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唯「なよたけの・・・」#前編 【ファンタジー】


SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServiseより

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308840176/

唯「なよたけの・・・」#前編
唯「なよたけの・・・」#後編




1 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:42:56.26 ID:Nfk5XxpX0



あらかた書き終わったので見切り発車


一応唯梓、時々憂純

どちらもそれほど濃くは無いです


あ、それと、ナレーターが出てきますが

CV:銀河万丈さんでお願いしますwwwww


書き上がるまでは数日間隔

書き上がったら1日おきに投下する予定


でも予定は未t(ry


では、投下します



2 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:43:48.90 ID:Nfk5XxpX0


昔々のその昔

現在の京都に程近い山間の村に、一組の老夫婦が住んでおりました


「いい天気じゃのぉ、婆さんや」

「そうですねぇ、お爺さん」

「絶好の散歩日和じゃのぉ、婆さんや」

「そうですねぇ、お爺さん」

「……ってさー、何で私が翁なのぉ?」

「配役の都合らしいから仕方ないよ、純ちゃん」

「……憂は良いじゃん、嫗なんだから……私だって女役やりたかったよ」

「でも……ね、私は……純ちゃんと夫婦役が出来て……嬉しい、よ」

「……そか。なら……翁で良いや」



  《なよたけの……》





3 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:44:22.21 ID:Nfk5XxpX0




ある日の事です。翁は日課の散歩で、近くにある竹林を散策していました


「……竹林って散策する価値あるのかなぁ?」

筍掘りのシーズンや竹の花見の時は最高ですよ。

「ふーん、そっか~。……ってあのぉ~、ナレーターさん」

はい。

「……独り言に反応されると……恥ずかしいんですけど」

おっと、失礼しました。では気を取り直して……。


翁が散策していると、奥の方に不思議な光が見えました

慌ててそこに近寄ると、一本の竹が輝いています


「な、なんじゃこりゃー!と、とにかく中を確かめないと!!」


急いで家に帰り、鉈を持ち、先程の竹の所へ戻ると、

光輝くその部分をじっくりと観察しました

どうやら竹の一節だけが光り輝いているようです


「よし……それじゃぁ、この節の真ん中に思いっ切り鉈を振り下ろせば……」

『ちょっとちょっと!真ん中じゃなくて上の方だよ!』

「あ、そうか。真ん中じゃ梓が真っ二つだよね~。
 ……でも~、それも面白いかもねっっっ!!!」

『にゃぁぁぁぁ!!!』



4 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:44:48.40 ID:Nfk5XxpX0



翁は楽しそうな顔で光る節の真ん中目掛けて鉈を振り下ろした!

キーン!!

鉈は見事に弾かれた!!

翁は5のダメージ!!


「い……ったーい!!」

『うふふふ~、そんな事も有ろうかと思って、
 節の上部以外はチタンコーティングしてあるの~』

「さ……さすがはムギ先輩……やりますね」

では、気を取り直して上部を叩きましょうか。

「仕方ないなぁ……ほい、コーンっと」


翁が鉈の刃を節の上部に軽くぶつけると、

何故か斜めにスパッと切れて中からとても美しい女の子が現れました


「……なんだか色々と突っ込みたいけど……まぁいいや。
 えっと……おぉ!竹を斬ったら中からこんなに美しい女の子がー!」

何だか白々しいですね。

「ゴチャゴチャ煩い!」


翁は女の子を家に連れて帰り、嫗と相談してこの子を育てる事にしました



5 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:45:38.44 ID:Nfk5XxpX0



「でもさー、憂。育てるにしても私達そんなにお金無いよ?」

「大丈夫だよ、純ちゃん。私が機織りをして稼ぐから!」

「それ……違う話しじゃん……」

『あ、お金なら大丈夫だよ!』

「梓、それ本当?……あ、まだ梓じゃなかったんだっけ……。
 えっと……娘!それは本当か?」

『……まぁ、まだ人形だし名前が無いから仕方ないよね……。
 えと……おじいさん、光る竹を見つけたらそれを斬ってみて!』

「そうすると金が出て来るんだよね!」

『憂……私の台詞とらないでよ……』

「よっしゃ!それじゃ明日から光る竹を探すぞー!!」


翌日、翁は竹林に入り光る竹を見付けては斬る作業を繰り返していました


「おぉっ!金が一杯!!こっちも!あっちも!!」

大漁ですね。

「うん!これだけあれば三人で充分暮らしていけるよ」

そうですか。でも、金ばかりじゃ飽きますよね。

「ん?じゃぁ他に何が出るの?」

そこの……そう、それです。それを斬ってみて下さい。



7 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:46:24.54 ID:Nfk5XxpX0


「これ?よいしょ……コーンっと!……はぁ!?ゴールデンチョコパン!?」

どうですか?

「いや……確かに名前に『金』が入ってるけどさぁ~」

お気に召しませんか?

「まぁ、食べられるから良いや。
 さってと……こんだけ稼げば充分だよね~。憂に見せてあげなくちゃ~」


翌日も、翌々日も、竹林に行く度に金を見付けては持って帰る日々を続け、

気付いた時には貴族と肩を並べるほどの大金持ちになっていました


「うっわー!凄い屋敷だよ!!一体何部屋あるんだろ……」

「私達だけじゃ広すぎるよね~」

「まぁ、後々必要になるんだから、このくらいでも良いんじゃない?」

「……あれ?さっきまでチビチビ人形だったのに……何で出てきたの?」

「純……話しの中ではもう三ヶ月経っているんだけど……」

「あれ?でもそんな事誰も言ってないよ?」

「そんな、憂まで……あれ?そういえば言われていないような……ナレーターさーん」

はいはい、なんですか?

「確か三ヶ月経った……んだよねぇ?」

……そのナレーションはこの直後ですよ。
 ・
 ・
 ・
「へっ!?にゃぁぁぁ!間違えたぁー!!」

まぁ良いじゃないですか。では……。



8 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:46:50.42 ID:Nfk5XxpX0



娘は日毎に成長し三ヶ月経った今では、

この世の者とは思えない程の美しさと、仏のような慈悲の心を持った娘になっていました


「そろそろ髪を結い上げる頃ですねぇ」

「もうそんな時期になるのか……子供の成長は早いのぉ」

「それに、名前を付けないといけませんねぇ、純じいさん」

「そうじゃのぉ、憂ばあさん」

「どんな名前がいいですかねぇ」

「そうじゃのぉ……よし、ここは御室戸斎部の中野を呼んで名付けてもらうかのぉ」

「それは良いですね、では早速手配してもらいましょうか」


数日後、屋敷にやって来た御室戸斎部中野は、娘の容姿を見t
「ひゃっほー!やっと名前付きで出られるぞー!!」

「ちょっとちょっと……まだ私達の名前は確定していないんですよ」

「え゛?そうなの?」

「えぇ、そうですよ。まぁ、私は非公式ながらも一応名前は出ていますけどね」

「でも、確かあのシーンでは両親の名前が……」

「確かに出ていましたけどね、ただ残念ながら父であるあなたの名前は判別出来ていないんです」

「……なんてこった……」

「というわけで、名付け親となる中野母でーっす!!」

「……夫の……中野父です……」



10 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:47:45.63 ID:Nfk5XxpX0


ナ、ナレーションに割り込まないで下さいよ!ちゃんと出番があるんですk
「そんなの待っていられないわよー!」

「というわけで、娘の名は『なよ竹のあずさ姫』に決定する!」

「は、はい!!ありがとうざいます!!」

「よかったね、梓」

「これでちゃんと梓ちゃんって呼べるよ~」

「それじゃぁ、皆を呼んで祝宴だー!」


翁と嫗は髪の結い上げと名付けの祝宴を三日三晩執り行いました
それはそれは素晴らしい宴で、梓姫の住む国だけでなく
隣国や離れた国からも人が集まる程でありました


「あ、あの……」

おや、中野夫妻じゃありませんか。こんな所で何をしているんですか?

「えっと……この後の出番は……」

ありませんよ。

「「えっ!?」」

あんな風に割り込んでくるんだから、当たり前じゃないですか。

「「そ、そんなぁー」」

あ、お帰りはあちらからお願いしますねー。



11 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/23(木) 23:48:25.72 ID:Nfk5XxpX0



