SS保存場所(けいおん!) TOP  >  スポンサー広告 >  非日常系 >  唯「私の名前は平沢唯!!」

お知らせ

SS保存場所は移転しました。
現在けいおん!関連の更新はしていません。
今後更新するかは未定です。
SS保存場所






スポンサーサイト 【スポンサー広告】


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | | CM(-)

唯「私の名前は平沢唯!!」 【非日常系】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1330162406/




2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:34:59.92 ID:o5cEjrDV0

チリリリリリリリリ…

唯「ん…」

チリリリ…カチ

憂「お姉ちゃーん。朝だよー?」

唯「ん、ん~…あと28日…zzz」

憂「はいはい。ご飯できてるから早く食べて学校の準備してね!」

憂(お姉ちゃん昨夜と寝てる方向違う。かわいい!)





3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:37:16.90 ID:o5cEjrDV0

-通学路-

唯「最近急に寒くなってきたねー」トテトテ

憂「まだ11月入ったばっかりなのにねー」テクテク

唯「これじゃ手が冷たくてギター引けないよぉ~」

憂「頑張ってるんだね!お姉ちゃん!」

唯「もちろん!」


-校門-

唯「でねでね、その時の澪ちゃんがすっごく可愛くてね!」

梓「あ…」

唯「あ!あずにゃんおはよー!」

憂「梓ちゃんおはよう!」

梓「お、おはようございます…」

梓「何してるんですか…?」

唯「こうやってねーマフラーを二人で巻くと暖かいんだよ~」

憂「あったかあったかー」ニコニコ

梓「は、はぁ…。(暖かそう…)」

唯「ん?もしかしてあずにゃんも一緒にマフラー入りたいの?」

梓「な…私は結構です!!」

梓「憂!早くしないと遅刻するよ!私先に行ってるからね!」

憂「あ、うん、梓ちゃん!また後でね」

唯「あずにゃんはマジメだねぇ~」

憂「そうだお姉ちゃん。もうすぐ梓ちゃんのお誕生日だよ」

唯「そうなんだ!じゃあ何かお祝いしないと!」

憂「私、梓ちゃんに何か買ってあげようと思うんだけど、お姉ちゃんも何かプレゼントする?」

唯「そうだね!あずにゃんは何がほしいかなー?」

憂「んー…。この前は新しいアンプがほしいって言ってたよ」

唯「それはちょっと物によっては手が付けられないんじゃ…」

憂「たしかすごく高かった気がする…」

憂「まぁ、まだ少し時間あるし、ゆっくり考えようよ!」

唯「そうだね!」

唯「それにしても憂あったかい…。このまま私も一年の教室で勉強しようかなー」

憂「お姉ちゃんそれはダメ!(嬉しいけど!)」



5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:40:26.77 ID:o5cEjrDV0

-平沢宅-

唯「ただいまー」

憂「おかえり、お姉ちゃん!」

唯「お腹すいたよー」

憂「もうすぐご飯できるからね!」


唯「ぐふふ!それでね、ムギちゃんったら部室飛び出していっちゃったの!」

憂「…あはは!紬さんって可愛い人だね!」

唯「でしょでしょ~?!」

唯「でね、それでね……」


唯「Let's fly ずっと ずっと ずっと 彼方まで~♪」ジャカジャカ

憂「お姉ちゃ~ん?」

唯「あ、うるさかった?ごめんね…」

憂「そうじゃなくて、まだ起きてるのかなって」

唯「あれ?もうこんな時間か~」

憂「明日も学校でしょ?早めに寝ておいたほうがいいよ。部活もあるんでしょ?」 

唯「そうだね~。じゃあもう寝るよ~」

憂「じゃあおやすみ!お姉ちゃん!」

唯「おやすみ憂~」

憂「…………」

憂「ねぇ、お姉ちゃん」

唯「ん?どうしたの?」

憂「あの…ううん、なんでもない!」

唯「…?変な憂~ww」

憂「じゃあまた明日ね!」

唯「うん。おやすみ~!」



7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:44:48.49 ID:o5cEjrDV0

チリリリリリリリリ…

唯「ん…」

チリリリ…カチ

憂「お姉ちゃ~ん?あ、起きた?」

唯「う~ん…あと28週間…zzz」

憂「もう、ほら!起きて!シーツ洗濯するから!」

唯「あー!転がさないで~!」ゴロゴロ

憂(ベッドから転がり落ちるお姉ちゃんカワイイ!)

唯「あーん!助けてムギちゃーん!」ゴロゴロ

憂「まったくもう…」


-放課後・部室-

唯「あ~ずにゃん!」ダキッ

梓「もう!唯先輩!」

紬「あらあら♪」

律「おー、今日もやってるなー」ガチャ

澪「律、遅かったじゃないか。何してたんだ?」

律「いやぁ、また和様に講堂使用の件で呼び出されて…;」アセアセ

澪「まったく…今朝和が教室でそんな話してたからそうじゃないかとは思ってたよ」ヤレヤレ

唯「あずにゃんいい匂いー」クンカクンカ

梓「にゃぁぁぁ!!」ジタバタ

紬「うふふ」ボトボト



8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:46:43.22 ID:o5cEjrDV0

梓「結局まともに練習できなかった…」

律「ま、いいんじゃないかな?こういう日もたまには」

澪「毎日こうだろ!」ドゲシッ

律「おぉふ!」

紬「ねぇみんな。私ちょっと買っておきたいものがあるんだけど、
  近くのショッピングモール寄っていかない?」

唯「賛成!おやつ買って帰る!!」

律「おやつかよ」



9 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:47:32.82 ID:o5cEjrDV0

-ショッピングモール-

梓「最近すごく寒いですね」

唯「私が湯たんぽになってあげるよー」ギュー

梓「だぁぁぁ!」ブンブン

梓「あ、このマフラーかわいい…」

唯「どれどれ?あーそうだね!あずにゃんよく似合うかもー!」

梓「でも、値段が…」

唯「げぇーっ!」

梓「こういう気にいったものに限って、値段が高かったりするんですよね」シュン

唯「そうだよね~」

唯(あずにゃん…なんか最近元気無いなぁ)

唯(抱きついたりしても抵抗はしてくるけど、なんかいつもと違うし…)



10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:49:23.49 ID:o5cEjrDV0

-楽器コーナー-

唯「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI!!」ジャカジャカ

澪「唯は2年でよくここまで上達したよなー」

律「はっはっはー。これも部長である私の…」

澪「」ドガスッ

律「ちょ…無言で殴るなよ!」グスン

紬「よしよしりっちゃん」ナデナデ

澪「梓もそう思うだろ?」

梓「…」ボー

澪「梓?」

梓「!?あ!はい!そうですね!;」

澪(?)

澪「ていうかそろそろ試奏終わっておいたほうがいいな」

澪「みんな他に寄りたいところはもう無いのか?」

紬「もう用事は済んだわー」

律「私も。って唯はそれ何買ったんだ?」

唯「キャベシ太郎!!」

律「懐かしっ!っていうか唯は甘党なんじゃ…」

唯「たまにはこういうのも食べたいの~!」

澪「ふふっ。じゃあそろそろ帰るか」

梓「そうですね…」

唯「・・・・」

唯「あ、そうだ!ちょっと買い忘れたものがあったから、先に行ってて!」

律「…?じゃあ外で待ってるからな」

唯「うん!すぐ戻ってくるから!」

唯(ぐふふ。あずにゃんの元気を取り戻すために、誕生日プレゼントにあのマフラー買っちゃお!)

