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憂「子猫と過ごした七日間」 【非日常系】


http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335052059/l50




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 08:47:39.43 ID:8Cf6vTyoQ

お姉ちゃんと会わなくなってから、どれくらい過ぎただろう。
一人暮らしをしたいと思ったのは、ただ一人きりになりたかったからだった。

遠い親戚が所有していた、今は誰も住んでいない古い家に住ませてもらえる事になった。
実家からもそう遠くなく、大学にも近い。一人きりになるには好都合な場所だった。

使わなくなった家具を使わせてもらう事にしたため、引っ越しはスムーズに進んだ。
この辺には何度か来た事があったが、いざ暮らすとなると新鮮な雰囲気を感じる。


懐かしい家具に囲まれて、新しい生活が始まる。
つい数ヶ月前まで、お姉ちゃんが暮らしていた家だった。





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 08:49:34.43 ID:8Cf6vTyoQ

大学を出て、一人暮らしを始めたお姉ちゃん。

幼なじみからも高校の同級生からも過保護だと言われたが、
引っ越しを手伝った後も、私は何かと理由をつけてちょくちょく足を運んでいた。

好きな人ができたの、と笑ったお姉ちゃん。
さりげない仕草から、何気ない会話の端々から、誰かのものになっていくお姉ちゃんを感じた。

お姉ちゃんに会いに行く機会がめっきり減ったのは、
もう憂がいなくても大丈夫なんだよ、と言われてしまうのが怖かったからだった。

嬉しそうに恋人の話をするお姉ちゃんの前で、
やきもちと言うには余りにも醜い嫉妬心を抑えきれる自信がなかったからだった。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 08:50:38.55 ID:8Cf6vTyoQ

好きな人に 「好き」 と伝えられる事がこんなにも羨ましいとは思わなかった。

どんなに想っても、どんなに願っても、伝える事すらできない気持ち。
私の想いを伝えたら、きっとお姉ちゃんは 「私もだよ」 と笑顔で返すだろう。
その言葉の中に、無邪気な笑顔の中に、私が望む特別な想いが込められる事はないだろう。


私はただの妹に過ぎないのだから。
その微笑みは、私じゃない人に向けられるのだろうから。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 08:52:42.44 ID:8Cf6vTyoQ

高校の同級生にも手伝ってもらい、引っ越しの作業は順調に終えることが出来た。
大掛かりな掃除を覚悟していた空き家は、予想以上に清潔に保たれていた。

ほこりの積もっていない部屋。窓際に飾られている花は全く枯れていない。
つい昨日まで誰かが住んでいたんじゃないかと思うほどの生活感。

極めつけは、ソファーの陰からひょっこり出てきた猫だった。

真っ黒な子猫。 近所で飼われている子猫だろうか。
お姉ちゃんが猫を飼っていたなんて聞いた事がなかった。
もしかしたらお姉ちゃんが居た頃から遊びに来ていた子かもしれない。

我が物顔でソファーに寝そべる子猫は、私を不思議そうに眺めた。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 08:54:48.68 ID:8Cf6vTyoQ

近所への挨拶がてら子猫の事を尋ねて回ったが、
この近辺で子猫を飼っている人の事は誰も知らない様子だった。

隣の家のおばあちゃんによると、
お姉ちゃんが居た頃によく猫の鳴き声を聞いた事があったらしい。

ペットなど飼った事もない上に、
どこか高校の頃の同級生を思わせる顔立ちの子猫に、私は戸惑った。
まさか小さな子猫を捨てるわけにもいかない。

一人きりで暮らす予定だったが、小さな同居者ができてしまった。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 08:56:33.07 ID:8Cf6vTyoQ

一通り荷物の整理を終え、
お姉ちゃんが寝室として使っていた部屋で、つい数ヶ月前の事を思い返す。


お姉ちゃんが死んだ日、不思議と涙が出なかった事を憶えている。
断片的に残る記憶の破片は、どれも灰色をしていた。

今も目に焼きついて離れない、この部屋の天井からぶら下がっていたお姉ちゃん。
シーツの下の起伏。 白い花。 写真の中に閉じ込められた、愛しい笑顔。

軽音部の仲間たちがお別れに集まってくれた。
すすり泣く澪さん。 うつむいて唇を震わせる律さん。 泣きじゃくる紬さん。
そして、涙をこらえながら必死に私を慰めてくれた同級生。
またバカな事をして、とメガネを外して涙を拭う、呆れ顔の幼なじみ。

遺書らしき物は残っていなかった。
せっかちなお姉ちゃん。 遺される人たちの気も知らないで。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 08:58:29.17 ID:8Cf6vTyoQ