宴から数日経つと、梓姫の噂を聞き付けた公家や貴族、

更には庶民までもが一目見ようと屋敷に集まりはじめました

しかしどれだけの貢ぎ物を差し出しても、梓姫は誰とも会おうとはしませんでした

そのため、日に日に屋敷を訪れる輩は少なくなっていき、

最終的には五人の公家や貴族だけが残りました

その五人の名前は律皇子、紬皇子、右大臣澪御主人、大納言聡御行、そして中納言唯麻呂

梓姫に対する想いは他の誰にも負けていないとそれぞれ自負しています


「梓ちゃん……なんで誰とも会おうとしないの?」

「なんでって……そんな『私は金持ちなんです!』的な態度を示されてもどうかなって思うし」

「まーねー、それにいくら『大切にします!』って言われても本心はわからないしねぇ」

「純の言う通りだよ……」

「でもね、一応設定では私達もう七十歳なんだよ」

「当時の平均寿命から言えば、私達は妖怪レベルだよね」

「だからさ、結婚とか……考えてもらえないかな?」

「……わかった……そのかわり、条件を付けたいんだけど……」



15 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:14:45.00 ID:KiOrn94W0



梓姫は五人を屋敷に招き入れ、御簾の奥からその条件をそれぞれに伝えました


「律せ……じゃなくって、律皇子」

「はい」

「『仏の御石の鉢』を持ってきて下さい」

「ははっ!畏まりました!」

「紬皇子」

「はい」

「『蓬莱の玉の枝』を持ってきて下さい」

「畏まりました~」

「右大臣澪御主人」

「は、はいっ!」

「『火鼠の裘』を持ってきて下さい」

「ね、鼠っ!?ひぃぃぃぃ……か、畏まりましたぁー」

「大納言聡御行」

「あ、はい」

「『龍の首の珠』を持ってきて下さい」

「龍っすか!?はぁ……畏まりました」



16 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:15:32.06 ID:KiOrn94W0


「唯先輩」

「……ほぇっ!?」

「……あ、間違えました……。コホン、中納言唯麻呂」

「は~い」

「『燕の産んだ子安貝』を持ってきて下さい……って、出来ますか?」

「うーん、難しいかも……。でも、あずにゃ姫たっての願いなんだから、頑張るよ!」

「……なんですか、その『あずにゃ姫』って」

「あずにゃんだからあずにゃ姫だよ~」

「意味わかりませんよ……」

「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ。それで、期限はいつまでなの?」

「あ、一週間後でお願いします」

「では、探しに行くとするか!……まぁ、私が一番乗りだろうけどね~」

「ねーちゃんには負けないぞ」

「わ、私もだ!」

「私、結構楽勝かも~」

「私も負けないよぉ~」


五人はそれぞれ梓姫が望む物を探しに旅立って行きました



17 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:16:11.82 ID:KiOrn94W0


それから二日後……


「よっしゃー!やっぱ私が一番乗りだなっ!!てなわけで律皇子、只今戻りました!!」

「以外と早かったですね……では、『仏の御石の鉢』を見せて下さい」

「はい!こちらでございます」

「……純……どう思う?」

「どう思うって言われても……ねぇ、憂」

「うん……これって、金魚鉢……だよねぇ」

「テヘッ、ばれたか」

「『テヘッ』じゃありません!では、律皇子は失格という事で」

「そうだねー」

「けってーい!」

「そ、そんなぁ~」



18 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:16:50.74 ID:KiOrn94W0



翌日、紬皇子がホクホク顔でやってきました


「梓姫さま~、『蓬莱の玉の枝』お持ちしました~。これになりま~す」

「おぉ……これは……」

「確かに……根が銀、枝が金、そして真珠の実がなっているよ!」

「うふふ~、琴吹グループに頼んで作ってもらったの~」

「「「……は?」」」
 ・
 ・
 ・
「……あ!いっけなーい!」

「つまり……偽物だという事……か」

「そうだね……純ちゃん」

「偽物を持って来るなんて言語道断です!紬皇子も失格です!!」

「はぁ……失敗しちゃったなぁ~」



19 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:17:29.34 ID:KiOrn94W0



そのまた翌日、今度は右大臣澪御主人が怯え顔でやってきました


「えと……梓姫さま……お望みの物をお持ちしました……」

「……なんでそんなにも怯えているんですか?」

「だ、だって……鼠だぞ!しかも裘だぞ!!」

「はぁ……では、見せて下さい」

「こ……この中に入っているから……」

「そこまで怯えるのもどうかと……まぁいいです。純、開けてもらえる?」

「はいよ~、パカっと」

「一応鼠の裘っぽいけど……純ちゃんはどう思う?」

「うーん……わからないなぁ~」

「じゃぁ、取り敢えず燃やしてみたら?」

「あ、そうだね。えっ……と」

「はい純ちゃん、松明だよ」

「サンキュー。ではこれを……」



20 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:18:08.66 ID:KiOrn94W0



梓姫に促され、翁は燃え盛る松明を裘の上に載せました

もしこれが本物ならば、松明のみが燃え尽きるのですが……


「あ、火がついた」

「……燃えてるねぇ……てかなんか燃え方激しくない!?」

「なんかバチバチ言ってるよっ!!」

「なんでだっ!?わ、私はちゃんと用意されていた偽物を持ってきたぞっ!!」

「でもでもっ!!どんどん激しくなってきてるよっ!!」

「だ、誰かっ!水!水を持って来てっ!!」

齋藤さん!!

「ちょっと待った!水なら用意してあるぞ!!」

「律!?」

「あそーれっと!!」

……ふぅ、無事に消えましたね。

「……純ちゃぁ~ん、怖かったよぉ~」

「よしよし……でも一体どうして?」

「わ、私は何も知らないぞ!普通に、用意されていた物を持って来ただけなんだからなっ!」



21 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:18:36.40 ID:KiOrn94W0


「ですよね……じゃぁ……すり替えられたって事……ですかね?」

「あぁ。おそらくな……でも誰が何のためにこんな事を……」

「あれ?そういえば……律先輩、齋藤さんに声がかかった時、既にバケツを用意していましたよね……?」

「へっ!?だって台本に書いてあったからさ」

「嘘を言うなっ!!そんな事、私の台本には書いてなかったぞ」

「嘘なんかじゃないやいっ!!私の台本にはちゃんと書いてあったぞっ!」

「あ、あの、私の台本にもそんな事は書いてなかったと思います」

「わ、私のにも……」

「梓に純ちゃんまで……なんだよっ!そんなに私を悪者にしたいのかよっ!!」

「あの……律さん、台本には何と書かれていたんですか?」

「えっと『裘が燃えさかるので、用意してある水をかける』だったかな?」

「それって、手書きでしたか?」

「よくわかったねぇ、憂ちゃん正解だよん」

「やっぱり……私、さっきから気になっていたんですよね。あの、ナレーターさん」

はいはい。



22 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/26(日) 13:19:17.60 ID:KiOrn94W0


「もしかして、私達の持っている台本って……みんな違う内容だったりしますか?」


あ、ばれましたか。その通りです、印刷されている部分は同じなんですが、
数名の方の台本に『指令』をボールペンで書き入れてあります。


「……と言う事は……そうか。律、ごめん、疑って悪かった」

「あ、いや、そんな、面と向かって謝られても……私だって……悪かったんだし」

「何でだ?別に律は悪い事なんかしていないだろ?」

「ん……いや……その……ちゃんと、澪に、伝えておけば、
 澪が、怖い思い、しなくて、すんだかな……って」

「まぁ、それは、そうなんだが……。
 てゆーかそういったネタばらし的な事って今までにやった事あったか?」

「無い……けどさ、いつもは危なくない事だから言わなかったんだけど、
 今回はさ、私が予想した以上に燃え上がったから……酷い事したなって……」

「……バカ律。そんなに後悔するんだったら前以て齋藤さんやムギに訊けば良かったじゃないか」

「うん……ゴメン。そこまで頭が回らなかった……ホントに……グズッ……ゴメン……」

「全く……いつもの律は何処に行ったんだ?」

「……グスッ……どっか……ヒック……いっちゃった……」

「……じゃぁ、いつもの律が戻ってくるまで、こうしててやるよ……」

「……ウゥッ……ヒグッ……グズッ……みおぉぉぉーーー!!!」



26 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/29(水) 22:51:04.49 ID:Img+z6Ac0


「ねぇ梓、これって取り敢えず『一件落着』ってやつ?」

「そうじゃないかな。……憂のお陰だね」

「えぇ?わ、私は別に何も……」

「何もして無くないよ。だって、憂が台本の事言ったから二人は仲直り出来たんだし」

「そうなの……かな?」

「そうだよ!この私が保障しまっす!!」

「もぉ……純ちゃんったら……。
 それにしても……律さんと澪さんって相変わらず仲が良いよね~」

「だよね~。梓と唯先輩に負けず劣らずって感じだよね」

「純ってば、変な事言わないでよ……」

「だって本当の事じゃん」

「……むぅ……。でもそれを言うならさ、憂と純だってそうでしょ?」

「えぇ~?そうかなぁ~。……憂はどう思う?」

「わ、私は、お姉ちゃんと梓ちゃんや、澪さんと律さんのほうが、仲が良いと思うよっ!」

「そんなに強調しなくてもいいじゃん……せめて『私達も同じ位かな』とか言ってよ……」

「あ、そうじゃないの!えっとね、時々なんだけど、とても羨ましいなって思うの」

「羨ましい?……梓と唯先輩が?」



27 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/29(水) 22:51:35.47 ID:Img+z6Ac0


「うん!だってさ、どちらもとっても仲良さそうだから、
 ……私も、純ゃんともっと仲良くなりたいなって思っちゃったりするんだよね」

「……憂?」

「だけど、そんな事純ちゃんに言ったら変な顔されそうで心配だし、
 だけどやっぱりもっと仲良くなりたいし、
 でもこういった時ってどうやって相手に伝えれば良いかわからないし!」

「憂……」

「そう考えたら、やっぱり今までと同じ距離感で居たほうが良いのかな?って思っちゃって、
 でもこの想いを伝えずに終わるのは嫌だし!!だからどうしたらいいのかわからないのっ!!!」

「憂!!!!」

「ひゃうっ!!じ……純……ちゃん?」

「憂……なんで私が憂を抱きしめているんだと思う?」

「わ……わからない……」

「私も……憂と同じだよ」

「えっ……?」

「私も……憂ともっと仲良くなりたい。それも……できれば恋人として……ダメかな?」

「純……ちゃん。……ダメなんかじゃ……ないよ。でも……良いの?私なんかで……」

「……憂じゃなきゃヤダ。憂が良い……」

「純ちゃん……グズッ……じゅんちゃぁぁぁーーーん!!」

「ごめんね……私のせいで寂しい思いをさせちゃっt」

「はーい、そこまでそこまで」



28 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/29(水) 22:52:27.55 ID:Img+z6Ac0


ど、どうしたんですか?梓さん。

「どうしたもこうしたも……。あ、そうか。ナレーターさんは知らないんだよね。
 この二人が既に恋人同士で尚且つお互いの家を行ったり来たりしてる事」

そ、そうなんですか!?