唯(高いけどなんとか手持ちで足りるよね…)

唯(いいもんね!私の誕生日になったらあずにゃんも何かプレゼントしてくれるはず!)

チーン!あじゃじゃしたー!

唯「買っちゃった」テクテク

律「おーい!唯ー!こっちこっちー!」

唯「あ、みんなーすぐ行くねー!」

タッタッタ


……
………
…………
……………



11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:52:47.54 ID:o5cEjrDV0

チリリリリリリリリ…

唯「ん…」

チリリリ…カチ

唯(はぁ、もう9時半かぁ)

唯(…………………………)

唯「って、えぇ!?」

唯「遅刻だよ遅刻!!」

唯「急げぇ!」

唯「なんで憂起こしてくれなかったんだろ!?」

唯「憂はもういないし…!」

唯「ひどいよぉ憂~」グスン

唯「とにかく、学校行かなきゃ!」


-通学路-

唯「通学路にだれもいないよぉ。そりゃそうだよね…」タッタッタ


-校門-

唯「ハァハァ、やっとついた…」テクテク

唯「学校、やけに静かだなぁ…。もう授業始まってるもんね…」テクテク


-教室-

ガラッ

唯「あれ?誰もいない」

唯「おかしいなぁ。今日は一限目普通に教室で授業あるよね」

唯「フフッ。もしかして私以外全員遅刻?ぐふふ…」

唯「でも先生も来てないし」



12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:54:55.18 ID:o5cEjrDV0

-他の教室-

唯「他の教室も誰もいない…」


-一年の教室-

唯「憂もあずにゃんもいない…ていうか誰もいない…」


-職員室-

唯「しつれいしまーす」

シーン

唯「………………………」

唯「今日学校休みだっけ?」


-部室-

唯「いない」


-講堂-

唯「いない」


唯「やっぱり学校休みなんだよきっと…」

唯「そうだ。メールで憂に聞いてみよっと。」


To:憂
Sub:(件名なし)
もしかして今日は学校お休み?


唯「送信っと」

唯「んー……」

♪Why do they always send the poor!!!!!♪

唯「あ!もう返信が来た!さすが我が妹!」


To:Postmaster
Sub:Mail System Error  Returned Mail
次の宛先へのメッセージはエラーのため送信できませんでした。
送信先メールアドレスが見つからないか、
送信先メールサーバの事由により送信できませんでした。(ry


唯「え、えぇ~…」

唯「憂がメールアドレス変更したなんて聞いて無いよ~;」

唯「ちょっと恥ずかしいけど他の人に聞いてみよう…」



13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 18:59:02.10 ID:o5cEjrDV0

To:Postmaster
Sub:Mail System Error  Returned Mail
次の宛先へのメッセージはエラーのため送信できませんでした。(ry


唯「和ちゃんもアド変!?」


To:Postmaster
Sub:Mail System Error  Returned Mail
次の宛先へのメッセージはエラーのため(ry


唯「え!?澪ちゃんも…!?」


To:Postmaster
Sub:Mail System Error  Returned Mail
次の宛先への(ry


唯「ムギちゃんも…。アド変流行ってんのかなぁ?」


To:Postmaster
Sub:Mail System(ry


唯「りっちゃんも…。なんで私にアド変メール送ってくれないの!!」

唯「…むむむ。電話も繋がらないし、この流れだとどうせあずにゃんも…」


To:あずにゃん
Sub:(件名なし)
あずにゃんはアドレス変更してないよね!?(TT)


唯「これで返信が来なかったら悲しい…」ポチッ

唯「………」

唯「何も返って来ない」シュン

唯「あれ?でもエラーのメールも来ないって事は
  あずにゃんにはとりあえずちゃんとメールは送信できたって事だよね?」

唯「返信まだかなぁ…」

唯「こういう時って新着メール問い合わせを無駄にしちゃうよね…」

唯「あ、バッテリー切れちゃった」

唯「充電器は家に忘れちゃったし…」

唯「とりあえず学校には誰もいないしここにいてもしょうがないなぁ」

唯「ちょっとコンビニで使い捨ての充電器でも買ってこよう」テクテク



14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:03:09.88 ID:o5cEjrDV0

-街-

唯「まさかとは思ってたけど街にも人がいないよ…」トボトボ

唯「学校行くときは急いでたから気づかなかったけど。静か過ぎるよぉ…」

唯「お店はちゃんと開いてるっぽいんだけどな」

唯「朝ごはん食べてないしおなか空いたなぁ」

唯「どこの店も店員さんいないから何も買えないよぉ」

唯「カバンに何か入れてたっけ?」ガサゴソ

唯「あ、これ昨日買ったキャベシ太郎」

唯「昨日?そういえば昨日あの後どうしてたっけ?」

唯「ま、いっか」サクサク


-公園-

唯「結局街中、人っ子一人いなかった…」

唯(キャベシ太郎、ソースがあんまり付いてないやつばっか残っちゃった)

唯「街中探しても誰も居ないし、とりあえず家に帰って携帯充電しようかな!」


-平沢宅-

唯「ただいまー」

シーン

唯「………」


-自室-

唯「充電器、充電器ー」
カチャン

唯「あずにゃんからの返信は…来てないや…」

唯「電話もしてみるかな」

Prrrrrrrrr Prrrrrrrrrr

唯「やっぱりあずにゃんにだけ繋がる。けど出てくれない。」パタン

ボフッ

唯「昼間っからベッドの上でゴロゴロできるなんて…」ゴロゴロ

唯「でもなんか違うんだよね」ゴロ…

唯「みんなどこ行っちゃったんだろ…」

唯「昔、ドラ○もんでこういうお話あったよね。」

唯「のび太君がしずかちゃんと二人だけの世界を欲して、他の人全員この世から消しちゃうってお話…」

唯「グスン…」

唯「憂…」

唯「みんな…」

唯「あずにゃん………」ポロポロ

唯「zzz」



15 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:17:17.70 ID:o5cEjrDV0

-翌日・部室-

唯「今日も誰もいない」

唯「おなか空いたなぁ…」

唯「家には缶詰が少しあっただけで、それは朝食べちゃったし」

唯「誰もいないならお店の物勝手に持って行っても大丈夫だよね…?」

唯「でもそれって万引きだよね。女子高生が万引きとか洒落にならないよ」


-コンビニ-

チャンチャンチャンチャンチャンチャン チャンチャンチャンチャンチャン!(入店音)

唯「いらっしゃいませー」

唯「ん~。よし!じゃあこのホットココアとクリームパンとアップルパイにしよう!」テクテク

唯「439円になりまーす」

唯「あ、あとこのフライドチキンとチャーシューまんください!」

唯「合計で853円になりまーす」

唯「はい!」チャリン

唯「ありがとうございましたー」


-公園-

唯(お金はちゃんと置いてきたから大丈夫だよね?)