新しい環境の生活に慣れるにつれて、
いくつもの違和感がはっきりと形になって表れ始めた。

開け放たれたカーテンから差し込んでいる朝日に目を覚ます。
昨夜閉め忘れたのだろうかと考えながら子猫のエサを用意する。

人懐っこいが、不思議な子猫だった。
何もない空間を見つめて甘えるように鳴く。見えない何かにじゃれつこうとする。
まるで、歩く飼い主を追いかけているかのように歩き回る。

まさか、そんな事があるわけがない。
猫とはそういう仕草をする生き物なのだろうと、気にしない事にした。

家の中で探し物をしていると、いつの間にか目の前に置かれていた事がよくあった。
最近疲れていたから、妙な思い違いをしてしまうのだろう。

目を離すと、いつの間にかテレビが点けっぱなしになっていた事も一度や二度ではない。
それはどれもお姉ちゃんが好きだった番組だった。


お姉ちゃんからのメールが届いたのは、その日の夜だった。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:00:02.94 ID:8Cf6vTyoQ

憂、久しぶり。 引っ越しおめでとう。
こんなふうに憂と話せる日がくるなんて思わなかったよ。


もちろん、すぐには信じられなかった。こんな現象があっていいわけがない。
これは正確に言うのなら、お姉ちゃんの使っていたアドレスから送られてきたメールだ。
お姉ちゃんの使っていた携帯を解約したかどうか、記憶がはっきりしない。

本当にお姉ちゃんなの? おそるおそるメールを返信してみる。
何故かメールはすんなりと送信された。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:02:12.93 ID:8Cf6vTyoQ

確証を得るため、いくつか質問を重ねる。お姉ちゃんは逆に面白がっているようだった。
何でも聞いてよ、と挑戦的なメールが送られてくる始末だ。

私からはメールを送る必要がないのかと途中で気付く。
携帯での通話はさすがに無理だったが、私の発する声は伝わっているようだった。
独り言のようで気恥ずかしいので、携帯を耳に当てて質問を続ける。

この家で起きているささやかな超常現象と、
リアルタイムで私とコミュニケーションが取れている事実を重ね合わせる。

お姉ちゃんのアドレスを知っている何者かが私を監視している可能性も捨てきれないが、
私の周りにこんな悪趣味な悪戯をする知り合いが居ただろうか。

お姉ちゃんの気配を感じるあたりで子猫が甘えるように小さく鳴く。
私は、頭の片隅で信じたがっていたお姉ちゃんの存在を受け入れる事にした。



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:04:48.45 ID:8Cf6vTyoQ

私と、子猫と、お姉ちゃんの奇妙な共同生活が始まった。

お姉ちゃんは、自分の状況をある程度理解しているようだった。
もちろん、どうして自分がこの家にとどまり続けていられるのか、
なぜメールを送れたのかまではわからない。

物が動く瞬間などを見る事は出来なかったが、家の中の物には干渉できるらしい。
動ける範囲はこの家の敷地だけだが、睡眠をとる必要もなくなったため、
部屋の掃除や花の手入れなどは欠かさなかったという。

お姉ちゃんは私が起きる前にカーテンを開け、朝食の準備をしてくれるようになった。
洗濯や掃除、料理の手伝いまでしてくれる。

生前よりずっと働き者になっているのはどういう事だろうとおかしくなる。
お姉ちゃんは私が笑った理由を尋ね、幽霊に恨まれると怖いよ!とおどけた。

子猫はいつの間にかこの家に迷い込んできたのだという。
かつて軽音部の後輩につけたあだ名を名前にしたそうだ。

私は少し複雑な気持ちで子猫の名前を呼んでみた。
気だるそうに鳴いて返事する子猫に、お姉ちゃんの笑い声が聞こえた気がした。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:07:14.83 ID:8Cf6vTyoQ

お姉ちゃんからメールで頼まれていた買い物を済ませて大学から帰る。
子猫は新しいエサを気に入ってくれたようだ。
一瞬、テーブルに頬杖をついて子猫を眺めるお姉ちゃんの姿が見えた気がした。

私は、この奇妙で不自然な生活に慣れていく一方で、
お姉ちゃんに一番聞きたかった質問を避けている事にもどかしさを感じていた。

子猫を置き去りにしてまで死を選んだ理由。恋人への想い。
最期まで私には打ち明けてくれなかったそれらを問いただしたら、
この生活の全てが壊れてしまう気がした。

お姉ちゃんはその時爆発してしまった感情を胸に秘めて、ここで暮らしていたのだろうか。
ただ覚えていない振りをしているだけなのだろうか。

かつて自分が生きていた頃を想い、涙する事はあっただろうか。
恋人ではなく、私の事を想って。

心のどこかで、こんな不自然な生活がいつまでも続くわけがないと気づき始めていた。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:09:52.82 ID:8Cf6vTyoQ