「そ。それに、衣装で見えないけれどお揃いのネックレスをしてるし」

はぁ。

「んで、そこに通されたペアリングには『J to U』『U to J』って彫られてて
 更にお互いの誕生石が埋まってると」

つまり……。

「ラブラブって事。ねぇ……何でいきなりこんな小芝居始めたのさ」

「えへへ~、何でだと思う?」

「何でって……そんなのわからないよ」

「ヒントは……私と憂の台本は二人で一冊です」

「二人で一冊……ハッ!もしかして今のやりとりが……?」

「だーいせーいかーい!!」

「『指令』として書かれていました~!!」

「でも……どうして今なの?」

「今っていうか……」

「キーワードが出たらお願いしますって書いてあるだよね~」

「ね~」

「キーワード?どんな?」



29 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/29(水) 22:53:11.58 ID:Img+z6Ac0


「えっと、梓ちゃんが『憂と純だってラブラブじゃない?』
 というような発言をしたらお願いしますって書いてあったの」

「だから梓がもしそういった感じの事を言わなかったら……」

「さっきのやりとりは無かったって訳か……成る程。……あれ?でもおかしくない?」

「……どこかおかしい所あった?」

「あ、別に憂と純は問題ないんだけど……あの、ナレーターさん」

はい、何ですか?

「ナレーターさんは『指令』の全てを知っているんですよね」

えぇ、そうですよ。

「じゃぁ何で二人が付き合ってる事を私が言った時……ってまさか!」

あ、ばれましたか。そうです、私にも『指令』があったんですよ。

「……だから、敢えて知らないふりをしていたんですか……」

はい、その通りです。ですが、流石にお二人がそこまでの関係とは知りませんでしたが……。

「だから演技っぽく無かったんですか……成る程」

「でも大変だったよ~。特に打ち合わせとかしてなかったからさぁ~」

「純……それにしては随分と息が合ってた気がするんだけど」

「まぁ、ね。憂の考えてる事なら大体わかるからさ」

「もぉ……純ちゃんったら……」



30 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/29(水) 22:54:24.25 ID:Img+z6Ac0


梓さん……。

「言わないで……聞いた私がバカだったって今物凄く実感してるから……」

……物語を進めましょうか。

「……お願い……」

了解しました。


右大臣澪御主人が失格となった翌日、今度は大納言聡御行が疲れた表情で屋敷に戻ってきました


「……」

おや?聡さーん、出番ですよー。

「あぁ、聡なら来ないよ、てゆーか居ないよ。ホテルに戻るって言ってた」

「へっ!?律先輩、何でですか!?」

「『頭数合わせで来ただけだし、この先大して出番無いし、
  龍の首の珠探しの演技するんだったらM○P3の古龍倒してた方が良いや』だってさ」

あの、それで律さんは引き留めなかったんですか?

「まぁ、実際そうだし……特に居なくても問題無いかなぁと思ってね」

「と言うことは……猫勝負で梓はオトモに負けたのか……」

「オトモ言うなぁぁぁぁーーー!!!てゆーか私は猫じゃなぁぁぁーーーい!!!」

「だって……ねぇ憂」

「あず『にゃん』だもんねぇ……純ちゃん」

「にゃぁぁ……反論出来ない自分が歯痒い……」



31 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/29(水) 22:55:07.86 ID:Img+z6Ac0



それから二日程経過し、今日が期限の最終日ですが

最後の一人となる中納言唯麻呂は未だ姿を見せません


「唯麻呂様……今何処に居られるのですか……?」

「梓姫、唯麻呂さんを信じて待ちましょう」

「うむ、もしかしたら今も子安貝を探しているのかもしれぬしのぉ」

「ですが、梓は心配です……」

「……台詞抜きで?」

「いや、それは流石に無いけどさ」

「そっか」

「純ちゃん、梓ちゃんの事だから、本心ではきっと心配しているんだと思うよ」

「もぉ……シナリオではもう少ししたら来るんだから心配する必要なんて無いじゃん」

「それもそっか。あーでも気になるなぁー、唯麻呂さんは今一体何をしているのかなぁー」

「純……わざわざこっちをチラ見しながらそんな事言う必要あるの?」

「えー、だって、ねぇ憂」

「うん、そうだよね、純ちゃん」

「……ぶぅ……」



32 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/06/29(水) 22:55:55.01 ID:Img+z6Ac0


あの、皆さん。なんでしたら唯麻呂さんが今何をしているのかお見せしましょうか?。

「ホントに?見たい見たい!!」

「はい!私もお姉ちゃんが気になります!!」

「……私も……見たいです……」

「おやおや、先程とは打って変わって素直ですなぁ」

「そうだねぇ~」

「い、いいじゃん!気になるんだから!!」

「うんうん、素直が一番だよ、梓ちゃん」

「憂の言う通り!!……とまぁ、梓をからかうのはこれくらいにしておいて……ナレーターさん」

はい。

「あの、一体どうやって唯先輩の様子を見るんですか?」

あぁ、それはですね……こうします!モニターカモーン!!

「……純ちゃん……天井から液晶モニターが下りてくるよ……」

「今って確か……平安時代って設定だよねぇ」

まぁまぁ、細かいことは気になさらずに……。

「そんな事言われてもさぁー、気にならずにはいr」

それでは準備も整いましたので現場を呼んでみましょうか。

「なっ!私の発言遮った上にスルー!?」

屋外ロケ現場の紬さーん。



35 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:28:25.56 ID:Ig7QPECA0


『は~い。リポーターの紬で~す。私、一度で良いからリポーターってやってみたかったの~』

お約束はしなくて良いので、リポートお願いします。

『了解しました~。……ごちら、現場の琴吹です。
 中納言唯麻呂さんですが、今まさに子安貝が有るという燕の巣目指して岩山を登っております』

「……あんな高いところを……」

「お姉ちゃん、フリークライミングしてる……」

『あ、因みに現在唯麻呂さんが登っている地点は、地上から約300メートルになります』

「そんな高さを……さっすが唯先輩!これぞ愛の成せる技だね!」

「愛って……純……やめてよ……恥ずかしい……」

『ではここでカメラを切り替えて唯麻呂さんの表情を見てみましょう』

「おぉ……凛々しい……」

「お姉ちゃんカッコイイね……」

「……」

「どったの?梓」

「……かっこ唯……」

「梓ちゃん……」

「憂、スルーしてあげるのが親友の務めだよ……」



36 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:29:06.52 ID:Ig7QPECA0


『唯麻呂さんは梓姫の願いを聞いたのち、
 様々な文献を読みあさりつい先日ここにたどり着いたそうです』

「そうだったんだ……唯先輩、無理難題を押し付けてすみません……」

「……他の四人にも無理難題を押し付k」

「まぁまぁ……純ちゃん、スルーするのが親友の務めでしょ?」

「……りょうかい。それにしても……この映像ってどうやって撮ってるのかなぁ?」

「うーん……空撮だと思うけど……」

「空撮ねぇ……でも何か……変な気がするんだよなぁ~、何だろ……うーん……」

あ、ほらほら、そんな事言っている間に向こうはクライマックスを迎えていますよ。

「えっ!?」

『登り始めて一昼夜、燕の巣まであと少しです!唯麻呂さん、頑張ってください!!』

「い、いつの間に……てか一昼夜って実際だったら有り得ない!!」

「お姉ちゃん!もう少しだよ!!」

『さぁ!ラストスパートです!!』

「唯先輩……頑張って……」

『……あずにゃ姫のぉ……ためなぁらぁ……えんやこーら!!……やったー!とうちゃーく!!』

「すごいすごい!唯先輩流石です!!」

「やったね!お姉ちゃん!!」

『おぉ!これこれ……燕さんごめんね~。よいしょっと……子安貝取ったどぉーーー!!!』



37 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:29:37.61 ID:Ig7QPECA0


「こんな時でもお約束を忘れないとは……」

「まぁ、唯先輩だし」

「まぁ、お姉ちゃんだし」

「それで良いのか二人共。……あれ?唯先輩ヤバいんじゃない?」

「「えっ?」」

『お!そういえば私、岩山にへばり付いているんだったっけ……
 じゃぁ手を放したら……まずい……よね』

何を悠長に解説しているんですか、素直に落っこちましょうよ。

『あ、そうだね~。おっとっとっとっとっとっとぉぉぉーーーー!?』

「お姉ちゃーーーん!!」

「唯せんぱーーーーーい!!!!」

『きゃーあー、おーちーるー』



38 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:31:08.82 ID:Ig7QPECA0



「……なんか切羽詰まっているような声じゃ無いような……てか変だよ!背景動いて無い!!」

あ、ばれましたか。

『実はこれ、琴吹グループの映像チームが作ったCGだったの~』

「やっぱり……何か変だとは思ったんだよね~。あんなセット屋外に無かったし……」

『純ちゃんすご~い!まさか見抜かれるとは思わなかったなぁ~。
 ……というわけで、唯ちゃん、もう起き上がっても大丈夫よ~』

『ふぅ……流石に後ろに倒れ込むのはドキドキしたよ~』

「……私の叫び声を返して欲しいです……」

「梓ちゃん……今回ばかりは私もそう思うよ……」

『それじゃぁ、あずにゃん……じゃなかった、あずにゃ姫、
 今すぐに子安貝をお持ちいたしますので少々お待ち下さいませ』

『現場からは以上でーす!』

紬さん、ありがとうございました。では皆さん、再開して……ってどうされましたか?

「あ、えっと、何か……ねぇ憂」

「うん、色々と……ねぇ純ちゃん」

「そだね、疲れたよ……ナレーターさん」

そ、そうですか。……あの……再開しても……よろしいです……か?

