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唯「恐怖新聞……?」 【ホラー】


http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1285938803/




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/01(金) 22:13:23.48 ID:BKDzQ5V8O

唯「って、な~に?」

梓「最近学校で噂になってる、オカルト話ですよ。唯先輩のクラスでは話題に挙がらない?」

唯「えへへっ、私最近お昼寝が多いから……それに、私オカルトってあんまり興味ないし」

澪「な、なあ。その話は止めにしないかな……」

律「へへ~。澪はその話題が出る度に震えてるもんな」

澪「う、うるさいっ!」

紬「まあまあ澪ちゃん。ただの噂よ」





3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:18:20.85 ID:BKDzQ5V8O

澪「だ、だって怖いじゃないか! 深夜0時に新聞が届くなんて……」

律「寿命が100日縮むおまけ付きだしな~」

梓「二年生の人が実際に新聞が来るのを
  見たとか見なかったとか……そんな話ばっかですよ」

唯「ムギちゃん、お茶おかわり~」

紬「ふふっ、はいはい」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:28:46.22 ID:BKDzQ5V8O

律「お前は緊張感が全くないな」

唯「うん。お茶美味しい~」

紬「ふふっ。でも、気にしすぎるのもよくないかもしれないわね?」

澪「……」ガタガタ

唯「そうだよ~。そんな新聞読まなきゃいいんだよ~」

律「いや、だから無理やり届けられてだな……」

梓「そうですよ。いくら唯先輩が明るい性格してても霊が来たら……」

唯「その時はその時だよ~」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:30:47.23 ID:BKDzQ5V8O

……。

唯「ただいま~」

憂「あ、おかえりお姉ちゃん」

唯「えへへ~今日のご飯はな~に?」

憂「今日はカレーだよ」

唯「うわぁい」

憂「ちゃんと手洗いとうがいしてね。もうすぐ出来るからね」

唯「はいは~い」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:37:55.41 ID:BKDzQ5V8O

憂「そういえばさ」

唯「ん?」

憂「お姉ちゃんのクラスでも……恐怖新聞の噂、流行ってるの?」

唯「ん~、みんなはよく話してるみたいだけど、私は興味ないから」

憂「そっか~。でも、こういう怪談って小学校の時はワクワクして聞いてたよね」

唯「そうかな~。私はユーレイとかあんまり信じないから……別にって感じ」

憂「じゃあ、恐怖新聞の噂もあまり怖くないの?」

唯「全然だよ~」

憂「ふぅ~ん……」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:42:01.85 ID:BKDzQ5V8O

……。

唯「……眠れない、今何時だろう……」

唯「もうすぐ0時かぁ~……やっぱりお昼寝がマズかったなあ」

唯「まあ、布団に入ってれば眠気なんて眠気なんて……」

唯「……すぅ」

タッタッタッ。

タッタッタッ。

唯「ん……外から?」

……。

唯「気のせいかぁ~」


トントントン。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:46:05.54 ID:BKDzQ5V8O

唯「ひっ! ま、窓……?」

トントントン。

唯「ゆ、憂? 外にいるの、ねえ?」

『……まいど~。こちら恐怖新聞ですが……新聞とってくださいよぉ』

憂「!」

『ねえっ、新聞とってくださいよ~。
 早く早く、ここを開けてもらえませんか~』

唯「な、なんで……今、確かに恐怖新聞って」

『ほらあ、お願いしますよ~。早く開けないと……』

『無理にでも……開けてやる!』

ガシャーン。

唯「ひいっ!」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:50:48.75 ID:BKDzQ5V8O

『ご愛読、ありがとうございま~す。
 これから毎晩配達させていただきますので……では』

タッタッタッ。

唯「……」

唯「あ、あははっ、夢を見てたみたい。そうだよ、うん」

トントントン。

唯「ひいっ!」

憂「お姉ちゃん、どうかした? 入るよ!」

唯「う、憂……」

憂「な、なにこれ……何で窓割れてるの?」

唯「じつは、じつはぁ~……」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:53:58.10 ID:BKDzQ5V8O

憂「窓を割って新聞が?」

唯「……」コクッ

憂「……でもお姉ちゃん。その新聞は一体どこにあるの?」

唯「ほ、ほら、そこに……あれ?」

唯(新聞が……消えている)

憂「ふぅ……寝ぼけたの?」

唯「あ、あははっ。そうかも~」

憂「……とにかくガラスだけ片付けちゃうから、布団に入ってて」

唯「は~い……」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:57:50.14 ID:BKDzQ5V8O

憂「はい、これで終わり。じゃあお姉ちゃん、おやすみ~」

バタン

唯「……」

唯「新聞、やっぱり無いよね」

唯「疲れちゃった……私も休もっと」

唯「おやすみなさい……」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:03:04.55 ID:BKDzQ5V8O

律「よっ、おはよう唯」

唯「う、うん。おはようりっちゃん」

律「ん……なんか元気ないな。体調悪いのか?」

唯「だ、大丈夫。なんでもないから……」

律「……さては、昨日恐怖新聞でも来て寝不足になったとか、なんてな」

唯「!」

律「ははっ、唯の所には新聞なんて来るわけないよな。
  ま、辛かったら保健室行こうな」

唯「う、うん……」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:06:33.84 ID:BKDzQ5V8O

ガサゴソ

唯(ううっ、昨日のは本当に夢だったのかな?)