ある日、子猫がいなくなってしまった。

夕飯の時間になっても子猫は一向に戻ってこない。
気ままな猫の事だ、そのうち帰ってくるだろうと楽観的に考えていたが、
僅かな不安は時間と共に焦りへと変わっていった。

お姉ちゃんは家の中を探し回っている様子だった。
雑誌や洗濯物が散乱し、タンスの引き出しや冷蔵庫の中まで開けられていた。

いてもたってもいられなくなり、私は近所を探し歩く事にした。

遠くまで散歩に行って、帰り道が分からなくなったのだろうか。
どこかで怪我をして身動きが取れなくなっているのだろうか。

それとも、もしかしたら……もしかしたら……
大声で子猫の名前を呼び回る。恥ずかしくなんかなかった。

最悪の状況を頭から振り払うように、いつしか駆け足になっていた。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:12:54.16 ID:8Cf6vTyoQ

どうしよう。どうしよう。

汗と涙でぐしゃぐしゃになって帰ると、同じくらい泣きたいはずのお姉ちゃんが慰めてくれた。
絶対帰ってくるよ、と精一杯に強がって。

家のどこかで鈴の音が聞こえた気がした。

慌てて飛び出すと、隣の家のおばあちゃんがいた。
怪我をして動けなくなっているのを見つけたの、と子猫を腕に抱いて。

見つかってよかった。子猫を抱いて泣き崩れる。
いつの間にか、子猫が私の中でこんなにも大切な存在となっていたことに気付かされる。


その夜、私たちはずっと子猫のそばで過ごした。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:15:06.12 ID:8Cf6vTyoQ

薄着で走り回ったのが良くなかったのか、風邪を引いてしまったらしい。

寒気を感じ始めた時にはもう遅く、次の日には熱が出始めていた。
心配そうに見上げる子猫の視線と、あたふたしているお姉ちゃんの気配を感じる。
そういえば高校生の頃にもこんな事があったっけ。

大丈夫だよと呟きながら、一人じゃなくて良かったと安堵する。
つい数日前まで一人きりになる事を望んでいたくせに。

薬を飲んで眠りにつく。
高熱にうなされながら、いつしか私は夢を見ていた。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:18:00.84 ID:8Cf6vTyoQ

少し大人びたお姉ちゃん。
眩しい朝日に照らされて始まる、私たちの一日。

子猫と一緒に散歩に出かける、静かな公園。 
きらめく湖を眺め、木漏れ日の下で他愛も無い話を続ける。

今度は軽音部のみんなと一緒に遊びに行こうよ。
子供みたいに輝く笑顔がどうしようもなく愛しい。

夕陽に染まる帰り道。 
一緒に買い物をして、台所に並んで料理を作る二人。

久しぶりに一緒にお風呂に入ろうよ。
今日は一緒に寝てもいい? 明日はどこに行こっか。

いつまでも続いて欲しい今日。 待ちきれないほどの希望に満ちた明日。
時間が止まって欲しいとさえ願う、幸せなひととき。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:20:48.60 ID:8Cf6vTyoQ

ふと目が覚めると、そこは一人きりの真っ暗な部屋だった。
ついさっき見た、あまりにも幸福すぎた夢に、ついに私は泣き出してしまった。

絶対に見てはいけない夢だった。
それは二度と戻れない時間だったから。
これからも永久に訪れることのない日なのだから。

嗚咽をこらえながら、涙がボロボロと溢れて止まらない。
昔、お姉ちゃんが私のために書いてくれた詩が胸の奥に蘇る。


  君がそばにいることを当たり前に思ってた
  こんな日々がずっとずっと続くんだと思ってたよ


私だってずっと続くことを願っていた。当たり前じゃなかった私たちの日常。
忘れる事なんてできない、幸せに満ちていた毎日。

お姉ちゃんの気配をすぐそばに感じた。
寝込んでいる間、ずっとそばに居てくれたのだろうか。
私を元気づけようと、あんな切ない夢を見せてくれたのだろうか。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:22:45.71 ID:8Cf6vTyoQ

熱を出して寝込んだかと思えば急に泣き出してしまった妹を前に、
困惑したようなお姉ちゃんの視線を感じる。

急に泣き出してごめんね。 どうしたらいいかわからないよね。
涙と一緒に、ずっと隠していた募る想いが次々に溢れ出してくる。

私だって、お姉ちゃんがいないと何もできないくらい弱いんだよ。
本当はお姉ちゃんを独り占めしていたいんだよ。


 私がずっと泣き続けていたのなら、いつまでもそばにいてくれますか?