「いいですよー」

「がんばりまーす」

「わたしもー」

はぁ……では、再開しますね。



39 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:31:52.23 ID:Ig7QPECA0



ついに迎えた期限の日、日が暮れ篝火が焚かれる時間になってようやく唯麻呂が現れました


「中納言唯麻呂、只今戻りました。あずにゃ姫、こちらが『燕が産んだ子安貝』になります」

「よく戻られた。では、父様、母様、改めを……」

「翁殿。改め、お願いいたしまする」

「承知致した。では、改めさせてもらうぞ」


翁は唯麻呂から子安貝の入った箱を受け取り、嫗と共に中を改めました


「うむぅ……これは……どう思う?婆さんや」

「多分……それですね……お爺さん」

「父様、母様、それは子安貝では無いのですか?」

「うむ、子安貝ではないな……」

「梓姫もご覧なさい」

「では失礼して……こ、これは……」

「どう見ても違うじゃろ?……あーもー年寄り言葉めんどくさい!これからは普通に話そ、ね!」

「もぉ……純ちゃんたら……」

「でさぁ、梓もこれって絶対に違うと思わない?」

「ま、まぁね」

「ね!どう見ても『燕のフンがついた卵の殻』だよね!」

「ほぇっ!?そうなの!?」



40 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:33:03.38 ID:Ig7QPECA0


「お姉ちゃん……ちゃんと確認したの?」

「えっ?だ、だって……置いてあるって言われたし……それしか置いてなかったし……」

「唯ちゃんごめんね~、琴吹グループ総出で探したんだけど……見つからなかったの……」

「まぁ、空想の産物ですからね……ムギ先輩は悪くないと思いますよ」

「そぉ?そう言ってもらえると助かるわぁ~。梓ちゃん、ありがと~」

「えと……それじゃぁ……私は……」

「失格ですね」

「しょ、しょんなぁ~。あずにゃ姫様~、お願いしますよぉ~。私、頑張って取ったんですから~」

「そんな事言われても失格は失格です!」

「うぅ~、あずにゃんのいけずぅ~」

「それじゃぁ……中納言唯麻呂も失格という事でオッケー?」

「うん。じゃぁ純、名簿に×印しておいて」

「ほーい。……てかさ、唯先輩も失格したって言うのになんだか嬉しそうだねぇ~」

「お姉ちゃんが無事だったからだと思うよ、純ちゃん」

「なるほど……愛ですなぁ~」

「ですなぁ~」

「……憂、純、それ以上言うと流石の私も怒るよ!」

「きゃー、梓ちゃんが怒ったー」

「怒ったー、アハハ~」

「……もぉ……二人共知らない!」



41 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:34:26.08 ID:Ig7QPECA0



それから数日経ったある日、屋敷に豪華な牛車が現れました


「ねぇ、純ちゃん……これって……」

「帝の……牛車!?」


公家達があれだけ騒いでいれば帝の耳にも届くというもの。

梓姫の噂を聞き、一目見ようと現れたのです


「あ、梓!み、帝が来たよ!!」

「帝ねぇ……興味無いなぁ~」

「と、取り敢えず上がってもらおうよ、ねっ」

「……仕方ないなぁ……じゃぁ憂、お願い」

「うん!」


嫗は恐る恐る車に近付き、帝に声をかけました

すると後簾がゆっくりと上がり、中から帝がおごそk

「ようやく私の出番がまわってきたわ~!梓ちゃ~ん、お待たせぇ~!!」

さ、さわ子さん。帝役なんですからもう少し落ち着いた演技をおねg

「んもぉ、このくらい良いでしょ~?みんなそれぞれに役を崩しているんだし」

それは、まぁ、そうなんですが。せめて登場のシーン位は台本通りでお願いできますか?



42 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:35:05.46 ID:Ig7QPECA0


「ぶー、仕方ないわねぇ。……オホン、この屋敷に梓という名の姫が居ると聞いたのだが……真か?」

「は、はい!左様にございます」

「ふむ……ではその姫の許へ案内して貰えまいか」

「あ、こ、こちらです!どうぞ!!」


嫗は帝に最大級の敬意を払いながら、梓姫のもとへ案内しました


「この御簾の奥に居るのが梓姫でごz」

「梓ちゃ~ん!コスプレ用の衣装、い~っぱい用意してきたわよぉ~!!」

も、もう帝の台詞は終わりですかぁ!?

「さっきやったんだから良いでしょぉ?それとももっと続けろっていうの?」

あ、はい……出来れば、ですg

「嫌!」

そ、即答ですか……。

「当たり前じゃない、面倒だし。だから、良いわよね♪」

……シナリオを進めるためですので、致し方ありませんが目を瞑りましょう。

「固いのねぇ……まぁいいわ。えっと……という訳なので、
 さぁ!梓ちゃん!!好きな衣装を選びなさい!!」

「そ、そういわれましても……てゆーか、もう着ていますし……」

「……それもそうよねぇ……はぁ、じゃぁ仕方ないか……折角作ったのになぁ~」



43 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:35:49.20 ID:Ig7QPECA0


「あの……つかぬ事をお聞きしたいのですが……」

「な~に?」

「一応舞台は日本なんですけど……なんで衣装が洋服……
 それもゴスロリクラロリ甘ロリだらけなんですか?」

「あら~、純ちゃん良いところに気が付いたわね~。
 なんでかって言うとね……『♪炭水化物と炭水化物の』はい!」

「え、あ、ゆ、夢の……コラボレーション……」

「正解よ!つまりこれは平安日本と中世ヨーロッパのコラボレーションなの!」

「は、はぁ」

「どちらも絢爛豪華だった時代……だけど決して交わる事の無かった時代……
 それを私がコラボしてみせようと思ったんだけど……まぁ、仕方が無いわね……これで我慢するわ」

「……?」

「梓ちゃ~ん、こっちにいらっしゃ~い。取っておきのネコミミ持ってきたわよぉ~!」

「え……でも、御簾から出てはいけない決まりなので……」

「え~?……じゃぁいいわ、こっちから行くから」

「あ!それも駄目なんです!!決まりですから!!!」

「決まり……?でも梓ちゃんの隣に唯ちゃん居るじゃない!」

「えっと、まぁ、唯先輩ですし」

「お姉ちゃんですし」

「とまぁ、そーゆーことですし」

「クッ……そんな理由にもなっていない理由で私を拒むなんて……」

「さわちゃん、理由ならちゃーんとあるよ!」



44 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:36:17.89 ID:Ig7QPECA0


「えっ!?あら、そうなの?ごめんね~、先生はやとちりしちゃった。それで?その理由ってな~に?」

「それはもちろん、あずにゃん……じゃなくて、あずにゃ姫分の補給です!フンスッ」

「……あの……唯ちゃん?言っている意味がちょーっとわからないんだけど……」

「だから~、『あずにゃ姫分補給』だってば~。
 さわちゃんだって、大好きな人をぎゅーってするとほわぁ~んってなって気持ちいいでしょ~?」

「……」

「あれ?さわちゃん、どうしたの?うつむいて肩を震わせてるけど……」

「……ゆ・い・ちゃん♪」

「はい」

「ちょっと、こっちにいらっしゃい♪」

「え……えと……」

「さっさとこっちに来なさい!!」

「は、はひぃ!」

「ね、ねぇ梓。もしかして今のが……」

「そう。あれがデスデビr」

「そこ!こそこそ話さない!!」

「ひぃぃぃっっ!!」

「す、すみませんでしたぁぁぁーー!!」



45 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/03(日) 11:36:51.78 ID:Ig7QPECA0


「……さてと。唯ちゃん、私の前に座りなさい♪」

「はいぃ……それで、あの、私、何か、いけない事、しましたかぁ!?」

「したわよぉ~♪だ・か・ら~♪」

「だから?」
 ・
 ・
 ・
「こうするのよぉぉぉっっっ!!!
 さっきの台詞を言ったのはこの口かぁ!この口かぁぁっっ!!この口かぁぁぁっっっ!!!」

「いひゃいいひゃい!はわひゃんおえんあひゃ~い!!!」

「……唯先輩って、天然と言うか無邪気と言うか……本当に噂通りの人だったんだね……」

「うん……部室でもたまにやられてるよ……」

「前は家でもお父さんやお母さんにやられてたよ……」

「ふぅ……唯ちゃん!金輪際さっきみたいな台詞を言わない事!わかった!!」

「はい……申し訳ございませんでした……」


梓姫の姿を見る事が出来なかった帝は、せめてもの手土産としてネコミミを翁に預け、

PC及び携帯のメールアドレスと電話番号を嫗に教え、屋敷を去って行きました


「……ネコミミやメールやケータイが平安にあるかぁぁぁぁっっっっーーーー!!!!」

「純……」

「ん?」

「……ツッコミお疲れ」

「……あんがと」



48 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:17:36.99 ID:ti+LXxIr0



その後も多数の公家や貴族が梓姫に面会を申し込みましたが、

誰ひとりとして会うことは叶いませんでした

ただ唯一、帝とだけはメールでの悩み相談等で親交を深めていきました


「だからメールって……」

「純ちゃん、そんなにツッコミばかりしてると疲れちゃうよ……
 だからさ、程々にしておいたほうが良いんじゃないかなぁ」

「そうそう。憂の言う通りだよ~。ノンビリゴロゴロリラ~ックスだよぉ~」

「……唯先輩が今ここに居るってのが、一番ツッコミたい点なんですけど……」

「良いじゃん。唯先輩なんだし」

「そうだよ。お姉ちゃんなんだから」

「その流れさっきやったし!!……ってもぉいい!疲れるからツッコミ止める!!」

「でも……ツッコミするよね」

「するね」

「私も~そう思うよぉ~」

同じく私もそう思いますね。

「……なんでナレーターまで同意するのよ……」

「まぁ、ナレーt」
「それはもういいから!!」

「……やっぱりね」

「……ツッコミいれたね」

いれましたね。



49 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:18:10.19 ID:ti+LXxIr0


「……おちつけぇ~……おちつくんだわたしぃ~……
 素数を数えて……1・2・3・5・7・11・13・17・19・22・24・26・29・31・37・41・53!!!!」

あの、途中間違えてますよ。

「……いーのっ!!!」

そうですか。

「そうなのっ!!……ったく……。あ、そうだ。ナレーターに聞きたいんだけどさ」

はい、なんでしょうか。

「さっき『悩み相談』って言ってたよね……それって何の相談?」

気になりますか?