唯「おいしい…」パクパクモグモグ

んでっ♪んでっ♪んでっ♪

唯「あ!あずにゃんから電話だ!!」

唯「もしもし!?あずにゃん!?」

梓{唯…先輩!?}

唯「あずにゃん!?ほんとにあずにゃんなの!?」

梓{一応、そうですけど…}

唯「よかったぁ!誰もいないからどうしちゃったのかと思ったよ!」

梓{私も、昨日から街じゅう誰もいなくて気がついたら唯先輩から着信が来てたから…}

梓{とにかく、唯先輩の声が聞けてよかったです!}

唯「私もだよ~!あずにゃん今どこにいるの!?」

梓{学校の部室にいます!}

唯「ほんと!?じゃあすぐ行くね!!」



16 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:27:44.75 ID:o5cEjrDV0

-学校・部室-

ガチャ

梓「唯先輩!」

唯「あずにゃん!」ダキッ

唯「あずにゃーん!よかったよぉ~」ギュー

梓「唯先輩…」

唯「あずにゃんに会えてこれほど嬉しかった事は無いよ!!!」

梓「わ、私もです」

唯「大丈夫だった?」

梓「はい。私はずっと自宅に引きこもってました」

梓「唯先輩はどうしてたんですか?」

唯「私は、お腹が空いたから街をブラブラしてて…」

梓「フフッ。唯先輩らしいです」

唯「もー!あずにゃーん」

唯「とにかく、もう絶対に離さないよ!あずにゃん!」

唯「他のみんながいなくなっても、あずにゃんだけは絶対に!」

それから私とあずにゃんは部室でいろいろな事を話しました。
なんで人が私達以外にいなくなったのか。
憂や軽音部のみんな、他のみんなはどこに行ったのか…。
でも話していてもしょうがないので、この話題はもうやめました。
軽音部のみんながまだどこかにいるなら、きっとこの音楽室に集まるだろうって信じているから。
それまでずっと、かわいい後輩とここで待つことにしました。



17 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:29:17.45 ID:o5cEjrDV0

唯「ア ガール ウィズ ア レディオ ハート!!」ジャカジャカ

梓「唯先輩はほんとにギター上手いですね。」

唯「何言ってるの!!あずにゃんのほうが全然うまいじゃん!」

梓「いいえ、私なんかもっと前から練習してるのに…才能無いです。」

唯「あずにゃん…」

唯「・・・・」ぎゅう

梓「唯先輩…」

唯「あずにゃん、あのね。私あずにゃんが軽音部に入部した理由、なんとなく分かるよ。」

梓「え…?」

唯「というか、憂が言ってたんだけどね」

唯「それなのにごめんね。ホントはこんなぐうたらな先輩で…」エヘヘ

梓「そ、そんなこと…」

唯「でもね」

唯「そんな私がここまで頑張れたのはあずにゃんが軽音部に入部してくれたからだと思う。」

唯「あずにゃんが、私の事ずっと見ててくれたから…」

唯「私も頑張らないとって」

梓「………」ギュ

梓「唯先輩」

梓「唯先輩はどこへでも行けます。」

梓「あの軽音部の部長でありながら一番やる気のない律先輩が掲げてる武道館ライブ…」

梓「唯先輩なら…」

梓「唯先輩!!」

唯「な、何!?」

梓「唯先輩はどこへでも行けます!どんなことでもできます!」

梓「でも唯先輩一人じゃ無理です!」

梓「だから、私が、私が一生唯先輩をサポートしてやるです!!」

唯「あずにゃん…」

唯「ありがとうあずにゃん!」

唯「あずにゃん。大好き…」ギュー

梓「私も大好きです。唯先輩!」ギュ

梓(…………………)



18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:33:55.89 ID:o5cEjrDV0

-2日後・街-

唯「あずにゃん!これなんかどう!?」

梓「すっごくカワイイです!」

唯「次はどこ行こっか!?」


唯「はぁ…いっぱい遊んじゃったね」

梓「こんな事して大丈夫でしょうか?」

唯「たぶん大丈夫だよ!ここはあずにゃんと私だけ。二人だけの世界だよ~」

梓「二人だけの…」

ザッ…

梓「ん…?」

???「平沢唯さん。中野梓さんで間違い無いですか?」

唯・梓「!?」

???「お迎えの時間です。」

唯「さわちゃん!!!!」

梓「さわ子先生!!」

さわ子「?」

唯「さわちゃん、いままでどこにいたの!?」

さわ子「さ…わちゃん…?」

梓「さわ子先生、どうしたんですか?」

さわ子「私はさわ子先生ではないですが…」

唯「えー!?だってさわちゃんじゃん!」

梓「ええ。どこからどう見てもさわ子先生です…声も」

さわ子「…?ふむ。そうですか。
     きっと生前に面識があった人のイメージが私の姿に適用されているのですね」

梓「え…?生前?」

さわ子「なかなか珍しいケースです。面白い」

唯「え、さわちゃん。どういう事…?」

さわ子「まぁ他の方もいつも動揺されるので、まずは少し話を整理させてもらいます」

さわ子「まず、私はさわ子先生でもさわちゃんでもありません」

さわ子「私は生と死の境にいるあなた方を迎えに来た使者です」



19 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:41:51.08 ID:o5cEjrDV0

唯「死者?」

梓「唯先輩、使者です。使いです。」

梓「っていうか、私達が生と死の堺にいるってどういうことですか!?」

使者「あなた達二人は4日前、現世での2ヶ月ほど前に交通事故で意識不明の重体となりました。」

使者「そして今あなた方は生と死の境にいます。」

使者「あなた達以外誰もいないこの世界は、その境。」

使者「冥界に行く前の魂を一時的に保管しておく仮の世界です。」

唯「え、どういうこと…。」

梓「……じゃあやっぱりあの交通事故は現実だったんだ…」

唯「交通事故?」

梓「はい。みんなでショッピングモールに言った日、唯先輩が後から合流した時に…」

唯「あぁ!でもその日の事はあんまり覚えてないの」

梓「唯先輩は私達と合流しようと道路を横切っていたらトラックがやってきて」

梓「私は唯先輩を助けようと、飛び出したんです」

唯「え!?そうだったの!?」

梓「飛び出した後の事はよく覚えてなかったので、あれは夢だと思っていました」

梓「ここは、死後の世界だったんですね…」

使者「厳密には生と死の境の世界ですが」

梓「じゃあ完全に死んだら天国とか地獄とかに行っちゃうんですか?」

使者「もちろん。他にも、どうしようにもできない魂は
    奈落と呼ばれる虚無の空間へ永久に保管されたり…まぁそれは裁判官が決める事ですが。」

唯「裁判!?」

使者「まぁあなた達人間がよく言う閻魔翌様と言った所ですか」

梓「ホントにいたんですね…。閻魔大王」



20 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:44:22.02 ID:o5cEjrDV0

使者「私の役目はあなた達のような仮世界に保管された魂の
    現世へ戻るか冥界へ行くかの希望を聞きその道案内をする事です」

唯「え!?私達、生き返れるの!?」

使者「えぇ。厳密には死んではいませんから。」

使者「人はどちらの可能性もある場合、この誰もいない仮の世界に来ます。」

梓「誰も居ないって、私たちはこの世界で出会いましたよ!?」

使者「それはこの仮世界が現世で言う日付ごとに存在しているからでしょう。」

使者「あなた方は同じ日に交通事故に遭ったようなので、同じ世界に魂が保管されました。」

使者「運が良かったですね。」

梓「は、はぁ…」

梓「とにかく、私たちは今現世では病院かどこかで意識が戻らず二ヶ月間寝たきりになってて、
  今ここでこのまま死ぬか、元の世界に戻るか選択しなければならないって事ですね。」

使者「そういう事です。」

唯「そんなの!生き返るに決まってるじゃん!」

使者「まぁ普通は誰しもそうしますね」

唯「生き返って、またみんなと一緒にお茶したり演奏したりしたいもんね!?あずにゃん!」

梓「…そうですね…。」

使者「他の魂を案内していたため、ご案内が遅れてしまいました。申し訳ありません。」

使者「お二人とも生き返るのでしたら、ご案内します。ただし一人ずつしかご案内できないので」

梓「唯先輩、先にどうぞ」

唯「えぇ!?あずにゃん!?」

梓「私も後から行きますから、大丈夫です」

唯「絶対だよ!あずにゃん!生き返って、みんなで武道館ライブ目指そうね!」

梓「はい……」

唯(あずにゃん…?)