ガサゴソ

唯(……でも、窓は割れてたし憂だって出来事を覚えていたし……)

ガサゴソ

唯(はぁ……)

カサリ

唯(ん、カバンの中、変な手触りが……っしょ)

『恐怖新聞』

唯「!!」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:11:24.60 ID:BKDzQ5V8O

唯(な、な、なんで新聞がカバンの中に?)

さわちゃん「ん……平沢さん、どうかした?」

唯「っ! せ、せんせー! ちょっとトイレに行ってきます」ガタッ

さわちゃん「まあ、いいけど……カバンは置いていきなさいよ?」

唯「そ、それは……ごめんなさいっ!」

さわちゃん「あ、ち、ちょっと! ……行っちゃった」

澪「変な唯……」

律「ほら、唯も一応女の子だから」

さわちゃん「そこ、静かに。HRを続けるわよ」

律「は~い」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:14:27.22 ID:BKDzQ5V8O

トイレ。

唯「はぁ……はぁ……」

唯「どうなってるの? なんでカバンに……」

唯「探しても見つからないわけだよね。でも、今朝見た時は新聞なんて……」

ソーッ

『恐怖新聞』

唯「……ゴクリ」

唯(どうしよう、読む……読まない……なんだか、怖いよぅ……)



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:24:25.27 ID:BKDzQ5V8O

唯(ええっと……これを読んだら、確か寿命が100日縮まっちゃうんだよね)

唯(で、中に書いてある事は……書いてある事……あれ?)

唯(内容は。何が書いてあるんだっけか?)

唯(……こんな事なら私も噂に参加してればよかったよ~……)

『恐怖新聞』深夜刊

唯(考えても……仕方ないよね……)

唯「えいっ!」

……。

『平沢唯の元に、恐怖新聞来たる!』

桜ヶ丘高校で噂となっていた「恐怖新聞」が、
本校生徒である平沢唯(17)の元に恐怖新聞が届けられる事となった。



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:30:13.06 ID:BKDzQ5V8O

また、彼女自身はオカルトには興味の無い様子だったが、
本新聞を読むうちにその考えも変化していく事であろう。


唯「なんで……私の名前が……」

唯「ほ、本物? 本当に本物の恐怖新聞……
  こ、これから私ど、どうしよう……」

唯「み、みんなに相談しよう!
  新聞の情報をもっと集めないと! よ、よ~し……」

ガサッ。

唯「早く教室行かなくちゃ……」

……。

『隣のお婆ちゃんが、交通事故に』



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:34:26.36 ID:BKDzQ5V8O

ガララッ。

澪「あ、唯。おかえり」

唯「う、うん……」

紬「本当に具合悪そうね。大丈夫だった?」

唯「わ、私は平気だよ!」

唯(授業が始まる前でよかった……早くみんなから話を……)

律「ふふ~、唯。なんと一時間目は自習になったんだぜ?」

唯「え……自習?」

律「なんか、さわちゃんが急用で職員室に呼ばれてさ。結局自習だって」

唯「よかった……ね、ねえみんな」

「?」

唯「恐怖新聞について……聞きたいんだけどさ」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:38:17.82 ID:BKDzQ5V8O

澪「と、とうとう唯までっ!」

律「なんだぁ~いきなりだな~。どういう気持ちの変化だよ?」

唯「えへへっ、何となく……
  (新聞が来たなんてまだ言えないよね)……」

紬「それで、何が聞きたいの~?」

唯「えっと、寿命が縮まる事は知ってるんたけど……
  新聞には何が書かれてるんだっけ?」

律「ん~、噂によると、
  配達された次の日の出来事が書いてあるらしいな」

唯「次の日……予知能力みたいな?」

澪「……」ガタガタ



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:44:45.91 ID:BKDzQ5V8O

紬「ええ、ずいぶん正確に物事が書いてあるみたいよ」

唯「そ、そうなんだ……」

律「一回見てみたい気もするけどな~」

唯「……あ、あのさりっちゃん。これなんだけど」

カサッ

律「ん……んおっ! 恐怖新聞が!」

澪「きゃうっ!」

紬「ええ~本物?」

律「……って、んなわけあるかい。これ、ただの新聞だよ」

唯「え、そ、そんな!」

『読京新聞』

唯「お、おかしいよこんなの……」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:48:13.46 ID:BKDzQ5V8O