「ま~ね~。だって私達が居るのにも関わらず
 わざわざ帝とメールで相談するんだよ!?気にならない訳が無いでしょ」

では、次のシーンまで時間を進めましょうか。

「あ、それなんだけどさぁ、何で次のシーンは三年後なの?」

変ですか?

「そりゃあ変でしょ。まぁ一日ずつとまでは言わないけど、
 一ヶ月とかワンシーズン毎とか、そんなペースで進めても問題は無いんじゃない?」

いえ、それが……その……大有りでして。

「そうなの?」

はい。原作でもこの間の事は描かれていないんですよ。

「はぁ」

なので……申し訳ありませんが、一気に三年進めさせていただきたく……。

「そうなんだ。なら、いいや。ちゃっちゃと進めちゃって」

純さん、ありがとうございます。では……っとその前に少々準備を……。



50 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:19:21.63 ID:ti+LXxIr0


「準備?」

はい。齋藤さん、例の物を梓姫さんにお願いします。

「かしこまりました。では……こちらをお渡しいたします」

「えっと……ノートPC?」

「必要なソフトは既に起動しておりますので、どうぞ開いてみて下さい」

「あ、はい。……メーラー?送信済みトレイにメールがいっぱい……。あの、これってもしかして……」

『梓ちゃん、その通りよ』

おや、さわ子さん。いきなり何ですか?

『何ですかもなにも……何?このメールの数々は……』

『さわちゃんみせてー。
 ……うぉっ!!こ、こんな沢山のメール、私には到底出来ない!!
 だがしかし、澪ならば可能……だよな』

『私にふるな!それに……いくらなんでもこの数は私だって無理だ。
 先生、梓からのメールは一体何通あるんですか?』

『全部で980通、まぁ実際に梓ちゃんが書いたのは十通なんだけどね。
 確か件名に『梓(梓姫)です』って書いてあるのがそうよね?』

「あ、はい。その通りです」

因みにそれ以外はスタッフとアルバイトに書いてもらいました。

「へぇ~。……どんなのか読んでみたいなぁ~」

「あ、私も読んでみたい~」

「ちょっ!純!憂!」

「という訳で、見に行っても良いですか?」

あ、ではお二方も隣のスタジオへどうぞ。

「あ、そ、それは困る!」



51 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:21:54.07 ID:ti+LXxIr0


「なんで?」

「……なんでも」

「じゃぁさ……まずい部分を黙読するんなら良いでしょ?」

「でも……」

「なら今ここで教えてよ、なんて書いたのかを」

「そ、それは……ゴメン、ちょっと無理……かな」

「それじゃぁ見なきゃ尚更わからないじゃん。という訳で私と憂は向こうに行ってくるね~」

「あ、ちょ!ちょっと待ってよ!!」

おっと、梓さんはそこから出てはいけませんよ。

「えぇっ!?そんなぁ~」

決まりは決まりなので……すみません。モニターで様子を見ていて下さい。

「大丈夫、私が一緒に居てあげるからね」

あ、では唯さん、梓さんをお願いしますね。

「は~い。……あずにゃ姫様~、むぎゅぎゅ~」

「にゃ、にゃぁぁぁっっっ!で、でもっ!!あのメールはっ!!!」

「んもぉ、あずにゃ姫様、落ち着いて下され。ねっ……いーこいーこ……」

「ふみゅぅぅぅぅ……」

ではカメラを隣のスタジオに切り替えまして……。



52 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:23:17.59 ID:ti+LXxIr0



 ♪


「しっかし……梓が書いたメールかぁ、どんな事書いてあるんだろうな」

「確かに、気にはなるな」

「どんな事が書いてあるのかしら~」

「まぁ、私は一度目を通したけどね」

「えっ!?じゃぁさっき梓が言ってた『読まれたくない理由』ってのも既にわかってるの?」

「う~ん……、多分そうじゃないかなって程度にはね」

「成る程……」

「さわ子先生、先輩方、ただ今到着しましたー」

「純ちゃん、憂ちゃん、いらっしゃい」

「……どうしたんですか?皆さん考え込んでいますけど……」

「ん?あぁ、かくかくしかじかで考え込んでいるだけよ。
 ……まぁとにかくみんな読んでみなさい。梓ちゃん本人が書いたメールだけ表示してあるから」

「本当に読めば理由がわかるのか?」

「多分、ね」

「じゃぁ一通目から読みましょうか。えっと……」



53 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:24:11.41 ID:ti+LXxIr0




件名 梓(梓姫)です

本文 ムギ先輩に言われてメールしました

   悩み事を書いて相談する

   という感じで書いてほしいと言われたのでこれから何通か考えて送りますね



「まぁ、普通だな」

「あぁ」

「えぇ」

「そうですね」

『普通でいいじゃないですか、最初のメールなんですから。……あの、この先も……読むんですか?』

「ん?そのつもりだけど」

『できれば……読まないでいただければ……嬉しいんですけど……』

「あぁ、さっき言ってた『読まれるとまずい』って事か?」

「だいじょーぶ、そん時は黙読するから。んじゃさわちゃん、次お願い」

「はいはい。それじゃぁね……これなら良いかしら?半年位経過したっていう設定のメールよ」



54 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:25:11.98 ID:ti+LXxIr0




本文 突然ですが、恋って何ですか?

   私、とある人の事が好きなんです

   その人の事を想うと、それだけで胸が張り裂けそうになるんです

   さわ子先生、これが恋なんですか?



「一気にきましたなぁ」

「そうだねー」

『も、もう十分ですよねっ!だからこれでおしまいにしませんかっ?』

「いやいや、これだけじゃまだまだですなぁ~」

「折角盛り上がってきたんだし~」

「ムギ先輩もそう思いますか?」

「えぇ、もっちろ~ん♪」

『で、でもでも!』



55 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:25:49.45 ID:ti+LXxIr0


「だから落ち着けってーの。ちゃんとまずい部分は黙読するって」

『あ、あの!律先輩!そうじゃなくて!』

「さわちゃ~ん。次はどれが良いかなぁ?」

「そうね……じゃぁこれかしら。因みに七通目よ」

『七通目……あ!そ、それは絶対にダメです!!!』

「だが私は見るぞ!」

「律!!」

「澪まで……そんなに私は信用出来ないか?」

「いや……梓があれだけ嫌がっているから……」

「見るだけだってば。えーと、どれどれ……」



56 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/06(水) 22:27:17.50 ID:ti+LXxIr0




本文 さわ子先生

   私、今まで好きな人の名前を敢えて書かないでいました

   何故かというと、その人は先生もよく知っている人だからです

   私が好きな人……、その人の名前は平沢唯と言います

   そうです。私が好きな……愛している人は、唯先輩なんです

   私自身、女の子なのに……って思った時もありました。

   でも、憂と純が、お互いに勇気を出して告白して、恋人になった時に私わかったんです

   好きになったのなら、そんな考えは小さな事だって

   だから、私決めました!

   唯先輩に勇気を出して告白します!