使者「では行きましょうか……」



21 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:46:52.97 ID:o5cEjrDV0

-病室-

唯「……………」パチ

唯「あずにゃん…」ボソ

憂「え!?お姉ちゃん!?」

唯「え?憂?……憂!!」

憂「お姉ちゃん!!」

唯「憂!!」

憂「よかった!」

唯「私、ずっと寝てたんだね。」

憂「そうだよ!交通事故でずっと意識不明だったの!」

唯「他のみんなは!?」

憂「事故に遭ったのはお姉ちゃんと梓ちゃんで、軽音部の他の皆さんは無事だよ!」

憂「今日も皆さん来てくれたけど、もう遅いから今日は帰っちゃった…」

唯「そうなんだ…」

唯「…!あずにゃんはどうなったの!?」

憂「隣のベッドで寝てるよ」

唯「あずにゃん…」

唯(あれは夢だったのかな…なんだか変な感じ…でも)

唯「きっとあずにゃんももうすぐ起きてくるよ」

憂「ホント!?」

唯「うん!」

医者「意識が戻ったのかね!!」ガラッ

憂「はい!ありがとうございます!」

医者「いや、これは奇跡だ……」

ピーッピーッ

医者「!?」

医者「中野さんのバイタルが急激に弱ってる!!」

唯「え!?」

医者「このままではいかん!」

憂「そんな!!」

医者「妹さん!病室を出るんだ!すぐに処置の準備を!」

憂「ダメよ!!!梓ちゃん!!!」

医者「あぁ…これはいかん!早く、出なさい!邪魔だ!」

唯(え…あずにゃん…!?)

唯(どうして?あずにゃん……あずにゃん……。)



22 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 19:50:01.72 ID:o5cEjrDV0

-二ヶ月後・部室-

澪「…」

律「…」

紬「…」

唯「…」

律「…ぅ…」

律「む、ムギのいれた紅茶はやっぱ最高だな!」

紬「あ、ありがとうりっちゃん!」

澪「…ケーキも美味しいぞ!どうだ唯?」

唯「うん…」

律「………」

律「な、なぁ練習しようか?」

澪「…う、うん」

紬「…そうね」

唯「うん…」

律「………」

律「いや…今日ももう終わりにするか…」

-下校-

澪「じゃあまたな唯」

唯「うん。ばいばい」

律「唯…」

紬「………」

唯「」トボトボ


律「唯のやつ、もうずっとあのままなのかな…」

紬「かわいそうだけど、仕方ないわ。あんなに可愛がってた後輩を目の前で失ってしまったんだもの」

澪「しかも、自分のせいでな……」

律「くそ、なにか元気づけてやりたいのに…なにもできない…」

紬「唯ちゃんにはもう少し時間が必要よ」

澪「時間が解決してくれればいいんだけどな…」



23 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:03:57.26 ID:o5cEjrDV0

-平沢宅-

唯「ただいま」

憂「おかえり。お姉ちゃん。ご飯食べる?」

唯「いい」タッタッタ

憂「お姉ちゃん…」

コンコン

憂「お姉ちゃん?入るよ?」ガチャ

唯「……………」

憂「お姉ちゃん。ご飯ここに置いておくからね。」

唯「………」

唯「いらない」

憂「でも、ちゃんと食べないと」

唯「いらないってば」

憂「近頃まともに摂ってないでしょ!」

唯「いらない!!」

ガシャッ!

憂「きゃっ!」

唯「あ…。」

憂「………」

唯「あ、あの、憂ごめん…」

憂「お姉ちゃん…私だって梓ちゃんがいなくなって辛いんだよ…」

唯「うい…」

憂「けど、お姉ちゃんがそうしてるのはもっと辛いの!!」

憂「だから、お姉ちゃんのために頑張ってるのに!!」

唯「う、うい…あの、ごめんね…」

憂「…………」

憂「お姉ちゃんはいつもいつも、軽音部の事ばっかり…」

唯「!?」

憂「高校に入って、部活して…いつも楽しそうにしてるお姉ちゃんを見てるのはとっても幸せだけど…」

憂「私、寂しいの…」

憂「お姉ちゃんは私の事気にもしてないみたいで…」

唯「憂…」

憂「お姉ちゃんが楽しそうに笑ってる顔を見ると、そんな気持ちもなくなっちゃうの…」

憂「でも、もうお姉ちゃんは何をしても笑ってくれない」

憂「いつものように明るく元気に笑ってくれないお姉ちゃんなんか…大嫌い…」

唯「…!?」

憂「お姉ちゃん!!いつまでそうしてるつもりなの!?」

唯「ぁ…憂…あぁ…うぃ…」

憂「お姉ちゃんなんか、もう知らない!大嫌い!!」バタン!

唯「憂……うぃ…」

唯「…」



24 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:15:36.38 ID:o5cEjrDV0

-翌日-

“先に行ってます。朝ご飯食べてください。 憂 ”

唯「…………」

唯(私、憂の事なにもわかってなかった…)

唯(憂の事知らないうちに傷つけちゃってた…)

唯(私が、憂の事ちゃんと思ってあげられなかったから…)

唯(憂はあずにゃんが亡くなっても、涙を我慢して必死に私を元気づけようとしてくれてたのに…)

唯(私はいつまでも落ち込んで…)

唯(憂だって私と同じくらい悲しかったのに、私は憂になにもしてあげられなかった…)

