも、攻め込まれるハチュウ人類側も・・・」

唯 「どちらが勝っても、それが最後の戦いになる・・・という事だね」



380 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:09:33.36 ID:gR32P0p90

紬 「待って・・・敵にゲッターロボがいるという事は、
   まだ他にもハチュウ人類側に寝返った人間がいるっていうことなの?」

隼人 「そいつはなんとも言えねぇが・・・」

唯 「仮にいたとしても」

紬 「唯ちゃん?」

唯 「今度こそは、その人を助けて見せる。
   もうこれ以上、この戦いで悲しい想いをする人を増やしたくない」

竜馬 「ヘアピン・・・」

紬 「うん・・・」

隼人 「そうだな」

弁慶 「で、敵の本拠地の場所は?」

隼人 「いまスクリーンに出す。ここが早乙女博士から送られてきた、敵の本拠地の所在だ」


ぴっ


竜馬 「・・・地底の大空洞、か」



381 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:10:42.48 ID:gR32P0p90

隼人 「先述したように、奴らのアジトは自由に移動できる。
     しかし、この大空洞を拠点として活動している事は間違いないそうだ」

竜馬 「よし、そこに行き、敵のゲッターをぶっ壊し、
     奴らのねぐらをフッ飛ばしちまえば、この戦いは終るんだな」

隼人 「そういうことだ。敵が次の手に出ないうちに、決着をつけるのが好ましい。
     作戦決行は急だが明朝の開始とする」

弁慶 「異議は無いぜ。なぁ、唯ちゃん」

唯 「うん」

隼人 「では解散だ。今夜はゆっくり休み、明日に備えて鋭気を養っておいてくれ」



382 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:13:22.25 ID:gR32P0p90

・・
・・


唯の部屋!