   でも……多分、私はフラれると思います

   だって、唯先輩にとって私はただの『後輩』

   いつもの抱き着きだって、ただのスキンシップだって事、わかってますから

   だけど、言わないでウジウジとしているよりは、

   言って砕けた方が気持ち的に納得出来そうなんです

   私、これからは後悔しない生き方をしていきたいんです

   でももし、唯先輩がオッケーしてくれたら

   その時は、一番に報告しますね



   それでは、失礼いたします


   P.S. 支離滅裂な文章になっちゃってすみません



61 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:06:37.54 ID:82S8/HNW0


『ヒック……ヒック……グズッ……』

「あ、梓ちゃん!どうしたの!?」

『グズッ……読まないでって……エグッ……言ったのにぃーーー……ウワァァァァーーーン』

「え?で、でもさ、誰も声に出して読んでないぞ!」

『あのね、りっちゃん……メールの内容ね……モニターに……全部……映ってるの……』

「えぇっ!?……そう、だったのか……梓、ゴメン。悪かった」

「ご、ごめんね、梓ちゃん」

「私も……梓、本当にゴメン」

「……私達みんな同罪よ。梓ちゃんがあれだけ嫌がっていたのに……
 その理由も聞かないで勝手に読んでいたんだから……。梓ちゃん、ごめんね……」

『ヒック……グズッ……ウグゥ……』

「……唯ちゃん、聞こえる?」

『あ、はい』

「……あなたの出番よ。わかるわよね」

『はい。……あずにゃん、泣かないで』



62 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:07:52.01 ID:82S8/HNW0


『ウゥッ……ヒグッ……グズッ……ウゥッ……』

『あずにゃん……』

『ゆ、ゆいぜんばいぼ……ヒック……おどろぎばじだよで……エグッ……』

『うん……驚いた』

『ぞうでずよで……ウグッ……ごんだごど……
 おどろがだいでいだれるびど……グズッ……いばぜんよで……』

『……』

『ヒック……グスッ……へ、変ですよね!
 私が、唯先輩を、好きだなんで……ヒック……おかしい……グズッ……です……よね……』

『……おかしくなんかないよ』

『嘘!!』

『嘘じゃないよ』

『だって、唯先輩は色んな人と仲良くしているし……グスッ……
 抱き着いたりも……ウゥッ……してるじゃ……エグゥ……ないですかぁ……ウワァァァーーーン』

『あずにゃん!!』

『……ヒック……』

『さっきの純ちゃんじゃないけど……なんで私があずにゃんをギュッてしているか……わかる?』

『わかり……ウゥッ……ません……』



63 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:08:33.28 ID:82S8/HNW0


『あのね……私も、あずにゃんが好き。愛してる』

『ほんとう……グスッ……ですか?』

『うん。……私ね、何度も……あずにゃんに告白しようと……思ってたんだ』

『……グズッ……』

『でもね、私は……あずにゃんみたいに勇気がなくて……
 臆病だったから……告白……出来なかったの……』

『唯先輩……グスッ……』

『だからね……グズッ……今……とても……嬉しいの……』

『ゆい……せんぱい……』

『あずにゃん……グスッ……遅くなっちゃたけど……私にも言わせてもらえる……かな?』

『……はい』

『あずにゃん……私、あずにゃんが好き。愛してる。
 だから……この先もずっと……一緒に居てもらえますか?』

『唯先輩……それじゃまるで……』

『まるで?』

『……プロポーズじゃないですか……』

『あ……ホントだねぇ~』

『もぉ……ふふっ』

『えへへ。……ねぇ、あずにゃん』

『ふふふっ……なんですか?』



64 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:09:06.10 ID:82S8/HNW0


『……やっと、笑ってくれたね……』

『……?』

『あずにゃん……今日、ここに来てから一度も、笑っていなかったから……』

『そう……ですか?』

『うん。……笑ってはいるけど、本当の笑顔じゃなかった』

『本当の……?』

『本当の。あずにゃんが心から嬉しい時にだけ見せる本当の笑顔。
 今日は一度も見せていなかったから……心配だったんだよね……』

『……気づきませんでした……』

『だからね……今、あずにゃんが本当の笑顔を見せてくれて、とても嬉しいよ』

『……唯先輩が……』

『ん?』

『唯先輩が、一緒に居てくれれば……
 それだけで私はいつでも……本当の笑顔を、見せてあげられますよ』

『……という事は……』

『私からもお願いします。……この先ずっと……一緒に居て下さい』

『……うん』



65 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:10:05.01 ID:82S8/HNW0



「……お~い、お二人さ~ん……って、聞こえてないか……」

あ、向こうのモニターは全てオフにしてあります。

「あ、そうなの?てかそれを早く言ってくれよっ!気を遣って損したじゃないか……」

「照れてるりっちゃんって可愛らしいわぁ~」

「よ、よせやい!」

「えぇ~?だって本当にそう思うんだもの~。澪ちゃんもそう思うでしょう?」

「へっ?あ、あぁ。コホン……た、確かに、少し、カワイイと、思う……ぞ」

「みぃ~おぉ~。なんで澪までそんな事言うんだよぉ~。余計恥ずかしくなるじゃんかぁ~」

「そ、そんな事言われても……。私は、ただ、事実を述べただけだぞっ」

「お、追い打ちをかけるなよぉぉーー」

「うふふふふふふ」



66 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:10:51.91 ID:82S8/HNW0




「先輩達……楽しそうだね」

「うん、そうだね~。あ、お姉ちゃんと梓ちゃんも楽しそうだよ」

「ホントだ。……凄く楽しそうに笑ってる」

「……良かったね、お姉ちゃん、梓ちゃん」

「うん。二人とも……おめでとう。……あ、そうだ。先生に聞きたい事があるんですけど……」

「何かしら?」

「さっき、梓からのメールは一度目を通したって言ってましたよね」

「えぇ」

「それはつまり、梓が一番嫌がるであろう七通目のメールを、
 敢えて私達と唯先輩に見せた……という事ですよね」

「その通りよ。……なんでそんな事をしたんだろうって顔をしているわね……。
 良いわ、種明かししてあげる。ちょっと!そこの三人もこっちに来なさい!!」

「「「はーい!」」」



67 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:12:08.22 ID:82S8/HNW0




「んで、さわちゃんな~に?」

「あなた達も気になるでしょ?私がなんで七通目を見せたか」

「それは、確かに気になります」

「それについて、種明かししてあげるわね」

「種明かし……トリックを自らばらす……つまり全てを話すという事?
 ……りっちゃん警部!犯罪のにおいがします!!」

「あぁ、そうだな……ってムギ、しないから」

「えぇ~!?……ショボーン」

「いや、えぇ~じゃないし、おまけに落ち込まれても困るし。てかさわちゃんの話しきこうぜ」

「はぁ~い」

「はぁ、全くムギもムギなら律も律だな……。
 それで先生、なんで七通目をわざわざ見せたんですか?」

「……えっ?あぁ、ごめんね。
 りっちゃんとムギちゃんの掛け合い漫才が面白くてついボーッとしちゃってたわ」

「……面白かったんだ……」

「……純ちゃん、それは言わない約束だよ……」

「えっと……あぁ、理由ね。それはねぇ……んーっと……ちょっと待ってね……」

「……携帯に何かしらのヒントが!?やっぱりこれは犯罪のn」

「それはもういいから」

「……あ、これこれ。このメールを見てちょうだい」

「それって……唯から?」

「……だな、えっと……」



68 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:12:55.23 ID:82S8/HNW0




件名 さわちゃんこんばんわ

本文 えと、突然のメール、ゴメンナサイ

   実は、さわちゃん……いえ、人生の先輩であるさわ子先生にどうしても聞きたい事があるんです

   恋って何ですか?

   私、とある人の事が好きなんです

   その人の事を想うと、それだけで胸がドキドキしたり、ギュッってなったりするんです

   さわ子先生、これが恋なんですか?



「字面こそ違えど……」

「文脈はほぼ同じだね……」

「で?さわちゃんはどう返事したんだ?」

「ちゃんと返事したわよ、それが『恋』だって」

「おぉ!いつになく真面目だ!!」

「当たり前でしょぉ~?
 教え子から送られてきた直々の相談メールなんだし……それに、嬉しかったからね」

「嬉しかった?唯ちゃんからのメールが嬉しかったんですか?」

「相談されたって事と、成長を知ることが出来たって事でね……。
 あ、これこれ。次はこのメールを見てちょうだい。因みにさっきから約半月後に届いたメールよ」

「どれどれ……」



69 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:13:52.52 ID:82S8/HNW0




件名 さわ子先生

本文 えっと、今日は重大発表をしようと思います

   私、今まで好きな人の名前って書いてなかったよね

   なんでかっていうと、その人は先生もよく知っている人だからなんだ~

   私が好きな人はね……中野梓って言うの

   そう。私が好きな……愛している人は、あずにゃんなんだよ

   女の子なのに、変だよね

   さわ子先生もそう思うでしょ?女の子が好きだなんて……普通、気持ち悪いよね



70 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:14:34.58 ID:82S8/HNW0


   だからね、この気持ちを心にしまっておこうと思うんだ

   だって、あずにゃんにとって私は『一人の先輩』でしかないんだろうし

   それに、抱き着いた時も必ず「やめてください」って言われるし……

   
   あずにゃんに告白しても、多分、驚いた顔をして、不快な顔をして

   ……そしてフラれて、あずにゃんと私の関係がギクシャクして

   軽音部の雰囲気が悪くなって、私かあずにゃん……最悪両方が辞めざるをえなくなるだろうから

   

   私、自分のせいでそんなふうになるの、嫌だから

   だから……告白はしないで今までのままでいようと思う

   さわ子先生、今まで色々と相談にのってくれて、ありがとう

   そして、ゴメンナサイ

   それじゃ、また明日、学校で

   P.S. へんてこりんな文章になっちゃってごめんね



71 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:15:04.86 ID:82S8/HNW0




「えっと……という事は、梓と唯先輩は……」

「両想いだった。だけど……お姉ちゃんは……」

「今までの関係、そして軽音部の事を思って告白しなかったのよね……」

「……全く、そんな事で私達の関係が悪くなる訳無いだろ」

「……澪ちゃん。本当にそう思う?絶対にそうだって言い切れる?」

「……フラれた直後は唯が書いたようにギクシャクするかもしれませんが……」

「……梓ちゃんがその雰囲気のまま軽音部で今までみたいにやっていけると思う?」

「それは……多分、無理、ですね」

「だからね、唯ちゃんは自ら身を引く事を決めたのよ」

「そうだったのか……」

「あ、だからさわ子先生が梓ちゃんのメールを見て……」

「これなら二人は大丈夫だって思ったから、あのメールをみんなにも見せたって訳」



72 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:16:58.69 ID:82S8/HNW0


「むぅ……今日のさわちゃんはいつになく先生な感じですなぁ~」

「りっちゃん、それってどういう意味?」

「え~、だってさぁ、いつものさわちゃんだったら
 唯と梓が恋人になるのを見て『教え子に先を越された!』とか言いそうじゃん?」

「あのねぇ……一応私は何度か男性と付き合った事もあるのよ、
 それに……嬉しい事じゃない。教え子が二人も幸せになるんだから……」

「そっか……そうだよな、唯も梓も、ずっと辛かったんだもんな」

「田井中部長!お二人に一言お願いします!」

「うむ、では……二人とも!幸せになるんだぞー!!」

「律、ムギ、向こうには聞こえないから」

「あ、そうだった……っておいおい!」

「ひゃぁぁぁーーー、お姉ちゃんと梓ちゃんが……」

おやおや、これはこれは……若いって良いですねぇ~

「あのねぇ、ナレーターさん……まぁいいわ、それよりもちょっとお願いがあるんですけど」

なんですか?さわ子さん

「このマイクの声を向こうのスピーカーから出していただけますか?」

え?何でですか?そのままでも良いじゃないですか。

「良くないの。さ、早くして頂戴」

はぁ、わかりました。では……はい、オーケーですよ。



73 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:18:25.92 ID:82S8/HNW0



「……ゆーいーちゃん♪あーずさちゃん♪」

『『ふぇっっ!?』』

「恋人同士、あま~い雰囲気で居るのも良いけど……二人とも、何か忘れてない?」

『何か……?』

『あぁっっっっっ!!!!』

『ど、どうしたの?』

『唯先輩!……今、私達が、居るのは、何処ですか?』

『何処って……あぁぁぁぁっっっっっ!!!!!』

「思い出したかしら?」

『……という事は……』

『私達が話していた事も……』

「あぁ、それは大丈夫よ。映像だけで音声は届いていなかったから。
 ……でも、そんなふうに言われると気になるわねぇ~」

『さわ子先生!それだけは!!』

『ごめんさわちゃん!それだけはほんっっとうに無理!』

「冗談よ、じょーだん。
 まぁ、それだけ慌てられると余計気にはなるけどね……ま、今回は自重しておくわ」

『ありがと!さわちゃん!!』
『ありがとうございます!!』



74 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/11(月) 22:19:40.46 ID:82S8/HNW0