唯「憂のお姉ちゃんなのに…」

唯「ごめんね…憂」

気がつくと、私はギターを抱えて学校の屋上にいた。

唯「…………」

唯「」スゥ…

唯「キミがいないと何もできないよ…」

唯「キミがいな゛いと何もわからない゛よ…」グスッ

唯「ギミにもらってばかり゛でなにもあげられでない゛よ…」ポロ…

唯「……キミがそばにい゛ることを当だり前に…思っでだ…」ポロポロ

ジャカ…ジャカ…

唯「…………」グスッ



25 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:16:38.21 ID:o5cEjrDV0

唯「あずにゃんはもういない…」

唯「憂には嫌われちゃった…」

唯「軽音部のみんなにも、悪い事しちゃったな…」

唯「私、もういなくてもいいよね」

唯「いるとまた憂や他の人を傷つけちゃうから」

唯「みんな、いままでありがとう。ごめんなさい。憂…」


唯「会えたらいいな、あずにゃんに」

唯「そしたら、一緒に天国でやるんだ。武道館ライブ!」



26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:24:16.54 ID:o5cEjrDV0

チリリリリリリリリ…

唯「ん…」

チリリリ…カチ

唯「…?」

唯「あれ?」

唯「私、死んだはずじゃ…」


-学校-

唯「誰もいない…もしかして、またあの仮世界とかいう夢?」

使者「その通りです」

唯「うわっ!」

使者「お待たせしました。ちなみにこれは夢ではありません」

唯「び、びっくりした…」

使者「平沢憂さんで間違い無いですね?」

唯「…え?憂?私、唯だよ?」

使者「たしかに、あなたは仮世界の事を覚えておられるようです」

使者「平沢憂さんが仮世界に来た記録は無いので、あなたが平沢憂さんであれば知っているはずがない…」

使者「それ以前に、仮世界の事は現世に帰ると完全に忘れてしまうはずなのですが」

使者「あなたは特別な魂のようですね。おもしろい」

唯「よくわかんないけど、また私はまだ死んでないんだね…」

使者「そうです。しかしあなたが平沢憂さんでないとなると困りましたね」

唯「なんで憂だと思ったの?」

使者「記録には平沢憂さんの名前が記されていたからです」

唯「記録?」

使者「冥界へ送られてくる魂の記録です」

使者「冥界は魂を保管、リサイクルする場所でしかありません」

使者「我々は現世で起きた事実を元に魂の管理をしています」

使者「私も一端の案内役に過ぎませんので、なぜ記録に平沢憂さんの名前があるのかはわかりません。」

使者「困ったものです。確かにあなたは平沢憂さんとして送られてきた魂のはず」

唯「え、でも私が本当に憂だったらどうしよう。死んでないよ。」

使者「おや?ここは仮世界ですよ?現世へ戻る事は可能です。」

唯「違うの。今回私はホントに死にに来たの。」

使者「ふむ、おもしろいですね」

使者「理由はどうあれ、仮世界に送られたという事はまだ現世へ戻る余地はあります」

使者「よくお考えください」



27 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:45:55.17 ID:o5cEjrDV0

唯「私は死にに来たの。あずにゃんに会いに来たの」

唯「やっぱりこの世界は夢じゃなかったのなら、あずにゃんはなんで死んじゃったんだろう…
  また一緒に演奏するって約束したよね…?」

使者「中野梓さんのその後は私にはわかりません。
    あなたを案内した後にはもうこの仮世界にはいませんでした。
    おそらく他の使者が案内したのでしょう。」

唯「そうなんだ…。でもせっかく会いに来たのに、私が憂かもしれないんだよね…」

使者「私もこのようなケースは初めてです」

使者「一度裁判長に相談してみるべきですね」

唯「え…大丈夫なの?」

使者「裁判長と会うにはやはりあなたの処分を決める“裁判”でしかそのチャンスは無いでしょう」

使者「しかし過去に“閻魔翌様を一目拝んでおきたい”といって
    裁判を受けてからまた現世へ帰られた方も数名おります」

使者「おもしろい人達ですね」

唯「じゃあ、なんで記録に憂の名前が載ってるのか、確かめに行く!」

使者「ではそのように手配します」



28 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:49:16.45 ID:o5cEjrDV0

-冥界入り口・審判の間-

閻魔大王「静粛に!これより、平沢憂の冥界入りの審議を始めます」

補佐役「………」

唯「閻魔翌様!閻魔翌様!」

閻魔大王「こら、勝手に発言しない!」

唯「私は平沢唯です!」

閻魔大王「もう…。まぁいいか。」

閻魔大王「確かに、君は平沢唯だという報告は来ているね」

閻魔大王「でも、調べによると、現世で意識不明なのは平沢憂とされている」

唯「どういうこと?」

閻魔大王「どうもこうもないんだが…記録を見るかぎりそういう事になっている」

唯「そんなの納得いかないよ!」

閻魔大王「ふーむ。では、納得の行くように少し現世の様子を覗いてみるかね?」

唯「え?いいの?」

閻魔大王「今回は特別なケースだからね。特別だ」

唯(憂はどうしてるんだろう…)

閻魔大王「さぁ、この水たまりの中を覗きなさい」

唯「あ、私の家」

閻魔大王「どうだね?」

唯「あ、誰か家から出てきた」

唯「え…」

閻魔大王「…」

唯「え…、嘘…私だ。私がいる…」

閻魔大王「だから言っただろう」

唯「え、だってありえないよ!私はここにいるもん!」

閻魔大王「でも現世では平沢唯はこの通りピンピンしている」

閻魔大王「学校も部活も楽しそうに行っておるじゃないか」

唯「そんな…。なんで!?」



29 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:53:48.40 ID:o5cEjrDV0

閻魔大王「現世での記録でも平沢憂が飛び降り自殺を図ったと記録されている」

唯「どうしてこんな…」

閻魔大王「だが君は仮世界の事を知りながらここへ来たらしいね」

閻魔大王「ということはやはり君が以前仮世界に来た事がある平沢唯という事で間違いないのだが…」

唯「そうだよ!こんなの何かの間違いだよ!」

閻魔大王「しかし規則では現世での事実を元に審議を行うようになっているのでな…」

唯「じゃあ、私はどうなるの?」

閻魔大王「君を現世で生きているはずである平沢唯として冥界に送る事などできない」

閻魔大王「かと言って、君を平沢憂として冥界入りさせるのも難しい…」

閻魔大王「君がいったい何者なのかはっきりさせないと天国や地獄に送る事はできない」

閻魔大王「こんな事態は始めてだ…」

補佐役「………」

補佐役「(裁判長、この魂、どうします?)」

閻魔大王「(私にも分からん)」

補佐役「(ではいっその事、奈落送りにしてみては?)」

閻魔大王「(そ、それは…!)」

補佐役「(奈落はまだまだ我々が理解し得ない事象が多々あります。
      今のうちに奈落送りを積極的に増やして実験をしておいたほうが…)」

閻魔大王「(しかしだなぁ…)」

補佐役「(奈落に住む例のアレ。奈落行きを拒み脱走した魂の捕獲に何度か利用していますが、
      あれは特に未知数です。我々の手には余ります。
      こちらから何らかのアプローチをかけて研究をしておかないと…)」

閻魔大王「(むむ。たしかにな…)」

閻魔大王「静粛に!」バンバン

閻魔大王「審議の結果、この自称平沢唯の魂を正体不明の魂“004号”とし、奈落送りにします!」

唯「えぇ!?」



30 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:56:29.07 ID:o5cEjrDV0

閻魔大王「もはや議論の余地もありません」

唯「奈落に行くとどうなっちゃうの!?」

閻魔大王「奈落に堕ちた魂は、その利用価値ができるまで意識を持ったまま幽閉される」

唯「ええ!?そんなのやだよ!」

唯「利用価値って、利用価値ができるまでどれだけかかるの?」

閻魔大王「通常なら、現世が魂を必要とすれば、天国や地獄にいる魂が現世へ送り出されます」

閻魔大王「魂のリサイクル。転生というやつだ」

閻魔大王「しかし残念ながらこの冥界において、奈落送りされてから利用価値を見出された魂はいない」

閻魔大王「それもそのはず」

閻魔大王「奈落はどのような対処もできない魂を保管しておく場所だからな」

閻魔大王「奈落は、魂が永遠に彷徨える虚無の空間」

唯「そんなの嫌だ!」

唯「意識があったまま何もしないでさまよい続けるなんて絶対嫌だからね!!」

唯「こんなところ…」ダッ

閻魔大王「あ!待ちなさい!」

閻魔大王「い、いかん!すぐに004号を捕らえるんだ!」



31 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 20:58:44.27 ID:o5cEjrDV0