会議後、紬は唯と話しをするために、彼女の部屋を訪れた。

紅茶の乗ったテーブルを挟み、差し向かって腰を下ろした二人。

不安げにも最初に口を開いたのは、紬の方だった。


紬 「さっきの唯ちゃん、ビックリしちゃったわ」

唯 「えー、なにが??」

紬 「敵の本拠地を発見できた理由。
   あんなに的確に言い当てるなんて・・・まるで唯ちゃんじゃないみたいだった」

唯 「うん?」

紬 「気を悪くしないでね・・・私にはね、まるで和ちゃんが話しているように聞こえたの」



383 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:14:26.73 ID:gR32P0p90

唯 「・・・」

紬 「ご、ごめん」

唯 「ううん、ムギちゃん当たり」

紬 「・・・」

唯 「今の私の中にはね、ゲッターユイを通して流れ込んできた、和ちゃんと憂が宿っているの」

紬 「宿っている・・・?」

唯 「うん。今ここにいるのは私の体一つだけれど、その中には三人の意志が宿っている・・・」

唯 「ううん、ユイも含めて四人かな」

紬 「四人の意識が唯ちゃんの体を借りて、思考したり話したりしているって言うの?」

唯 「そういうのともちょっと違う。
   私も全部が分かったわけじゃないんだけれどね。全ての物は元々が一つなんだって」

唯 「だからね、私と和ちゃんと憂は、元の一つに戻っただけなの。生物以前のありように・・・」

紬 「唯ちゃん・・・」



384 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:15:27.29 ID:gR32P0p90

唯 「それでも私は体を持った普通の女の子だから・・・
   やっぱり実体としての和ちゃんと憂が消えてしまった事が、すごく悲しい」

唯 「だけど・・・だからってそこで立ち止まってちゃダメなんだよね。
   ね、ムギちゃん。さっき私に、戦えるかって聞いたでしょ?」

紬 「うん」

唯 「戦えるじゃなくって、戦わなくっちゃいけないんだ。
   その戦いに備えて、和ちゃんと憂は私と一緒になったんだから」

紬 「え、それってどういうこと・・・?」

唯 「もう一つ」

紬 「え・・・」

唯 「敷島博士が人間を裏切って、
   和ちゃんと憂をゲッターロボのパイロットにした事によって、恐竜帝国の場所がわかった」

紬 「そ、そうね」

唯 「そうなるように、最初っから決まっていたんだよ」

紬 「・・・!?」

唯 「和ちゃんたちの事も敷島博士の裏切りも、
   それによって暴かれた敵の本拠地も。偶然のめぐり合わせなんかじゃない」

唯 「ゲッターの意志に仕組まれていたの」

紬 「っ!」



385 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:16:56.82 ID:gR32P0p90

唯 「ね・・・?だから私は戦わなくちゃならないんだ」

紬 「唯ちゃん・・・私・・・こんな事になるなんて・・・」

唯 「良いの。ムギちゃんは人類を、私たちみんなを助けたい。
   その一心で行動していたんだものね。私、ちゃんと分かってるよ」

唯 「それに、ユイが言ってた。
   私を導くのはゲッターの意志でも、それを選択するのは私なんだって」

唯 「私自身がゲッターの意志なんだって・・・」

紬 「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

唯 「謝らないで、私が決めた事なんだから、ムギちゃんは何も悪くないんだよ」

紬 「でも・・・」

唯 「ね、最後の戦いが終ったらさ、またみんなで”けいおん!”やろうね。
   その時には私のギターも、メッチャクチャ上達してるんだから!」

紬 「・・・」

唯 「ムギちゃん、ビックリしちゃうよ!」

紬 「・・・うん」



386 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:18:03.69 ID:gR32P0p90

紬 「あ・・・そうだ」

唯 「どうしたの?」

紬 「唯ちゃん、これ・・・ね。受け取って」

唯 「ん?なにこれ・・・CD?」

紬 「うん。この前の合宿の時のね。例の演奏。実は録音しておいてたんだ」

唯 「えっ、それ、この中に入ってるの!?」

紬 「うん。これ、明日の戦いに持っていってくれるかしら」

唯 「ムギちゃん・・・?」

紬 「私や、りっちゃんや澪ちゃんは
   唯ちゃんと一緒に戦う事はできないけれど、でも・・・心は・・・」

紬 「私たちの友情は、いつも唯ちゃんと共にあるから」

唯 「・・・」



387 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:19:23.40 ID:gR32P0p90

紬 「ごめんなさい。実際に戦うのは唯ちゃんなのに、こんなの虫が良い話よね。だけど・・・」

唯 「違うよ。嬉しいんだ。ありがとね、ムギちゃん。りっちゃんと澪ちゃんも・・・」

紬 「唯ちゃん・・・」

唯 「心強いよ、私。
   これがあれば、軽音部のみんなが側にいるみたいで、怖いものなんか無くなっちゃう!」

紬 「・・・うん!」

唯 「えへへ」

紬 「・・・じゃあ、私はこれで・・・また夕食の時に、ね」

唯 「うん。それじゃ、また後でね」

紬 「あとで・・・」


とことこ・・・ばたん。


紬 「・・・なんだろう」

紬 「嫌な予感・・・唯ちゃん・・・」

紬 「胸騒ぎが収まらない・・・」



388 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:20:25.94 ID:gR32P0p90

・・
・・


翌朝。

琴吹重工内、ゲッターロボ格納庫。


ゲッターチームは最後の決戦に赴くべく、機上の人となっていた。

それぞれの想い。それぞれの決意。

ある者は亡き友の仇討ちを誓い・・・

またある者は、皆が笑顔で暮らせる明日を必ずもたらすと誓い・・・

異なる気持ちを胸のうちに宿しながらも、ただ一つ。

必ず勝つ!!