律「いやあ、小道具を仕込むなんて唯もなかなかやるじゃないか~」

唯「ち、違うよ! 私は本当に……」

澪「や、やめろよなゆい……」ガタガタ

紬「一瞬本物かと思ってビックリしちゃったわよ~」

唯「っ……!」

タタタタッ。

律「ゆ、唯!?」

紬「またカバン持ったまま……おトイレかしら?」

律「なんなんだよ、まったく」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:54:57.73 ID:BKDzQ5V8O

再びトイレ。

唯「し、新聞……」カサリ

『恐怖新聞』

唯「やっぱり、私にしか見えないんだ……」

『……交通事故』

唯「ん? まだ記事がこっちに続いて……」


『隣のお婆ちゃんが、交通事故』

唯「! お、お婆ちゃんが!」

本日午後10時30分頃、平沢家の隣に住む、
一文字とみさんが交通事故で亡くなった。

とみさんは買い物に出掛ける途中だったが、
歩行者信号を無視した乗用車とぶつかり即死した。

唯「う、嘘……」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:02:55.24 ID:BKDzQ5V8O

現場には目撃者がおらず、車はそのまま逃走したという。
とみさんの葬儀は来週の日曜日に実家の方で……。

バサッ!

唯「こ、こんなの……嫌だよ! 嘘だよ!」

紬『かなり正確に物事が書いてあるみたいよ』

唯「……確かに、私の事は書いてあったけど……
  お婆ちゃんが死んじゃうなんて……」

唯「……」

『ふふふっ、俺の新聞はおもしろいだろう?』

唯「!」

『それで寿命が縮まるなら、安いものだよなあ』

唯「だ、誰!」

『その新聞をお前に届けた……悪霊だよ』

唯「……!」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:08:27.67 ID:K3BUmHFvO

唯「……」

『どうした、せっかく出てきたんだ。少し話をしようじゃないか』

唯「お、お願いします。
  お婆ちゃんの事故だけは起こさないで下さい。お願いします……」

『はっはっはぁっ! それは俺の仕業じゃないから無理だぁ~。
 俺は今日の記事を書いて届けるだけだからなぁ……
 間違いなく、そいつは死ぬぞ』

唯「そ、そんな……」ガクッ

『まあ、お前はせいぜい新聞でも眺めているんだな……
 まだ俺の記事は残っているんだ、フフッ……フハハハハッ!』

唯「……」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:17:58.76 ID:K3BUmHFvO

唯「しんぶん……」

ペラッ。

彼女と最後に話をした、近所の平沢唯さんは
『ケーキを買ってきてくれるはずだった』と語る。

唯「私……?」

近所では、夜中にお年寄りを一人で出歩かせないように声を掛け合い
今後の地域の発展を目指すようである。

唯「……」

唯「お婆ちゃん、私がケーキ食べたいって言ったから死んじゃうんだ……」

唯「うっ、うっ……私、ケーキなんていらない……いらないのに」

唯「……いらない? もしかして……」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:23:10.69 ID:K3BUmHFvO

……。

唯「え、これをお婆ちゃんの家に?」

憂「うん、私夕飯のお片付けしないと……だから、お姉ちゃんが届けてくれない?」

唯「う、うん! いってくる!」ダダダッ。

憂「あ、寝る前なんだから
  お菓子はご馳走になっちゃ……もう、お姉ちゃんてば」


唯「はあっ……はあっ……」

ピンポーン。

……。

『はい、どなたですか?』

唯「お、お婆ちゃん! 私! 私だよ!」

『おや、唯ちゃんかい。待っててね、今ドア開けるから』



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:27:57.64 ID:K3BUmHFvO

おばあちゃん「はい、お茶。ありがとうね、わざわざお使いに来てくれて」

唯「……」

おばあちゃん「今、何かお茶請けにお菓子を……あれ? 何もないみたいだねぇ」

唯「!」

おばあちゃん「よいしょっ、唯ちゃん何か食べたい物あるかい?
        おばあちゃんがちょっとそこまで……」

唯「……おばあちゃん!!」

ギュッ。

おばあちゃん「ん……どうしたんだい?」

唯「いらない……私、ケーキなんていらないから……」

おばあちゃん「おや、ケーキかい? それなら駅前のお店がまだやっていてね」

唯「いらない! おばあちゃんがいればいいの!」ギューッ

おばあちゃん「唯ちゃん……?」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:31:26.04 ID:K3BUmHFvO

唯「……」

おばあちゃん「わかったよ、そんなに唯ちゃんが言うならお家にいようかね」

唯「本当に? 今日はもう外に行かない?」

おばあちゃん「うん。ケーキはまた今後買ってきてあげる」

唯「……よかった、よかったよぉ……ぐすっ」

おばあちゃん「唯ちゃん、はいティッシュ。泣く事なんてないんだよ?」

唯「よかった、おばあちゃんがいる……おばあちゃんが……」

おばあちゃん「おやおや、ふふっ」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:38:55.23 ID:K3BUmHFvO

午前0時。唯の部屋

唯(恐怖新聞に書いてあった時間を過ぎても、
  おばあちゃんは家にいたから……大丈夫)

唯(うん、大丈夫なはず……)

タッタッタッ。

唯(ん……)

『しんぶ~ん』

唯(き、きたっ!)