-仮世界・学校-

唯「はぁはぁ…ここまで逃げてきちゃった…」

唯「三途の川に飛び込んだら生き返れるって言うけど、やっぱりこの世界に来ちゃうんだ…」

唯「…………」

唯「わたしは誰なんだろう…」トボトボ


-仮世界・部室-

唯「もう疲れたよ…」

唯「どうすればいいの?…あずにゃん」



32 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:00:09.09 ID:o5cEjrDV0

ガチャ

唯「!?」

梓「唯、先輩?」

唯「あずにゃん…?!」

梓「やっぱり!唯先輩だったんですね!!」

唯「あずにゃん!?なんでここに!?」

梓「私ずっと待ってたんです!!」

唯「え?どういうこと!?」

梓「私、確かにあの後現世へ帰ろうとしたんですけど」

梓「急に容態が悪くなってしまったんでしょうね」

梓「そのまま完全にしんでしまいました」

唯「そうなんだ…」

梓「でも天国も悪くない所ですし、いろいろ研究してみたんです。この冥界の事について」

唯「そんな事を!?」

梓「だからこうして、仮世界にも自由に来れるんです」

唯「すごいねあずにゃん!」

梓「唯先輩は、どうしてここへ戻ってきたんですか?」

唯「もう、あそこにはいられないから…憂にも嫌われちゃったし」

唯「みんなを傷つけちゃう…」

梓「唯先輩…」



33 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:05:57.79 ID:o5cEjrDV0

梓「唯先輩。一緒に天国に住みませんか?」

唯「え?」

梓「どうせもう後戻りする気は無いんでしょう?」

梓「それに私、唯先輩に会えてとっても嬉しいんです!」

梓「天国で二人で暮らしましょう!」

梓「また二人だけの世界を…」

唯「でも私、天国には行けないんだって言われて、奈落送りされそうになって逃げてきたんだけど…」

梓「まかせろです!」ポンッ

梓「この冥界の事は、もう大体把握してます」

梓「あのマヌケな閻魔大王の目を盗んで、唯先輩を天国に連れて行ってやるです!!」

唯「ほんと!?」

梓「唯先輩となら、なんだってできます!」

唯「あずにゃん…」

唯「でも、でも…」

梓「何を迷う必要があるんですか?」

梓「唯先輩はもう現世にはいたくないからここへやってきたんでしょう!?」

唯「そうだけど…」

梓「それなら、早く私の手を握るです」

梓「次の瞬間にはもう天国です」

唯「ん…んん…」

梓「もう時間が無いです」

梓「天国から仮世界に来てる事がバレたら私まで奈落送りにされちゃいます」

梓「さぁ、早く!」

唯「あずにゃん…」スッ

梓「唯先輩…」

ギュ……


……
………



34 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:12:57.40 ID:o5cEjrDV0

唯「…………」

気がつくと私は小さな島に立っていた。
一面砂浜の小さな小さな孤島。
周りは地平線まで続く、広大な海。
夕日のオレンジ色に輝く小波が砂浜を優しく撫でる。
島にはペンキ塗りの綺麗な白いログハウスが建っている。
ログハウスのデッキに一人、綺麗な黒髪を二本に束ねた女の子。

唯「あずにゃん…」

私はあずにゃんに歩み寄る

梓「ここが私達だけの、二人だけの世界です」

梓「唯先輩、もう離しませんよ」

唯「私もあずにゃんの事ずっと離さない…」

梓「案内するです」

唯「うん!」

あずにゃんが作った世界はなんだかとっても寂しいかんじだった。
だけどそれは、いまから私と二人でこの世界を拡げていくからだって。
小さな砂浜の孤島に佇む小さなお家には、なんでも二人分揃っていた。
2つの椅子、二人分の広さのテーブル、二人がけのソファー、
2つのコップ、二枚のお皿、二本の歯ブラシ………。
二人だけの世界…。

唯「これは?これはどこに続いてるの?」

ログハウスの裏のデッキには海深く続く階段があった。

梓「それは失敗作です」

梓「本当はもっと島を広くしたかったんだけど一人じゃこれが限界でした」

唯「あはは」

梓「でも、唯先輩となら…」

唯「あずにゃん」

梓「唯先輩」

私はもうここでいいんだ…。

ここにいてもいいんだ…。

ここにいるべきなんだ…。

ここにいたい。

唯「あずにゃん」ギュ

梓「唯先輩」ギュ

私は目を閉じて、力いっぱい抱きしめた後輩の匂いを体全体で確かめるように吸い込んだ。



終わり



35 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:15:37.03 ID:o5cEjrDV0

唯「違う…」

梓「え…?」

唯「違うよ…」

梓「何が違うんですか?」

唯「違うよあずにゃん!!」

唯「ううん。違う。お前はあずにゃんじゃない!!!」

梓「唯先輩…何を…」

唯「離れて!!」ドカッ

梓「キャッ!」

唯「お前は誰!?」

梓「な、何言ってるんですか!?」

梓「私ですよ!梓です!中野梓!!」

唯「違う!!!違う!!!!」

唯「あずにゃんじゃない!!!」

唯「見た目は誤魔化せても、どれだけあずにゃんを演じようと…」

唯「私は騙されないよ!!!!」

梓「唯先輩…!?」

唯「こんな所に用は無いよ!!」

唯「私はあずにゃんに会いたいの!!!」ダッ

梓「唯先輩!!!?待って!」



36 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:17:10.04 ID:o5cEjrDV0

タッタッタ

唯「この階段…」

唯「あずにゃん。待っててね!今行くから!!!」

梓「唯先輩!ダメです!」

唯「うるさい!!もうこれ以上あずにゃんの真似はするな!!」

唯「私はもう行くから!!」

梓「唯先輩!ダメです!その階段を降りちゃ!」

唯「嫌だね!私はあずにゃんの所に行くんだもん!」スッ

梓「その階段を降りるなァァァl!!!!!!!!!!!」ベキベキ…

唯「!?」

唯「やっと化けの皮を脱いだね」

唯「こんな醜い奴が、あずにゃんの真似なんか!」

梓「004号ォォォォォォ!!!!!!!!ココカラ出スワケニハイカナイィィィィ!!!!!」



37 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:19:44.35 ID:o5cEjrDV0

-冥界入り口・審判の間-

閻魔大王「まったく、厄介な魂だったな」

補佐役「全くです。まぁ奈落の実験材料としてはよく働いてくれる事でしょう」

閻魔大王「今はどうなってる?」

補佐役「もうとっくに例のアレに取り込まれてしまっている事でしょう」

閻魔大王「そのまま永遠に奈落をさまよい続けるのか…」

閻魔大王「まぁとにかくそのままアレの観測を続けてくれ」

補佐役「はっ」

ガシャァァン!!!