この想いだけは、寸分違わず誰の心にも強く根付いていた。



389 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:21:26.04 ID:gR32P0p90

ゲッターユイのコクピット内にて。

唯は静かに出撃の時を待っていた。

手元には愛用の携帯。中には昨日紬から貰ったCDから取り込んだ、軽音部の演奏が入っている。

音量を小さめにセットして、そっと再生する。


唯 「・・・あ」


澪のよく通る、透き通った声。

走りがちだけど、軽快かつ力強い律のドラム。

そして、皆の演奏を調和するようにリズムを取る紬のキーボード。

まだまだ荒削りではあるけれど、息の合った演奏がコクピット内に再現された。



390 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:22:28.51 ID:gR32P0p90

唯のために作られた歌。

皆の偽りない友情が込められた演奏。

まるであの日の紬の別荘が、今ここに現出したかのようだ。

聴いている唯の胸の中に、暖かくて優しい何かが満たされていく。


唯 「~~~♪」


知らず知らず口ずさんでしまう。


唯 「~~~♪」


自分も今、演奏の輪の中にいる。

唯は実感する。

和や憂と同じ、軽音部の皆も自分といつも一緒。皆が一つの存在であるのだと。



391 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:24:09.80 ID:gR32P0p90

唯 「~~~♪」

竜馬 「ヘアピン」

唯 「うわぁ、リョウさん!き、聴いてたの!?」

竜馬 「聴いてたも何も、作戦中は両ゲッターの回線を常に繋げとくと、説明されてただろうが」

唯 「だ、だってまだ発進前だし・・・
   お、女の子のプライベートを盗み聞きするなんて、リョウさん中々ワルですなぁ・・・」

竜馬 「アホか、ゲッターのコクピットに乗ってて、プライベートもくそもあるもんかよ」

唯 「むぅー」

隼人 「まぁ、緊張でガチガチになってるよりは良いじゃねぇか」

弁慶 「そうそう。唯ちゃん、それ、良い歌だな」

唯 「でしょー。世界一のバンドによる、世界一の歌だよ」

弁慶 「今度、ライブで聴いてみたいもんだな」

唯 「うん、もうすぐ学園祭があるんだ!軽音部もライブをやるから、みんなで聴きに来てよ!」

竜馬 「・・・女子高だろ・・・あんま気がすすまねぇな」

弁慶 「何でだよ。女子高、最高じゃねぇか。絶対行くからね、唯ちゃん!」

竜馬 「いやらしい野郎だ・・・」

唯 「あはは」



392 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:26:02.56 ID:gR32P0p90

隼人 「恐竜帝国が滅んだら、どうせ暇になるんだ。
     女子高の学園祭なんて華やかな場所に顔を出したって、誰も文句は言うまいよ」

唯 「そうそう。軽音部総出で歓迎するよー。まぁ、四人しかいないんだけど」

隼人 「そのためにも、とっとと敵の親玉を片付けちまおう。そろそろ発進の時間だ」

唯 「・・・」

竜馬 「いよいよだな」

弁慶 「ああ・・・」

隼人 「外に出たら、すぐに地下に潜るぞ。
     ゲッターライガーで地面を掘り進む。ゲッターユイはその後に続いてくれ」

唯 「了解!」

竜馬 「じゃあ、蛇が出るか鬼が出るか。いくぜ・・・!ゲッター・・・ゴォーっ!!」


竜馬のかけ声と気合が空を裂き、それを合図に三機のゲットマシンが飛び立った。


唯 「・・・さぁ行こう、和ちゃん、憂・・・」

唯 「よーしっ!ゲッターユイ、ごーっ!!」


続いてゲッターユイが後を追う!

爆音を轟かせ格納庫から飛び立ったゲッターユイのコクピット内では。

唯を励ますように、友達より贈られた歌が・・・

静かに、優しく。

奏で続けられていた。



393 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 23:34:55.61 ID:gR32P0p90

そして。


紬 「お願い・・・」

紬 「神様お願い、どうかみんなを守って」


戦士たちが飛び立った後の格納庫内には・・・


紬 「みんなが無事に、この場所に帰ってきますよう・・・どうか・・・」


彼らの無事を祈り、いつまでも祈り続ける紬の姿だけが残されていた。



394 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/02(月) 00:49:40.91 ID:1IiJRPKJ0

次回へ続く!



395 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/02(月) 01:54:13.22 ID:d4KuS9ZSO


ゲッターユイは火星に飛んでったりしないことを祈る



396 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/02(月) 15:17:44.31 ID:V4gVoIxAO

一年後、ゲッターでピザを作る隼人の姿が!



397 名前:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/02(月) 21:58:16.03 ID:fe/20ntgo

二年後、そこには顔に「ヨーロッパ」と落書きされたゲッターユイの姿がっ!





関連記事

ランダム記事(試用版)




唯「ゲッターロボ!」#5
[ 2012/04/15 20:02 ] クロス | ゲッターロボ | CM(0)

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6