ガサッ。

『恐怖新聞』深夜刊
『交通事故、起こらず』

本日午後10時30分に起こるはずだった交通事故は、
一文字とみさんが時間になっても外出をしていなかったので、起こる事はなかった。
平沢唯が彼女と話し、予定が狂ったためにこうなったと言える。

唯「よ、よかった。生きてるんだ……」

『ぁあ……よかったなぁ……』

唯「!」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:45:19.41 ID:K3BUmHFvO

唯「……助けてくれたの?」

『俺は記事を書くだけだ……』

唯「……ねえ、もしかしてさ、本当はいい霊なの?」

『いい霊だと? ふふっ、俺はお前を殺したくて仕方ないのさ』

唯「っ……」

『机にあるカッターナイフをな……こう……』スッ

唯「ひっ!(う、浮いてる……)」

『このまま、お前の喉にグサリ、とだって出来るんだ……フフッ』

唯「……」

『まあ、それは後のお楽しみだ』カシャーン

『そして、これは土産だ。これを読んで、
 また明日の新聞を楽しみにしてるんだな……ふふっ……ぁははぁあ……』



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:52:28.32 ID:K3BUmHFvO

唯「また新聞……内容は……」ペラッ

『恐怖新聞』特別刊
『平沢唯、行方不明』

桜ヶ丘高校に通っていた平沢唯さんが失踪し、
捜索願いが出ている事がわかった。

彼女は、一文字とみさんが亡くなった後
すっかり意気消沈してしまい周囲も心配した様子だったという。

学校にも行かず、食事も満足に摂っていなかった様子を、
妹の平沢憂さんが語ってくれた。


唯「……まだある」



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:59:40.78 ID:K3BUmHFvO

『乗用車から惨殺死体!』
本日午後10時30分ごろ、
一台の車から若い男女の死体が発見された。

顔面や身体全体を刃物のような物で
切り刻まれた後があり、身元の確認を急いでいる。

また、車のボディーにはへこみなどの傷がある事から
事故車両の見方も強めている。

何らかのトラブルに巻き込まれた疑いもあり、
警察は慎重に捜査を進めている。


唯「……」

『ふふふふふ……ぁはははぁあはは……』


唯の頁



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:08:38.97 ID:K3BUmHFvO

『しんぶ~ん』

唯「はっ……き、きたっ! 恐怖新聞!」

カサッ。

唯「……」

『恐怖新聞』
『けいおん部の部室で怪奇現象』

本日放課後、けいおん部の部室から奇妙な物音が聞こえ始めた。
音の正体は不明だが、
数日は鳴りやむ事もなく部員も迷惑している様子だ。

解決のため部員は様々な方法を試みるが、
結局その音が止む事はなかった。


唯「今度は……部室!」



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:26:23.05 ID:K3BUmHFvO

放課後

紬「はい、今日はクッキーを持ってきたの~」

律「うは~、いただき!」

梓「律先輩! ズルいですよ!」

律「早い者勝ちだよ~だ」

唯「ん……」

紬「唯ちゃんは手を伸ばさないの?
  おかわりもあるから遠慮しないでね?」

澪「……なんだ最近元気無いよな」

律「唯、珍しく悩み事か~?」モグモグ

梓「律先輩、お行儀悪いですよ」

唯「だ、大丈夫。ちょっと寝不足な……」

ピシッ

律「ん?」



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:30:40.38 ID:K3BUmHFvO

律「いま、何か聞こえたか?」

紬「え~? 何が?」

律「いや、なんだかこう……」

ピシッバチッ

澪「!」

梓「な、なんですかこれ。一体どこから……」

唯「天井……」

バチンバチッ!

律「ひいいいい!」

紬「な、なにかしら……本当に」

和「……これはラップ音ね」

唯「あ、和ちゃん……」



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:35:04.60 ID:K3BUmHFvO

和「ごめんなさいね。扉が開いてたから、つい入っちゃった」

ピキッパチッ。

澪「ね、ねえラップ音って?」

和「簡単に言うと、霊がいるときに出る音の事。
  ほら、この何かを弾くような……」

梓「れ、れ、霊が!」

澪「……」ガタガタ

パチッパチッ


唯「和ちゃん、もしかして霊感とかあるの?」

和「ううん、知識でしっているだけだよ。
  霊が見えた事なんて一度も無いの」

唯「……ね、一個聞いてもいいかな?」

和「?」

唯「あのね、もしいきなりカッターが独りでにさ……」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:41:30.00 ID:K3BUmHFvO