閻魔大王「何事だ!」

補佐役「誰かがドアを…」



38 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:22:31.40 ID:o5cEjrDV0

補佐役「あ!?」

閻魔大王「004号!?」

唯「……… ぅ」ボソッ

閻魔大王「貴様!どうやって奈落から出てきた!?」

補佐役「そんな!?衛兵!!今すぐ004号をとらえろ!!」

唯「……ちがう」

閻魔大王「何を言っている。004号!」

唯「違う!!!!!!」

閻魔大王「うっ!?」チリチリ

唯「わたしは004号じゃない!!!」

唯「私は…!!」

唯「私の名前は平沢唯!!」

閻魔大王「何を…」

唯「…」スッ

ポイッ…ドチャッ…

閻魔大王「うぅ!?それは奈落の…」

補佐役「なんだと!?アレの幻惑から逃れたというのか!?」

唯「ふん!!そんな黒いカサカサしたおっきな虫なんかで私が騙せるとでも思ってたの!?」

唯「こんなゴミ虫なんかにあのカワイイカワイイあずにゃんの真似をする資格なんて無い!!」ガスッ

グチャッ…ベチャッ!

閻魔大王「なんてことだ…」

唯「早く本物のあずにゃんに会わせて!!!!」

唯「そうじゃないと…」ジリジリ

閻魔大王「ま、待て!!!!」

唯「こんな所大嫌い!!」

唯「みんな潰しちゃえ!!!」

閻魔大王「は、はやまるなー!!」



39 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:23:59.58 ID:o5cEjrDV0

?「お姉ちゃん!!!」

唯「!?」

閻魔大王「……?」

憂「お姉ちゃん!何してるの!?」

唯「憂?」

使者B「こら!待つんだ平沢唯!!」バタバタ

使者B「あれ?これは…裁判長!何事ですか!?」

閻魔大王「奈落送りしたはずの004号が…」

唯「だから!私は平沢唯!!!」

使者B「え!?平沢唯は、ついさっき現世で事故に遭って仮世界に送られてきたのですが!?」

補佐役「……なんですと」

憂「だから!私は憂ですってば!!」

使者B「この平沢唯として仮世界へ送られてきた魂、
    自分は憂だと言ってきかなくて…前回のように裁判を…」

閻魔大王「なんということだ…」

唯「…憂!!」ダッ

憂「お姉ちゃん!!」ダッ

唯「憂!どうしてここにいるの!?」

憂「お姉ちゃんこそ!!」

使者B「なんなんだこれは…」



40 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:25:52.91 ID:o5cEjrDV0

憂「お姉ちゃん!」

唯「!?な、何!?」

憂「どうして自殺なんかしたの!?」

唯「え…それは…」

憂「私がお姉ちゃんに酷いこと言っちゃったから!?」

唯「ぁあ…いや、憂…」

唯「だ、だって、憂は私の事…キライなんでしょ…?」

憂「バカ!!!!!!」

唯「!?」

憂「お姉ちゃんのバカ!!バカバカ!!」

憂「キライなわけないじゃない!!!」

憂「お姉ちゃんのバカ!大好き!!!」ギュゥッ

唯「憂…」

憂「お姉ちゃん…」グスン



41 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:27:49.68 ID:o5cEjrDV0

唯「憂…ごめんね…。私、自分から逃げてた」

唯「私がいなくなればみんなを傷つけずに済むと思ってた…」

唯「私は結局あずにゃんにばかり逃げてただけだった…」

唯「憂…私がしっかりすればよかったのに…」

唯「私…馬鹿だよね…」

憂「ううん。お姉ちゃんは馬鹿なんかじゃないよ!!私の大切なお姉ちゃんだもん!」

唯「憂ぃ~…ごめんね…ごめんね…私、憂のお姉ちゃんなのにね…」

唯「もう憂を一人になんかしないから」

憂「お姉ちゃん…」

使者B(………)