「……私……軽音部に入って……良かった……」

「……ムギ、何をシミジミと呟いてるんだ……?」

「りっちゃんと澪ちゃん、部員じゃ無いけど憂ちゃんと純ちゃん、
 そして唯ちゃんと梓ちゃんよ……ス・テ・キ……はふぅ……」

「……そか」

「うふふふ~、軽音部……サイコー!!」

「……おぉーい、ムギ~、帰ってこ~い」



79 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/16(土) 14:31:53.06 ID:e0oBSoL+0




「こ、これは……凄い……」

「……確か、相談事っていう設定、なんだよねぇ……」

「うぅ……み、見るんじゃなかった……」

「あら、どうしたの?三人共変な顔して……。あ!もしかしてメール見てたの?」

「あ、は、はい……」

「いやぁ、梓が書いたの以外ってどんなのかなぁ~って思って……」

「気になったから、純ちゃんと澪さんと一緒に見たんですけど……」

「……凄いでしょ」

「……かなり……凄い……ですね……」

「ほほぅ……澪が絶句する位凄いのか」

「ヒィィッッ!!りっ、律!!急に後ろから寄り掛かるなっっっっ!!!」

「別にいーじゃん。んで?その澪が絶句したメールってのはどれかなぁ~?」

「律先輩……恐らくほぼ全てです」

「何!?……ほぼ全て……だと?」

「件名だけで空のメールが殆どなんですけどね」

「本文の書いてあるメールが三十通位あって……その内容が……」

「ふーん……よっしゃ、ちょいと流し読みしてみるか!」

「りっちゃん……後悔しないでね……」

「そんな大袈裟な……あ、そうか。
 さわちゃんは一足先に見てるんだっけか……オッケー、気をつける。えーっと……」



80 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/16(土) 14:32:27.20 ID:e0oBSoL+0



本文 唯先輩かっこよすぎです!

本文 唯梓というよりYUIAZU

本文 ゆいにゃんペロペロ

本文 唯先輩!唯先輩!!

本文 中野唯も良いが、平沢梓も捨て難い

本文 唯先輩とチュッチュしたいよぉ~

本文 今日、唯先輩が私を見てくれた!!

本文 平沢唯は私の宇宙だ!

本文 唯先輩があーんってしたら、私もあーんって返します!

本文 ひらさわゆい、私はこの六文字に全てを捧げられる!

本文 ゆいあずサイコー!!

本文 唯先輩の黒タイツクンカクンカ

本文 私達の歌を聞けぇぇぇーーー

本文 唯先輩は私が育てた



81 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/16(土) 14:33:03.46 ID:e0oBSoL+0


本文 唯先輩の御両親に感謝したい

本文 今日、唯先輩の布団に潜り込んだら脱ぎたてのパ

本文 待ち受けの唯先輩にキスをする事で私の一日が始まる

本文 着声は勿論唯先輩の『あずにゃ~ん』です

本文 唯先輩の中指チュパチュパ

本文 ゆいちゃんと呼ぶかゆいにゃんと呼ぶか、それが問題だ

本文 唯って呼んでみたい

本文 唯先輩のヘアピンが有ればそれだけで私は十回オ

本文 唯先輩を語るには一日じゃ少なすぎます

本文 私はアイスになりたい

本文 好きなジャンル?平沢唯以外の何があるの?

本文 唯先輩のトイレ&入浴シーンを盗撮したBDを手に入れた!

本文 唯先輩・・・ハァ・・・唯先輩・・・ンッ・・・ンァッ・・・

本文 あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!

 ・
 ・
 ・
「さわちゃん……」

「ん?」

「……私が悪かった……」



82 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/16(土) 14:33:55.45 ID:e0oBSoL+0




『そういや和ちゃん遅いね~』

「まぁ、仕方ないんじゃないか?生徒会の引き継ぎが大変だって言ってたぞ」

「去年までと比べて生徒会の業務が増えたのよね~」

『へぇ~、そうなんだ~』

「まぁ、そのお陰で各部室にクーラーを入れたり出来たんだけどね。
 去年までだったら職員会議にすらかけられなかっただろうし」

『ふ~ん。……和ちゃん今年は大忙しだったんだねぇ』

「えぇ、その通りよ、唯。すみません、お待たせしました」

『あ、和ちゃ~ん!』

和さん、お待ちしておりました。

「ごめんなさい、引き継ぎが中々終わらなくて……」

『い~よい~よ、和ちゃんだって大変だったんだからさぁ~』

「ありがと。あ、そうだ。ナレーターさん」

はい、なんですか?

「もうすぐ七時ですけど、今日はまだ続けるんですか?」

おや、もうそんな時間ですか。えーっと、齋藤さんは居ますか?

「はい、ここに」

シナリオ的にも結構進んだので、今日はこれで終わりにしますか。

「そうですね」

では、今日はここまでという事で。皆さん、お疲れ様でした!

「「「「「「「『『お疲れ様でしたー!』』」」」」」」」



83 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/16(土) 14:34:36.99 ID:e0oBSoL+0




「……ってちょっとまったぁぁぁーーー!!!」

「ヒャッ……な、なんだよ律……いきなり大声出して……」

「ん?何でかって?それはだな、
 ……えっとぉ~、そっのぉ~、なんとなくぅ?じこしゅちょぉー?みたいなぁ~」

「その喋り方は、や め ろっ!!!」

「アダァッ!!!」

……あの……もしかして、それだけのためにわざわざ叫んだんですか?

「まっさかぁ~、今のは軽いジョークだって」

はぁ、軽いジョーク……ですか。

「そうそう。んで、本題なんだけどさ……シナリオをちょっと手直ししてみないか?」

手直しですか?

「そう。って言ってもホントにちょびっとだけなんだけどな」

「それ面白そう!りっちゃん、何処を手直しするのかしら?」

「よくぞ聞いてくれた!えっとまずは……」



84 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/16(土) 14:35:06.60 ID:e0oBSoL+0


『あ、あのぉ……取り敢えずホテルに移動しませんか?』

「えぇ~?あずさぁ~なんでだよぉ~、別に良いじゃんかよぉ~」

『あの……その……ずっと重い衣装着ていたので……早く脱ぎたいな~って……』

「そうだよな、梓の衣装が一番重いんだもんな。
 律、私も早くホテルに戻ってシャワーを浴びたい。誰かさんのお陰で冷や汗いっぱいかいたからな」

「うぅ……その節は大変御迷惑をおかけいたしました……」

では、晩御飯の後位にホテルのロビーで手直しの件を話し合うってのはどうでしょう?