和「……それは、ポルターガイスト現象かしら。
  幽霊が勝手に物体を動かしたりするの」

パチッパチッ

唯「動かすだけ?」

和「他にも、何かを叩いたり火を燃やしたり……
  自然に起こり得ない事を指す場合が多いかしら」

律「このパチパチ言ってるのもか~?」

和「さあ……そういう話もあるみたいだけど、そこまで詳しくは……」

バチッパキッ

澪「な、なんとかならないのか?」

和「ん~、塩でもまいてみたら?」

紬「一応塩はあるけれど……」スッ



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:45:42.67 ID:K3BUmHFvO

パキッパチッ

律「だめかぁ~」

和「天然塩でダメなら、本当にお清め用の塩を使うしかないでしょうね。
  食卓塩なんてもっての他みたいだし……」

唯(うう、知識が無いからさっぱりだよぉ……)

梓「あ、あれ? トンちゃんの動きが」

澪「ん? 震えて……いるのか?」

梓「普段はこんな動き、絶対しませんよ……」

律「なんだか、私たちに何か言いたげだな」

トンちゃん「……」スッ

唯(向こう? あっ……)

『ふ、ふふ……見つかったなぁ』



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:53:12.76 ID:K3BUmHFvO

律「ん、どうした唯?」

澪「そんな怖い顔して……こっちまで不気味になるだろ」

紬「?」

梓「唯先輩?」

和「唯?」

唯「みんな……(見えてないんだ?)」

『ああ、お前にしか俺は見えていないぞ……』

唯(この音は、やっぱり霊さんの仕業なの?)

『ふふ……せっかく名前を教えてもらったんだから、
 そっちで呼んでもらいたいな』

唯(ポルターガイスト……)

ポルターガイスト『……その女のいう通りさ。これは俺が出した音でもある、が……』

バシャバシャ

梓「ト、トンちゃん!」

和「暴れてる……いきなりどうしたのかしら?」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:01:53.03 ID:K3BUmHFvO

『せいぜい、悩めばいいさ、ふははっ』スッ

……。

律「どうだ、梓」

梓「もう大丈夫みたいです。病気ってわけでもないみたいで……」

和「ラップ音……動物が暴れる。幽霊でもいたのかしらね」

澪「ま、また幽霊っ!」

和「だって、亀には霊的な力があるって言うじゃない。万年も生きるんだから、って」

澪「な、なんでもいい! わ、私……こんな部室じゃあ絶対練習しない!」

律「おいおい、冗談だろ澪」

澪「い、や、だ! こんなパチパチ言ってる部室なんて嫌いだ!」

和「……」

和「一つだけ、この音を消す心当たりがあるけど」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:10:32.85 ID:K3BUmHFvO

午前0時

『しんぶん~』

唯「き……きたっ!」


『恐怖新聞』深夜刊
『けいおん部の部室を除霊!』

桜ヶ丘高校けいおん部の部室が明日除霊される事がわかった。
本校生徒会長の真鍋和さんによって提案されたこの方法は、
霊の怒りを大きく買ってしまう事となる。

なぜなら除霊をされる事を一番嫌っているからだ。

わかったなら さっさと除霊をやめろ さもなくば殺す


唯「……!」

殺すの文字だけが赤く染まっている。
何かの塗料だろうか、不気味に光っている。



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:17:03.79 ID:K3BUmHFvO

……。

和「おまたせ。本日お世話になる……」

神主「うおっほん、わがありがた教が来たからにはもう安心。ありがたやありがたや」

律(……おい、大丈夫かよあのおっさん)ヒソヒソ

澪(和ちゃんの紹介だから大丈夫だとは思うけど)ヒソヒソ

神主「では、今から除霊を行うぞよ。みんな必死に祈り、強い心を持つように」

梓「わ、私もお祈りするんですか!」

紬「……みたいね」

神主「では、はじめましょうぞ」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:22:27.86 ID:K3BUmHFvO

神主「はぁ~……ありがたや、ありがたや!」

唯(どうしよう、結局みんなに言えず除霊の時間になっちゃったけど)

神主「あ~りがたやったらありがたや!」

唯(どうか、このまま何も起きないでいて……)

バチッ! バチッ!

神主「むお~、きたきた! ありがたやっ、ありがたやっ!」

唯(な、なんか昨日より音がおっきいよぉ~……)

ポルターガイスト『半端な霊力しか持たない蝿が……あれほど除霊はやめろと言ったのに』

ガガガッ!

律「ロ、ロッカーが!」

神主「はぁあああ~ありがたやありがたやありがたや」

ポルターガイスト『うるさいぞ! 少し黙ってろ!』

ガッ!



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:27:44.91 ID:K3BUmHFvO

神主「……うう~ん」バタリ

澪「か、神主さんが!」


ヒュッ! ヒュッ!

和「椅子まで飛んで……ここは危険ね。みんな! 避難して……」

ポルターガイスト『させるか!』

ガツッ!