閻魔大王「おい!使者B!」

使者B「なんでしょうか!?」

閻魔大王「この平沢唯として送られてきた魂は本当に平沢唯なのか!?」

使者B「そのはずですが…」

閻魔大王「確かに、004号が送られて来た後も現世に平沢唯はいたが…」

唯「そうだ!憂、私が自殺した後も、私は元の世界で生きてたんだよ!?」

唯「何かしらない!?」

憂「へ?あ…いや…」

唯「?」

憂「もしかしたら、それ…私かも…」

閻魔大王「!?」

補佐役「!?」

使者B「?」



42 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:30:01.85 ID:o5cEjrDV0

唯「どういうこと?」

憂「私、お姉ちゃんと入れ替わってたの…」

唯「え?」

憂「私が自殺したって事にして、私はお姉ちゃんのフリをしてたの!」

憂「だって…お姉ちゃんがいなくなっちゃうなんて…考えられないよ…」

唯「憂…」

憂「あの日、お姉ちゃんがまだ教室に来てないって聞いて、学校中探しまわって…」

憂「そしたら、お姉ちゃんが屋上にいて…それで…」グスン

憂「そのあとすぐに救急車を呼んで、スキを見て入れ替わったの…」

憂「お姉ちゃんが命だけは取り留めたとわかってからも、私はお姉ちゃんとして生きることにしたの」

憂「お姉ちゃんが起きてきた時、ちゃんとお姉ちゃんの大好きな軽音部がちゃんと残ってるように!」

憂「お姉ちゃんの笑顔がまた見れるように!!」

唯「憂……」

唯「ブフッwwww」

憂「え?///」

唯「あはははは!wwwwwwww」

憂「お姉ちゃ…ん?」

唯「あははwwww!憂、そんなとっさによく思いついたねwwww普通そんな事しないよ!wwww」

憂「え!?だって…!だって!!」

唯「ふふふ、ふふwwwwww」

唯「でも、私のためにそこまでやってくれてたなんて…」

唯「私の事キライだったのに…」

憂「だから!お姉ちゃんは大好きだってば!!!」

唯「憂…。私も大好きだよ」チュッ…

憂「ひゃっ!///お、お姉ちゃん!?///」


閻魔大王「………………」

補佐役「………………」

使者B「……………ポッ」



43 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:31:10.48 ID:o5cEjrDV0

閻魔大王「ま、まぁ…よかった…。これで004…いや平沢唯君の事は証明されたわけだ」

補佐役「そ、そのようですな…」

唯「キッ!!!」

閻魔大王・補佐役「ひっ!?」

唯「だから前から私は平沢唯って言ってたじゃん!!!!」

唯「よくも私をあんな酷いところに!!!」

憂「え!?お姉ちゃん、この人達に酷いことされたの!?」

憂「お姉ちゃんに酷いことするやつは絶対に許さないからね!!」

閻魔大王「いや…今回の事は本当に申し訳なかった…」ションボリ

補佐役「いやでも平沢憂が変な事さえしなければ別に問題は…」

唯「キッ!!!!!!」

補佐役「いや、なんでもないです…」ションボリ

唯「そういえば憂はどうしてこの世界に来たの?」

憂「えっと…///道端でお姉ちゃんの事考えてたら、トラックに轢かれて…」

唯「ごめんね憂~」グスン

唯「でもトラックにだけは気をつけなきゃダメだよ!?」

憂「うん…///」

唯「よしよし」ナデナデ



44 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:32:50.61 ID:o5cEjrDV0

唯「さて…」

唯「閻魔翌様!」

閻魔大王「は、はい…!」

唯「もう私達は普通の魂だよね!?」

閻魔大王「ええ、それはもう」

唯「じゃあ元の世界へ戻して!!」

唯「あ、その前に本物のあずにゃんに会わせて!!」

憂「梓ちゃんもここにいるの!?」

閻魔大王「ま、まぁ中野梓は完全に死んでしまっているから、元の世界へ戻すことはできないが」

閻魔大王「天国にいる中野梓の魂と面会することはできる」

唯「やったね!!」

憂「お姉ちゃん、梓ちゃんは…」

唯「あずにゃんはきっと今頃天国でのんびりしてるよ!憂、一緒に会いに行こうよ!」

閻魔大王「面会は同時に二人は無理だ…
      元々仮世界で管理されている魂を天国に一時的に入れるにはそれなりの力が必要になる」

閻魔大王「天国と地獄は、完全に死んだ魂を管理する所だからね」

唯「そんなー」

憂「お姉ちゃん、行ってきなよ」

唯「憂はいいの…?」

憂「今梓ちゃんに会っちゃうと、我慢できなくて本当に死んじゃいそう。お姉ちゃんもいるし!」

唯「憂ったらもう!」

憂「エヘヘ」

閻魔大王「いや、そんなにのんびりもしてられない。
      中野梓の魂はもうすぐ転生する。現世の方で転生先が決まったんだ…」

閻魔大王「会うなら急いだほうがいいぞ…」

憂「お姉ちゃん、梓ちゃんによろしくって言っておいて…」

唯「わかったよ憂!あずにゃんにはずっと渡しそびれてたものもあるし。私、行ってくるね!」

憂「うん!お姉ちゃん!私、先に元の世界に帰ってるから!」

唯「うん!後で絶対にそっちに行くから!!」

憂「待ってるよ!!」

閻魔大王「じゃ、行こうか…」



45 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:34:11.83 ID:o5cEjrDV0

-天国-

梓「…………」

梓「…………はぁ」

唯「あ~ずにゃん!」ダキッ

梓「へぁ!?」

唯「うんうん。この匂いだよこの匂い!」クンカクンカ

梓「ゆ、唯先輩!?」

唯「あずにゃん久し振りだね~」スリスリ

梓「なんで!?」

唯「ちょっとだけ会いに来たの!」

梓「会いに来たって…」

唯「あずにゃん…どうして死んじゃったの?」

唯「あの時約束したじゃない。一緒に武道館ライブ目指すって」

梓「………」

梓「怖かったんです」

梓「元の世界に戻るのが…」

唯「どうして…?」

梓「あの時は唯先輩は私がいないと何もできないとか言ってましたけど…」

梓「唯先輩はひとりでもなんでもできます…」

梓「私なんか必要無いです。邪魔になるだけ…」



46 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:35:45.07 ID:o5cEjrDV0

梓「私、どんどん上手くなっていく唯先輩に嫉妬さえ感じてました…」

梓「だから…私はもう…」

ポフッ

梓「…?え?これって…」

唯「そう!あずにゃんが欲しがってたマフラー!!」

唯「あの日あずにゃんの誕生日プレゼントに買ってあげてたの!」

梓「あの時買い忘れてた物って…」

唯「あずにゃん!すごく遅れちゃったけど…誕生日おめでとう!」

梓「唯先輩…」

唯「こうやって二人で巻くと暖かいでしょ?」

梓「…はい」

唯「私ね、憂と喧嘩してたんだ」

唯「というか、憂に嫌われたと勘違いしてた…」

唯「それでね、私もあずにゃんと同じように、私なんかいらないと思ってた…」

梓「…」



47 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:36:41.71 ID:o5cEjrDV0

唯「でもね、憂はそれを間違いだって教えてくれたの…」

梓「…」

唯「だから私も教えてあげる」

唯「あずにゃん。大好きだよ!」チュ

梓「んっ…んん…」

梓「……っは。はぁはぁ。ちょ…唯先輩!」

唯「あずにゃん…」シクシク

梓「……」

唯「あずにゃん。もう会えないの…?」

梓「………グスッ…唯先輩……ごめんなさい…グスン」

梓「死んじゃって…ごべんなざい…ズ…グス…」

唯「あずにゃん!あずにゃん!」

梓「唯先輩!」

唯「…!?あずにゃん?手が透けてる!」

梓「ホントだ!…私、もうすぐ生まれ変わっちゃうんですね…」

唯「やだよう!あずにゃん!」

梓「グスン…唯先輩…」



48 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:38:29.64 ID:o5cEjrDV0

梓「大丈夫です」ゴシゴシ

唯「?」

梓「私、生まれ変わっても絶対に唯先輩の事忘れません!!」

唯「あずにゃん…」

梓「生まれ変わっても、ギターいっぱい練習して唯先輩よりうまくなってやるです!」..

梓「そして、また唯先輩と。軽音部の皆さんと一緒に武道館ライブを目指すです!!」...

唯「あずにゃん!絶対だよ!!」

梓「絶対です!!:;.:...

唯「絶対に絶対だよ!!!」

梓「絶対に絶対です!!絶対に…絶対……:;....::;.:. :::;.. .....



49 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:40:24.76 ID:o5cEjrDV0

-病室-

唯「…………」

長い夢を見ていた気がする…。
とても長くて、悲しくて、暖かい夢…。
私はゆっくりと目を開ける。
目を開けると、私が私を覗き込んでいた。
その私は、私を見ると微笑みながらヘアピンを外し、自分の髪を頭の後ろで結び始めた。
違う…この子は私じゃない。
この子は私のかわいい妹…。


憂「おかえりお姉ちゃん!」


唯「ただいま。憂!」



終わり



50 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/02/25(土) 21:45:02.73 ID:o5cEjrDV0

いつかこんな寒さの11月があった。
仕事終えた私は、ギターケースを背負い帰路に着く。
いつも通る帰り道の公園。いつも誰もいないはずの公園。
ブランコに一人、綺麗な黒髪を二本に束ねた女の子。
女の子はギターを演奏している。

私はその女の子に歩み寄る。

唯「隣いい?」

女の子は大きなキリリとした目でこちらを見上げる。
その少女の顔は驚いた表情からすぐに満面の笑顔になった。

少女「どうぞ」

二人で夜の公園のブランコに腰掛ける。

唯「そのマフラー。かわいいね」

少女「私の一番大切な人からもらったんです」

唯「そう…」

唯「ギター上手いね」

唯「私、このコードが苦手なんだよね。教えてくれない?」

少女「こんなコードもできないなんて、それで本当に武道館いけるんですか?」

唯「……」

少女「……」

唯「ふっ、ふふふふwwww」

少女「クスクスwwww」

唯「あはははははは!!!」

少女「あははははは!!!」


ギュッ!

ホントに終わり



52 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/26(日) 01:10:18.67 ID:1Skr7HhIP





54 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/02/26(日) 02:53:03.92 ID:G1jUYuMjo

おっつ





関連記事

ランダム記事(試用版)




唯「私の名前は平沢唯!!」
[ 2012/04/27 19:15 ] 非日常系 | | CM(2)

コメント(アンカー機能)
●>>1と半角で書き込むと>>1と記事へのアンカーが生成される。
●*1と半角で書き込むと1とコメントへのアンカーが生成される。
上記の2つのアンカーが有効なのは該当記事のみ。

タイトル:
NO:6385 [ 2012/04/28 21:47 ] [ 編集 ]

閻魔大王って、意外といい人…?

タイトル:承認待ちコメント
NO:6750 [ 2013/02/08 18:24 ] [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

サイト関連
メール ツイッター 最新記事一覧(30件)
ユーザータグ 検索

U:
P:
色々変更
好みのカラーコードをどうぞ

記事の背景色変更


本体の背景色変更


名前の色変更
IE8:重
火狐4.01:軽
chrome:軽


広告4
広告5
広告6








上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。