「確かに、その方がジックリと話せるな……。じゃぁ、それでお願いします」

では、皆様ホテルに戻りましょうか。

「「「「「「「『『はーい!』』」」」」」」」



87 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:13:53.00 ID:0VoTJy5V0






「はぁ~、美味しかったね~」

「そうですね~。私、ちょっと食べ過ぎちゃいました」

「私もだよ~。……はぁ、ゴロゴロしたいなぁ~」

「部屋に戻るまでの辛抱ですよ」

「ですよねー。……んー、じゃぁゴロゴロの代わりに……」

「代わりに?」

「あずにゃ~ん……むぎゅ~」

「にゃっ!?」

「代わりにあずにゃん分補給しま~す♪」

「な、何で代わりなのか意味がよくわからないんですけどっ!」

「んーと、私のリラックスタイムって感じかなぁ~」

「はぁ、リラックスタイムですか。……じゃぁ、仕方がありませんね。でも……特別、ですよ……」

「ありがと~。お礼にいーこいーこしてあげよう」

「ふみゅみゅぅぅぅ……」



88 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:14:23.53 ID:0VoTJy5V0



「はぁ、バカップルですなぁ~」

「律先輩もそう思いますか?」

「そりゃ、誰だって思うっしょ。……あれをバカップルと呼ばずして何と呼ぶ」

「あの……、律さん、純ちゃん」

「ん?あぁ、憂ちゃんは流石にそうも思わないか」

「いえ、バカップルだと思いますけど……」

「おぅ……実の妹公認ですよ、律先輩」

「だな……」

「そんな事より、そろそろ始めませんか?もう八時半過ぎてますし」

「それもそうだな……、よし。お~い、そこのラブラブなお二人さん!こっちだぞ~」

「……ラブラブって……」

「いいじゃん、ラブラブで。幸せのおすそ分けをしてるって事で。ね♪」

「……そうですね」

「おーい、早く来いよぉー!」

「「はーい!」」



89 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:14:50.06 ID:0VoTJy5V0




「さて、みんな揃ったな。それじゃ早速……とその前に、ナレーターさん」

「はい、なんですか?」

「もうこの先には誰の台本にも『個別指令』は書いて無いって思って良い?」

「えぇ、それで大丈夫ですよ。それで、律さんは何処を手直しした方が良いと思うんですか?」

「あぁ、その事なんだけど……このままじゃ確実にバッドエンドじゃん?」

「それは……そういった物語ですし……」

「でもさ、出来ればハッピーエンドの方が良くないか?私はそう思うんだけどな」

「確かに、りっちゃんの言う通りね。私もハッピーエンドの方が良いと思います!」

「成る程。ではこれをどうやってハッピーエンドに変えますか?」

「そうだぞ、律。ストーリーも結構進んでいるんだからあまり無茶は出来ないぞ」

「大丈夫、そこら辺はちゃーんと考えてあるからさ」

「では、何処を手直ししましょうか」

「えーっと、まずは……このシーンを……こんな感じにして……」

「……ほほぅ……それならば、この台詞もこんな感じにしますか?」

「おぉ!ナレーターさんナイスアイデア!」

「お褒めにあずかり恐悦至極です」



90 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:15:22.84 ID:0VoTJy5V0


「んでもって次に……ここを……こんな演出で……こんな風に……こう」

「それは……時間との戦いですね。齋藤さん、どうですか?」

「そうですね……今夜いっぱい有れば大丈夫かと」

「ホントに!?齋藤さん、ありがとうございます!!」

「あ、じゃぁその次のシーンをこんな風にするのはどうかしら?」

「ムギも良いアイデア出すじゃないか~」

「あの、律先輩。私もアイデア出して良いですか?これだと翁と嫗が……」

「確かに、純ちゃんの言う通りだな……、んじゃぁどうしたい?」

「ここの台詞をですね……こんな……それで……こう。どうですか?」

「うんうん、良いんじゃないか?これならみんなハッピーエンドだし」

「ちょっと待ってよ律……これじゃ私だけバッドエンドよ」

「そっか……難しいなぁ、みんなハッピーエンドってのは……」

「大丈夫よ。私の台詞をこんな感じに……ほらね」

「おぉ!さっすが和!てかこんな台詞よく考えついたなぁ」

「みんなで話し合っているのを見たら、何となく、ね」

「あ、それじゃぁ私からも良い?最後なんだけどさ……」
 ・
 ・
 ・



91 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:16:21.61 ID:0VoTJy5V0


「フゥ……こんな感じで……大丈夫かな?」

「大丈夫だと思うぞ。律、お疲れさん」

「いやいや、私は単にまとめただけだし」

「でも、これならみんながハッピーエンドになるわ~」

「本当ですね」

「りっちゃん隊長!ありがとうございます!!」

「……では、これで決定として宜しいですか?」

「私はオッケーだよん」

「皆さんも……宜しい……ですね。ではこれに沿って明日は進ませていただきます。あ、齋藤さん」

「はい。これより明日の準備に入らせていただきます」

「すみません、私の我が儘で御迷惑をおかけします」

「いえいえ、良いものを作るためならこの程度は大した事ありませんよ、律さん。
 では、失礼して作業に入らせていただきます」

「齋藤さん、お願いします。……ではこれで解散といたします……か?」

「あ、うん。それで良いんじゃないかな」

「それでは、明朝また。皆さんおやすみなさいませ」

「「「「「「「「「おやすみなさーい」」」」」」」」」



92 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:17:59.74 ID:0VoTJy5V0






あーあー、てすてす、あーあー。

……いっちっごっパッフェが とっまーらないっ♪

うーん、もういっちょいきますか!!!

カーレーちょっぴり ライスたぁっぷりっっ!!!

よっし!今日も絶好調!!


「……おはようございます。あの、ナレーターさん……今のは一体……?」

えっ!?あ、の、和さん、ず、随分とお早いですねっ!

「えぇ。セットの装置をテストするって齋藤さんに言われたので。それで、その、さっきの歌声は……」

あー、その、まぁ、マイクテスト的な事でして……っと、齋藤さん!!和さんがいらっしゃいましたよ!!

「和さん、おはようございます。お待ちしておりました」

「あ、齋藤さんおはようございます。それでその装置って……」

「こちらです。本来は衣装の中に仕込まれるのですが、
 テストなので今の服の上から着けますね。先ずはこのベストを着ていただいて……」



93 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:18:32.38 ID:0VoTJy5V0




「「「おはようございまーす」」」

律さん、澪さん、紬さん、おはようございます。

「ナレーターさん……和ちゃんは一体何をやっているんですか?」

舞台装置のテストです。後は動きの確認ですかね。

「うはぁっ!面白そう!!齋藤さーん!!」

「皆様おはようございます。律さん、どうされましたか?」

「ねねっ!テストってあとどんくらいで終わる?」

「そうですね……二、三分で終わります」

「じゃぁさ!そのあと私がこれ着けて飛んでみても良い?」

「えぇ、構いませんよ」

「いやったぁぁぁーーー!!」



94 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:19:07.18 ID:0VoTJy5V0


「あ、私もやりたいなぁ~」

紬さん……スカートでやるんですか?

「え?あ、そっか……残念」

「澪は……スカートじゃないから出来るな~」

「わ、私はやらないぞっ!」

「えぇ~、別に高い所まで上げる必要無いじゃん。ちょっと足が浮く程度なら平気だろ~?」

「そ、そんな事よりメイクして着替えないといけないじゃないかっ!
 だからわたしはさきにいってるぞっ!!」

「……全く、相変わらず臆病なんだから」

「でも、二人きりだと違うんでしょ?」

「まぁ、澪が色々とリードする時の方が多いかなぁ……ってムギ!」

「えへへ~、ごめんなさ~い♪」

「ったく……」



95 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:19:39.12 ID:0VoTJy5V0




「「「おはようございまーす」」」

さわ子さん、憂さん、純さん、おはようございます。

「おーい!!みんなおはよう!!!」

「あ、おはようございまーす!!律先輩、何をされているんですかー?」

「見ての通りだよー!純ちゃんもやってみるかーい?」

「えっ?良いんですか!?齋藤さん!」

「えぇ、まだ皆さん揃っておられませんので大丈夫ですよ」

「やったー!憂もやるよねっ!!」

「え?う、うん……私はやっても大丈夫だけど……ね、純ちゃん……本当にやるの?」

「え?だってまだ急ぐ必要無いし」

「あ、そうじゃなくて……純ちゃん、今日、フレアミニ、だよ」

「ん?あぁ、大丈夫。こうやって……裾を足で挟んじゃえば……ほらね」



96 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:21:23.24 ID:0VoTJy5V0



「成る程、そうやれば良いのね……じゃぁやっぱり私もやる~」

「はぇっ!?あ、じゃぁ、ムギ先輩、お先にどうぞ」

「うふふ~、スカートだから出来ないんだと思ってたのよね~。……あ、でも純ちゃんからどうぞ~」

「……いいんですか?」

「えぇ。見本を見てからじゃないと……ちょっと心配だから……」

「まぁ、それもそうですね……」

「みんな元気ねぇ……私は一足先にメイク室行ってるわね」

「はーい!……律せんぱーい!早く交代してくださいよぉー!」

「オッケー!!」



97 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/24(日) 23:21:53.40 ID:0VoTJy5V0




「「おはようございまーす」」

唯さん、梓さん、おはようございます。もう皆さん揃ってますよ。

「ほら、言った通りじゃないですか」

「だって、おふとんさんが中々離してくれないから……」

「はいはい、それはもう何回も聞きました。えっと、ナレーターさん、皆さんメイク室ですか?」

はい、おそらく皆さんお待ちかねですよ。

「それは大変だ!あずにゃん、急ぐよ!!」

「今更そんなに慌てても遅いですよ!てゆーかそんなに強く手を引っ張らないで下さい!!」

「レッツゴー!!!」

「あぁぁーーーれぇぇぇぇーーーー」

……ご愁傷様です。



100 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/29(金) 00:34:55.71 ID:p4ZanQb/0






さて、皆さん準備は宜しいですか?

「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」

それでは、昨日の続きからスタートしますね。


梓姫と帝が出会ってから三年の月日が流れました

その間も二人は文を交わし、今では互いに本音を言い合える仲となりました

そんなある日の事です

翁と嫗は梓姫の様子がおかしい事に気が付きました

毎夜毎夜、空を眺めては溜め息をつく事が多くなっていたのです


「梓姫や、どうした?」

「お爺さま……いえ、何でもありません」

「何でも無い訳は無いでしょう。それとも、私やお爺さんには話せない事なの?」

「……あの、驚かないで聞いていただけますか?」

「驚く……?わかった、話してみなさい」



101 名前: ◆GLPLA.M.6I:2011/07/29(金) 00:35:45.33 ID:p4ZanQb/0


「実は……私は月の住民……月の都の姫なのです」

「……それは本当なの?」

「はい……それで、今度の満月の夜、月からの使者が私を迎えに来るのです」

「今度の満月……今宵は上弦、つまり一週間後という事か」

「はい」

「……それは、避けられぬのか?」

「……決まり事なので……恐らくは、無理かと」

「その言い方だと、もしかしたら避けられるかもしれないのね」

「多分……無理でしょうが……」

「何事もやってみなければわからぬだろうて。よし、早速帝に知らせようぞ。婆さんや」

「はい、メールしておきましたよ」

「……憂、早過ぎ」

「だって……その方が良いかなって……」

「まぁ、そうなんだけどさ」



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