和「あうっ……」

唯「和ちゃん!」

和「ううっ、大丈夫、血は出てないから……」

唯「ポルターガイスト……!」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:33:20.35 ID:K3BUmHFvO

ポルターガイスト『は、ははは、除霊なぞに手を出すからこうなるんだ。次は……こいつだ』

唯(パ、パイプ椅子が折れて剥き出しに……)

ポルターガイスト『そこにいる、小さいのから……ほれ!』

梓「き、きゃあああっ!」

唯「あずにゃん!」

トンちゃん「……」ピキッ

……スッ

ポルターガイスト『!』

梓「あ……」

律「梓! 大丈夫か?」

澪「イ、イスが消えた?」

ポルターガイスト『むぅ……これは……守護霊か』



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:37:21.04 ID:K3BUmHFvO

トンちゃん「……」ピキッ ピキッ

ポルターガイスト『よ、よせ……やめろ……』

唯「霊が苦しんでいる……!」

トンちゃん「……」ピキッ

ポルターガイスト『うぅ……あぁぁ……ぁ……』シュゥッ

唯「消え……た」

……。

神主「はっ? わ、私は一体?」

和「……もう、何の物音もしません。今日はありがとうございました」

神主「? ! う、うむ。ありがた教のお陰である。
   また何かあったら頼りなさい。ありがたや~ありがたや~」

澪「……」ガタガタ

律「本当に……幽霊の仕業だったのかな?」

紬「さあ? 私たちには分からないわ……霊なんて見えてないんですもの」

梓「……」

唯「あずにゃん?」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:41:32.88 ID:K3BUmHFvO

梓「私、トンちゃんが守ってくれた気がするんです。
  甲羅が光って、こう……私を包んでくれるみたいに……」

紬「確かにイスが消えたのは見たけど~」

澪「トンちゃんが……ねえ」

トンちゃん「……」

和「まあ、何にしても問題解決ね。じゃあ、部室だけ片付けちゃいましょう」

唯「ええ~、明日でいいじゃん~!」

律「おっ、いつもの唯に戻ったか~?
  じゃあ明日には、すぐにお菓子を食べられるようにしないとな~」

唯「うう~……」

和「ほら、早くやっちゃいましょう」

紬「ふふっ」

梓「えへへっ、トンちゃん……」



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:45:59.09 ID:K3BUmHFvO

律「じゃあ梓、またな~」

梓「はい、さよならみなさん」

……。

梓「ふう、ねえトンちゃん。今日はありがとうね」

梓「私、夢でも見てたみたい。死んじゃうかと思ってた……でも」

トンちゃん「……」ピキッ

梓「トンちゃんがいたから、こうして元気にいられるんだよ……ありがとうね」

トンちゃん「……」ピキッ

梓「もう、話ちゃんの聞いてる?
  そんなに私の後ろが気になるの? 大丈夫だよ、トンちゃんが……」

ポルターガイスト『……』

梓「私を守ってくれたから……」

トンちゃん「……」ビキッ



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:49:36.81 ID:K3BUmHFvO

唯「うい~、ご飯おかわり~」

憂「は~い。今日はよく食べるね~」

唯「へへ~、悩みのタネが無くなったからね!」

憂「ふ~ん。お姉ちゃんが元気なら私も元気だよ」

唯「もう~、かわいいなぁ、うい~」

唯(ポルターガイストは光の中へ消えていった……)

唯(トンちゃんが除霊してくれたんだよね、きっと)

唯(だから、私はもう恐怖新聞に怯える事は無いんだ……うん)

……。



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:53:38.92 ID:K3BUmHFvO

午前0時

唯(もう、窓だって開けておかなくていいんだもん……えへへっ)
ダッダッダッ

ダッダッダッ

『しんぶ~ん!』

ガシャーン!

唯「!!」

唯「な、なんで……」

『俺を除霊しようなんて考えるなよ……いつか必ずお前たちを殺してやる』

『ふ、ふふ、ふはははははぁはあ……』

唯「……」



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:03:10.10 ID:K3BUmHFvO

『恐怖新聞』深夜刊
『お手柄!トンちゃん』

本日の放課後、桜ヶ丘高校の部室で除霊が行われた。
最初はどうなるかと不安な面々であったが、

部室で飼っているカメのトンちゃんが
中野梓さん(同校けいおん部)の守護霊であり、
その力で霊を追い払うのには成功したようだ。

また、一人で部室に残っていた彼女を殺そうとした所
またもトンちゃんの霊力によって、
非常に残念ながらそれは阻まれてしまった。

しかし二度に渡る攻撃を受け止めたせいか、
今のトンちゃんには仲間を守護をするだけの力は残ってないようだ。
これで、奴に邪魔される次はない。


唯「……」


梓の頁



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:13:37.50 ID:K3BUmHFvO

……。

『しんぶんで~す』

唯「き、きたっ! 恐怖新聞!」

『恐怖新聞』深夜刊
『桜ヶ丘校教師が目撃!UFOの光』

本日夕方7時頃、桜ヶ丘高校けいおん部のメンバーと
顧問である山中さわ子さんが山に消えていく謎の光を目撃した。

車で追いかけた先には、残念ながら光る物体は発見出来なかったが、
翌日の学校での話題はUFO一色となった。

話題の中心であるさわ子さんも、満更ではない様子で笑っていた。


唯「……」



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:20:48.83 ID:K3BUmHFvO

ジャーン!