 もう、どこにも行かないで……


濡れた頬にそっと触れるぬくもりを感じた。
それが誰よりも愛しい人のものだと知りながら、私はそれを忘れようと努力した。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:25:17.58 ID:8Cf6vTyoQ

風邪もすっかり治ったある日、うっかり寝過ごしてしまって飛び起きる。
カーテンが閉まったままの薄暗い部屋に気づいた時、悲しい予感がした。

誰かを探すような子猫の鳴き声に、お姉ちゃんがいなくなってしまったことを知る。
不安そうに歩き回る子猫は、ついに本当の意味で飼い主と引き離されたのだ。

いずれこんな日が来ることはわかっていたはずなのに。
どれほどの喪失感に襲われるのか、知っているはずだったのに。


また、さよならも言わずに行ってしまったお姉ちゃん。
遺される人の気も知らないで。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:29:34.12 ID:8Cf6vTyoQ

人は決して誰かのために泣けないという話を思い出した。
大切な人を失っても、その人を失くした自分が可哀想で泣くのだという。

私はあの日、お姉ちゃんのために泣いていたのだろうか。
あの夜、冷たくなっていく子猫のために泣いたのだろうか。

私は今、誰のために泣いているのだろう。


あの日の夜、
隣の家のおばあちゃんが子猫を見つけた時には、すでにぐったりしていたのだという。
登っていた木から落ちてしまったようだった。猫のくせに、飼い主に似てドジな子だ。

腕の中で消えていくぬくもりが信じられず、信じてもいない奇跡を待ち続けた。
夜が明け、目を覚ますと不思議なことに子猫の姿は消えていた。

すぐそばで聞こえた、見えない鈴の音。いつも甘えるときの鳴き声。
子猫もまた、お姉ちゃんと同じように帰ってきたのだった。


鈴の音を聞きながら、ぼんやりとお姉ちゃんの事を考える。
いつの間にか受信していたメールに気付き、震える指で携帯を開く。
お姉ちゃんからの最後のメッセージだった。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:32:37.09 ID:8Cf6vTyoQ

さよならも言えなくてごめんね。
いつまでもここで憂と一緒に暮らしていたかったけど、できないんだ。
もう行かなくちゃいけないんだ。

でも、私は憂と過ごせて楽しかったよ。
私が死んじゃった理由を聞かないで、そっとしておいてくれて嬉しかったよ。
だから、泣かないでね。

むかし軽音部で歌ってた曲みたいだね。
きっと神様が私のお願いを聞いてくれて、奇跡の時間をくれたんだよ。

子猫、死んじゃって残念だったね。
私みたいに、しばらくは自分が死んだことに気づかないかもしれない。
でもいつか自分が死んだことに気づいたら、憂のところを去ると思う。
その時がきても、どうか悲しまないであげて欲しい。

私は憂の気持ちに応えてあげられなかったことを知ってる。
たくさん、寂しい思いをさせてしまったこともわかってる。

けど、私の自慢の妹は、私みたいに弱くないって信じてる。
私の最後のわがままだと思って、憂には生きることを選んで欲しい。

世の中にはどうしようもできないくらい悲しいことがたくさんあるけど、
泣きたくなるほど幸せなことだっていっぱいあるんだよ。

私はいなくなっちゃうけど、私の好きだった世界を、どうか嫌いにならないで。
あなたの涙をぬぐってあげられなくて、ごめんね。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:36:13.35 ID:8Cf6vTyoQ

涙を拭って、カーテンを開ける。

かつてお姉ちゃんが歌った曲を口ずさみ、さよならとつぶやく。
私は、神様がくれた奇跡に心から感謝した。


あなたのいない世界を、私はこれからも生きていく。
ありがとう、お姉ちゃん。

ありがとう、梓ちゃん。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:38:21.95 ID:8Cf6vTyoQ

駅のホームから突き飛ばしたくらいで、あっさりいなくなってくれた梓ちゃん。
最後に目が合ったけど、私は悪くないよね。

そういえば梓ちゃんによく似た子猫も、あなたと同じように死んじゃったよ。

お姉ちゃんはやっぱり梓ちゃんを追いかけて死んだのかな。
でも、私のところに戻ってきてくれたんだよ。
お姉ちゃんを返してくれて、ありがとう。 もう怒ってないよ。


携帯にメールが届く。
梓ちゃんのアドレスからだった。



おわれ



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/22(日) 09:42:36.48 ID:8Cf6vTyoQ

元ネタが乙一の短編なので>>2にはひどく驚かされたという話でした



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憂「子猫と過ごした七日間」
[ 2012/04/22 12:13 ] 非日常系 | | CM(3)

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タイトル:
NO:6381 [ 2012/04/27 22:09 ] [ 編集 ]

なぜ最後をちょっと黒くしたのか

タイトル:
NO:6521 [ 2012/05/26 21:28 ] [ 編集 ]

最初のあたりだけ見てみるとなんかせつないなと思ったけど最後のとこ見て結局ヤンデレネタだという事を知った。

タイトル:
NO:6539 [ 2012/05/31 06:59 ] [ 編集 ]

元ネタは乙一の「しあわせは子猫のかたち」か

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