律「ふぅ、今日はこの辺にするか!」

澪「そうだな……って、もう六時過ぎてるぞ!」

紬「今日はいっぱい練習したわね~」

梓「いつもこれくらい集中してくれれば……」ブツブツ

ガチャッ

さわちゃん「あれ、まだみんないたんだ。帰ったと思ったのに」

律「いやあ、真面目なけいおん部もたまにはいいかなって!」

さわちゃん「でもちょっと残りすぎ。もう生徒なんて誰もいないわよ」

唯「……」



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:24:10.07 ID:K3BUmHFvO

さわちゃん「あ、ねえ。よかったら私の車で帰らない? もちろん全員は無理だけど……」

律「ん~、帰り寄る所があるからパスで」

梓「私も、ちょっと寄り道を……」

さわちゃん「他の三人は?」

紬「私は乗せてもらおうかしら~」

澪「そうだな、私も」

さわちゃん「そう。唯ちゃんはどうする?」

唯「私も……乗ります」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:28:30.52 ID:K3BUmHFvO

車内

さわちゃん「さて、誰のお家から行けばいいかしら?」

澪「近さでいったら……」

……キキーッ!

唯「っと!」

紬「き、急ブレーキですか?」

さわちゃん「……ねえ、あれ見てあれ」

澪「あれ、って?」

フワフワ ピカピカ

紬「何だか空に浮いて……不思議な感じで飛んでいるわね~」

唯「あれは……」

さわちゃん「……UFOよ」

澪「えっ? UFO?」

さわちゃん「そうよUFO! 行くわよみんな、しっかりつかまってて!」

……。



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:32:14.40 ID:K3BUmHFvO

唯(フワフワは、右へ左へ……
  いつの間にか私たちは、山に近い辺りの場所で車を停めていた)


さわちゃん「変ねえ、この辺りに降りてきたと思ったのに」

澪「こ、こんな山の中まで来て……」ガタガタ

紬「大丈夫よ~、道を戻ればすぐ広くて明るい場所に出るから」

澪「で、でもお……」

ガサッ。

さわちゃん「しっ! 黙って……」

唯「?」

さわちゃん「見て、向こうの林の向こう……あれ……」

……ピカピカ。

「!」



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:36:56.31 ID:K3BUmHFvO

澪「光が……」

紬「でも眩しすぎてよく見えないわ~」

さわちゃん「……ちょっと、近付いてみよかしら」

唯「あ、危ないよさわちゃん~」

さわちゃん「平気よ、いざとなったら逃げれば……よっ」

パキッ!

さわちゃん「こ、小枝が!」

……フッ。

さわちゃん「あ……」

澪「光が、消えた……」

紬「一瞬だったわね~」

唯(本当に……UFOだったのかな、あれ……)

……。



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:42:46.25 ID:K3BUmHFvO

「ねえ、聞いた? 昨日の話」

「聞いた聞いた。UFO見ちゃったんですって?」

「あそこの山だって。私も見た~い」

「先生に話聞いてみてさ、いってみようよ」

「賛成~!」

「UFOか~、いいよね~」

「……私は別に、興味ないから」

……。



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:48:28.34 ID:K3BUmHFvO

午前0時

『しんぶんしんぶん~』

唯「……」

『恐怖新聞』深夜刊
『さわ子先生、寝ずの番!?』

桜ヶ丘高校で話題となっているUFO騒動だが
少々事態が大きくなりすぎているようである。

夜中に出歩く生徒が増え、
近隣住民からの苦情も多くなったと言われている。

そこで、話題の中心にいたけいおん部顧問のさわ子先生は
数日の間、目撃現場付近で監視行動をとる事に決めた。

嘘か真か、UFOの目撃情報も多いあの辺り。
何も起こらずにこの一件が終わってくれれば……と当新聞も願うばかりである。


唯「……」



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:53:22.62 ID:K3BUmHFvO

澪「さわちゃんが部室に来なくなって三日かあ……」

律「責任感じてんだろ~な~」

唯「今日も目の下真っ黒だったもんね~」

紬「……ねえ、今日はみんなで先生を励ましに行かない?」

梓「それいいですね!」

律「あちゃ~、悪い。今日はアタシ、あまり遅くまでは活動できないんだよね」

紬「それは残念ね。他の人はどうかしら~?」

唯「私は平気だよ」

梓「大丈夫です」

澪「私も」

律「じゃあ、今回は四人で頼むよ」

唯「了解しました、りっちゃんたいちょ~」



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 03:56:55.83 ID:K3BUmHFvO

現場

さわちゃん「はぁ……疲れるぅ。自分の責任とはいえ、やっぱり辛いわね……」

さわちゃん「来る生徒は減ったからまだ楽だけど、腰にくる~……」

さわちゃん「今日明日で終わりでも、いいかな?」

さわちゃん「大体あれからUFOなんて出ないし、このまま帰ったって……!」

フワフワ フワフワ。

さわちゃん「で、出た! ま、またこっちに来るの~!?」

……。

さわちゃん「降りていったのは向こうの方ね……よし」



94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:00:55.55 ID:K3BUmHFvO

さわちゃん「いた……あの光、前と同じ……」

……。

さわちゃん「でも何かしら、小さい銀色の物体が、
      いくつもいくつも……光の周りにまとわりついて」

……。

さわちゃん「まるで、いきてるみたいに……動いてる」

……。

さわちゃん「あ、光がこっちにむかってきてる。なんだろうきもちいい」

さわちゃん「きもちいい……」

……。

光が、ニヤッと笑った。



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:05:24.62 ID:K3BUmHFvO

紬「ほら、前来たのはこの辺りよ~」

澪「歩きだと、ずいぶん時間かかったな」

梓「もう真っ暗……ですね」

唯「さわちゃんがいれば大丈夫だよ。帰りは乗っけてもらおうよ!」

澪「お前な……」

唯「えへへ~」

パキッ。

梓「ピクッ」

……。

さわちゃん「……」

澪「よかった……さわちゃんだ」

唯「応援に来たよ~」

さわちゃん「ん……」

紬「大分疲れてる様子ね」

梓「大丈夫ですか?」



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:09:42.63 ID:K3BUmHFvO

唯「よかった~。これムギちゃんからお菓子の差し入れだよ~」

さわちゃん「ムギちゃんから」

紬「唯ちゃんがちょっと食べちゃいましたけど……後で食べて下さいね」

さわちゃん「ありがとう」

梓「でも、無事で何よりです。最近姿見ないから心配で心配で」

唯「ねね、でもそろそろ帰らないと危なくない? 真っ暗だよ?」

紬「澪ちゃん、今何時かわかる?」

澪「もう八時近くだな……確かにちょっと遅いかも」

さわちゃん「みんな、送るわよ」

唯「やった~さすがさわちゃん!」

梓「じゃあお言葉に甘えて……帰りましょう」



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:14:11.29 ID:K3BUmHFvO

……。

律「よっ、おはよ」

澪「おはよ。昨日は無事に終わったぞ」

律「うむご苦労ご苦労」

紬「さわちゃん、元気ってわけじゃなかったけど……
  でも監視も昨日で終わらせたみたいよ」

律「そっか。じゃあまた今日からは部室でお茶会できるんだな」

唯「ふふっ、そうだね~」

ガラッ。

さわちゃん「……」

律「おっ、噂のさわちゃん登場だな」

澪「唯、早く座れよ」

唯「は~い」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:17:37.00 ID:K3BUmHFvO

さわちゃん「え~、と。では出席をとりましょうね」

さわちゃん「ムギちゃん」

紬「えっ!?」

さわちゃん「次、澪ちゃん」

澪(澪……ちゃん? 普段はちゃんと名字で……)

さわちゃん「澪ちゃん」

澪「は、はい!」

さわちゃん「え~と、梓ちゃん」

「……」

さわちゃん「梓ちゃんはお休み?」

律「せ、せんせ~。梓は学年が違うからここにはいませんよ~」

さわちゃん「……そう」



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:21:33.86 ID:K3BUmHFvO

さわちゃん「田井中さん。田井中律さん」

律「は、はい? はい……」

唯(先生……どうしたの……おかしいよ)

さわちゃん「じゃあ最後に、唯ちゃん」

唯(だって呼び方だってバラバラだし、あずにゃんだっていないし……)

さわちゃん「唯ちゃん。そこに『いる』ならしっかり返事をしないとダメジャナイ、ノ」

唯(先生……本物の先生は……どこ?)

さわちゃん「モシカシテワタシノカオニ……ナニカツイテイルカシラ?」


……。



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:24:37.34 ID:K3BUmHFvO

午前0時

『恐怖新聞』深夜刊
『恐怖新聞、休刊のお知らせ!』

本日の恐怖新聞は誠に勝手ながら都合により、お休みとさせて頂きます。
次回の配達までもうしばらくお待ち下さい。
皆様にご理解頂けるよう、何卒よろしくお願いいたします。


唯「……」

さわ子の頁



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 04:30:39.46 ID:K3BUmHFvO

今回の新聞はここまでとなります。
それでは次の配達まで、皆さんおやすみなさい。



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